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公開番号
2025038231
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-18
出願番号
2024229038,2020573480
出願日
2024-12-25,2019-07-04
発明の名称
ブライン溶液のセット及び食品生産物をインライン加工するための方法
出願人
マレル・ファーザー・プロセッシング・ベスローテン・フェンノートシャップ
,
Marel Further Processing B.V.
代理人
個人
,
個人
主分類
A22C
13/00 20060101AFI20250311BHJP(屠殺;肉処理;家禽または魚の処理)
要約
【課題】食品生産物の製造及びさらなるライフステージの間、コーティング材料の生産物特性の制御を高める食品生産物のインライン加工のための方法が提供される。
【解決手段】食品生産物のインライン加工のための方法において使用するためのブライン溶液のセットに関し、方法は、工程a)食品生地を、蛋白質を含むコーティング、又は蛋白質とポリマーのハイブリッドコーティングを有する共押出しされた食品生産物の流れに共押出すること、及びb)共押出しされた食品生産物の流れに食品生産物強化工程を施すこと、を含み、前記食品生産物強化工程は、前記食品生産物の流れに、水性媒体中に可溶化された塩を含む第1のブライン溶液、及び水性媒体中に可溶化された緩衝塩を含む第2のブライン溶液を施す工程を含む。本発明は、さらに本発明のブライン溶液のセット及びブライン溶液を含む乳酸塩を使用する食品生産物のインライン加工のための方法に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
食品生産物のインライン加工のための方法において使用するための第1のブライン溶液及び第2のブライン溶液を含むブライン溶液のセットであって、
前記方法は、
食品生地を、蛋白質を含むコーティング又は蛋白質とポリマーのハイブリッドコーティングを有する共押出しされた食品生産物の流れに共押出しする工程、
前記共押出しされた食品生産物の流れに食品生産物強化工程を施す工程
を含み、
前記食品生産物強化工程は、食品生産物の流れに以下:
i)第1のブライン溶液を使用する、コーティング水分含有量低減工程であって、前記第1のブライン溶液は、水性媒体中に可溶化された塩を含む;そして、その後
ii)前記第2のブライン溶液を使用する、コーティングpH固定工程であって、前記第2のブライン溶液は、水性媒体中に可溶化された緩衝塩を含む、
を施す工程を含むことを特徴とする、ブライン溶液のセット。
続きを表示(約 980 文字)
【請求項2】
前記緩衝塩が、少なくとも2.5、好ましくは3.0と5.5の間又は3.5と5.0の間の20℃におけるpKaを有する緩衝塩からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載のブライン溶液のセット。
【請求項3】
前記緩衝塩が、乳酸塩、酢酸塩、リン酸塩及び炭酸塩からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブライン溶液のセット。
【請求項4】
前記緩衝塩が、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムからなる群から選択されることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のブライン溶液のセット。
【請求項5】
緩衝塩の量が、少なくとも5.0、好ましくは5.0と8.0の間のpHを有するブライン溶液になるように選択されることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のブライン溶液のセット。
【請求項6】
前記第1のブライン溶液の塩が、食用塩からなる群から選択されることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のブライン溶液のセット。
【請求項7】
前記第1のブライン溶液及び/又は前記第2のブライン溶液が飽和塩溶液を含むことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載のブライン溶液のセット。
【請求項8】
第2のブライン溶液が少なくとも30重量%の塩、好ましくは40重量%と60重量%の間の塩を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のブライン溶液セット。
【請求項9】
第2のブライン溶液が、約50重量%と80重量%の間、好ましくは60重量%の、乳酸ナトリウム又は乳酸カリウムなどの乳酸塩又は炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムなどの炭酸塩を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のブライン溶液のセット。
【請求項10】
第2のブライン溶液が30重量%と50重量%の間の、好ましくは約40重量%のリン酸二ナトリウム又はリン酸二カリウムなどのリン酸塩を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のブライン溶液のセット。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブライン溶液のセット及び本発明のブライン溶液のセットを使用する食品生産物のインライン加工のための方法に関する。本発明はさらに、改良されたpH設定特性を有するブライン溶液、本発明の方法を使用する食品生産物のインライン加工のためのシステム、及び食品生産物のインライン加工のための方法における本発明のブライン溶液のセットの使用に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
食品生産物における共押出し(co-extruded)の方法は一般に知られており、中でもオランダ特許NL6909339に記載されている。本明細書は、共押出しを用いて蛋白質、例えばコラーゲンのケーシング(casing)層を持つ食品生地のストランド(strand)のコーティングを説明する。押出しの後、被覆されたストランドは、凝固浴を通して強化目的のために誘導される。凝固溶液の影響下で、蛋白質は凝固及び/又は沈殿し、ケーシング層は強化される。このように、少なくとも部分的に蛋白質の強力なケーシング層、すなわちケーシングを含むコラーゲンで被覆された食品生地のストランドが形成される。
【0003】
