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公開番号2025035694
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023142913
出願日2023-09-04
発明の名称抗菌性に優れた再生ポリエステルを含むポリエステル捲縮短繊維、それを用いて得られるウェブ、不織布および紡績糸、それらの製造方法並びにそれらを用いて得られる繊維加工製品
出願人株式会社高木化学研究所
代理人IBC一番町弁理士法人
主分類D01F 6/92 20060101AFI20250307BHJP(天然または人造の糸または繊維;紡績)
要約【課題】抗菌性および混綿カーディング性に優れた、銀系抗菌剤および再生ポリエステルを含むポリエステル捲縮短繊維から得られるウェブを用いて得られ、他の非抗菌短繊維との混綿の際に、混綿ムラが少なく、抗菌性付与能力に優れ、かつスケ性および機械的強度にも優れる不織布を提供する。
【解決手段】再生ポリエステルを含む熱可塑性ポリエステルおよび少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分が無機化合物に担持された無機系抗菌剤を含み、抗菌活性値が2.5以上および繊維の太さが1.0~10.0デシテックスである抗菌性捲縮短繊維および非抗菌性捲縮短繊維を主体繊維とし、前記主体繊維の総量100質量%に対して、前記抗菌性捲縮短繊維が10~90質量%、前記非抗菌性捲縮短繊維が90~10質量%であり、前記主体繊維同士が混綿、カーディングされてなるウェブが繊維間の結合を強化してなる不織布であって、前記主体繊維の捲縮が二次元の機械捲縮であり、前記機械捲縮の、捲縮数が5~35山/インチ、捲縮率が5~40%および残留捲縮率が3~35%であり、前記不織布の目付が180~350g/m2である不織布。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
再生ポリエステルを含む熱可塑性ポリエステルおよび少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分が無機化合物に担持された無機系抗菌剤を含む樹脂原料の溶融混練紡糸工程、延伸工程、捲縮工程およびカット工程によって得られ、かつ抗菌活性値が2.5以上、繊維の太さが1.0~10.0デシテックスおよび捲縮が二次元の機械捲縮であり、前記機械捲縮の捲縮数が5~35山/インチ、捲縮率が5~40%および残留捲縮率が3~35%である、非抗菌性捲縮短繊維との混綿およびカーディング性に優れる抗菌性捲縮短繊維。
続きを表示(約 920 文字)【請求項2】
前記銀成分の含有率が1~25質量ppmである、請求項1に記載の抗菌性捲縮短繊維。
【請求項3】
中空率が5~40%の中空繊維である、請求項1に記載の抗菌性捲縮短繊維。
【請求項4】
リン系難燃剤を含み、接炎回数3回以上の難燃性を示す難燃繊維である、請求項1に記載の抗菌性捲縮短繊維。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリエステルの総量100質量%に対して、前記再生ポリエステルが20~100質量%、バージンポリエステルが80~0質量%である、請求項1に記載の抗菌性捲縮短繊維。
【請求項6】
前記無機系抗菌剤が、無機化合物としてのアルカリ性シリカに担持された銀成分を含み、当該無機系抗菌剤の濃度は、0.05~0.85質量%である、請求項1に記載の抗菌性捲縮短繊維。
【請求項7】
上記延伸工程が、繊維表面が湿潤した状態で行われる、請求項6に記載の抗菌性捲縮短繊維。
【請求項8】
再生ポリエステルを含む熱可塑性ポリエステルおよび少なくとも一部が銀成分である抗菌性金属成分が無機化合物に担持された無機系抗菌剤を含む樹脂原料の溶融混練紡糸工程、延伸工程、捲縮工程およびカット工程によって得られ、かつ繊維の太さが1.0~10.0デシテックスである抗菌性捲縮短繊維と、非抗菌性捲縮短繊維とを主体繊維とし、前記主体繊維の総量100質量%に対して、前記抗菌性捲縮短繊維が10~90質量%、前記非抗菌性捲縮短繊維が90~10質量%であり、前記主体繊維同士が混綿、カーディングされてなり、かつ前記主体繊維の捲縮が二次元の機械捲縮であり、前記機械捲縮の捲縮数が5~35山/インチ、捲縮率が5~40%および残留捲縮率が3~35%であり、さらに抗菌活性値が2.0以上である、ウェブ。
