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公開番号2025035496
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023142573
出願日2023-09-01
発明の名称皮膚バリア機能改善剤
出願人丸善製薬株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類A61K 8/9794 20170101AFI20250306BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】天然物由来の成分の中から皮膚バリア機能改善作用を有するものを見出し、それを有効成分とする皮膚バリア機能改善剤を提供する。
【解決手段】本発明の皮膚バリア機能改善剤の有効成分として、コメの酵母発酵物と、ガイヨウ抽出物、アロエベラ抽出物、ノニ果汁、ヨクイニン抽出物、およびウンシュウミカン抽出物からなる群から選択される1種または2種以上と、の組合せを用いる。本発明によれば、フィラグリンmRNA発現促進剤、インボルクリンmRNA発現促進剤、ロリクリンmRNA発現促進剤、カリクレイン5 mRNA発現促進剤、カリクレイン7 mRNA発現促進剤、セリンペプチダーゼ阻害因子カザール5型(SPINK5)mRNA発現促進剤、カスパーゼ14 mRNA発現促進剤、ZO-1 mRNA発現促進剤、セマフォリン3A mRNA発現促進剤、表皮角化細胞増殖促進剤、およびサーチュイン1 mRNA発現促進剤がさらに提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物、アロエベラ抽出物、ノニ果汁、ヨクイニン抽出物、およびウンシュウミカン抽出物からなる群から選択される1種または2種以上と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とする皮膚バリア機能改善剤。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするフィラグリンmRNA発現促進剤。
【請求項3】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物および/またはヨクイニン抽出物と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするインボルクリンmRNA発現促進剤。
【請求項4】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物、アロエベラ抽出物、ノニ果汁、およびヨクイニン抽出物からなる群から選択される1種または2種以上と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするロリクリンmRNA発現促進剤。
【請求項5】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするカリクレイン5 mRNA発現促進剤。
【請求項6】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物および/またはノニ果汁と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするカリクレイン7 mRNA発現促進剤。
【請求項7】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物、ノニ果汁、ヨクイニン抽出物、およびウンシュウミカン抽出物からなる群から選択される1種または2種以上と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするセリンペプチダーゼ阻害因子カザール5型(SPINK5)mRNA発現促進剤。
【請求項8】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物および/またはノニ果汁と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするカスパーゼ14 mRNA発現促進剤。
【請求項9】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物、アロエベラ抽出物、ヨクイニン抽出物、およびウンシュウミカン抽出物からなる群から選択される1種または2種以上と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするZO-1 mRNA発現促進剤。
【請求項10】
コメの酵母発酵物と、
ガイヨウ抽出物、アロエベラ抽出物、ノニ果汁、およびウンシュウミカン抽出物からなる群から選択される1種または2種以上と、
の組合せを有効成分とすることを特徴とするセマフォリン3A mRNA発現促進剤。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚バリア機能改善剤に関するものであり、特に天然物由来成分の特定の組合せを有効成分とする皮膚バリア機能改善剤に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