既知の方法の欠点は、ケーシング材料の特性であり、したがって食品生産物の加工性が、共押出しされた食品生産物の流れ、すなわち個々のソーセージの流れ、食品生産物のストランド、又は互いに連結されたソーセージ(頭-尻連結(head-tail connections))の流れの製造中に変化し得る。ケーシング材料の特性における変化は、予測が困難である。さらに、ケーシング材料の特性における変化は不可逆的である。したがって、一旦ケーシング材料の特性が変化すると、食品生産物の流れは、許容可能な品質を有する、最終食品生産物、すなわちソーセージを得るために加工することがもはやできなくなる。
【0004】
蛋白質、又は細長い食品生産物の共押出しのためのケーシング材料として粘性ゲル化剤を含む蛋白質を使用する既知の方法の特有の欠点は、最終食品生産物の制御できない特質(特に表面状態)である。食品生地のストランド及びケーシング材料の共押出し後のプロセス設定を変えることによって、蛋白質ケーシング材料の特性が不可逆的に変化し得ることが観察されている。当該変化は、食品生産物の表面の平滑性、すなわち食品生産物の「見た感じ(look-and-feel)」に関するケーシング材料の表面特性の変化が含まれ得る。共押出しされた細長い食品生産物を食塩水漬けすること、分離すること、圧着すること、燻煙すること、乾燥すること、包装すること、調理すること及び/又はチリング(chilling)のようなその後の加工工程における共押出し後のプロセス設定を変えることにより、得られた食品生産物は、通常所望される滑らかで外観が良く安定した表面とは異なり、例えば、粘着性する、不均一及び/又は汚れた表面のような望ましくない表面状態を持つ食品生産物へ制御できず変化する可能性がある。表面特性におけるこのような制御できない不可逆的な変化は、食品生産物の流れのより低い加工性をもたらし、その結果、食品生産物の流れ(又は食品生産物の流れの少なくとも一部)は、廃棄されなければならないことさえある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
蘭国特許出願公開第6909339号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記を考慮して共押出しされた食品生産物の生産の制御を高める、より具体的には、食品生産物の製造及びさらなるライフステージの間、コーティング(例えばケーシング)材料の生産物特性の制御を高める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この目的のために、食品生産物のインライン加工のための方法において使用するための第1のブライン溶液及び第2のブライン溶液を含むブライン溶液のセットを提供し、前記方法は、食品生地を、蛋白質を含むコーティング又は蛋白質とポリマーのハイブリッドコーティングを有する共押出食品生産物の流れに共押出し、及び共押出しされた食品生産物の流れに食品生産物強化工程を施す工程を含み、前記食品生産物強化工程は、食品生産物の流れにi)第1のブライン溶液を使用するコーティング水分含有量低減工程を施すことであって、前記第1のブライン溶液は水性媒体中に可溶化された塩を含み、次いで、食品生産物の流れにii)第2のブライン溶液を使用するコーティングpH固定工程を施すことであって、前記第2のブライン溶液は、水性媒体中に可溶化された緩衝塩を含む、工程を含む。共押出しされた細長い食品生産物の加工性及びコーティング特性における予期せぬ不可逆的な変化は蛋白質又は蛋白質を含むハイブリッドコーティングの物理的状態に強く依存することが分かった。その結果、蛋白質の物理的状態を制御することにより、コーティング表面の平滑性などのコーティング特性における変化を制御、すなわち防止することができる。特に、一端にコーティング水分含有量低減特性を、他端にコーティングpH設定すなわち緩衝する、特性を有するブライン溶液セットを提供することによって、ブライン溶液のpHを長期間維持することができるだけでなく、食品生産物の流れのさらなる処理中に食品生産物の流れのコーティングのpHも維持することができ、したがって、蛋白質の物理的状態がより持続可能で信頼性の高い手段において制御される、改善された方法を提供すること、すなわち、食品生産物の流れの加工性を有意に増大させることが分かった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
蛋白質の物理的状態に関して、このような物理的状態は物理的状態の3つのタイプ:結晶相、らせん相、及びランダムコイル相を含有し得ることが留意される。らせん又は結晶形態の蛋白質がランダムコイル形態を有する蛋白質に変換される場合、コーティング特性における不可逆的な変化が予想されることが分かった。らせん又は結晶形態の蛋白質を含む食品生産物のコーティングを含む蛋白質は、滑らかで魅力的な外観及び/又は安定した表面により特徴付けられるが、一方ランダムコイル形態の蛋白質を含む食品生産物のコーティングを含む蛋白質は、より粘着し、不均一及び/又は汚れた表面を表す。その結果、本発明の方法のある実施形態において、蛋白質は、らせん及び/又は結晶形態である。
【0009】
本発明のある実施形態において、本発明のブライン溶液のセットを使用する方法の実行中に、蛋白質の物理的状態は、後続の食品生産物処理工程、例えば熱処理工程及び任意の後熱処理工程の間にらせん及び結晶形態の間で変わり得る。蛋白質のらせん又は結晶のいずれかの物理的状態は、食品生産物のコーティング特性に正の効果を有するので、蛋白質の実際の状態は、これら2つの状態の間で変わり得る。しかしながら、特に、蛋白質の物理的状態は、食品生産物の流れを共押出した後に変化しないことが好ましい。得られた食品生産物又は似た物の表面平滑性、表面の色、調理特性などの同じ生産物特性を維持するためには、食品生産物の流れの共押出し及びいずれかの更なる加工工程の間に蛋白質の同じ物理的状態を維持することが特に有利である。さらに、特に良好な結果は、本発明のブライン溶液のセットを使用する方法全体を通して結晶形態である蛋白質で得られる。結晶形態である蛋白質を含む、コーティングを提供することにより、食品生産物のコーティングは、最も最適な熱安定性を有し、すなわち、望ましくない表面特性を有することなく部分的に又は完全に調理することができる生産物を提供する。
【0010】
本発明の蛋白質は、共押出し後のゲル化(凝集及び/又は沈殿;凝固剤の存在下かどうか)によってコーティングを形成することができる可食性蛋白質から成る群から選択され得る。特に好ましい蛋白質はコラーゲンを含む。
(【0011】以降は省略されています)
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