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公開番号2025032009
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2024231879,2021061050
出願日2024-12-27,2021-03-31
発明の名称電線導体および絶縁電線
出願人株式会社オートネットワーク技術研究所,住友電装株式会社,住友電気工業株式会社
代理人弁理士法人上野特許事務所
主分類H01B 5/02 20060101AFI20250228BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】導体断面積を0.13mm2よりも小さくしても、電線強度およびコネクタ端子に接続する際の接続強度に優れた電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線を提供する。
【解決手段】ステンレス鋼より構成される単線の芯線11と、銅または銅合金より構成され、前記芯線の外周を被覆する銅被覆層12と、を有し、導体断面積が0.13mm2未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下であり、引張強さが950MPa以上、1080MPa以下であり、破断伸びが1.5%以上であり、単線の状態で使用される、電線導体10とする。また、前記電線導体10と、前記電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆20と、を有する、絶縁電線1とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ステンレス鋼より構成される単線の芯線と、
銅または銅合金より構成され、前記芯線の外周を被覆する銅被覆層と、を有し、
導体断面積が0.13mm

未満であり、
電気抵抗が660mΩ/m以下であり、
引張強さが950MPa以上、1080MPa以下であり、
破断伸びが1.5%以上であり、
単線の状態で使用される、電線導体。
続きを表示(約 580 文字)【請求項2】
前記電線導体の断面において、
前記芯線の硬度は、650Hv以上、750Hv以下であり、
前記銅被覆層の硬度は、80Hv以上、120Hv以下である、請求項1に記載の電線導体。
【請求項3】
前記芯線の引張強さは、2400MPa以上、2800MPa以下である、請求項1または請求項2に記載の電線導体。
【請求項4】
前記芯線を構成するステンレス鋼は、150℃以上400℃以下の温度で1時間の熱処理を行った際の破断伸びが、1.7%以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電線導体。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線導体と、
前記電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する、絶縁電線。
【請求項6】
前記電線導体が、複数並列に並べられ、
前記電線導体のそれぞれの外周が、前記絶縁被覆によって被覆されて、被覆部が構成され、
前記被覆部の間が、前記被覆部の前記絶縁被覆と一体となった連結部によって連結されている、請求項5に記載の絶縁電線。
【請求項7】
前記電線導体のうち、少なくとも1組の隣接する2本の間の距離が、0.2mm以上、1.2mm以下となっている、請求項6に記載の絶縁電線。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、電線導体および絶縁電線に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
自動車内において、各種通信機器に、コネクタを介して通信用電線が接続されるが、機器の小型化に伴い、コネクタにおいても、小型化、軽量化が進められている。コネクタが小型化すると、そこに接続される通信用電線においても、細径化が求められる。例えば、特許文献1では、Feを含むCu合金の素線を用いた撚線導体として、導体断面積を0.13mm

まで小さくしたものが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-085344号公報
特開2018-37324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で用いられている導体のように、導体断面積0.13mm

程度までならば、従来の銅合金撚線を細径化しても、電線強度やコネクタ接続の際の接続強度を十分に確保することができる。しかし、昨今のコネクタの小型化に伴い、導体断面積が0.13mm

よりもさらに小さい通信用電線も求められている。導体断面積が0.13mm

よりも小さい領域では、撚線導体を細径化することは難しく、導体を単線化することが考えられる。しかし、従来の銅合金線をそのまま単線として用いると、電線強度を十分に確保することが難しくなる。また、コネクタ端子に接続する際の接続強度も、低くなりやすい。
【0005】
そこで、導体断面積を0.13mm

よりも小さくしても、電線強度およびコネクタ端子に接続する際の接続強度に優れた電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の電線導体は、導体断面積が0.13mm

未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下であり、引張強さが950MPa以上であり、破断伸びが1.5%以上であり、単線の状態で使用される。
【0007】
本開示の絶縁電線は、前記電線導体と、前記電線導体1本の外周を被覆する絶縁被覆と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる電線導体および通信用電線は、導体断面積を0.13mm

よりも小さくしても、電線強度およびコネクタ端子に接続する際の接続強度に優れた電線導体、およびそのような電線導体を備えた絶縁電線となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本開示の一実施形態にかかる単線の絶縁電線を示す断面図である。
図2Aおよび図2Bは、フラット電線を示す断面図である。図2Aと図2Bは、それぞれ異なる形態を示している。
図3は、電線導体の物性と圧着強度の関係についての評価結果を示す図である。電線導体の物性として、上段は電線導体の引張強さ、中段は芯線の硬度、下段は銅被覆層の硬度を示している。また、左列が低圧縮の場合、右列が高圧縮の場合となっている。
図4は、芯線にSUS 304Hを用いた場合と、SUS 304Lを用いた場合について、電線導体の引張強さと圧着強度の関係の評価結果を示す図である。図中には、電線導体の破断伸びの数値も合わせて表示している。上図は低圧縮の場合、下図は高圧縮の場合となっている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
本開示にかかる電線導体は、導体断面積が0.13mm

未満であり、電気抵抗が660mΩ/m以下であり、引張強さが950MPa以上であり、破断伸びが1.5%以上であり、単線の状態で使用される。
(【0011】以降は省略されています)

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