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公開番号2025030293
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135455
出願日2023-08-23
発明の名称すべり軸受の摩耗状態を評価するためのシステムおよび方法
出願人株式会社小松製作所,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人新樹グローバル・アイピー
主分類G01M 13/04 20190101AFI20250228BHJP(測定;試験)
要約【課題】すべり軸受において摩耗状態を精度よく評価する。
【解決手段】システムは、回転体と、すべり軸受と、負荷センサとを備える機械におけるすべり軸受の摩耗状態を評価するためのシステムである。すべり軸受は、回転体を支持する。すべり軸受は、回転体に接触する第1層と、第1層に積層される第2層とを含む。負荷センサは、すべり軸受への負荷に関する負荷データを検出する。本態様に係るシステムは、摩耗量算出部と、摩耗度算出部と、摩耗状態評価部とを含む。摩耗量算出部は、負荷データに基づいて、すべり軸受の摩耗量を算出する。摩耗度算出部は、摩耗量に基づいて、摩耗度を算出する。摩耗度は、第1層が摩耗することで露出する第2層の面積に関する。摩耗状態評価部は、摩耗度に基づいて、すべり軸受の摩耗状態を評価する。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
回転体と、前記回転体に接触する第1層と前記第1層に積層される第2層とを含み前記回転体を支持するすべり軸受と、前記すべり軸受への負荷に関する負荷データを検出する負荷センサとを備える機械における前記すべり軸受の摩耗状態を評価するためのシステムであって、
前記負荷データに基づいて、前記すべり軸受の摩耗量を算出する摩耗量算出部と、
前記摩耗量に基づいて、前記第1層が摩耗することで露出する前記第2層の面積に関する摩耗度を算出する摩耗度算出部と、
前記摩耗度に基づいて、前記すべり軸受の摩耗状態を評価する摩耗状態評価部と、
を備えるシステム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記摩耗量算出部は、
前記負荷データに基づいて、前記すべり軸受の単位時間当たりの都度摩耗量を算出し、
前記都度摩耗量に基づいて、累積摩耗量を算出し、
前記摩耗度算出部は、前記累積摩耗量に基づいて、前記摩耗度を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記摩耗度算出部は、成長曲線を示す所定の関数により、前記摩耗量に基づいて、前記摩耗度を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記機械は、前記回転体を回転駆動するエンジンをさらに備え、
前記負荷データは、前記エンジンのブースト圧と、燃費と、エンジン油温とを含み、
前記摩耗量算出部は、
前記ブースト圧と、前記燃費と、前記エンジン油温とに基づいて、前記すべり軸受にかかる面圧を算出し、
前記面圧に基づいて、前記すべり軸受の摩耗量を算出する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記機械は、前記エンジンのエンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサをさらに備え、
前記摩耗量算出部は、前記軸受にかかる面圧と前記エンジン回転速度とに基づいて、前記すべり軸受の摩耗量を算出する、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
回転体と、前記回転体に接触する第1層と前記第1層に積層される第2層とを含み前記回転体を支持するすべり軸受と、前記すべり軸受への負荷に関する負荷データを検出する負荷センサとを備える機械における前記すべり軸受の摩耗状態を評価するためにコンピュータによって実行される方法であって、
前記負荷データに基づいて、前記すべり軸受の摩耗量を算出することと、
前記摩耗量に基づいて、前記第1層が摩耗することで露出する前記第2層の面積に関する摩耗度を算出することと、
前記摩耗度に基づいて、前記すべり軸受の摩耗状態を評価すること、
を備える方法。
【請求項7】
前記負荷データに基づいて、前記すべり軸受の単位時間当たりの都度摩耗量を算出することと、
前記都度摩耗量に基づいて、累積摩耗量を算出することと、
前記累積摩耗量に基づいて、前記摩耗度を算出すること、
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項8】
成長曲線を示す所定の関数により、前記摩耗量に基づいて、前記摩耗度を算出することを備える、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記機械は、前記回転体を回転駆動するエンジンをさらに備え、
前記負荷データは、前記エンジンのブースト圧と、燃費と、エンジン油温とを含み、
前記ブースト圧と、前記燃費と、前記エンジン油温とに基づいて、前記すべり軸受にかかる面圧を算出することと、
前記面圧に基づいて、前記すべり軸受の摩耗量を算出すること、
