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公開番号2025034669
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141184
出願日2023-08-31
発明の名称対象物の補修または補強方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人弁理士法人新樹グローバル・アイピー
主分類E21D 11/00 20060101AFI20250306BHJP(地中もしくは岩石の削孔;採鉱)
要約【課題】連続繊維シートを用いた対象物の補強方法では樹脂の積層回数次第では多大な工事時間を必要としていた。
【解決手段】(a)対象物1に直接または下地層10を介して、粘度が30Pa・s未満である第1樹脂組成物20を塗布、(b)第1樹脂組成物20の上に補強繊維30を配置、(c)補強繊維30の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第2樹脂組成物40を塗布、(d)第2樹脂組成物40の上に光硬化性樹脂シート50を配置、(e)光硬化性樹脂シート50の上から第2樹脂組成物を押し出す形で脱泡、(f)光硬化性樹脂シート51の表面から紫外線を照射し、光硬化性樹脂を硬化させる。光硬化性樹脂は硬化のプロセスにおいて発熱する。この熱によって、樹脂組成物20、40の硬化が促進される。工程(a)~(e)まではノンストップで、工程(f)においても、30分程度であることから、施工時間が大幅に短縮可能である。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
(a)対象物に直接または下地層を介して、粘度が30Pa・s未満である第1樹脂組成物を塗布し、
(b)前記(a)で塗工された前記第1樹脂組成物の上に補強繊維を配置し、
(c)前記(b)で配置された前記補強繊維の上に、粘度が30Pa・s以上、85Pa・s以下である第2樹脂組成物を塗布し、
(d)前記(c)で塗工された前記第2樹脂組成物の上に光硬化性樹脂シートを配置し、
(e)前記光硬化性樹脂シートの上から前記第2樹脂組成物を押し出す形で脱泡し、
(f)前記光硬化性樹脂シートの表面に紫外線を照射する、
対象物の補修または補強方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記第1樹脂組成物の粘度は、20Pa・S以下である、
請求項1に記載の対象物の補修または補強方法。
【請求項3】
前記第1樹脂組成物の粘度は、5Pa・S以下である、
請求項1に記載の対象物の補修または補強方法。
【請求項4】
さらに、
(g)前記光硬化性樹脂シートの表面に塗料を塗布する、
工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
【請求項5】
前記対象物は、コンクリート、金属又は樹脂製品である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
【請求項6】
前記補強繊維は、ガラス繊維又は炭素繊維である、
請求項1~3のいずれか1項に記載の対象物の補修または補強方法。
【請求項7】
前記炭素繊維は、繊維径が5~10μmである、
請求項6に記載の対象物の補修または補強方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の補修または補強方法であり、強化繊維シート(補強繊維)を使用した現場含浸工法により、工事時間短縮を図るものである。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1は、強化繊維シートを用いた対象物の補修または補強方法を開示している。対象物における現場含浸工法は、現場にて強化繊維に、粘度が30Pa・s未満の樹脂を含浸させる方式をとっている。現場含浸工法で一般的に使用する樹脂は常温硬化樹脂であるが、その硬化時間は数時間以上であるため、樹脂の積層回数次第では多大な工事時間を必要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-143572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献1は、これに対して、繊維に含浸させる樹脂として、粘度が30~85Pa・sと高い粘度の樹脂を用い、圧力を加えることで、樹脂を繊維に含浸させる方法を提案しているが、強化繊維シートに樹脂が均一に含浸しているかどうかによってその性能に違いが発生する。
【0005】
JRや私鉄等鉄道分野では架線近くで炭素繊維シートを施工すると通電して鉄道施設に悪影響を与えたり、火災等による災害が生じる恐れがあるため、炭素繊維シートによる補強工法は選択されない傾向にある。
【0006】
一般的に行われている現場含浸工法で、補強繊維に粘度が30Pa・s未満の樹脂を含浸させた後、光硬化性樹脂シートを直接または専用の樹脂を用いて貼付け、紫外線を照射することで早期に工事完了となる。
【0007】
光硬化性樹脂シートに紫外線を照射すると、シートが硬化する過程で樹脂に熱を供給するため、樹脂の硬化が早くなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
対象物の補修または補強方法は、以下の(a)~(f)の工程を有する。
【0009】
(a)対象物に直接または下地層を介して、粘度が30Pa・s未満である第1樹脂組成物を塗布し、
(b)前記(a)で塗工された前記第1樹脂組成物の上に補強繊維を配置して含浸させ、
(c)前記(b)で配置された前記補強繊維の上に、粘度が30Pa・s以上85Pa・s以下である第2樹脂組成物を塗布し、
(d)前記(c)で塗工された前記第2樹脂組成物の上に光硬化性樹脂シートを配置し、
(e)前記光硬化性樹脂シートの上から第2樹脂組成物を押し出す形で脱泡し、
(f)前記光硬化性樹脂シートの表面に紫外線を照射する。
【0010】
本開示の対象物の補修または補強方法は、さらに、
(g)前記光硬化性樹脂シートの表面に塗料を塗布、してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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