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公開番号
2025035234
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-13
出願番号
2023142154
出願日
2023-09-01
発明の名称
空気齢測定システム及び空気齢測定方法
出願人
ダイダン株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G01N
15/06 20240101AFI20250306BHJP(測定;試験)
要約
【課題】人体に親和性のあるトレーサーを使用して空間の空気齢を測定することができ、人の存在する空間であってもその空間の空気齢を確実かつ容易に測定することができる空気齢測定システムを提供する。
【解決手段】空気齢測定システム10は、トレーサー微粒子を含む微小な液体12を室11に拡散させる拡散手段と、拡散手段による微小な液体12の拡散に伴って室11に拡散されたトレーサー微粒子の数値データを計測する微粒子計測手段と、微粒子計測手段によって計測されたトレーサー微粒子に関する数値データに基づいて室11における空気齢を算出する空気齢測定手段とを備えている。空気齢測定手段は、室11におけるトレーサー微粒子の時間の経過による数値データの変化状況から室11の空気齢を算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
トレーサーを利用して所定の空間の空気齢を測定する空気齢測定システムにおいて、
前記トレーサーが、微小な液体の拡散に伴って拡散するトレーサー微粒子であり、
前記空気齢測定システムが、前記トレーサー微粒子を含む前記微小な液体を前記空間に拡散させる拡散手段と、前記トレーサー微粒子の粒径を含む計測レンジを有し、前記拡散手段により前記微小な液体の拡散に伴って前記空間に拡散されたトレーサー微粒子の数値データを所定の測定時間の間に計測する微粒子計測手段と、前記微粒子計測手段によって計測されたトレーサー微粒子に関する数値データに基づいて前記空間における空気齢を算出する空気齢測定手段とを備え、
前記空気齢測定手段が、前記空間におけるトレーサー微粒子の時間の経過による数値データの変化状況から該空間の空気齢を算出することを特徴とする空気齢測定システム。
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【請求項2】
前記空気齢測定システムが、前記空間の空気に含まれる前記トレーサー微粒子を捕集する捕集手段を含み、前記空気齢測定システムでは、前記微粒子計測手段によって前記トレーサー微粒子の数値データを測定した後の空気に含まれる該トレーサー微粒子を前記捕集手段によって除去し、該トレーサー微粒子を除去した空気を前記空間に還気する請求項1に記載の空気齢測定システム。
【請求項3】
前記拡散手段が、前記微小な液体を前記空間に拡散させる加湿器である請求項1に記載の空気齢測定システム。
【請求項4】
前記加湿器が、超音波振動子によって超音波を発生させて前記微小な液体を作る超音波加湿器である請求項3に記載の空気齢測定システム。
【請求項5】
前記微粒子計測手段が、光散乱方式による該微粒子計測手段である請求項4に記載の空気齢測定システム。
【請求項6】
前記微粒子計測手段が、前記空間に浮遊する前記トレーサー微粒子の数を計測するパーティクルカウンターである請求項5に記載の空気齢測定システム。
【請求項7】
前記微粒子計測手段が、前記空間に浮遊する微小粒子状物質を測定するPM2.5測定器である請求項5に記載の空気齢測定システム。
【請求項8】
前記トレーサー微粒子を拡散させる前記微小な液体が、水道水から作られている請求項5ないし請求項7いずれかに記載の空気齢測定システム。
【請求項9】
前記拡散手段が、前記空間の所定の位置に複数設置され、前記微粒子計測手段が、前記空間の複数個所においてトレーサー微粒子の数値データを計測する請求項5ないし請求項7いずれかに記載の空気齢測定システム。
【請求項10】
トレーサーを利用して所定の空間の空気齢を測定する空気齢測定方法において、
前記空気齢測定方法では、前記トレーサーとして微小な液体の拡散に伴って拡散するトレーサー微粒子を利用し、
前記空気齢測定方法が、前記トレーサー微粒子を含む前記微小な液体を前記空間に拡散させる拡散工程と、前記トレーサー微粒子の粒径を含む計測レンジを備え、前記拡散工程により前記微小な液体の拡散に伴って前記空間に拡散されたトレーサー微粒子の数値データを所定の測定時間の間に計測する微粒子計測工程と、前記微粒子計測工程によって計測されたトレーサー微粒子の時間の経過による前記数値データの変化状況から前記空間における空気齢を算出する空気齢測定工程とを有することを特徴とする空気齢測定方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーサーを利用して所定の空間の空気齢を測定する空気齢測定システム及び空気齢測定方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)
【背景技術】
【0002】