【請求項9】
前記銀成分の含有率が0.5~15質量ppmである、請求項8に記載のウェブ。
【請求項10】
前記抗菌性捲縮繊維が、中空率が5~40%の中空繊維である、請求項8に記載のウェブ。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、抗菌性および混綿カーディング性に優れた再生ポリエステルを含むポリエステル捲縮短繊維、それを用いて得られるウェブ、不織布および紡績糸、それらの製造方法並びにそれらを用いて得られる繊維加工製品に関する。より詳しくは、原料として、環境に優しい再生ポリエステル、および銀系抗菌剤を含むポリエステル抗菌性捲縮短繊維であり、当該抗菌捲縮短繊維と他の非抗菌捲縮短繊維との混綿の際に、混綿ムラが少なく、抗菌性付与能力に優れ、嵩高性および機械的強度に優れるウェブ、当該ウェブを用いて得られる不織布および紡績糸に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
プラスチック、繊維等の抗菌加工製品の販売は1970年代に日本において始まり、腸管出血性大腸菌O-157や、重症急性呼吸器症候群SARSの発生によって、主にアジア諸国を中心に市場に流通するようになった。最近は、特に新型コロナウイルス感染症の世界的流行を契機に、抗ウイルス・抗菌作用を持つ機能素材に対する注目度が益々高まっている。
【0003】
熱可塑性ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PET)は、その力学特性、耐熱性、成形性、耐薬品性などのバランスに優れ、かつ安価であることから、プラスチック成形加工品、シート、合成繊維等として広く利用されている。SDGsやESG投資が世界の潮流となり、今までは特定の分野に限られていた再生製品が積極的に利用されるようになってきた。再生ポリエステルは、PETボトル、PET屑、PET端材等を原料とするリサイクルPETや、PBT、PEN等のその他のポリエステルを原料とする再生素材である。リサイクルPETを繊維化した再生ポリエステル繊維は、自動車内装材、綿、衣類、インテリア雑貨の生地などに広く利用されるようになってきた。しかし、石油由来のバージンPETを原料とした場合に比べ、原料の品質が不安定であるため、短繊維からの綿、不織布および紡績糸に利用範囲は限定されている。
【0004】
繊維の集合体で布帛状を形成する不織布は、技術的にはウェブと称するフリース状の綿集合体と、それを物理的、化学的に接合・絡合させる結合工程の組み合わせによって形成される。フリースを形成する主な方法としては、短繊維を、カード機を用いてカーディングし、エアレイと呼ばれる空気流で一定方向またはランダムに並べて形成する乾式法、短繊維を水中に分散し網状のネット状にすき上げてフリースを形成する湿式法、溶かした原料樹脂を直接ノズルの先から溶出・紡糸させ、連続した長い繊維でフリースを形成するスパンボンド法などがある。繊維同士を結合させる方法としては、エマルジョン系の接着樹脂を含浸またはスプレーなどの方法でフリースに付着させ、加熱・乾燥させて繊維の交点を接着するケミカルボンド法、低融点の熱融着繊維を混合したフリースを、熱ロールの間を通して熱圧着、または熱風を当てて繊維同士を接着させるサーマルボンド法、フリースを高速で上下するニードルで繰り返し突き刺し、ニードルに刻まれたバーブという突起により繊維を絡ませるニードルパンチ法などがある。ニードルパンチ法は、嵩高性に富み、繊維間の剥離がないのが特徴で、この方法だけで製品化または別の結合法と組み合わせて用いられている。一方、紡績糸は、短繊維を一方方向に揃えて練り合わせる紡績工程を経て作られる。
【0005】
