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公開番号
2025027223
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-27
出願番号
2023131842
出願日
2023-08-14
発明の名称
窒素発生装置および窒素発生方法
出願人
レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
代理人
個人
,
弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類
F25J
3/04 20060101AFI20250219BHJP(冷凍または冷却;加熱と冷凍との組み合わせシステム;ヒートポンプシステム;氷の製造または貯蔵;気体の液化または固体化)
要約
【課題】製品窒素の需要増加時に、不足する還流液を窒素精留塔に投入できる、窒素発生方法を提供する。
【解決手段】原料空気を冷却するための主熱交換器と、前記主熱交換器で冷却された原料空気が導入される窒素精留塔と、前記窒素精留塔から送られる蒸気流を凝縮し、窒素精留塔へ循環する窒素凝縮器と、を備える窒素発生装置で製品窒素を製造する方法は、前記窒素精留塔の上部気相部あるいは窒素精留塔とは別に設けられる液体窒素バッファに貯留される、前記窒素凝縮器で凝縮された液体窒素を、製品窒素が増量あるいは前記原料空気の流量が増量したことに応じて、前記窒素精留塔の精留部へ導出する制御工程を含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
原料空気を冷却するための主熱交換器と、
前記主熱交換器で冷却された原料空気が導入される少なくとも1つの窒素精留塔と、
前記少なくとも1つの窒素精留塔から送られる蒸気流を凝縮し、循環する少なくとも1つの窒素凝縮器と、
前記窒素精留塔あるいは窒素精留塔とは別に設けられ、前記少なくとも1つの窒素凝縮器で凝縮された液体窒素を貯留する液体窒素バッファと、
前記液体窒素バッファから貯留している前記液体窒素を導出するための液体窒素導出手段と、
製品窒素が増量したことに応じて、前記液体窒素を前記液体窒素バッファから前記少なくとも1つの窒素精留塔へ導出するように、前記液体窒素導出手段を制御する制御部と、
を備える、窒素発生装置。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記原料空気の流量を測定する原料空気流量計を備え、
前記制御部は、前記原料空気流量計の測定値において前記原料空気の流量が増量したことに応じて、前記液体窒素を前記液体窒素バッファから前記精留部へ導出するように、前記液体窒素導出手段を制御する、
請求項1に記載の窒素発生装置。
【請求項3】
前記制御部は、製品窒素の増量において、還流液対蒸気流比率(L/V)が予め設定されている管理値を下回らないよう、原料空気量の量を変数として、必要な還流液量を算出し、前記液体窒素バッファから導出する液体窒素の量を決定する、請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項4】
前記窒素精留塔の上部気相部と前記液体窒素バッファの底部との間の圧力差を測定する差圧計を備える、
請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項5】
前記精留部の上方に設けられ、還流液あるいは前記液体窒素を、該精留部に均一に分配するための分配器を備える、請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項6】
前記精留部の上方に設けられ、還流液あるいは前記液体窒素を、該精留部の平面領域へ平均化するように分配するための分配器と、
前記分配器の上部と底部との間の圧力差を測定する分配器差圧計と、
を備える、請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項7】
前記精留部の上部と下部との間の圧力差を測定する精留部差圧計を備える、
請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項8】
前記窒素凝縮器の上方から導出されるガスを、前記主熱交換器介して、熱交換された後で、膨張する膨張タービンと、
前記窒素凝縮器の上方から導出されるガスを、前記主熱交換器および前記膨張タービンを介して、再び、前記主熱交換器を通過させて、廃ガスとして取り出すための廃ガス配管ラインと、
前記膨張タービンより上流側であって前記主熱交換器と前記膨張タービンとの間の前記廃ガス配管ラインから分岐し、前記膨張タービンの下流側であって前記膨張タービンと前記主熱交換器との間の前記廃ガス配管ラインへ合流する分岐配管ラインと、
前記分岐配管ラインに設けられ、前記廃ガス配管ラインから前記分岐配管ラインへ分流するガス流量を調節する流量調節弁と、
前記前記窒素精留塔の上部気相部の圧力を測定する上部気相部圧力計と、
前記膨張タービンより上流側であって前記主熱交換器と前記膨張タービンとの間の前記廃ガス配管ラインまたは前記分岐配管ラインよりも上流側の前記廃ガス配管ラインに設けられ、ガスの圧力を測定する廃ガス圧力計と、
前記上部気相部圧力計と前記廃ガス圧力計との測定結果に基づいて、前記膨張タービンの入口側の廃ガス流の圧力を低下させる、あるいは窒素凝縮器の低温側の圧力を低下させるように、前記流量調節弁の開弁および閉弁、あるいは流量制御を行う廃ガス供給圧制御部と、
を備える、
請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項9】
前記窒素凝縮器の上方に設けられる精留部と、
前記精留部の上方から導出されるガスを、前記主熱交換器を介して前記主熱交換器より上流側の原料空気配管ラインへ合流するリサイクル配管ラインと、
前記リサイクル配管ラインに設けられ、前記精留部の上方から導出されるガスを前記主熱交換器で介して熱交換された後で、圧縮するリサイクルコンプレッサーと、
を備える、
請求項1または2に記載の窒素発生装置。
【請求項10】
