TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025027472
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2024209824,2021516288
出願日2024-12-02,2020-04-24
発明の名称単一生物単位の生菌由来核酸の選択的検出、カウント、ゲノム解析
出願人bitBiome株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C12Q 1/02 20060101AFI20250218BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】本開示は、細胞の集団の組成を分析するにあたり、細胞の集団中の1細胞ずつの生死情報と核酸情報とを併せて分析することを可能にする手法を提供することを課題とする。
【解決手段】本開示は、細胞の集団の組成を分析する方法であって、標識剤により標識された状態で、該細胞の集団の細胞が1細胞ずつ封入されたゲルカプセルを提供する工程であって、該標識剤は、生細胞と死細胞とを示差的に標識する、工程と、該細胞の集団の1つずつの細胞由来の核酸を増幅する工程と、該細胞の集団の1細胞ずつの生死情報を得る工程と、該細胞の集団の1つずつの細胞由来の増幅核酸を分析する工程とを含む、方法が開示される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、細胞集団組成の分析に関し、生物学的研究、医療、環境、ヘルスケアなどの分野において利用可能である。
続きを表示(約 3,900 文字)【背景技術】
【0002】
環境からの生菌の選択的検出は、食品検査・種子検査などの衛生学的品質評価や微生物資材・微生物製剤の品質保証に用いられる。食品検査では、対象細菌が特定されており、実験室での培養法が確立されている対象については、標準寒天培地を用いて一定条件下で発育する菌数を測定する手法が一般的に取られている。しかし、培養日数を要することや培養の煩雑性から、生菌と死菌の蛍光染色観察による識別法などが代替技術として提案されている。画像をもとに判定することで既知種から構成される試料であれば観察資料の菌種の類推等も可能であるが、複数種の未知細菌・類似細菌から構成される試料の場合には菌種構成の特定が困難である。遺伝子検出をベースとした手法として、対象菌の配列を特異的に増幅検出する手法があり、PCR、qPCR、digital PCR、LAMP法などが用いられる。遺伝子検出をベースとした手法は感度が高く、多検体処理が可能であるが、通常の方法では死菌由来の核酸も同時に検出され、生菌に対する特異性がない。また、生菌の核酸のみを検出するPCR法やLAMP法では、配列既知の特定対象種にしか対応できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示において、細胞の集団の組成を分析する方法およびそれに使用する試薬、組成物、キット、システムなどの技術が提供される。本開示の技術では。該細胞の集団中の1細胞ずつの生死情報を得る工程と、該細胞の集団中の1つずつの細胞由来の増幅核酸を分析する工程、あるいは、これらの使用される試薬、組成物、手段等が特徴の一つである。
【0004】
本開示は、1つの局面では、多様な微生物から生細胞に由来する核酸に対し特異的に反応を進め、1細胞ごとに並列調整された増幅ポリヌクレオチドを調製し、生細胞数の総数カウントや、微生物種を同定する遺伝子配列の網羅的読み取りを実行し、生細胞・死細胞が混在する細胞集団から生細胞由来の細胞数および配列情報を提供するものである。おおまかなコンセプトとしては、はじめに死細胞を標識して、核酸増幅した後に、生細胞由来の増幅核酸を標識して、生細胞由来核酸を特異的に検出する。
【0005】
本開示の実施形態の例として、以下のものが挙げられる。
(項目A)
細胞の集団の組成を分析する方法であって、
該細胞の集団中の1細胞ずつの生死情報を得る工程と、
該細胞の集団中の1つずつの細胞由来の増幅核酸を分析する工程と
を含む、方法。
(項目AA)
細胞の集団において、1細胞ごとに生細胞および死細胞の核酸の情報を提供する方法であって、
該細胞の集団中の1細胞ずつの生死情報を得る工程と、
該細胞の集団中の1つずつの細胞由来の増幅核酸を分析する工程と
を含む、方法。
(項目1)
細胞の集団の組成を分析する方法であって、
標識剤により標識された状態で、該細胞の集団の細胞が1細胞ずつ封入されたゲルカプセルを提供する工程であって、該標識剤は、該細胞の集団の1細胞ずつの生死情報として生細胞と死細胞とを示差的に標識する、工程と、
該細胞の集団の1つずつの細胞由来の核酸を増幅する工程と、
該細胞の集団中の1細胞ずつの生死情報を得る工程と、
該細胞の集団の1つずつの細胞由来の増幅核酸を分析する工程と
を含む、方法。
(項目2)
前記細胞の集団の細胞が1細胞ずつ封入されたゲルカプセルを提供する工程が、
該細胞の集団に対して前記標識剤を加える工程と、
該細胞の集団の細胞を1細胞ずつゲルカプセルに封入する工程と
を包含する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目3)
前記細胞の集団の細胞が1細胞ずつ封入されたゲルカプセルを提供する工程が、
該細胞の集団の細胞を1細胞ずつゲルカプセルに封入する工程と、
前記ゲルカプセルに前記標識剤を加える工程と
を包含する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記増幅核酸の分析が、生細胞由来の核酸に対して行われる、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記標識剤が、死細胞を特異的に標識するか、または生細胞を特異的に標識する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記細胞の集団に対して、または前記ゲルカプセルに対して、死菌由来の核酸の分解を促進する核酸分解促進剤を添加する工程をさらに含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記核酸分解促進剤が、トポイソメラーゼ阻害剤である、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記核酸分解促進剤が、Ciprofloxacin(CPFX)、Camptothecin(CPT)、Etoposide(ETP)、およびAmsacrine(m-AMSA)から選択される1つ以上を含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記標識剤が、死細胞の膜を透過する物質である、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記標識剤が、死細胞の膜を透過して核酸に結合する物質である、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記標識剤が、結合した核酸の増幅を阻害する物質である、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12)