一方、繊維を抗菌化する方法として、特許文献1には、単糸繊度が2~8デニールであり、少なくとも1種の銀系抗菌剤を0.1~2.0質量%含有し、黄色ブドウ状球菌に対する減菌率が26%未満であり、かつカーディング後に80%以上の減菌率を示すポリエステル短繊維が開示されている。また、特許文献2には、無機系抗菌剤を0.1~12.0質量%含有し、単糸繊度が2~15d(デニール)、繊維長が25~64mm、および機械捲縮が施されたポリエステル短繊維が複数本絡み合い、平均直径3~20mmの玉状をなしている抗菌性玉状綿が開示されている。さらに、特許文献3には、製造工程および製造後における変色がなく、抗菌性能にも優れた耐熱性変色防止剤および銀系無機抗菌剤を含む抗菌性ポリエステル繊維が開示されている。
【0006】
また、特許文献4には、銀成分を担持した無機抗菌剤を含有し、銀成分含有率が30~200ppm、亜鉛含有率が10ppm以下で、かつ無機抗菌剤の繊維表面への最適な突起の存在を示す繊維-繊維間動摩擦係数が0.20~0.35である抗菌性ポリエステル繊維が開示されている。さらに、特許文献5には、無機系抗菌剤含有マスターバッチと繊維の主体となるポリエステル樹脂の極限粘度の最適な組み合わせによって得られるポリエステル繊維であり、当該繊維の断面の電子顕微鏡観察によって、表層部における無機抗菌剤粒子の単位断面積当たりの存在個数が、中心部における無機系抗菌剤粒子の単位断面積当たりの存在個数の1.3倍以上である抗菌性および抗カビ性を有するポリエステル繊維が開示されている。また、特許文献6には、リン系防炎剤と、0.01~10.0質量%の抗菌剤を含み、かつ白度が85.00以上であり、ポリエステルが再生ポリエステルであってもよい、抗菌防炎性ポリエステル繊維が開示されている。更にまた、特許文献7には、捲縮率が9~30山/インチ、捲縮率が20~50%の三次元捲縮(立体捲縮)を有し、かつ捲縮弾性率が80%以上である中空捲縮ポリエステルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開平10-237720号公報
特開2000-34658号公報
特開2003-147637号公報
特開2009-108435号公報
特開2013-57163号公報
特開2015-140501号公報
特開2018-24957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、抗菌性および混綿カーディング性に優れた、銀系抗菌剤および再生ポリエステルを含むポリエステル捲縮短繊維、それを用いて得られるウェブ、当該ウェブを用いて得られる不織布および紡績糸であり、他の非抗菌短繊維との混綿の際に、混綿ムラが少なく、抗菌性付与能力に優れ、かつスケ性および機械的強度にも優れる不織布および紡績糸に関する。
【0009】
特許文献1によれば、ガーディング処理を行うことにより繊維内部の抗菌剤が表面に露出し良好な抗菌率を示すとされており、特許文献2によれば、十分な抗菌性と嵩高性にも優れた玉状綿が得られるとされており、特許文献4によれば、特定範囲の繊維-繊維動摩擦係数を有する繊維を用いることによって無機抗菌剤の表面への突起形成を制御でき、高い抗菌性能の付与と、経時変色、製造時の糸切れや巻き形状異常を防止できるとされており、また特許文献5によれば、無機系抗菌剤含有マスターバッチと繊維の主体となるポリエステル樹脂の極限粘度の差が小さいと抗菌剤の表面への高濃度化が不足し、当該極限粘度の差が大きいと繊維強度が得られないことが報告されている。しかしながら、これらの引用文献のいずれにおいても、混綿カーディング性に優れ、混綿ムラのないこと、混綿による抗菌性への影響や、再生ポリエステルを含むことには言及されていない。
【0010】
一方、特許文献3には、抗菌性ポリエステル繊維は抗菌剤を含まない繊維と混合または複合できることが開示されているが、捲縮方法による抗菌性および混綿ムラへの影響や、再生ポリエステルを含むことには言及されていない。また、特許文献6には、用いるポリエステルが再生ポリエステルであっても良いことが記載されているが、抗菌繊維と非抗菌繊維との混綿や混綿ムラについては言及されていない。また、特許文献7は中空捲縮ポリエステルに関するもので、抗菌性については言及していない。
(【0011】以降は省略されています)

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