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公開番号2025029792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023134619
出願日2023-08-22
発明の名称乱流解析システムおよびプログラム
出願人個人
代理人弁理士法人MIP
主分類G01M 10/00 20060101AFI20250228BHJP(測定;試験)
要約【課題】乱流解析システムおよびプログラムを提供すること。
【解決手段】 本発明の乱流解析システム100は、Navier-Stokes方程式を解析するシステム100であり、解析のモデルの圧力分布および速度分布の初期条件を定義する定義手段101と、前進法を使用して速度分布を求める第1の算出手段102と、計算された前記速度分布から非定常レイノルズ応力項を計算する第2の算出手段103と、非定常レイノルズ応力項をベクトル化した制御変数を使用して発散の原因となる強い乱れを含む範囲のレイノルズ数を低下する低下手段104と、圧力分布を、前記速度分布から算出される慣性項、速度の湧き出しを収束させるための付加項および質量保存則を満足するために必要な前記非定常レイノルズ応力項の勾配を含めて収束させる第3の算出手段105と、を含み、所定の基準に達するまで、前記圧力分布を反復計算することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Navier-Stokes方程式を解析するシステムであって、
解析のモデルの圧力分布および速度分布の初期条件を定義する定義手段と、
前進法を使用して速度分布を求める第1の算出手段と、
計算された前記速度分布から非定常レイノルズ応力項を計算する第2の算出手段と、
前記非定常レイノルズ応力項をベクトル化した制御変数を使用して発散の原因となる強い乱れを含む範囲のレイノルズ数を低下する低下手段と、
前記圧力分布を、前記速度分布から算出される慣性項、速度の湧き出しを収束させるための付加項および質量保存則を満足するために必要な前記非定常レイノルズ応力項の勾配を含めて収束させる第3の算出手段と、
を含み、
所定の基準に達するまで、前記圧力分布を反復計算することを特徴とする、乱流解析システム。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
前記レイノルズ数を低下する低下手段は、前記非定常レイノルズ応力項の絶対値の大きさに応じて低下するレイノルズ数の値を変える、請求項1に記載の乱流解析システム。
【請求項3】
前記所定の基準は、反復回数または前記圧力分布の収束である、請求項1に記載の乱流解析システム。
【請求項4】
Navier-Stokes方程式を解析するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
解析のモデルの圧力分布および速度分布の初期条件を定義することと、
前進法を使用して速度分布を求めることと、
計算された前記速度分布から非定常レイノルズ応力項を計算することと、
前記非定常レイノルズ応力項をベクトル化した前記制御変数を使用して発散の原因となる強い乱れを含む範囲のレイノルズ数を低下することと、
前記圧力分布を、前記速度分布から算出される慣性項、速度の湧き出しを収束させるための付加項および質量保存則を満足するために必要な前記非定常レイノルズ応力項の勾配を含めて収束させることと、
を含み、
所定の基準に達するまで、前記圧力分布を反復計算することを特徴とする、プログラム。
【請求項5】
前記レイノルズ数を低下する低下手段は、前記非定常レイノルズ応力項の絶対値の大きさに応じて低下するレイノルズ数の値を変える、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記所定の基準は、反復回数または前記圧力分布の収束である、請求項4に記載のプログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、乱流解析技術に関し、より詳細には大きなレイノルズ数の乱流度の高い流れを数値解析するためのシステムおよびプログラムに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
流体の運動を記述するナビエ-ストークス(Navier-Stokes)方程式は、複雑な偏微分方程式で記述され、解析には多大な労力を要する。そこで、数値シミュレーションによって流体の挙動を近似的に予測するCFD(Computational Fluid Dynamics、数値流体力学)技術が開発されている。特に、非圧縮性流体の流れを差分法で解析する場合において、連続の式を厳密に成立させるために、種々の手法が開発されてきた。
【0003】
例えば、特開平3-229156号公報(特許文献1)では、ナビエ-ストークス方程式と連続の式に対して、同じ長さのブロック長に保った連立離散化方式とそれを計数とする連立一次方程式を不完全三角分解付き共役勾配系の解法で数値解を求める技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1などの従来技術では、解が発散したり、収束に時間が掛かったりし、実用の観点から充分ではなかった。そこで、Navier-Stokes方程式の解を安定的に収束させるさらなる技術が求められていた。
【0005】
この不都合に関連して、本発明者は、特許第7299613明細書(特許文献2)として、速度の湧き出しが新たに生じても数ステップ後にはその値を0に収束させ、近似的に連続の式を満足させることで、最も単純な中心差分法を用いて、容易に収束解が得られるシステム、方法およびプログラムを提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平3-229156号公報
特許第7299613号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2では、レイノルズ数が小さく流れに含まれる乱れが比較的弱い領域では効率的な収束性を提供することができるものの、大きなレイノルズ数の乱流度の高い流れでは解が発散し易くなり、Navier-Stokes方程式の解を安定的に収束させるためのさらなる技術が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態によれば、
Navier-Stokes方程式を解析するシステムであって、
解析のモデルの圧力分布および速度分布の初期条件を定義する定義手段と、
前進法を使用して速度分布を求める第1の算出手段と、
計算された前記速度分布から非定常レイノルズ応力項を計算する第2の算出手段と、
前記非定常レイノルズ応力項をベクトル化した制御変数を使用して発散の原因となる強い乱れを含む範囲のレイノルズ数を低下する低下手段と、
前記圧力分布を、前記速度分布より算出される慣性項、速度の湧き出しを収束させるための付加項および前記非定常レイノルズ応力項の勾配を含めて収束させる第3の算出手段と、
を含み、
所定の基準に達するまで、前記圧力分布を反復計算することを特徴とする、乱流解析システムが提供される。
【0009】
また本実施形態によれば、乱流解析を行うためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大きなレイノルズ数の乱流度の高い強い流れを安定的に収束させることが可能な乱流解析システムおよびプログラムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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