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公開番号2025027353
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023132100
出願日2023-08-14
発明の名称超電導磁石装置、および磁気共鳴画像装置
出願人キヤノンメディカルシステムズ株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類A61B 5/055 20060101AFI20250219BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】超電導磁石装置において、真空容器内に収容された超電導コイルが熱変形したことによって荷重支持材に対してかかる変形量を相殺させる構造を提供することである。
【解決手段】実施形態の超電導磁石装置は、前記真空容器と、前記超電導コイルと、前記断熱荷重支持材と、を持つ。前記断熱荷重支持材は、前記真空容器内が極低温に冷却されたことにより前記超電導コイルにおいて発生する熱変形によって、前記超電導コイルから前記断熱荷重支持材にかかる第1の変形量を相殺させる方向に第2の変形量を発生させる熱変形キャンセル機構を介して、前記超電導コイルを支持する。前記熱変形キャンセル機構は、熱変形部材を持つ。熱変形部材は、少なくとも、前記超電導コイルを形成する素材における第1の熱膨張率に基づいて定められた第2の熱膨張率を有する素材で形成され、前記超電導コイルと同じ環境下で熱変形することによって前記第2の変形量を発生させる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも超電導コイルが断熱荷重支持材によって支持された状態で真空容器内に収容された超電導磁石装置であって、
前記断熱荷重支持材は、前記真空容器内が極低温に冷却されたことにより前記超電導コイルにおいて発生する熱変形によって、前記超電導コイルから前記断熱荷重支持材にかかる第1の変形量を相殺させる方向に第2の変形量を発生させる熱変形キャンセル機構を介して、前記超電導コイルを支持し、
前記熱変形キャンセル機構は、少なくとも、前記超電導コイルを形成する素材における第1の熱膨張率に基づいて定められた第2の熱膨張率を有する素材で形成され、前記超電導コイルと同じ環境下で熱変形することによって前記第2の変形量を発生させる熱変形部材を備える、
超電導磁石装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記第1の熱膨張率と前記第2の熱膨張率とは、異なる熱膨張率である、
請求項1に記載の超電導磁石装置。
【請求項3】
前記熱変形部材は、
中央部が凹型となった湾曲部を有する湾曲形状の板材であり、
前記湾曲部が前記超電導コイル側に凹となるように、対向するそれぞれの端部が前記超電導コイルに接続され、
前記湾曲部の中央が前記断熱荷重支持材に接続され、
前記第2の熱膨張率は、前記第1の熱膨張率よりも大きい熱膨張率であり、
前記超電導コイルと同じ環境下で前記第2の熱膨張率で前記湾曲部が熱変形することによって、前記第2の変形量を発生させる、
請求項2に記載の超電導磁石装置。
【請求項4】
前記熱変形部材は、
中央部が凸型となった湾曲部を有する湾曲形状の板材であり、
前記湾曲部が前記超電導コイルとは反対側に凸となるように、対向するそれぞれの端部が前記超電導コイルに接続され、
前記湾曲部の中央が前記断熱荷重支持材に接続され、
前記第2の熱膨張率は、前記第1の熱膨張率よりも小さい熱膨張率であり、
前記超電導コイルと同じ環境下で前記第2の熱膨張率で前記湾曲部が熱変形することによって、前記第2の変形量を発生させる、
請求項2に記載の超電導磁石装置。
【請求項5】
前記熱変形部材は、
中央部が凸型となった湾曲部を有する湾曲形状の板材が前記湾曲部の中央の分割個所で二つに分割された一対の板材で構成され、
前記湾曲部が前記超電導コイルとは反対側に凸となるように、分割されたそれぞれの前記板材における前記分割個所とは反対側の端部が前記超電導コイルに接続され、
分割されたそれぞれの前記板材における前記分割個所側の端部が前記断熱荷重支持材に接続され、
前記第2の熱膨張率は、前記第1の熱膨張率よりも小さい熱膨張率であり、
前記超電導コイルと同じ環境下で前記第2の熱膨張率で前記分割個所側の端部が熱変形することによって、前記第2の変形量を発生させる、
請求項2に記載の超電導磁石装置。
【請求項6】
前記超電導コイルは、ふく射シールドに収められ、
前記断熱荷重支持材は、前記熱変形キャンセル機構を介して、前記超電導コイルを前記ふく射シールドとともに支持し、