を備える請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記機械は、前記エンジンのエンジン回転速度を検出するエンジン回転速度センサをさらに備え、
前記軸受にかかる面圧と前記エンジン回転速度とに基づいて、前記すべり軸受の摩耗量を算出すること、
を備える請求項9に記載の方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、すべり軸受の摩耗状態を評価するためのシステムおよび方法に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
回転体を備える機械では、軸受によって回転体を支持している。軸受は、機械の稼働時間の増大に応じて摩耗する。軸受の摩耗が過度に進行すると、焼き付きなどの不具合が発生してしまう。そのため、従来、軸受の摩耗量によって、軸受の摩耗状態を評価する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、車両制御装置は、エンジンのトルク、回転速度、作動時間に基づいて、軸受の累積負荷を算出する。車両制御装置は、軸受の累積負荷に基づいて、軸受の摩耗量を推定する。車両制御装置は、軸受の摩耗量に基づいて、軸受の摩耗に起因する騒音及び振動のレベルを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2021-015063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の車両制御装置は、軸受の摩耗量によって軸受の摩耗状態を評価している。しかし、すべり軸受において摩耗状態をより精度よく評価することが求められる。本開示の目的は、すべり軸受において摩耗状態を精度よく評価することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るシステムは、回転体と、すべり軸受と、負荷センサとを備える機械におけるすべり軸受の摩耗状態を評価するためのシステムである。すべり軸受は、回転体を支持する。すべり軸受は、回転体に接触する第1層と、第1層に積層される第2層とを含む。負荷センサは、すべり軸受への負荷に関する負荷データを検出する。本態様に係るシステムは、摩耗量算出部と、摩耗度算出部と、摩耗状態評価部とを含む。摩耗量算出部は、負荷データに基づいて、すべり軸受の摩耗量を算出する。摩耗度算出部は、摩耗量に基づいて、摩耗度を算出する。摩耗度は、第1層が摩耗することで露出する第2層の面積に関する。摩耗状態評価部は、摩耗度に基づいて、すべり軸受の摩耗状態を評価する。
【0007】
本開示の他の態様に係る方法は、回転体と、すべり軸受と、負荷センサとを備える機械におけるすべり軸受の摩耗状態を評価するためにコンピュータによって実行される方法である。すべり軸受は、回転体を支持する。すべり軸受は、回転体に接触する第1層と、第1層に積層される第2層とを含む。負荷センサは、すべり軸受への負荷に関する負荷データを検出する。本態様に係る方法は、負荷データに基づいて、すべり軸受の摩耗量を算出することと、摩耗量に基づいて、第1層が摩耗することで露出する第2層の面積に関する摩耗度を算出することと、摩耗度に基づいて、すべり軸受の摩耗状態を評価すること、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、摩耗度に基づいて、すべり軸受の摩耗状態が評価される。摩耗度は、すべり軸受において第1層が摩耗することで露出する第2層の面積に関する。すべり軸受において第1層の摩耗が進行して、第2層が露出してくると、すべり軸受が焼き付きなどの不具合が発生する懸念が高くなる。この不具合が発生する懸念は、摩耗量よりも、第2層の露出面積との関連性が高い。そのため、第2層の露出面積に関する摩耗度によって、すべり軸受の摩耗状態を精度よく評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施形態に係るシステム及び機械の構成を示す模式図である。
エンジンの回転体とすべり軸受との斜視図である。
図2におけるすべり軸受の軸受メタルのIII-III拡大断面図である。
すべり軸受の摩耗状態を評価するための処理を示すフローチャートである。
摩耗が進行したすべり軸受の一部の内面を示す図である。
ゴンペルツ関数による摩耗量と摩耗度との関係を示すグラフである。
すべり軸受の他の例として、作業機のブッシュを示す図である。
すべり軸受の他の例として、油圧ポンプの支持部品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、実施形態に係る機械1のすべり軸受の摩耗状態を評価するためのシステムの構成を示す模式図である。機械1は、例えば、油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールローダ、グレーダ、ダンプトラックなどの建設機械である。図1に示すように、機械1は、エンジン11と、トランスミッション12と、走行装置13とを備える。
(【0011】以降は省略されています)

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