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公開番号2025027376
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023132130
出願日2023-08-14
発明の名称張架ロール及びこれを用いたベルト搬送装置、画像形成システム
出願人富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G03G 15/16 20060101AFI20250219BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールにつき、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を抑制する。
【解決手段】ベルト7が回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロール2であって、表面が円形断面のロール本体3の軸方向中央に設けられる外径の大きい大径部4と、この大径部4から軸方向両端に向かって徐々に縮径する縮径部5を介して当該縮径部5の端部に設けられる外径の小さい小径部6とを備え、大径部4とベルト7との間の滑り量をSLa、縮径部5とベルト7との間の滑り量をSLb、SLaの異音に至る滑り量でない許容境界値をTHとすると、|SLb|≦THを満たすように、大径部4と小径部6との半径差dRを設定する。これを用いたベルト搬送装置、画像形成システムも適用対象とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールであって、
表面が円形断面のロール本体の軸方向中央に設けられる外径の大きい大径部と、前記大径部から軸方向両端に向かって徐々に縮径する縮径部を介して当該縮径部の端部に設けられる外径の小さい小径部とを備え、
前記大径部と前記ベルトとの間の滑り量をSLa、前記縮径部と前記ベルトとの間の滑り量をSLb、前記SLaの異音に至る滑り量でない許容境界値をTHとすると、
|SLb|≦THを満たすように、前記大径部と前記小径部との半径差を設定することを特徴とする張架ロール。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
請求項1に記載の張架ロールにおいて、
許容境界値THは絶対値で0.03mmであることを特徴とする張架ロール。
【請求項3】
請求項2に記載の張架ロールにおいて、
前記滑り量SLbは絶対値で前記許容境界値0.03mm以内であることを特徴とする張架ロール。
【請求項4】
請求項1に記載の張架ロールにおいて、
前記大径部の外径が異なる複数の張架ロールにつき、前記大径部と前記小径部との半径差と、前記縮径部と前記ベルトとの間の滑り量SLbとの関係を予め求めておき、|SLb|≦許容境界値THを満たすように、前記大径部と前記小径部との半径差を設定することを特徴とする張架ロール。
【請求項5】
請求項4に記載の張架ロールにおいて、
前記大径部の外径の異なる張架ロールにつき、前記大径部と前記小径部との半径差を変化させ、夫々の前記縮径部と前記ベルトとの間の滑り量SLbを求め、前記滑り量SLbが前記許容境界値THにある前記大径部の外径と前記半径差とをプロットし、このプロット点を直線近似した特性線を境界として、|SLb|≦許容境界値THを満たすように、前記大径部と前記小径部との半径差を設定することを特徴とする張架ロール。
【請求項6】
請求項5に記載の張架ロールにおいて、
前記許容境界値THを0.03(mm)、前記大径部の外径をD(mm)、前記半径差をdR(mm)とすれば、前記特性線は以下の(式1)で表記されることを特徴とする張架ロール。
dR≦-0.0155×D+0.346 ・・・(式1)
【請求項7】
複数の張架ロールと、前記複数の張架ロールに引張状態で掛け渡されて循環回転するベルトと、を備え、
前記張架ロールの少なくとも一つに請求項1に記載の張架ロールを用いたことを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項8】
請求項7に記載のベルト搬送装置において、
前記クラウン形状の張架ロールに対する前記ベルトの掛け渡し角度は20度を超えることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項9】
請求項7に記載のベルト搬送装置において、
前記大径部の軸方向長さをL1、前記縮径部の軸方向長さをL2とすると、L1/L2≦1/2であることを特徴とするベルト搬送装置。
【請求項10】
媒体を搬送する媒体搬送手段と、
前記媒体に画像を形成する作像手段と、を備え、
前記媒体搬送手段の一部又は前記作像手段の一部として請求項7乃至9のいずれかに記載のベルト搬送装置を用いることを特徴とする画像形成システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトを張架する張架ロール及びこれを用いたベルト搬送装置、画像形成システムに関する。