前記熱変形キャンセル機構は、
少なくとも、前記超電導コイルと前記断熱荷重支持材とを接続する前記熱変形部材である第1の熱変形部材と、
少なくとも、前記ふく射シールドと前記断熱荷重支持材とを接続する前記熱変形部材である第2の熱変形部材と、
を備え、
前記第1の熱変形部材は、
中央部が凹型となった第1の湾曲部を有する第1の湾曲形状の第1の板材であり、
前記第1の湾曲部が前記超電導コイル側に凹となるように、対向するそれぞれの端部が前記超電導コイルに接続され、
前記第1の湾曲部の中央が前記断熱荷重支持材に接続され、
前記第1の熱変形部材における前記第2の熱膨張率である第2-1の熱膨張率は、前記超電導コイルにおける前記第1の熱膨張率である第1-1の熱膨張率よりも大きい熱膨張率であり、
前記超電導コイルと同じ環境下で前記第2-1の熱膨張率で前記第1の湾曲部が熱変形することによって、前記第2の変形量を発生させ、
前記第2の熱変形部材は、
中央部が凸型となった第2の湾曲部を有する第2の湾曲形状の板材が前記第2の湾曲部の中央の分割個所で二つに分割された一対の第2の板材で構成され、
前記第2の湾曲部が前記ふく射シールドとは反対側に凸となるように、分割されたそれぞれの前記第2の板材における前記分割個所とは反対側の端部が前記ふく射シールドに接続され、
分割されたそれぞれの前記第2の板材における前記分割個所側の端部が前記断熱荷重支持材に接続され、
前記第2の熱変形部材における前記第2の熱膨張率である第2-2の熱膨張率は、前記ふく射シールドにおける前記第1の熱膨張率である前記第1-2の熱膨張率よりも小さい熱膨張率であり、
前記超電導コイルと同じ環境下で前記第2-2の熱膨張率で前記分割個所側の端部が熱変形することによって、前記第2の変形量を発生させる、
請求項2に記載の超電導磁石装置。
【請求項7】
前記断熱荷重支持材を複数備え、
それぞれの前記断熱荷重支持材は、
前記真空容器内で前記超電導コイルを複数の方向から囲むように配置され、
配置されたそれぞれの位置において前記熱変形キャンセル機構を介して、前記超電導コイルを支持する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の超電導磁石装置。
【請求項8】
少なくとも超電導コイルが断熱荷重支持材によって支持された状態で真空容器内に収容された超電導磁石装置であって、前記断熱荷重支持材は、前記真空容器内が極低温に冷却されたことにより前記超電導コイルにおいて発生する熱変形によって、前記超電導コイルから前記断熱荷重支持材にかかる第1の変形量を相殺させる方向に第2の変形量を発生させる熱変形キャンセル機構を介して、前記超電導コイルを支持し、前記熱変形キャンセル機構は、少なくとも、前記超電導コイルを形成する素材における第1の熱膨張率に基づいて定められた第2の熱膨張率を有する素材で形成され、前記超電導コイルと同じ環境下で熱変形することによって前記第2の変形量を発生させる熱変形部材を備える、超電導磁石装置と、
前記超電導磁石装置に電源を供給する静磁場電源と、
前記超電導磁石装置より発生された静磁場の空間内で撮像した被検体の磁気共鳴画像を生成する際に、少なくとも前記静磁場電源による前記電源の供給を制御する制御部と、
を備える磁気共鳴画像装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超電導磁石装置、および磁気共鳴画像装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、画像による診断を行う医用画像診断装置として、磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置が利用されている。磁気共鳴画像装置(以下、「MRI装置」という)は、強い磁場の中で照射したRF(Radio Frequency)パルスにより励起されるMR信号をRFコイルで受信することによって、被検体の断層画像を撮像する装置である。
【0003】
MRI装置では、強い磁場を発生させる超電導コイルにより構成される超電導磁石装置が用いられている。超電導磁石装置を構成する超電導コイルは、極低温の環境下で使用することが必要である。このため、MRI装置に用いられる超電導磁石装置では、例えば、真空容器に超電導コイルが収容され、室温である真空容器の外部から超電導コイル側への熱の侵入が最小限になるように構成されている。さらに、超電導磁石装置には、超電導コイルをふく射シールドに収め、この状態で真空容器に収容されている構成のものもある。真空容器やふく射シールド内では、例えば、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)製のロッドや円筒の荷重支持材によって超電導コイルあるいはふく射シールドが支持されている。