表皮は、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きをしており、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角質層へと連なる4層構造から構成されている。各層に存在する大部分の細胞は、基底層から分化した角化細胞である。基底層で分裂、増殖した角化細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し角質細胞となって、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角質層を構成し、最終的には垢として角質層から脱落する。この角質層は、皮膚の最外殻に存在しており、外界からの刺激に対する物理的なバリアとしての役割を果たしている。皮膚ではこのバリア機能を持たせるため、角化細胞が基底層で産生されてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。
【0003】
ところが、皮膚において紫外線、著しい空気の乾燥、過度の皮膚洗浄、喫煙等の外的因子の影響を受けたり、加齢が進んだりすると、表皮細胞の活動や増殖能が低下し、それに伴い表皮のターンオーバー速度が遅延するため、表皮の菲薄化や角質層肥厚などの分化不全が引き起こされる。その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が起こり、また皮膚が老化してシワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等の変化が生じる。
【0004】
そのため、角化細胞の増殖を促進することができれば、皮膚のターンオーバーが促進され、肌の新陳代謝機能が回復するため、こじわ、くすみ、色素沈着等の皮膚の老化を改善できるものと考えられる。従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、タイソウからの抽出物(特許文献1参照)、土貝母からの抽出物(特許文献2参照)等が知られている。
【0005】
角質層の構造は、レンガとモルタルとに例えられ、15層ほどに積み重なった角質細胞を細胞間脂質が繋ぎ止める形で強固なバリア膜を形成している。角質細胞は、周辺帯(cornified envelope,CE)と呼ばれる強固な構造が細胞膜の内側に形成されおり、またアミノ酸を主成分とする天然保湿因子を細胞内に含有することによって水分を保持している。一方、角質細胞間脂質は、約50%のセラミドを主成分とし、コレステロール、脂肪酸等の両親媒性脂質から構成されており、疎水性部分と親水性部分とが交互に繰り返される層板構造、いわゆるラメラ構造を特徴としている。
【0006】
周辺帯(CE)は、表皮角化細胞の分化に従って産生される複数のCE構成蛋白質が、酵素トランスグルタミナーゼにより架橋され、不溶化することで形成される。さらに、セラミド等が共有結合して疎水的な構造をとることで、CEの一部に細胞間脂質のラメラ構造の土台が供給され、これにより角層バリア機能の基礎が形成される。
【0007】
このCE形成の初期段階において発現するCE構成蛋白質の1つとして、インボルクリンが知られており、また、CEの主要な構成蛋白質の1つとして、ロリクリンが知られている。これらインボルクリンやロリクリンの産生を促進することで、角層バリア機能を改善し、肌荒れ、乾燥肌等の皮膚の老化症状、アトピー性皮膚炎、乾癬、魚鱗癬、乾皮症等の乾燥性皮膚疾患等を予防、治療又は改善することができると考えられる。従来、インボルクリンmRNA発現促進作用を有するものとして、2-ケトグルタル酸等が知られており(特許文献3参照)、ロリクリン産生促進作用を有するものとして、冬虫夏草の抽出物等が知られている(特許文献4参照)。
【0008】
フィラグリンは、皮膚の構成成分であり、皮膚におけるバリア機能に関与し、アレルゲン、毒素、感染性生物の侵入を防ぐ機能を有していると考えられている。フィラグリンの遺伝子の変異等による機能の低下は、アトピー性皮膚炎(湿疹、皮膚の炎症、皮膚のかゆみ等)、アレルギー、喘息等を包含するアトピー性疾患の発症リスクと関連し、さらに重篤な場合は尋常性魚鱗癬等の皮膚疾患につながることが知られている(非特許文献1参照)。
【0009】
一方、天然保湿因子(Natural Moisturizing Factors;NMF)の主成分であるアミノ酸は、ケラトヒアリン顆粒に由来するフィラグリンが角質層内で分解されて産生される。このフィラグリンは、角質層直下の顆粒層に存在する表皮角化細胞でプロフィラグリンとして発現する。その後、直ちにリン酸化し、ケラトヒアリン顆粒に蓄積され、脱リン酸、加水分解を経てフィラグリンへと分解され、角質層に移行して、ケラチンフィラメントの凝集効率を高め、角質細胞の内部構築に関与することが知られている(非特許文献2参照)。近年、このフィラグリンが、皮膚の水分保持に非常に重要かつ必要不可欠であること、および乾燥等の条件によってフィラグリンの合成力が低下し、角質層におけるアミノ酸量が低下することが知られている(非特許文献3参照)。
【0010】
したがって、表皮角化細胞において、フィラグリン(プロフィラグリン)の発現を促進することにより、アトピー性皮膚炎(湿疹、皮膚の炎症、皮膚のかゆみ等)、アレルギー、喘息等を包含するアトピー性疾患を予防・治療または改善できると考えられる。また、フィラグリンの発現を促進し、それにより角質層内のアミノ酸量を増大させることで、角質層の水分環境を本質的に改善できることが期待される。フィラグリン発現促進作用を有するものとして、ガイヨウ抽出物(特許文献5参照)等が知られている。
(【0011】以降は省略されています)

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