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公開番号2025033233
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023138806
出願日2023-08-29
発明の名称複合構造体およびその製造方法
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類B32B 15/08 20060101AFI20250306BHJP(積層体)
要約【課題】熱伝導率に優れる樹脂金属複合構造体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】金属部材と、PAS樹脂を含むPAS樹脂組成物を溶融成形してなる成形品からなる樹脂部材とが、接合してなる複合構造体であって、前記樹脂組成物の厚み方向の熱伝導率が0.65W/m・K以上であり、かつ、前記樹脂部材の任意の5点を、共焦点顕微鏡を用いてISO 25178に準拠して測定した時に展開面積比(Sdr)が数平均値で0.03%以下である、複合構造体及びその製造方法。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
金属部材と、ポリアリーレンスルフィド樹脂を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形してなる成形品からなる樹脂部材とが、接合してなる複合構造体であって、
前記樹脂組成物の厚み方向の熱伝導率が0.65W/m・K以上であり、かつ、
前記樹脂部材の任意の5点を、共焦点顕微鏡を用いてISO 25178に準拠して測定した時に展開面積比(Sdr)が数平均値で0.03%以下である、複合構造体。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記樹脂部材の表面線粗さRzが3.0μm以下である、請求項1記載の複合構造体。
【請求項3】
前記樹脂組成物が、ポリアリーレンスルフィド樹脂と、繊維状充填剤と、熱伝導率が15W/m・K以上である非繊維状充填剤を配合してなるものである、請求項1又は2記載の複合構造体。
【請求項4】
前記樹脂組成物において、繊維状充填剤の配合量がポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して25~90質量部の範囲である、請求項3記載の複合構造体。
【請求項5】
前記樹脂組成物において、熱伝導率が15W/m・K以上である非繊維状充填剤の配合量がポリアリーレンスルフィド樹脂100質量部に対して85~200質量部の範囲である、請求項3記載の複合構造体。
【請求項6】
前記樹脂組成物のウェルド強度が40MPa以上である、請求項1又は2記載の複合構造体。
(ただし、ウェルド強度は、ISO20753に規定されるタイプAの試験片に準拠したダンベル形状の両端から左右対称に溶融樹脂を充填させた成形品を用いてISO 527-1,2に準拠して測定した、ウェルド部における引張強さである。)
【請求項7】
前記金属部材が、アルミニウム、銅、マグネシウム、鉄、チタン及びそれらを含有する合金からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1又は2記載の複合構造体。
【請求項8】
前記金属部材の表面線粗さRzが3.0μm以下である、請求項1又は2記載の複合構造体。
【請求項9】
金属部材と、ポリアリーレンスルフィド樹脂を含むポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形してなる成形品からなる樹脂部材とを、接合する工程を有する複合構造体の製造方法であって、
前記樹脂組成物の厚み方向の熱伝導率が0.65W/m・K以上であり、かつ、
前記樹脂部材の任意の5点を、共焦点顕微鏡を用いてISO 25178に準拠して測定した時に展開面積比(Sdr)が数平均値で0.03%以下である、複合構造体の製造方法。
【請求項10】
前記樹脂部材の表面線粗さRzが3.0μm以下である、請求項9記載の複合構造体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、金属部材と、ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物を溶融成形してなる成形品とを接合してなる複合構造体およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体チップの微細化や高出力化などの技術開発に伴い、半導体発熱量の増大が課題となっている。半導体の機能を維持するためには、半導体基材の放熱効率を高める必要があり、一般的にはヒートシンクなどと接続して放熱性が高められている。このようなヒートシンクを用いた半導体の放熱性向上においては、半導体チップそのものの熱抵抗及びヒートシンクの熱抵抗の低減と、半導体とヒートシンクとの接触界面の伝達熱抵抗の低減が課題となる。従来技術では、例えば、半導体基板とヒートシンクの間に密着性かつ高熱伝導率のグリースやシートを配置し、半導体の放熱性向上が図られているが、当該グリースやシートの使用は塗布工程や配置工程が必要となる点で工程が煩雑であるという問題があった。
【0003】
一方、半導体に接する基材や筐体を形成する材料として、生産効率と成形可能な形状の自由度の高さから、熱可塑性樹脂材料が用いられるようになってきている。ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSという)樹脂に代表されるポリアリーレンスルフィド(以下、PASという)樹脂は機械的強度、耐熱性、耐薬品性、成形加工性、寸法安定性、難燃性に優れることから、しばしば当該用途に使用される樹脂の1つである。PAS樹脂材料の成形品の熱抵抗低減のためには、高熱伝導率を有する充填剤を高い配合比率で充填して材料の熱伝導率を向上させることが汎用技術である。
【0004】
例えば、特許文献1では、PPSのような樹脂10~60重量%と粒径が20~900μmの黒鉛40~90重量%(両者の合計は100重量%)からなる樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2ではPAS樹脂100質量部と、ビニルアルコキシシラン化合物で予め表面処理された酸化マグネシウム80~600質量部と、を配合してなる高熱伝導性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3では、PAS樹脂100重量部に対し、黒鉛5~50重量部、タルク5~80重量部およびガラス繊維5~80重量部を含有する樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-339290号公報
国際公開2013/161844号パンフレット
特開2022-160098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、高熱伝導率な充填剤を高充填した材料は、成形時の流動性が低くなり、また、固化速度も速くなることから、射出成形時に金型面に樹脂成分が追随できず、平滑な表面が得にくい課題があった。したがって、表面が平滑でない樹脂成形品と金属製のヒートシンクなどの部品を重ねた場合、樹脂成形品の表面の凹凸へ熱伝導率の低い空気層が形成されるため、高放熱の樹脂材料と金属材料の複合構造体が得ることが困難であった。しかしながら、上記の文献のいずれにも、PPS樹脂組成物の表面平滑性については開示されていない。
【0007】
そこで、本開示が解決しようとする課題は、熱伝導率に優れる樹脂金属複合構造体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、複合構造体に用いる樹脂部材の表面の展開面積比(Sdr)を特定の値に制御することで、金属部材との密着性をより向上させることができ、樹脂部材と金属部材の界面における熱伝導効率の損失を低減できることを見出し、本開示を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本開示は、金属部材と、PAS樹脂を含むPAS樹脂組成物を溶融成形してなる成形品からなる樹脂部材とが、接合してなる複合構造体であって、
前記樹脂組成物の厚み方向の熱伝導率が0.65W/m・K以上であり、かつ、
前記樹脂部材の任意の5点を、共焦点顕微鏡を用いてISO 25178に準拠して測定した時に展開面積比(Sdr)が数平均値で0.03%以下である、複合構造体に関する。
【0010】
また、本開示は、金属部材と、PAS樹脂を含むPAS樹脂組成物を溶融成形してなる成形品からなる樹脂部材とを、接合する工程を有する複合構造体の製造方法であって、
前記樹脂組成物の厚み方向の熱伝導率が0.65W/m・K以上であり、かつ、
前記樹脂部材の任意の5点を、共焦点顕微鏡を用いてISO 25178に準拠して測定した時に展開面積比(Sdr)が数平均値で0.03%以下である、複合構造体の製造方法に関する
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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