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公開番号2025027332
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023132057
出願日2023-08-14
発明の名称耐腐食磁石及び磁気吸着装置
出願人株式会社ソフテム,辰美産業株式会社,国立大学法人 鹿児島大学
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C23F 13/18 20060101AFI20250219BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】高湿度環境あるいは水中での長期使用にも耐えられるより高い耐腐食性を備えた耐腐食磁石、及び、この耐腐食磁石を備えた磁気吸着装置の提供を目的とする
【解決手段】耐腐食磁石110は、ニッケル被膜111aで被覆されたネオジム磁石111と、ニッケル被膜111a上に形成された亜鉛被膜112と、を有する。磁気吸着装置は、耐腐食磁石110と、耐腐食磁石110を抱持するヨーク181とを備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ニッケル被膜で被覆された永久磁石と、
前記ニッケル被膜上に形成された亜鉛被膜と、
を有することを特徴とする耐腐食磁石。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記亜鉛被膜が、亜鉛鍍金である
ことを特徴とする請求項1に記載の耐腐食磁石。
【請求項3】
前記亜鉛被膜が、亜鉛テープである
ことを特徴とする請求項1に記載の耐腐食磁石。
【請求項4】
ニッケル被膜で被覆された永久磁石と、
前記ニッケル被膜上に形成されたエポキシ樹脂からなる第1絶縁層と、
を有することを特徴とする耐腐食磁石。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項に記載の耐腐食磁石と、
前記耐腐食磁石を抱持するヨークと、
を備える
ことを特徴とする磁気吸着装置。
【請求項6】
前記耐腐食磁石を被覆する亜鉛陽極層
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の磁気吸着装置。
【請求項7】
前記耐腐食磁石がリング状であり、
前記ヨークが、
前記耐腐食磁石と吸着するバックヨーク部と、
前記バックヨーク部と一体に形成されて前記耐腐食磁石を取り囲む外周ヨーク部と、
前記耐腐食磁石の内周側に配置されて前記バックヨーク部と一体に形成された内周ヨーク部と、を有し、
前記亜鉛陽極層が、
前記耐腐食磁石の外周面と前記外周ヨーク部の内周面との間と、
前記耐腐食磁石の内周面と前記内周ヨーク部の外周面との間と、
前記耐腐食磁石の、前記バックヨーク部との吸着面とは反対側の面と、
に形成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の磁気吸着装置。
【請求項8】
前記耐腐食磁石の表面上に形成されたエポキシ樹脂からなる第2絶縁層
をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の磁気吸着装置。
【請求項9】
前記耐腐食磁石がリング状であり、
前記ヨークが、
前記耐腐食磁石と吸着するバックヨーク部と、
前記バックヨーク部と一体に形成されて前記耐腐食磁石を取り囲む外周ヨーク部と、
前記耐腐食磁石の内周側に配置されて前記バックヨーク部と一体に形成された内周ヨーク部と、を有し、
前記第2絶縁層が、
前記耐腐食磁石の外周面と前記外周ヨーク部の内周面との間と、
前記耐腐食磁石の内周面と前記内周ヨーク部の外周面との間と、
前記耐腐食磁石の、前記バックヨーク部との吸着面とは反対側の面と、
に形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の磁気吸着装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、耐腐食磁石及び磁気吸着装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
現在使用されているネオジム・サマコバ・アルニコ・フェライト等の永久磁石類は、主に大気中で使用することを前提にして造られ、高湿度環境や海水中で使用することまでは考えられてこなかった。
