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公開番号2025027403
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023132183
出願日2023-08-14
発明の名称アルツハイマー病の検出方法および検出試薬
出願人個人
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類G01N 33/50 20060101AFI20250219BHJP(測定;試験)
要約【課題】アルツハイマー病(AD)を簡便に検出する方法、およびAD病理フェーズをAD発症前から生体脳で簡便に層別化する方法を提供することを課題とする。
【解決手段】アルツハイマー病を検出する方法であって、検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞含有プロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質の量を測定するステップを含む、方法により上記課題を解決する。
【選択図】図6
特許請求の範囲【請求項1】
アルツハイマー病を検出する方法であって、
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞含有プロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質の量を測定するステップを含む、方法。
続きを表示(約 400 文字)【請求項2】
アルツハイマー病のアミロイド蓄積期、タウ病理形成、および/または神経変性期を検出する方法であって、
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞含有プロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質を測定するステップを含む、方法。
【請求項3】
健忘型軽度認知機能障害(amnestic MCI:MCI)を検出しない、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞画分を回収し、該細胞外分泌小胞画分においてPCDH1タンパク質を測定するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記試料が髄液である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
細胞外分泌小胞含有PCDH1タンパク質を測定する試薬を含む、アルツハイマー病の診断キット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞外分泌小胞含有プロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質を測定対象とするアルツハイマー病の検出方法および検出試薬に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
アルツハイマー病(AD)は、最も患者数の多い認知症である。ADの病理形成は発症前から始まり、初期病理のアミロイドβタンパク質(Aβ)の蓄積からタウ病理の神経原線維変化を経て、神経変性へと段階的に進展し最終的にADが発症する。現在この病理フェーズを層別化するためのバイオマーカーとして、Aβとタウタンパク質の濃度を指標とした髄液検査やPETイメージングが利用されているが、髄液Aβ測定は保険適応がなく、高額なPET検査の僅少な施設数など問題点が多い。よってADの治療・予防を目指した臨床、および基礎研究での利用を目的としたAD病理フェーズをより簡便に生体脳で層別化するためのバイオマーカーの開発が必要とされている。
【0003】
プロトカドヘリン-1(PCDH1)遺伝子は、カドヘリンスーパーファミリー内のプロトカドヘリンサブファミリーに属する遺伝子として知られ、典型的には、7つのカドヘリン様ドメインを含む細胞外領域、膜貫通領域、およびC末端細胞質領域を含む膜タンパク質を発現することが知られている。しかし、PCDH1とアルツハイマー病との関連性は知られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、アルツハイマー病(AD)を簡便に検出する方法、およびAD病理フェーズをAD発症前から生体脳で簡便に層別化する方法を提供することを課題とする。また、前記方法に利用できる試薬を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは鋭意検討し、細胞外分泌小胞中のプロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質量が、異常タンパク質(アミロイドβ、タウ)を指標としたAD分子病理フェーズ間、ならびに健常人および健忘型軽度認知機能障害(amnestic MCI:MCI)患者とアルツハイマー型認知症患者との間で、変化することを見出した。これにより、細胞外分泌小胞含有PCDH1タンパク質の測定が、アルツハイマー病の検出およびAD病理フェーズの層別化をし得ることに想到し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]
アルツハイマー病を検出する方法であって、
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞含有プロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質の量を測定するステップを含む、方法。
[2]
アルツハイマー病のアミロイド蓄積期、タウ病理形成、および/または神経変性期を検出する方法であって、
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞含有PCDH1タンパク質を測定するステップを含む、方法。
[3]
健忘型軽度認知機能障害(amnestic MCI:MCI)を検出しない、[1]または[2]の方法。
[4]
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞画分を回収し、該細胞外分泌小胞画分においてPCDH1タンパク質を測定するステップを含む、[1]~[3]のいずれかの方法。
[5]
前記試料が髄液である、[1]~[4]のいずれかの方法。
[6]
細胞外分泌小胞含有PCDH1タンパク質を測定する試薬を含む、アルツハイマー病の診断キット。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、アルツハイマー病(AD)を簡便に検出する方法、特に正常又はMCIとADとを簡便に識別する方法、およびAD病理フェーズを簡便に層別化する方法、並びにこれらの方法に利用できる試薬が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
アミロイド病理の有無(A+群またはA-群の被験者)における、髄液の細胞外分泌小胞含有PCDH1量を示すグラフ。
リン酸化タウ分類(T+群またはT-群の被験者)における、髄液の細胞外分泌小胞含有PCDH1量を示すグラフ。
総タウ分類(N+群またはN-群の被験者)における、髄液の細胞外分泌小胞含有PCDH1量を示すグラフ。
各ATN分類の被験者における、髄液の細胞外分泌小胞含有PCDH1量を示すグラフ。*:p<0.05、**:p<0.01、***:p<0.001。
各被験者における、髄液アミロイドβ1-42(Aβ42)と、髄液の細胞外分泌小胞含有PCDH1量との相関を示すグラフ。rは相関係数を示す。
正常、健忘型軽度認知機能障害(amnestic MCI:MCI)、またはアルツハイマー病(AD)の被験者における、髄液の細胞外分泌小胞含有PCDH1量を示すグラフ。**:p<0.01。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の態様は、アルツハイマー病を検出する方法であって、
検体から採取された試料において、細胞外分泌小胞含有プロトカドヘリン-1(PCDH1)タンパク質の量を測定するステップを含む、方法である。
検体とは、アルツハイマー病を起こす可能性のある動物であれば特に限定されないが、好ましくは哺乳動物であり、さらに好ましくはヒトである。
また、本発明に係る検出方法は、通常はin vitroで実施される。
【0010】
試料とは、検体から採取した、体液、細胞、組織などが含まれる。また、体液には、髄液、血液、リンパ液、組織液などが含まれ、血液には、血漿と血球成分が含まれる。好ましくは、試料は髄液または血漿であり、より好ましくは、髄液である。
(【0011】以降は省略されています)

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