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公開番号2025037427
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2023144358
出願日2023-09-06
発明の名称防水シート接合装置及び接合ユニット
出願人五洋建設株式会社,大栄工機株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類E21D 11/38 20060101AFI20250311BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】防水シートの接合工程における施工品質を向上できるとともに作業員の肉体的負担を軽減可能な防水シート接合装置及び接合ユニットを提供すること。
【解決手段】本発明の防水シート接合装置Aは、アーチ形状を呈するガイドレールA1と、接合ユニット1と、を備えることを特徴とする。本発明の接合ユニット1は、拝み合わせた2枚の防水シートSの重合部を両面から押し付けて溶着可能な溶着機10と、アーチ状のガイドレールA2に沿って移動可能な移動ベース20と、溶着機10を移動ベース20に対し相対的に位置調整可能に接続する接続アーム30と、移動ベース20に対する溶着機10の相対位置の変化に応じて移動ベースの20移動速度を調整可能とする制御手段40と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
トンネル工事のシート防水工において、吹付けコンクリート面に敷設する、トンネル軸方向に隣り合う2枚の防水シートの縁部同士を、トンネル周方向に沿って接合する、防水シートの接合ユニットであって、
拝み合わせた前記2枚の防水シートの重合部を両面から押し付けて溶着可能な溶着機と、
アーチ状のガイドレールに沿って移動可能な移動ベースと、
前記溶着機を前記移動ベースに対し相対的に位置調整可能に接続する接続アームと、
前記移動ベースに対する前記溶着機の相対位置の変化に応じて前記移動ベースの移動速度を調整可能とする制御手段と、を備えることを特徴とする、
接合ユニット。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記接続アームが、前記溶着機を、前記移動ベースに対し、前記移動ベースの移動方向に対し垂直方向となるX軸を中心に回動可能な回動部を備え、前記制御手段が、前記回動部の回動角度に応じて前記移動ベースの移動速度を調整することを特徴とする、請求項1に記載の接合ユニット。
【請求項3】
前記接続アームが、前記溶着機を、前記移動ベースに対し、前記X軸と直交するY軸を中心に俯仰可能な俯仰部を備えることを特徴とする、請求項2に記載の接合ユニット。
【請求項4】
前記接続アームが、前記溶着機を、前記移動ベースに対し、前記移動ベースの移動方向と水平方向に直交する方向に摺動可能な摺動部を備えることを特徴とする、請求項3に記載の接合ユニット。
【請求項5】
前記回動部が、前記摺動部から上方に突起するシャフトユニットを備え、前記シャフトユニットが、基端ブロックと、先端ブロックと、を有し、前記先端ブロックが、前記基端ブロックに対し前記X軸を中心に回動可能であることを特徴とする、請求項4に記載の接合ユニット。
【請求項6】
前記回動部が、前記先端ブロックと連結し、前記溶着機と同期して前記X軸周方向に回動可能なバランスアームを備えることを特徴とする、請求項5に記載の接合ユニット。
【請求項7】
前記俯仰部が、一端付近で前記溶着機を支持し、他端でカウンターウェイトを支持するシーソーアームを備え、前記回動部が、前記シーソーアームの中央部を前記Y軸方向に軸支し、前記俯仰部が、前記カウンターウェイトを用いて前記溶接機の位置調整することを特徴とする、請求項3に記載の接合ユニット。
【請求項8】
前記俯仰部が、さらに一端が前記溶着機を前記Y軸方向に軸支し、他端が前記回動部に前記Y軸方向に軸支されるリンクバーを備え、前記シーソーアームが先端付近で前記溶着機を前記Y軸方向に軸支し、前記シーソーアーム、前記溶着機、前記リンクバー、及び前記回動部によって、4点リンク構造を構成したことを特徴とする、請求項7に記載の接合ユニット。
【請求項9】
トンネル工事のシート防水工において、吹付けコンクリート面に敷設する、トンネル軸方向に隣り合う2枚の防水シートの縁部同士を、トンネル周方向に沿って接合する、防水シート接合装置であって、
アーチ形状を呈するガイドレールと、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の接合ユニットと、を備えることを特徴とする、
防水シート接合装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は防水シート接合装置及び接合ユニットに関し、特に防水シートの接合工程における施工品質を向上でき、作業員の肉体的負担を軽減可能な防水シート接合装置及び接合ユニットに関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
