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公開番号
2025027706
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2023132761
出願日
2023-08-17
発明の名称
水性レジンインク乾燥装置、及び水性レジンインクの乾燥制御方法
出願人
ローランドディー.ジー.株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F26B
21/10 20060101AFI20250220BHJP(乾燥)
要約
【課題】 熱によるメディアのダメージを抑制し、高温処理による画像劣化を抑制するように適切な乾燥処理を実施する。
【解決手段】 水性レジンインク乾燥装置100は、印刷されたメディア10が平置きに載置される載置台212と、メディアの周囲空間を構成すると共に、熱風によりメディアの全体を乾燥させることが可能な乾燥室203と、少なくとも1つのファンヒータユニットFHと、ファン制御値、ヒータ制御値、及び乾燥時間の少なくとも1つを変更して乾燥条件を可変に制御可能な制御部350と、を有し、制御部350は、樹脂のガラス転移温度以上となるヒータ制御値を設定でき、メディアの載置状態を変更することなく乾燥条件を変更し、乾燥条件が異なる複数の乾燥工程を順次、実施可能である。
【選択図】 図2
特許請求の範囲
【請求項1】
水性レジンインクにより印刷されたメディアが平置きに載置される載置台と、
前記メディアの周囲空間を構成すると共に、熱風により前記メディアの全体を乾燥させることが可能な乾燥室と、
前記熱風を生成するファン、及びヒータを備える少なくとも1つのファンヒータユニットと、
前記ファンの動作を制御するファン制御部と、前記ヒータの動作を制御するヒータ制御部と、を備えると共に、前記ファン制御部のファン制御値、前記ヒータ制御部のヒータ制御値、及び乾燥時間の少なくとも1つを変更して乾燥条件を可変に制御可能である制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記ヒータ制御値として、前記水性レジンインクに含まれる樹脂のガラス転移温度以上となるヒータ制御値を設定可能であると共に、
前記載置台に載置されている前記メディアに対して、その載置状態を変更することなく前記乾燥条件を変更することで、乾燥条件が異なる複数の乾燥工程を順次、実施可能である、
水性レジンインク乾燥装置。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
前記水性レジンインク乾燥装置は、オーブン型の乾燥装置であると共に、前記水性レジンインクを前記メディアに印刷する印刷装置とは別体である、
請求項1に記載の水性レジンインク乾燥装置。
【請求項3】
前記乾燥室は、前記メディアの前記周囲空間を略閉じた空間とすることで構成される、略密閉の乾燥室であり、
前記水性レジンインク乾燥装置は、前記水性レジンインクを前記メディアに印刷する印刷装置と一体的である、
請求項1に記載の水性レジンインク乾燥装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記メディアの乾燥工程を、
前記水性レジンインクの水分を乾燥させることを主とする第1の工程と、
前記水性レジンインクに含まれる樹脂成分を溶解して硬化させることを主とする第2の工程と、
前記第2の工程後の前記メディアを冷却することを主とする第3の工程と、
に区分し、
前記載置台に載置されている前記メディアの載置状態を変更することなく、前記乾燥条件を、前記第1乃至第3の工程毎に切り替えることで、前記第1乃至第3の各工程を順次、実施する、
請求項1に記載の水性レジンインク乾燥装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1の工程では、
乾燥時間を第1の時間に設定し、前記ファン制御値を、第1のファン制御値に設定し、前記ヒータ制御値を、前記メディアの表面付近の温度が、前記水性レジンインクに含まれる樹脂成分のガラス転移温度よりも低くなる第1のヒータ制御値に設定し、
前記第2の工程では、
乾燥時間を第2の時間に設定し、前記ファン制御値を、前記1のファン制御値よりも小さい第2のファン制御値に設定し、前記ヒータ制御値を、前記メディアの表面付近の温度が、前記水性レジンインクに含まれる樹脂のガラス転移温度以上となる第2のヒータ制御値に設定し、
前記第3の工程では、
乾燥時間を第3の時間に設定し、前記ファン制御値を、前記第2のファン制御値よりも大きい第3のファン制御値に設定し、前記ヒータ制御値を、前記ヒータがオフとなる第3のヒータ制御値に設定する、
請求項4に記載の水性レジンインク乾燥装置。
【請求項6】
水性レジンインクによる印刷がなされたメディアを、乾燥室内の載置台に平置きに載置し、熱風によって前記水性レジンインクの乾燥工程を実施する場合に、前記乾燥工程を、
前記水性レジンインクの水分を乾燥させることを主とする第1の工程と、
前記水性レジンインクに含まれる樹脂成分を溶解して硬化させることを主とする第2の工程と、