続きを表示(約 4,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来におけるベルト搬送装置としては例えば特許文献1乃至3に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、スティックスリップ振動に起因する異音の発生を抑制するという課題を解決するために、ベルトの内周面の算術平均粗さをベルトの幅方向よりも移動方向のほうを大きくし、テンションローラ又はバックアップローラのいずれかの回転軸方向における最大高さRzを3.0μm以上にする画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、ベルト走行時に発生する異音を抑制するために、ベルトの裏面に凹凸形状を付与し、ベルトの裏面の最大動摩擦係数を0.73以下とし、かつ、最大動摩擦係数と最小動摩擦係数との差で表される振幅を0.51以下とする画像形成装置が開示されている。
特許文献3には、ベルトのびびり振動を抑制するために、中間転写ベルトを挟んで感光体ドラムに対向配置される一次転写部材につき、感光体ドラムが接触した状態で中間転写ベルトの裏面に接触する物理ニップ領域部Aと、感光体ドラムと中間転写ベルトの間に空間が確保された状態で中間転写ベルトの裏面に接触するテンションニップ領域部Bとに夫々凸部を形成し、物理ニップ領域部Aに対する凸部の第1割合と、テンションニップ領域部Bに対する凸部の第2割合とを異ならせる画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-81645号公報(発明を実施するための形態,図9)
特開2015-132799号公報(発明を実施するための形態,図1)
特開2011-237664号公報(発明を実施するための形態,図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールにつき、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の技術的特徴は、ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールであって、表面が円形断面のロール本体の軸方向中央に設けられる外径の大きい大径部と、前記大径部から軸方向両端に向かって徐々に縮径する縮径部を介して当該縮径部の端部に設けられる外径の小さい小径部とを備え、前記大径部と前記ベルトとの間の滑り量をSLa、前記縮径部と前記ベルトとの間の滑り量をSLb、前記SLaの異音に至る滑り量でない許容境界値をTHとすると、|SLb|≦THを満たすように、前記大径部と前記小径部との半径差を設定することを特徴とする張架ロールである。
【0006】
本発明の第2の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた張架ロールにおいて、許容境界値THは絶対値で0.03mmであることを特徴とする張架ロールである。
本発明の第3の技術的特徴は、第2の技術的特徴を備えた張架ロールにおいて、前記滑り量SLbは絶対値で前記許容境界値0.03mm以内であることを特徴とする張架ロールである。
本発明の第4の技術的特徴は、第1の技術的特徴を備えた張架ロールにおいて、前記大径部の外径が異なる複数の張架ロールにつき、前記大径部と前記小径部との半径差と、前記縮径部と前記ベルトとの間の滑り量SLbとの関係を予め求めておき、|SLb|≦許容境界値THを満たすように、前記大径部と前記小径部との半径差を設定することを特徴とする張架ロールである。
本発明の第5の技術的特徴は、第4の技術的特徴を備えた張架ロールにおいて、前記大径部の外径の異なる張架ロールにつき、前記大径部と前記小径部との半径差を変化させ、夫々の前記縮径部と前記ベルトとの間の滑り量SLbを求め、前記滑り量SLbが前記許容境界値THにある前記大径部の外径と前記半径差とをプロットし、このプロット点を直線近似した特性線を境界として、|SLb|≦許容境界値THを満たすように、前記大径部と前記小径部との半径差を設定することを特徴とする張架ロールである。
本発明の第6の技術的特徴は、第5の技術的特徴を備えた張架ロールにおいて、前記許容境界値THを0.03(mm)、前記大径部の外径をD(mm)、前記半径差をdR(mm)とすれば、前記特性線は以下の(式1)で表記されることを特徴とする張架ロールである。
dR≦-0.0155×D+0.346 ・・・(式1)
【0007】
本発明の第7の技術的特徴は、複数の張架ロールと、前記複数の張架ロールに引張状態で掛け渡されて循環回転するベルトと、を備え、前記張架ロールの少なくとも一つに第1の技術的特徴を備えた張架ロールを用いたことを特徴とするベルト搬送装置である。
本発明の第8の技術的特徴は、第7の技術的特徴を備えたベルト搬送装置において、前記クラウン形状の張架ロールに対する前記ベルトの掛け渡し角度は20度を超えることを特徴とするベルト搬送装置である。
本発明の第9の技術的特徴は、第7の技術的特徴を備えたベルト搬送装置において、前記大径部の軸方向長さをL1、前記縮径部の軸方向長さをL2とすると、L1/L2≦1/2であることを特徴とするベルト搬送装置である。
【0008】
本発明の第10の技術的特徴は、媒体を搬送する媒体搬送手段と、前記媒体に画像を形成する作像手段と、を備え、前記媒体搬送手段の一部又は前記作像手段の一部として第7乃至第9のいずれかの技術的特徴を備えたベルト搬送装置を用いることを特徴とする画像形成システムである。