特にネオジム磁石は、主幹材料であるネオジム(Ne)が、電極電位が-2400mV(SCE)前後の卑金属であるため、大気中で使用した場合でも湿気や水分が侵入した場合に、他の金属素材との間でガルバニック電池を形成して陽極部となり溶解して崩壊するため、表面にニッケル鍍金を施さなければ使用できない。
このように永久磁石類は大気中での使用を前提としており、海水中で使用することまでは考えられていなかった。そして、ネオジム磁石が出現した時点から、その表面にニッケル鍍金を施す以外の腐食防止対策は講じられてこなかった。
【0003】
本発明者等は、海水中で電気防食用のAl陽極を取り付ける手段として、水中溶接に代わってネオジム磁石の吸着力を用いることを計画した。そして、ネオジム磁石の吸着力を増強すると共に海水中での腐食を防止するために、ネオジム磁石をヨークに収納してからさらに可撓性亜鉛陽極材を充填し、犠牲陽極層を形成して電気防食機能を付与した「磁気吸着装置」を開発した(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5090781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記磁気吸着装置は、その吸着性能の高さや使いやすさなどから、溶接等の従来の固定手段に代わる技術として高く評価されている。そして、その利便性を生かしてさらに活用範囲を拡げていくことが望まれているが、湿気や水分の多い環境でのさらなる長期使用を考えると、同装置に用いられる磁石のさらなる耐腐食性の向上が求められる。
例えば、磁石としてはネオジム磁石が適しているが、ネオジム磁石は、ネオジム(Ne)、ホウ素(B)、フェライト(Fe)等の素材を焼結して造られるものであり、その表面がポーラスであるため、湿気や水分が浸透しやすい。このような湿気や水分の浸透が生じると、素材間で異種金属接触電池(ガルバニック電池)を構成し、電位が卑なネオジムリッチ部が陽極となって溶解する。そのため、湿気や水分の浸透を阻止する対策として、ネオジム磁石は、その表面をニッケル鍍金層で被覆して使用される。しかしながら、ニッケル鍍金層自体もポーラスで表面に気孔が多数存在するため、高湿度環境や水中でのさらなる長期使用に際してはさらなる改良が求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高湿度環境あるいは水中での長期使用にも耐えられるより高い耐腐食性を備えた耐腐食磁石、及び、この耐腐食磁石を備えた磁気吸着装置の提供を目的とする
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用している。
(1)本発明の一態様に係る耐腐食磁石は、
ニッケル被膜で被覆された永久磁石と、
前記ニッケル被膜上に形成された亜鉛被膜と、
を有する。
(2)上記(1)に記載の耐腐食磁石において、前記亜鉛被膜が、亜鉛鍍金であってもよい。
(3)上記(1)に記載の耐腐食磁石において、前記亜鉛被膜が、亜鉛テープであってもよい。
【0008】
上記(1)~(3)に記載の耐腐食磁石によれば、ニッケル被膜の表面にある気孔が亜鉛被膜により覆われている。そのため、この耐腐食磁石を、高湿度環境や水中(海水中を含む)で長期使用しても、湿気や水分がニッケル被膜の気孔を介して永久磁石に至ることがないので、永久磁石の溶解を防ぐことができる。したがって、この耐腐食磁石は、高湿度環境あるいは水中での長期使用にも耐えられる高い耐腐食性を備える。
【0009】
(4)本発明の他の態様に係る耐腐食磁石は、
ニッケル被膜で被覆された永久磁石と、
前記ニッケル被膜上に形成されたエポキシ樹脂からなる第1絶縁層と、
を有する。
上記(4)に記載の耐腐食磁石によれば、ニッケル被膜の表面にある気孔が第1絶縁層により覆われている。そのため、この耐腐食磁石を、高湿度環境や水中で長期使用しても、湿気や水分がニッケル被膜の気孔を介して永久磁石に至ることがないので、永久磁石の溶解を防ぐことができる。したがって、この耐腐食磁石は、高湿度環境あるいは水中での長期使用にも耐えられる高い耐腐食性を備える。
【0010】
(5)本発明の一態様に係る磁気吸着装置は、
上記(1)~(4)の何れか1項に記載の耐腐食磁石と、
前記耐腐食磁石を抱持するヨークと、
を備える。
上記(5)に記載の磁気吸着装置によれば、その耐腐食磁石が、高湿度環境あるいは水中での長期使用にも耐えられる高い耐腐食性を備える。従って、この磁気吸着装置は、高湿度環境や海水中で長期使用することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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