山岳トンネル工事では、トンネルの防水性を確保するため、吹付けコンクリート面に防水シートを敷設するシート防水工が多用されている。
シート防水工では、トンネル軸方向に隣り合う防水シートの縁部を熱溶着機を使って接合する。
引用文献1~3には、2枚の防水シートの縁部を重ねて拝み合わせ、その重合部を熱溶着機の加熱コテで加熱しつつ一対のローラで両面から押圧し、作業員が作業台車を昇降しながら熱溶着機をトンネル周方向に走らせることで、防水シートを連続して溶着する技術が開示されている(図11)。
ローラの進行速度が速すぎると加熱不足による溶着不良が生じる反面、ローラの進行速度が遅すぎるとシートを溶かすおそれがある。これらはいずれもトンネルの水密性を損なうため、熟練工による作業が必要となる。
引用文献4には、いわゆるI-CONSTRUCTIONの取り組みの一環として、アーチ状のガイドレールに沿ってトンネル周方向に自走しながら、防水シートを連続して溶着する防水シート接合装置が開示されている。
この技術によれば、本体を吹付コンクリート面に沿って円弧状に自走させつつ、本体上に支持した溶着機の位置を微調整することによって、比較的容易に防水シートを接合できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-86688号公報
特開2014-214423号公報
特開2001-280096号公報
特開2021-123946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1~3の従来技術には以下の課題がある。
<1>作業員が熱溶着機を持って、防水シートの重合部に沿って移動する必要がある。重合部は概ねトンネルの吹付コンクリート面に対応したトンネル横断面の円弧状となるが、この軌道を、作業台車上を昇降しながらローラの進行速度に合わせてなぞる作業は非常に難度が高い。このため作業に熟練を要し、施工品質の維持が難しい。
<2>トンネル側面では、作業台車の上段と下段とで作業員が熱溶着機を受け渡して作業する。これは狭小な足場上での高所作業であり、苦渋作業である。また、上下受け渡し用に複数の作業員が必要となるため人件費が嵩む。
<3>施工品質が作業員の技能や経験に大きく依存するため、施工品質にばらつきが生じやすい。
<4>熱溶着機は小型でも5kg前後の重量がある。これを吹付コンクリート面から所定の距離を保ちつつ移動させる作業は、作業員の腕や肩へ大きな負担となる。また、特に天端付近では狭い空間で上方を見上げながらの作業となるため、不自然な姿勢を強いられ、作業員の肉体的負担が非常に大きい。
<5>ローラの位置合わせに集中しながら作業台車上を昇降するため、足元や周囲に注意が届きにくく、安全上の懸念がある。
【0005】
特許文献4の従来技術には以下の課題がある。
<1>防水シートは吹付けコンクリート面の凹凸に合わせ、たるみを持って展張されていることから、防水シートの重合部は三次元的に波打っている。このため、防水シートのたるみが多い個所では、本体の移動距離に対して溶着機による溶着量が多く、本体の移動速度と溶着機の移動速度を同期させることができない。溶着機が本体から大幅に遅れると、溶着機が本体に引っ張られてローラに負荷がかかることで、溶着にムラが生じ、防水シートの水密性を損なうおそれがある。
<2>本体の移動速度と溶着機の移動速度を同期させるために、常時作業員が付き添って本体の移動速度を微調整する必要がある。このため、特にトンネル側面において、作業員が狭小な足場空間内を上下に移動する必要があり、作業性が十分でない。
【0006】
本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決可能な防水シート接合装置及び接合ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の接合ユニットは、拝み合わせた2枚の防水シートの重合部を両面から押し付けて溶着可能な溶着機と、アーチ状のガイドレールに沿って移動可能な移動ベースと、溶着機を移動ベースに対し相対的に位置調整可能に接続する接続アームと、移動ベースに対する溶着機の相対位置の変化に応じて移動ベースの移動速度を調整可能とする制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の接合ユニットは、接続アームが、溶着機を、移動ベースに対し、移動ベースの移動方向に対し垂直方向となるX軸を中心に回動可能な回動部を備え、制御手段が、回動部の回動角度に応じて移動ベースの移動速度を調整してもよい。
【0009】
本発明の接合ユニットは、接続アームが、溶着機を、移動ベースに対し、X軸と直交するY軸を中心に俯仰可能な俯仰部を備えていてもよい。
【0010】
本発明の接合ユニットは、接続アームが、溶着機を、移動ベースに対し、移動ベースの移動方向と水平方向に直交する方向に摺動可能な摺動部を備えていてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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