本発明の第11の技術的特徴は、第10の技術的特徴を備えた画像形成システムのうち、前記ベルト搬送装置が前記作像手段の一部として用いられ、前記ベルトに前記画像が保持される態様において、前記ベルトの表面に対向して設けられ、前記ベルト上に保持される画像の情報が検出される検出手段を有し、前記ベルトのうち前記クラウン形状の張架ロールの近傍に前記検出手段を配置する場合には、前記クラウン形状の張架ロールに掛け渡されている領域の直前又は直後に前記検出手段を配置することを特徴とする画像形成システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の第1の技術的特徴によれば、ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールにつき、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を抑制することができる。
本発明の第2の技術的特徴によれば、大径部とベルトとの間の滑り量に着目し、この滑り量が0.03mmまでは異音に至らないことを踏まえ、張架ロールのクラウン形状を容易に選定することができる。
本発明の第3の技術的特徴によれば、縮径部とベルトとの間の滑り量に着目し、この滑り量を0.03mm以内に抑制することで、張架ロールのクラウン形状を容易に選定することができる。
本発明の第4の技術的特徴によれば、大径部の外径の異なる張架ロール毎に、大径部と小径部との半径差と、縮径部とベルトとの間の滑り量との関係を予め把握することで、張架ロールの異音の発生を抑制するに当たって大径部と小径部との半径差を容易に設定することができる。
本発明の第5の技術的特徴によれば、大径部の外径の異なる張架ロール毎に、大径部と小径部との半径差と、縮径部とベルトとの間の滑り量との関係を踏まえ、許容範囲と非許容範囲との境界となる特性線を作成することで、張架ロールの異音の発生を抑制するに当たって大径部と小径部との半径差を容易に設定することができる。
本発明の第6の技術的特徴によれば、許容境界値を0.03mmとした場合の特性線から、張架ロールの異音の発生を抑制するに当たって、大径部の外径をパラメータとして大径部と小径部との半径差を容易に設定することができる。
本発明の第7の技術的特徴によれば、ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールにつき、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を抑制することが可能なベルト搬送装置を提供することができる。
本発明の第8の技術的特徴によれば、クラウン形状の張架ロールに対するベルトの掛け渡し角度を大きくしても、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の第9の技術的特徴によれば、クラウン形状の張架ロールの撓み変形の抑制及び張架されたベルトの平面維持性を両立しながら、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を抑制することができる。
本発明の第10の技術的特徴によれば、ベルトが回転可能に張架されるクラウン形状の張架ロールにつき、ベルトと張架ロールとの間の速度差に依存する異音の発生を抑制することが可能なベルト搬送装置を含む画像形成システムを提供することができる。
本発明の第11の技術的特徴によれば、ベルトのうちクラウン形状の張架ロールの近傍に検出手段を配置するに当たって、ベルトの平面性を維持し、かつ、ベルトと張架ロールとの間での振動、異音の発生を抑制した状態で、画像の情報を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
(a)は本発明が適用された張架ロールを用いたベルト搬送装置を含む画像形成システムの実施の形態の概要を示す説明図、(b)は本発明が適用された張架ロールの構成例を示す説明図、(c)は(b)に示す張架ロールの特性を示す説明図である。
ベルト搬送装置にクラウン形状の張架ロールを用いた態様において、異音が発生する要因を解析した説明図であって、(a)はクラウン形状の張架ロールとベルトとの間で滑りが発生する箇所を示す説明図、(b)はベルトの滑りが異音の発生要因に至ることを示す説明図、(c)は(b)中C方向から見た矢視図、(d)はベルトの滑りと異音の発生との関係を示す説明図である。
実施の形態1に係る画像形成システムの全体構成を示す説明図である。
図3に示す画像形成システムに用いられるベルト搬送装置を示す説明図である。
(a)は実施の形態1で用いられるクラウン形状の張架ロールの構成例を示す説明図、(b)はクラウン形状の張架ロールとベルトとの掛け渡し状態を示す説明図である。
本実施の形態で用いられるクラウン形状の張架ロールとベルトとの間の滑り量と、張架ロールの軸方向位置との関係を示すグラフ図である。
実施例1として、大径部と小径部との半径差が異なる複数のクラウン形状の張架ロールについて、張架ロールとベルトとの滑り量と張架ロールの軸方向位置との関係を検証したグラフ図である。
図7に示す半径差と滑り量との関係をプロットしたグラフ図である。
図8に示すグラフ図に基づいて異音の発生しない許容範囲を満たす半径差を表す特性線の一例を示すグラフ図である。
実施例2として、摩擦係数0.2μのベルトを用いた態様において、クラウン形状の張架ロールとベルトとの間の滑り量と、張架ロールの軸方向位置との関係を示す説明図である。
摩擦係数0.14μのベルトを用いた態様において、クラウン形状の張架ロールとベルトとの間の滑り量と、張架ロールの軸方向位置との関係を示す説明図である。
摩擦係数0.3μのベルトを用いた態様において、クラウン形状の張架ロールとベルトとの間の滑り量と、張架ロールの軸方向位置との関係を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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