前記標識剤が、エチジウムモノアジド(EMA)、psoralen、4’-aminomethyl-4,5’-dimethylisopsoralen[4’-AMDMIP])、およびプロピジウムモノアジド(PMA)から選択される1つ以上を含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13)
前記1細胞ずつの生死情報が、1つずつの細胞由来の核酸の増幅の有無から得られる、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目14)
1つずつの細胞由来の核酸の増幅の有無が、核酸の増幅を検出できる核酸結合性蛍光物質を用いて検出される、前記項目のいずれかに記載の方法。
【0006】
本開示において、上記1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供されうることが意図される。本開示のなおさらなる実施形態及び利点は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解すれば、当業者に認識される。
【発明の効果】
【0007】
生細胞と死細胞の区別は、多様な生物学的研究で必要とされるものであり、複数細胞腫の混合試料中での解析は特に従来困難であった。本開示は、試料中で生細胞として存在する細菌について、培養可否および遺伝子配列情報の有無を問わずに生菌数の評価を行うことができ、かつ全ゲノム配列情報までを取得できる特徴を持つ。死菌由来のDNAは分解が進行しているため、単一生物レベルでのゲノム解析においてもノイズとなる可能性があるため、予め生菌に限定してゲノム配列情報を得られる点においても有効である。糞便移植や微生物製剤などで活用される微生物叢の品質評価においても、既知配列に限定されず、多様な対象を同一分析形式で評価可能である点も汎用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、生細胞由来DNAの選択的検出、カウント、ゲノム解析の流れを例示する模式図である。事前のサンプル処理として、死細胞DNAを化学修飾し、酵素反応による複製が生じない形にする。ゲル内で、生細胞・死細胞ともに溶解されDNAが精製される。ただし、DNA増幅時に生細胞由来のものだけが増える。増幅した生細胞DNA-gelを集める際に生細胞総数を計測する。その後個別にシーケンスして生細胞由来配列の分類とカウントを実施する。
図2は、加熱処理を行い、EMA処理した大腸菌を含むゲルカプセルのポリヌクレオチド増幅後の観察像を示す(上段:EMAあり、下段:EMAなし)。加熱殺菌を行ったサンプルでは、EMA処理によりポリヌクレオチド増幅が抑制され、蛍光(緑色輝点)がみられなくなっている。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を最良の形態を示しながら説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。従って、単数形の冠詞(例えば、英語の場合は「a」、「an」、「the」など)は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用されるすべての専門用語および科学技術用語は、本開示の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0010】
(定義等)
以下に本明細書において特に使用される用語の定義及び/又は基本的技術内容を適宜説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

マグネデザイン株式会社
磁気顕微鏡
2日前
個人
セルロース性物質の製造方法
1か月前
株式会社ゴーフォトン
PCR方法
10日前
松谷化学工業株式会社
澱粉分解物の製造方法
2か月前
SMC株式会社
気体供給装置
20日前
東ソー株式会社
ポリマーコートビーズの製造方法
2か月前
株式会社GSP研究所
miRNA検出方法
1か月前
鹿島建設株式会社
褐藻の冷凍保存方法
6日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
6日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
1か月前
株式会社テクノーブル
乳酸菌及び皮膚外用剤
6日前
サッポロビール株式会社
アルコール飲料
1か月前
アサヒビール株式会社
容器詰麦芽発酵飲料
1か月前
株式会社SUPER BLOOM
スピリッツ
6日前
新東工業株式会社
培養システム
14日前
株式会社エムスタイル
微生物群の賦活化方法
1か月前
学校法人君が淵学園
核酸の部位特異的アシル修飾剤
1か月前
新東工業株式会社
培養システム
14日前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
1か月前
東ソー株式会社
免疫グロブリン結合性タンパク質の製造方法
1か月前
サッポロビール株式会社
茶風味アルコール飲料
22日前
ヤマサ醤油株式会社
アルギニン非分解性乳酸菌株の取得方法
27日前
サムコ株式会社
ポアデバイス
1か月前
学校法人近畿大学
好気性微生物の培養方法および培養器
1か月前
株式会社豊田中央研究所
環境核酸モニタリング方法
1か月前
学校法人帝京大学
油脂を過剰蓄積する油脂生産酵母変異株
6日前
国立大学法人富山大学
T細胞受容体およびその利用
1か月前
三浦工業株式会社
試料液に含まれる微生物の生体の抽出方法
1か月前
雪印メグミルク株式会社
D-セリン濃度低減用組成物
2か月前
学校法人帝京大学
細胞周期同調が可能な油脂生産酵母変異株
6日前
公立大学法人宮城大学
D-セリンの製造方法
2か月前
個人
液滴処理装置、液滴処理システム及び液滴処理方法
28日前
個人
細胞処理装置、細胞処理システム及び細胞処理方法
1か月前
学校法人関西医科大学
ポリペプチド
1か月前
グリーンケミカルズ株式会社
フェノール組成物およびポリマー
2か月前
ニッタ株式会社
凍結細胞解凍装置
2か月前
続きを見る