前記第2の工程後の前記メディアを冷却することを主とする第3の工程と、
に区分し、
前記メディアの載置状態を変更することなく、前記第1乃至第3の工程毎に乾燥条件を切り替え、前記第1乃至第3の各工程を順次、実施する、水性レジンインクの乾燥制御方法。
【請求項7】
熱風を生成するファン、及びヒータを備える少なくとも1つのファンヒータユニットを用いると共に、前記第1の工程では、
乾燥時間を第1の時間に設定し、
前記ファンの風量を第1のファン風量値に設定し、
前記ヒータの温度を、前記メディアの表面付近の温度が、前記水性レジンインクに含まれる樹脂成分のガラス転移温度よりも低くなる第1の温度値に設定し、
前記第2の工程では、
乾燥時間を第2の時間に設定し、
前記ファンの風量を、前記1のファン風量値よりも小さい第2のファン風量値に設定し、
前記ヒータの温度を、前記メディアの表面付近の温度が、前記水性レジンインクに含まれる樹脂のガラス転移温度以上となる第2の温度値に設定し、
前記第3の工程では、
乾燥時間を第3の時間に設定し、前記ファンの風量を、前記第2のファン風量値よりも大きい第3のファン風量値に設定し、前記ヒータはオフする、
請求項6に記載の、水性レジンインクの乾燥制御方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性レジンインク乾燥装置、及び水性レジンインクの乾燥制御方法等に関する。
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【背景技術】
【0002】
例えば、屋内外の装飾やパネルの制作には、従来、溶剤インクを使ったインクジェット方式の印刷が広く用いられてきたが、溶剤インクにはVOC(Volatile Organic Compound:揮発性有機化合物)が多く含まれており、人体への悪影響が懸念されるという課題を抱えており、この課題を解消するべく、近年、水性の熱硬化性インクである水性レジンインク、言い換えれば、樹脂を含有するラテックスインクが開発され、ロールメディアを取り扱うインクジェットプリンタの実機での使用例もみられるようになった。
【0003】
水性レジンインクは、水性インクではあるが、耐候性を有し、また、多様なメディア(記録媒体)に印刷が可能であるという利点をもつ。
【0004】
また、水性レジンインクは、載置部の載置面に平置きされて印刷、乾燥が実施される多様なメディア(すなわち、フラットベッド型の印刷装置で印刷され、フラットベッド型の乾燥装置で印刷される多様なメディア)への適用も期待されている。
【0005】
水性レジンインク(ラテックスインク)は、インクジェットプリンタによるメディアへの塗布後、熱乾燥によって、水分を蒸発させると共に、樹脂を溶解、硬化させて塗膜を定着させる必要がある。水性レジンインクの乾燥においては、樹脂を溶解、硬化させるという、かなり高温(具体的にはガラス転移温度:一般に70℃以上)の加熱工程が必要である。メディアの乾燥には乾燥装置が使用される。
【0006】
下記特許文献1の[0069]には、樹脂の転移温度(ガラス転移温度)に関し、「好ましくは120℃以下であり、印刷物の耐擦性をより向上させる観点から、より好ましくは90℃未満であり、さらに好ましくは80℃以下である」との記載がある。
【0007】
また、特許文献1の請求項1には、「凝集剤を含む処理液を記録媒体に付着する処理液付着工程と、色材を含む水系インク組成物を、インクジェットヘッドから吐出して記録媒体に付着するインク付着工程と、処理液及び水系インク組成物が付着した記録媒体を、第1加熱機構により、第1表面温度に加熱する第1加熱工程と、第1加熱工程の後に冷却機構により記録媒体を冷却する冷却工程と、冷却工程の後に記録媒体を、第1加熱機構よりも記録媒体搬送方向の下流側に設けた第2加熱機構により、第1表面温度よりも高い第2表面温度に加熱する第2加熱工程と、を実施するインクジェット記録装置」が示されている。
【0008】
また、この特許文献1の[0004]には、「凝集剤を含有する処理液を使用した場合、印刷画像に白いもやが発生すること」が記載されている。そして、特許文献1の[0005]には、第1加熱工程後(かつ第2加熱工程前)に、記録媒体を冷却する冷却工程を設けることで、白もやの発生が抑制できる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2021-070244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
印刷後におけるメディアの乾燥工程は、例えば、UVインク等を用いた印刷の後においても実施されるが、しかし、水性レジンインクの乾燥においては、上述のとおり、樹脂を溶解、硬化させるという、かなり高温の加熱工程が必要である。
よって、乾燥工程においては、UVインク等の乾燥と比べて、かなりの電力が必要となり、乾燥装置の高パワー化、大型化が必要となると想定され、この場合、現状の印刷装置では対応できない場合も予想され得る。
(【0011】以降は省略されています)
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