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公開番号
2025031195
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023137249
出願日
2023-08-25
発明の名称
アルミニウム合金材およびアルミニウム合金クラッド材
出願人
MAアルミニウム株式会社
代理人
個人
主分類
C22C
21/06 20060101AFI20250228BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】耐食性に優れたアルミニウム合金、アルミニウム合金クラッド材を提供する。
【解決手段】Mg:0.5~2.0%、Fe:0.05~0.3%、Si:0.1~0.3%、を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、Si/Fe比が0.5以上、Mg/Si比が2.0以上である組成を有し、表面に原子濃度がAlよりMgのほうが高い酸化皮膜が形成され、酸化皮膜の厚さが20nm以上であり、表面(RD-TD)の観察により円相当径で0.01μm以上の径を有する金属間化合物の面積率が3.0%以下、表面から10nm深さの皮膜中におけるMgOとMgAl
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の存在比率が4.0以上である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
質量%で、Mg:0.5~2.0%、Fe:0.3%以下、Si:0.1~0.3%、を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、質量%でSiの含有量とFeの含有量の比であるSi/Fe比が0.5以上であり、質量%でMgの含有量とSiの含有量の比であるMg/Si比が2.0以上である組成を有し、
表面に、原子濃度がAlよりMgのほうが高い酸化皮膜が形成されており、前記酸化皮膜の厚さが20nm以上であり、表面(RD-TD)の観察により円相当径で0.01μm以上の径を有する金属間化合物の面積率が3.0%以下であり、前記酸化皮膜中におけるMgOとMgAl
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の存在比率が4.0以上であることを特徴とするアルミニウム合金材。
続きを表示(約 640 文字)
【請求項2】
前記組成にさらに、質量%でZn:0.1~2.0%を含有し、質量%でMgの含有量とZnの含有量の比であるMg/Zn比が0.3以上であることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金材。
【請求項3】
前記組成にさらに質量%で、Mn:0.1~0.3%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金材。
【請求項4】
前記組成の不可避不純物中で、Cu:0.01%以下に規制することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム合金材。
【請求項5】
前記組成の不可避不純物中で、Cu:0.01%以下に規制することを特徴とする請求項3に記載のアルミニウム合金材。
【請求項6】
請求項1または2に記載のアルミニウム合金を犠牲陽極材として心材の片面あるいは両面に貼り合わせられているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項7】
請求項3に記載のアルミニウム合金を犠牲陽極材として心材の片面あるいは両面に貼り合わせられているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項8】
請求項4に記載のアルミニウム合金を犠牲陽極材として心材の片面あるいは両面に貼り合わせられているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項9】
請求項5に記載のアルミニウム合金を犠牲陽極材として心材の片面あるいは両面に貼り合わせられているアルミニウム合金クラッド材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた耐食性を示すアルミニウム合金材とアルミニウム合金クラッド材に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
アルミニウムは比較的高耐食な金属として知られているが、塩素などハロゲンイオンを含む溶液との接触、及び、材料表面に水滴や液膜が形成するような腐食環境に曝されると局部的に激しい腐食が生じるため、防食技術の検討は重要課題といえる。
このような腐食環境中に対抗しうる従来アルミニウムの防食技術には、材料をコーティングすることで腐食環境に接触させない手段や、積層材として表面に比較的卑な電位を持つ犠牲防食層を設けることによる犠牲防食といった手段が挙げられる。しかし材料をコーティングするとコスト増加を招き、犠牲防食では犠牲陽極効果を上げるために多量のZnを添加すると、自己腐食速度が大きくなり犠牲陽極材の消耗を早めることがある。近年は材料の薄肉化の要求があり、別のアプローチから材料自体の耐食性を向上させる必要がある。
【0003】
自己耐食性に優れるアルミニウム合金の製造方法の先行例として、材料表面に存在するMgOにより腐食の発生を抑制できる、AlとMgの合計含有量が99.9%以上のアルミニウム合金が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-37137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した先行例では、99.9%以上の純度のアルミニウム合金を使用するためコスト増加を招き、そのアルミニウム合金にMgを添加して、単純にMgOを生成させるだけでは厳しい腐食環境に晒される熱交換器用のアルミニウム合金材としては耐食性が不十分である。
【0006】
本発明は上記事情を背景としてなされたものであり、格別なコスト増加を招くことなく厳しい腐食環境にも耐えられる、耐食性に優れたアルミニウム合金材およびアルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、発明者らは耐食性向上について研究したところ、Mg添加とMgOの生成だけでは不十分であり、原子濃度がAlよりMgのほうが高い酸化皮膜厚さや金属間化合物等の生成を制御することで耐食性がさらに向上することを見出した。そしてMgOを主体とする酸化皮膜厚さや金属間化合物等の状態は製造工程の適正化(各工程での熱負荷条件など)で達成されることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明のアルミニウム合金材のうち、第1の形態は、質量%で、Mg:0.5~2.0%、Fe:0.3%以下、Si:0.1~0.3%、を含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなり、質量%でSiの含有量とFeの含有量の比であるSi/Fe比が0.5以上であり、質量%でMgの含有量とSiの含有量の比であるMg/Si比が2.0以上である組成を有し、
表面に原子濃度がAlよりMgのほうが高い酸化皮膜が形成されており、前記酸化皮膜の厚さが20nm以上であり、表面(RD-TD)の観察により円相当径で0.01μm以上の径を有する金属間化合物の面積率が3.0%以下であり、前記酸化皮膜中におけるMgOとMgAl
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の存在比率が4.0以上であることを特徴とする。
【0009】
他の形態のアルミニウム合金材の発明は、前記形態の発明において、前記組成にさらに、質量%でZn:0.1~2.0%を含有し、質量%でMgの含有量とZnの含有量の比であるMg/Zn比が0.3以上であることを特徴とする。
【0010】
他の形態のアルミニウム合金材の発明は、前記形態の発明において、前記組成にさらに質量%で、Mn:0.1~0.3%を含有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)
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