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公開番号
2025032535
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-12
出願番号
2023137852
出願日
2023-08-28
発明の名称
原子炉冷却システム
出願人
日立GEニュークリア・エナジー株式会社
代理人
ポレール弁理士法人
主分類
G21C
15/18 20060101AFI20250305BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】崩壊熱を除去すると共に、原子炉容器と格納容器の二重破損時においても空気と液体金属が接することを防ぎ、火災の発生を防止できること。
【解決手段】原子炉容器内に設置された炉心と、前記原子炉容器内に充填された原子炉冷却材と、前記原子炉容器を格納する格納容器と、該格納容器を収納するコンクリートサイロと、前記格納容器と前記コンクリートサイロの間の空間に、前記格納容器を冷却するための前記格納容器からの熱により高温になった空気が上昇して通る空気上昇流路及び前記空気上昇流路と連通し、外気が下降して通り前記空気上昇流路に導く空気下降流路を形成するコレクタシリンダと、該コレクタシリンダの径方向の外側に接するように設置された断熱材と、前記コンクリートサイロの上部に設置され、前記空気上昇流路及び前記空気下降流路に液体窒素を供給する液体窒素供給システムと、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
原子炉の熱を冷却するための外気を導き、高温となった空気を排出する自然循環流路を備えた原子炉冷却システムであって、
前記自然循環流路の空気流路を形成する筒状部材を通って前記自然循環流路に接続された予備配管と、該予備配管へ液体窒素を供給するシステムと、を備えていることを特徴とする原子炉冷却システム。
続きを表示(約 2,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の原子炉冷却システムであって、
前記自然循環流路は、炉心を収納している原子炉容器を格納する格納容器の周囲に形成され、前記格納容器からの熱により高温になった空気が上昇して通る空気上昇流路と、該空気上昇流路と連通し、前記外気が下降して通り前記空気上昇流路に導く空気下降流路と、から成り、
前記筒状部材は、前記空気下降流路と前記空気上昇流路の間に設置され、前記格納容器から放射された熱を受け止めるコレクタシリンダと、該コレクタシリンダの周囲に設けられ、前記空気下降流路と前記空気上昇流路を断熱して冷却能力の低下を抑制する断熱材と、から成り、
前記予備配管は、前記液体窒素を貯蔵する容器からの前記液体窒素の供給を制御する液体窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気下降流路に接続された第1の液体窒素供給配管と、前記液体窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気上昇流路に接続された第2の液体窒素供給配管と、から成り、
前記予備配管へ前記液体窒素を供給するシステムは、前記格納容器を収容するコンクリートサイロの上部に設置された液体窒素供給システムから成る、ことを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項3】
請求項2に記載の原子炉冷却システムであって、
前記液体窒素供給システムは、前記液体窒素を貯蔵する前記容器と、前記液体窒素の供給を制御する前記液体窒素バルブと、該液体窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気下降流路に接続された前記第1の液体窒素供給配管と、前記液体窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気上昇流路に接続された前記第2の液体窒素供給配管と、前記容器に外部から前記液体窒素を供給するための接続部と、から構成されていることを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項4】
原子炉容器内に設置された炉心と、前記原子炉容器内に充填された原子炉冷却材と、前記原子炉容器を格納する格納容器と、該格納容器を収納するコンクリートサイロと、前記格納容器と前記コンクリートサイロの間の空間に、前記格納容器を冷却するための前記格納容器からの熱により高温になった空気が上昇して通る空気上昇流路及び前記空気上昇流路と連通し、外気が下降して通り前記空気上昇流路に導く空気下降流路を形成するコレクタシリンダと、該コレクタシリンダの径方向の外側に接するように設置された断熱材と、前記コンクリートサイロの上部に設置され、前記空気上昇流路及び前記空気下降流路に液体窒素を供給する液体窒素供給システムと、を備えていることを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項5】
請求項4に記載の原子炉冷却システムであって、
前記液体窒素供給システムは、前記液体窒素を貯蔵する容器と、前記液体窒素の供給を制御する液体窒素バルブと、該液体窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気下降流路に接続された第1の液体窒素供給配管と、前記液体窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気上昇流路に接続された第2の液体窒素供給配管と、前記容器に外部から前記液体窒素を供給するための接続部と、から構成されていることを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項6】