【0004】
ところで、真空容器に収容された超電導コイルや、超電導コイルが収められたふく射シールドは、極低温に冷却されたことによって、僅かではあるものの、その外形に熱変形が発生する。例えば、超電導コイルやふく射シールドを形成する金属材料が熱収縮によって縮んだり、熱膨張によって膨らんだりする。この場合、超電導磁石装置では、真空容器内で超電導コイルやふく射シールドを支持している荷重支持材に対して、曲げ方向への荷重がかかってしまう。すると、超電導磁石装置では、超電導コイルやふく射シールドにおける熱変形(熱収縮や熱膨張)と、荷重支持材における曲げ方向への荷重に対する反力とによって、超電導コイルの位置に予測が困難なずれが起こってしまう。この超電導コイルの位置ずれは、MRI装置において撮像した被検体の断層画像の画質が劣化してしまう要因ともなり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2000-133850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、超電導磁石装置において、真空容器内に収容された超電導コイルが熱変形したことによって荷重支持材に対してかかる変形量を相殺させる構造を提供することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の超電導磁石装置は、少なくとも超電導コイルが断熱荷重支持材によって支持された状態で真空容器内に収容された超電導磁石装置であって、前記真空容器と、前記超電導コイルと、前記断熱荷重支持材と、を持つ。前記断熱荷重支持材は、前記真空容器内が極低温に冷却されたことにより前記超電導コイルにおいて発生する熱変形によって、前記超電導コイルから前記断熱荷重支持材にかかる第1の変形量を相殺させる方向に第2の変形量を発生させる熱変形キャンセル機構を介して、前記超電導コイルを支持する。前記熱変形キャンセル機構は、熱変形部材を持つ。熱変形部材は、少なくとも、前記超電導コイルを形成する素材における第1の熱膨張率に基づいて定められた第2の熱膨張率を有する素材で形成され、前記超電導コイルと同じ環境下で熱変形することによって前記第2の変形量を発生させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態に係る超電導磁石装置を用いた磁気共鳴画像装置の構成の一例を示す図。
第1の実施形態に係る超電導磁石装置の構成の一例を示す図。
第1の実施形態に係る超電導磁石装置において超電導コイルを支持する熱変形キャンセル機構の構造の一例(その1)を示す図。
第1の実施形態に係る超電導磁石装置において超電導コイルを支持する熱変形キャンセル機構の構造の一例(その2)を示す図。
第1の実施形態に係る超電導磁石装置において超電導コイルを支持する熱変形キャンセル機構の構造の一例(その3)を示す図。
第2の実施形態に係る超電導磁石装置の構成の一例を示す図。
第2の実施形態に係る超電導磁石装置において超電導コイルを支持する熱変形キャンセル機構の構造の一例を示す図。
実施形態に係る超電導磁石装置において超電導コイルを支持する構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、実施形態の超電導磁石装置、および磁気共鳴画像装置について説明する。
【0010】
磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置(以下、「MRI装置」という)は、被検体(例えば、人体)に強い磁場を与えた状態でRF(Radio Frequency)パルスを照射し、核磁気共鳴現象によって被検体の体内の水素原子核から発生する電磁波をRFコイルによって受信し、受信した電磁波に基づく核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)信号(以下、「MR信号」という)から再構成することによって、被検体の断層画像(以下、「MR画像」という)を撮像する医用画像診断装置である。MRI装置は、被検体に装着したRFコイルで受信した電磁波に基づくMR信号を再構成することによって、被検体のMR画像を撮像することもできる。MRI装置は、被検体のMR画像を表示することにより、MRI検査の実施者(医師や技師など)は、被検体に病変があるか否かなどを目視で確認することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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