流体の連続式、流体の質量保存則と運動量保存則を満たすNavier-Stokes方程式、フーリエの法則に基づくエネルギー保存則から乱流をモデル化した平均流の乱流モデルにより、解析空間において流れ場と温度場との解析・演算を行い、演算結果の流れ場と温度場とのデータを記憶部へ格納する解析空間演算部と、流れ場と温度場とを固定させて、測定点への空気の流入の各吹出口毎の割合を示す吹出寄与率の空間分布を求める吹出寄与率演算部と、各吹出寄与率をその場の有効体積とする各吹き出し口に対応する有効体積分布毎に、室内空間で一様にトレーサーを発生させ、拡散方程式を解いて演算する濃度場演算部と、濃度場を、各々対応する吹出寄与率で除算することにより、各吹き出し口から流入した空気の空気齢の空間分布を演算する空気齢演算部とを有する空気齢分布性状解析システムが開示されている(特許文献1参照)。この空気齢分布性状解析システムは、複数の吹出・吸込口が存在している室内において、各々の吹出口と吸込口とのそれぞれの空気の流入と流出との寄与率に対応して、各吹出口,吸込口に対応する空気齢を評価することができ、効率的な換気システムの設計が可能となる。
【0003】
平均空気齢が短い場合、空間における空気がすぐに入れ替わり、空間の換気状態が良好と評価される。逆に、平均空気齢が長い場合、気流が滞って空気が澱み、空間の換気状態が比較的悪い(不良)と評価される。尚、比重が空気に近く、地球温暖化係数が小さいとの理由から、トレーサーとして主にCO
2
(二酸化炭素)が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2004-101058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、トレーサーとしてCO
2
を使用して空間の空気齢を測定する場合、人が存在する状況において空間では人からのCO
2
の排出の影響によって精度よく測定できない恐れがあるとともに、CO
2
ボンベが必要であってその運搬や設置、条件設定をしなければならず大掛かりになるという問題があった。又、CO
2
をトレーサーとして使用した空気齢の測定では、空気齢を測定する際の濃度の減衰(変化)完了のときのCO
2
濃度(トレーサー濃度)の値が0であるため、換気空気のCO
2
濃度の値が0であることが必要である。尚、CO
2
濃度の値0は、外気のCO
2
濃度に相当する。すべての空気が排気されずに一部の空気が還気される循環系の空間においてCO
2
をトレーサーとして使用して空気齢を測定する場合、CO
2
の濃度減衰を測るために排気したい高い濃度のCO
2
を含む空気が還気され、換気空気のCO
2
濃度(トレーサー濃度)の値が0よりも高くなってしまう。従って、CO
2
をトレーサーとして使用する場合、空気齢を測定可能な空間が外気との給排気手段を備えた換気系に限定され、室内空気を循環させる循環系の空間における空気齢を測定することができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、大掛かりにならずに済み、人体に親和性のあるトレーサーを使用して空間の空気齢を測定することができ、人の存在する空間であってもその空間の空気齢を確実かつ容易に測定することができる空気齢測定システム及び空気齢測定方法を提供することにある。本発明の他の目的は、換気系の空間の空気齢を測定することができるのみならず、トレーサーを使用して循環系の空間における空気齢を測定することができる空気齢測定システム及び空気齢測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための本発明の第1の前提は、トレーサーを利用して所定の空間の空気齢を測定する空気齢測定システムである。
【0008】
前記第1の前提における本発明の第1の特徴としては、トレーサーが、微小な液体の拡散に伴って拡散するトレーサー微粒子であり、空気齢測定システムが、トレーサー微粒子を含む微小な液体を空間に拡散させる拡散手段と、トレーサー微粒子の粒径を含む計測レンジを有し、拡散手段により微小な液体の拡散に伴って空間に拡散されたトレーサー微粒子の数値データを所定の測定時間の間に計測する微粒子計測手段と、微粒子計測手段によって計測されたトレーサー微粒子に関する数値データに基づいて空間における空気齢を算出する空気齢測定手段とを備え、空気齢測定手段が、空間におけるトレーサー微粒子の時間の経過による数値データの変化状況から空間の空気齢を算出することにある。
【0009】
前記第1の特徴を有する本発明の一例としては、空気齢測定システムが、空間の空気に含まれるトレーサー微粒子を捕集する捕集手段を含み、空気齢測定システムでは、微粒子計測手段によってトレーサー微粒子の数値データを測定した後の空気に含まれるトレーサー微粒子を捕集手段によって除去し、トレーサー微粒子を除去した空気を空間に還気する。
【0010】
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、拡散手段が、微小な液体を空間に拡散させる加湿器である。
(【0011】以降は省略されています)
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