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公開番号2025027415
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023218793
出願日2023-12-26
発明の名称酸素吸放出材及び排ガス浄化用触媒
出願人トヨタ自動車株式会社,国立大学法人京都工芸繊維大学
代理人弁理士法人平木国際特許事務所
主分類C01G 49/00 20060101AFI20250219BHJP(無機化学)
要約【課題】本発明は、低温作動性及び酸素吸放出能が改善した酸素吸放出材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、式(0):RE(Fe1-aMa)3Sr3O10-δ(式中、REは、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd及びLaよりなる群から選択される1種以上であり、Mは、Mn、Ni及びCoよりなる群から選択される1種以上であり、aは0以上1未満の実数であり、δは0以上1未満の実数である。)によって表される、ルドルスデン・ポッパータイプの層状ペロブスカイト型複合酸化物を含有する、酸素吸放出材、及び該酸素吸放出材を用いた排ガス浄化用触媒に関する。
【選択図】図1A
特許請求の範囲【請求項1】
下記式(0)によって表される、ルドルスデン・ポッパータイプの層状ペロブスカイト型複合酸化物を含有する、酸素吸放出材。
RE(Fe
1-a




Sr


10-δ
(0)
(式中、REは、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd及びLaよりなる群から選択される1種以上であり、Mは、Mn、Ni及びCoよりなる群から選択される1種以上であり、aは0以上1未満の実数であり、δは0以上1未満の実数である。)
続きを表示(約 550 文字)【請求項2】
下記式(1)によって表される、ルドルスデン・ポッパータイプの層状ペロブスカイト型複合酸化物を含有する、酸素吸放出材。
La(Fe
1-a




Sr


10-δ
(1)
(式中、Mは、Mn、Ni及びCoよりなる群から選択される1種以上であり、aは0以上1未満の実数であり、δは0以上1未満の実数である。)
【請求項3】
前記式(0)及び(1)において、aが0である、請求項1又は2に記載の酸素吸放出材。
【請求項4】
前記式(0)及び(1)において、aが0超1未満の実数である、請求項1又は2に記載の酸素吸放出材。
【請求項5】
前記式(0)及び(1)において、aが0.1以上0.3以下の実数である、請求項4に記載の酸素吸放出材。
【請求項6】
前記式(0)において、REが、Pr、Nd、Eu及びGdよりなる群から選択される1種以上である、請求項1に記載の酸素吸放出材。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の酸素吸放出材と、前記酸素吸放出材に担持された貴金属とを含む、排ガス浄化用触媒。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は酸素吸放出材及び該酸素吸放出材を用いた排ガス浄化用触媒に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
世界規模でのモータリゼーションの進展から、自動車の販売台数は増加傾向にあり、地球環境保全の観点から、自動車用排ガス浄化用触媒には、高性能化が求められている。ガソリンエンジン用の触媒として主流となっている三元触媒は、空燃比センサーと電子式燃料噴射装置から成るフィードバック制御システムにより、窒素酸化物(NO

)等の酸化剤と一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素(HCs)等の還元剤が化学当量分生成する空燃比でこれらを過不足なく浄化するが、運転状況に応じて排ガス組成が激しく変動する環境下では、その浄化能力を十分発揮できない。
【0003】
三元触媒に含まれる酸素吸放出材は、このような空燃比変動時に、固体内陽イオンのレドックス反応によって酸素を吸脱離し、酸化剤と還元剤を触媒が機能できる化学量論比に調整する。このような酸素吸放出能(酸素吸蔵能又は酸素貯蔵能ともいう)を有する材料としては、従来からセリア(CeO

)が用いられており、近年では、セリアを含有する様々な種類の複合酸化物が研究され、特にセリア-ジルコニア(CeO

-ZrO

)系複合酸化物が広く用いられている。しかし、セリア-ジルコニア系複合酸化物の酸素吸放出量は理論限界に近付いている状況にある。
【0004】
セリア-ジルコニア系複合酸化物中のセリウムイオンの限界を超えられる陽イオン種としては、セリウムイオンに比べて原子量が小さな第一遷移金属イオンが挙げられ、種々の遷移金属系複合酸化物が開発されている。例えば、特許文献1には、酸化第二鉄(Fe



)、ジルコニア(ZrO

)及び希土類元素酸化物を含有する複合酸化物からなる酸素貯蔵材料が開示されているが、これらの鉄系酸素吸放出材の酸素吸放出能は必ずしも十分なものではなかった。
【0005】
セリア-ジルコニア系複合酸化物からなる酸素吸放出材と、鉄系酸素吸放出材におけるこの性能差は、鉄イオンとセリウムイオンの化学的性質の違いによると考えられる。具体的には、酸化第二鉄等に含まれる3価の鉄イオンの25℃水溶液中一電子反応(Fe
3+
+e

=Fe
2+
)における標準電極電位は0.771Vであり、セリウムイオン(Ce
4+
)の同電位1.71Vと比べて低いことから、化学的に還元され難い性質を示す。また、酸化第一鉄等に含まれる2価の鉄イオンから0価金属となる反応(Fe
2+
+2e

=Fe

)における同電位は-0.44Vであるのに対し、三価のセリウムイオン(Ce
3+
)から0価金属となる反応(Ce
3+
+3e

=Ce

)における同電位は-2.34Vであることから、Fe
2+
はCe
3+
に比べて容易に還元される化学的性質を有すると考えられる。このような化学的性質の違いにより、酸素吸放出能において、酸化第二鉄は酸化セリウムに比べて一般的に作動温度が高く、還元雰囲気において0価金属への還元による酸化物構造の崩壊を生じ、これらの改善が鉄系酸素吸放出材を検討する上での大きな課題の一つであった。
【0006】
この課題を鑑み、高温還元雰囲気において構造崩壊を伴わないレドックス反応(トポタクティック転移)可能な鉄系複合酸化物が開発されている。例えば、非特許文献1には、優れた酸素吸放出能と高い還元耐性を発揮するストロンチウム-鉄系複合酸化物Sr

Fe


7-δ
が開示されている。しかし、Sr

Fe


7-δ
は、酸素吸放出能において作動温度が高く、また、酸素吸放出能についてさらなる改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-241328号公報
【非特許文献】
【0008】
Journal of Materials Chemistry A, 2015, 3, 13540-13545
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記の通り、従来の鉄系酸素吸放出材においては、低温作動性及び酸素吸放出能についてさらなる改善が求められることがあった。それ故、本発明は、低温作動性及び酸素吸放出能が改善した酸素吸放出材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、所定の組成を有する、ルドルスデン・ポッパータイプの層状ペロブスカイト型複合酸化物が優れた低温作動性及び高い酸素吸放出能を有することを見出し、本発明を完成した。
(【0011】以降は省略されています)

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