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公開番号2025036414
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024193402,2024144273
出願日2024-11-05,2024-08-26
発明の名称チタン及びイットリウム固溶ジルコニア焼結体
出願人東ソー株式会社
代理人
主分類C04B 35/488 20060101AFI20250306BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】
透明性を示す、チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体と比べ、破壊が進展しにくく、なおかつ、透明性を示すチタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体、その製造方法、並びに、その用途の少なくともいずれかを提供する。
【解決手段】
イットリウムの含有量が3.5mol%以上6.0mol%未満、及び、チタンの含有量が6.0mol%以上18.5mol%以下であり、なおかつ、正方晶ドメインを含む立方晶の結晶粒子からなる、チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
イットリウムの含有量が3.5mol%以上6.0mol%未満、及び、チタンの含有量が6.0mol%以上18.5mol%以下であり、なおかつ、正方晶ドメインを含む立方晶の結晶粒子からなり、平均結晶粒径が5μm以上50μm以下である、チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
アルミナを含む、請求項1に記載の焼結体。
【請求項3】
そのXRDパターンにおける2θ=74.0±0.3°にピークトップを有するピークの半値幅から求められる結晶子径が1400nm以下である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項4】
破壊靭性値(K
IC
)が1.5MPa・m
0.5
以上である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項5】
三点曲げ強度が280MPa以上である、請求項1又は2に記載の焼結体。
【請求項6】
ジルコニア源、イットリウム源及びチタン源を含み、イットリウムの含有量が3.5mol%以上6.0mol%未満、及び、チタンの含有量が6.0mol%以上18.5mol%以下である成形体を酸化雰囲気、1260℃以上で常圧焼結して一次焼結体を得る一次焼結工程、還元雰囲気で、一次焼結体を1500℃以上で加圧焼結して加圧処理体を得る加圧焼結工程、及び、酸化雰囲気で加圧処理体を熱処理する熱処理工程、を有する請求項1に記載の焼結体の製造方法。
【請求項7】
前記成形体が、ジルコニア源及びイットリウム源の混合原料粉末と、チタン源を混合する混合方法により得られた原料粉末を成形する成形工程により得られた成形体である、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記一次焼結体の実測密度が5.35g/cm

以上6.00g/cm

以下である、請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項9】
加圧焼結が熱間静水圧プレス処理である、請求項6又は7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記還元雰囲気が、弱還元雰囲気である、請求項6又は7に記載の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアからなり、結晶相が立方晶のみからなる焼結体は、高い透明性を有する焼結体として知られている(特許文献1)。しかしながら、このような焼結体は機械的特性が低い。そのため、このような透明焼結体の機械的特性の向上が検討されている。
【0003】
例えば、特許文献2では、熱間静水圧プレス(以下、「HIP」ともいう。)処理に供する一次焼結体の結晶粒径を制御することで、三点曲げ強度が255MPaであり、なおかつ、透明性を有する、チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体が得られることが開示されている。また、特許文献3では、HIP処理におけるチタン(Ti)の還元度合いを制御することで、三点曲げ強度が300MPa以上であり、なおかつ、透明性を有するチタン及びイットリウム固溶ジルコニアの焼結体が得られることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭62-091467号公報
特開2011-011970号公報
特開2011-102227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2及び3で開示された焼結体は、透明性を呈する直線透過率及び高い三点曲げ強度を兼備する。そのため、従来の透明性を有するチタン及びイットリウムが固溶したジコニアの焼結体と比べて欠陥が生じにくい。その一方、これらの焼結体は、亀裂など破壊の進展に対する抵抗力が弱いため、一度、欠陥が生じると急速に破壊が進行してしまう。
【0006】
本開示は、透明性を示す、チタン及びイットリウムが固溶した従来のジルコニアの焼結体と比べて破壊が進展しにくく、なおかつ、透明性を示すチタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体、その製造方法、並びに、その用途の少なくともいずれかを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示においては、透明性を有するチタニア-イットリア-ジルコニア焼結体について検討した。その結果、結晶粒子の組織構造を制御することで、従来、透明性が低下すると考えられていた組成においても透明性が低下しなくなることを見出した。さらに、このような組成を有する焼結体は、破壊の進展に対する抵抗力が改善されたチタニア-イットリア-ジルコニア焼結体となることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は特許請求の範囲の記載のとおりであり、また、本開示の要旨は以下のとおりである。
[1] イットリウムの含有量が3.5mol%以上6.0mol%未満、及び、チタンの含有量が6.0mol%以上18.5mol%以下であり、なおかつ、正方晶ドメインを含む立方晶の結晶粒子からなる、チタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体。
[2] アルミナを含む、上記[1]に記載の焼結体。
[3] そのXRDパターンにおける2θ=74.0±0.3°にピークトップを有するピークの半値幅から求められる結晶子径が1400nm以下である、上記[1]又は[2]に記載の焼結体。
[4] 平均結晶粒径が5μm以上50μm以下である、上記[1]乃至[3]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[5] 試料厚み1±0.1mm及び測定波長600nmにおける直線透過率が45%以上である、上記[1]乃至[4]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[6] 破壊靭性値(K
IC
)が1.5MPa・m
0.5
以上である、上記[1]乃至[5]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[7] 三点曲げ強度が280MPa以上である、上記[1]乃至[6]のいずれかひとつに記載の焼結体。
[8] ジルコニア源、イットリウム源及びチタン源を含み、イットリウムの含有量が3.5mol%以上6.0mol%未満、及び、チタンの含有量が6.0mol%以上18.5mol%以下である成形体を酸化雰囲気、1260℃以上で常圧焼結して一次焼結体を得る一次焼結工程、還元雰囲気で、一次焼結体を1500℃以上で加圧焼結して加圧処理体を得る加圧焼結工程、及び、酸化雰囲気で加圧処理体を熱処理する熱処理工程、を有する上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の焼結体の製造方法。
[9] 前記成形体が、ジルコニア源及びイットリウム源の混合原料粉末と、チタン源を混合する混合方法により得られた原料粉末を成形する成形工程により得られた成形体である、上記[8]に記載の製造方法。
[10] 前記一次焼結体の実測密度が5.35g/cm

以上6.00g/cm

以下である、上記[8]又は[9]に記載の製造方法。
[11] 加圧焼結が熱間静水圧プレス処理である、上記[8]乃至[10]のいずれかひとつに記載の製造方法。
[12] 前記還元雰囲気が、弱還元雰囲気である、上記[8]乃至[11]のいずれかひとつに記載の製造方法。
[13] 加圧焼結における保持温度から1000℃までの降温速度が50℃/分以上300℃/分以下である、上記[8]乃至[12]のいずれかひとつに記載の製造方法。
[14] 上記[1]乃至[7]のいずれかひとつに記載の焼結体を含む部材。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、透明性を示す、チタン及びイットリウムが固溶した従来のジルコニアの焼結体と比べて破壊が進展しにくく、なおかつ、透明性を示すチタン及びイットリウムが固溶したジルコニアの焼結体、その製造方法、並びに、その用途の少なくともいずれかを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1の焼結体の電子線回折マップ
比較例5の焼結体の電子線回折マップ
実施例1の焼結体のリートベルト解析結果
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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