請求項5に記載の原子炉冷却システムであって、
前記容器から前記第1及び第2の液体窒素供給配管を介して前記空気上昇流路及び前記空気下降流路に前記液体窒素が供給され、前記空気上昇流路及び前記空気下降流路に漏洩した前記原子炉冷却材が冷却されることで、前記空気上昇流路及び前記空気下降流路の途中には固化層が形成されることを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項7】
請求項5に記載の原子炉冷却システムであって、
前記コンクリートサイロの前記格納容器側の表面には、ライナーが設置されていることを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項8】
請求項5に記載の原子炉冷却システムであって、
前記原子炉容器と前記格納容器の間の空間及び前記コンクリートサイロと前記格納容器の間の空間に液体金属漏洩検出器を設置し、前記液体金属漏洩検出器で前記原子炉冷却材の漏洩を検知したら前記液体窒素供給システムの前記液体窒素バルブが自動的に開き前記液体窒素を供給することを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項9】
請求項5に記載の原子炉冷却システムであって、
前記液体窒素供給システムに加えて、前記空気上昇流路及び前記空気下降流路に窒素ガスを供給する窒素ガス供給システムを備えていることを特徴とする原子炉冷却システム。
【請求項10】
請求項9に記載の原子炉冷却システムであって、
前記窒素ガス供給システムは、前記窒素ガスを充填した窒素ガスタンクと、該窒素ガスの供給を制御する複数の窒素バルブと、該窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気下降流路に接続された第1の窒素ガス供給配管と、前記窒素バルブから前記断熱材を通って前記空気上昇流路に接続された第2の窒素ガス供給配管と、から構成されていることを特徴とする原子炉冷却システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は原子炉冷却システムに係り、特に、原子炉冷却装置を備えた高速炉の炉心に用いるものに好適な原子炉冷却システムに関する。
続きを表示(約 1,200 文字)
【背景技術】
【0002】
高速の中性子で核分裂反応を維持する高速炉は、一般的に原子炉容器内に設置された炉心と、原子炉容器内に充填された液体金属の冷却材と、によって構成されている。
【0003】
原子炉容器は、不活性ガスが充填された空間を構成する格納容器内に格納されており、格納容器は、内側を鋼製ライナーで覆われたコンクリート製のサイロ内に設置されている。
【0004】
高速炉の炉心は、運転停止時であっても残留崩壊熱が生じ続けるため、これを冷却するために、一般的にはタービンバイパス系統を用いるが、通常の崩壊熱除去系が利用できない場合を想定して、崩壊熱を除去するためのシステムを別途備えることが要求されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、崩壊熱除去のために、空気、即ち、大気を用いた原子炉容器補助冷却系(以下、RVACSという)と呼ばれる機能を備えている。
【0006】
特許文献1に記載のRVACSによる崩壊熱除去システムは、原子炉建屋の上部からコンクリート製のサイロ内に空気を導くための空気取込口を有し、格納容器とコンクリート製のサイロ内の空間には空気の下降流路と上昇流路を形成し、かつ、格納容器から放射された熱を受け止めるためのコレクタシリンダを有している。
【0007】
そして、原子炉から生じた残留崩壊熱は、冷却材を介して原子炉容器に伝えられ、原子炉容器から格納容器には熱放射によって伝えられ、格納容器の温度が上昇すると、熱放射によってコレクタシリンダに熱が伝えられると共に、格納容器とコレクタシリンダの両面から上昇流路内の空気に熱が伝えられ、加熱された空気は、原子炉建屋の上部に設置された空気排出口から外部に放出されるようになっている。
【0008】
上述した特許文献1に記載のRVACSによる崩壊熱除去システムによれば、空気の下降流路へは、空気上昇流との空気の密度差を駆動力として空気取込口から空気が流入し、コンクリート製のサイロの底部まで流れ込んだ後、反転して格納容器と空気流路を形成しているコレクタシリンダの間の空間を加熱されながら上昇し、空気排出口から放出される。
【0009】
上述したような原理に基づくRVACSによる崩壊熱除去システムは、電源や人為的な操作が不要な受動的な安全システムであり、通常運転時においても常に空気流路は解放され、熱交換器などの複雑な構造を有する機器も存在しないことから高い信頼性を有している。
【0010】
しかしながら、RVACSによる崩壊熱除去システムを有する高速炉において、極端に確率は低く起こりそうもない仮想事象ではあるが、原子炉容器と格納容器の二重破損の発生を想定すると、原子炉容器内に充填された冷却材が空気流路に漏洩し、空気が下降流路から上昇流路に反転する空間を閉塞することによって、RVACSの冷却機能は失われる恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)
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