前記窒素凝縮器から導出される循環液配管から分岐し、前記窒素精留塔とは別に設けられる前記液体窒素バッファへ前記液体窒素を送るための循環液分岐配管と、
前記液体窒素バッファに貯留されている液体窒素の量を測定するために、前記液体窒素バッファの底部と上部との間の圧力差を測定する差圧計を備え、
前記液体窒素導出手段は、
前記液体窒素バッファの底部から導出される第三導出配管と、
前記循環液分岐配管または前記第三導出配管に設けられる液送りポンプと、
前記第三導出配管に設けられる第三調節弁と、を備える、請求項1に記載の窒素発生装置。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素発生方法及び窒素発生装置に関する。特に、原料空気などの高速負荷変動可能な窒素発生の方法および装置に関する。
続きを表示(約 3,200 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素を排出することなくアンモニアを合成する需要が高まっている。このためには、太陽光発電や風力発電による電力を使用して水電気分解で得られた水素と窒素を原料としてアンモニアを得ることが期待されている。(グリーンアンモニアと称される。)
窒素の製造方法としては、大規模かつ高純度で窒素が製造できる深冷分離法が有望である。特に純度の観点では、窒素中に含まれ得るアルゴンを制御することがアンモニア合成効率上望ましいとされるが、窒素中のアルゴンを極低濃度へ制御することは、膜分離や吸着法等の他の窒素発生方法では技術的に困難であり、深冷分離法の適用が望ましい。
【0003】
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、その発電能力が日射量や風速等の環境変数に依存するので、その需要家は変動する発電能力に応じて電力使用量を増減するか、蓄電池等の電力貯蔵技術によって電力供給を安定化させる必要がある。
深冷空気分離による窒素の供給においては、窒素ガス製造能力に対して需要が小さい時に余剰の窒素ガスを液化して貯蔵し、逆に需要が大きい時に液体窒素を気化して需要を満たすという方法が提案される。しかしながら、再生可能エネルギーによる電力コストは、電力が不足して水素発生ができず窒素ガス需要が小さいときに高く、逆に電力が豊富で水素発生が十分であることから窒素ガス需要が大きい時に低いという傾向があることから、電力コストが高いときに窒素ガスを液化して、コストが低い時に液体窒素を気化して冷熱を廃棄するこの方法は、非合理的である。
【0004】
従って、窒素発生装置は電力供給能力に応じて窒素発生能力を増減する能力を持つべきであり、より具体的には窒素需要量に応じて原料空気量を迅速に増減することが求められるが、迅速な原料空気量の増量は窒素の純度品質を低下させる問題がある。これは窒素精留塔内の酸素を含有する蒸気流の量が還流液よりも多くなるためである。還流液は窒素精留塔から供給される蒸気流が窒素凝縮器で液化されたものが供給されることから、窒素製造量増量時に高沸点成分が窒素精留塔上部に到達してしまうと、還流液自体が高沸点成分で汚染され、窒素の純度の維持ができなくなる。
【0005】
特許文献1は、圧縮した原料空気を一基の精留塔に供給すると共に、該精留塔より排出した窒素ガスの一部を分取して液化し、該精留塔に還流することを開示している。
特許文献2の段落0047、図7において、過剰の液化空気は液化装置と蒸留塔の間に配置される貯蔵タンクに貯蔵され、過剰の液化空気は、動力費が相対的に安い第一の時間の間に貯蔵され、過剰空気のうちの少なくとも一部分は、動力費が相対的に高い第二の時間の間に使用される、ことが記載されている。
特許文献3は、高圧蒸留カラムと、高圧蒸留カラムの上方の凝縮器と、中圧蒸留カラムと、中圧蒸留カラムの上方の凝縮器とを備える高圧窒素を製造する装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平8-226759号公報
特開平10-54658号公報
特開2012-145320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の問題の解決のために、本開示は、製品窒素の需要増加時に、不足する還流液を窒素精留塔に投入できる、窒素発生方法及び窒素発生装置を提供することを目的とする。また、液体窒素の過剰投入はプロセスバランスの維持を困難にする可能性もあるため、本開示は、適切に管理しながら液体窒素を投入できる、窒素発生方法及び窒素発生装置を提供することを目的とする。
また、本開示は、例えば、再生可能エネルギーの供給能力変動にそって、原料空気の増量、減量が速くなる場合であっても、製品窒素の純度を崩すことなく、所望の流量の製品窒素を供給できる窒素発生方法及び窒素発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の窒素発生装置は、
主熱交換器(1)と、
少なくとも1つの窒素精留塔(第一窒素精留塔2、第二窒素精留塔4)と、
少なくとも1つの窒素精留塔の上部気相部から送られる蒸気流を凝縮(冷却)し、上部気相部へ循環する少なくとも1つの凝縮器(第一窒素精留塔2に接続される第一窒素凝縮器3、第二窒素精留塔4に接続される第二窒素凝縮器5)と、
前記上部気相部(第一窒素精留塔2の上部気相部)あるいは窒素精留塔(第一窒素精留塔2)とは別に設けられ、前記窒素凝縮器(第二窒素凝縮器5)で凝縮された液体窒素(循環液)を貯留する液体窒素バッファ(5、9、90)と、を備えていてもよい。
前記窒素精留塔(第一窒素精留塔2)とは別の外部に配置された液体窒素バッファ(9、90)からは、任意の窒素精留塔(2、4)に液体窒素が供給されてもよい。
【0009】
本開示の窒素発生装置(A1,A2、A3,A4、A5、B1)は、
原料空気を冷却するための主熱交換器(1)と、
前記主熱交換器(1)で冷却された原料空気が導入される精留部(22)または底部(21)の気相部を有する窒素精留塔(2)と、
(循環液配管L301を通じて)前記窒素精留塔(2)の上部気相部(23)から送られる蒸気流を凝縮(冷却)し、上部気相部(23)へ循環する窒素凝縮器(3)と、
前記窒素凝縮器(3)の冷媒に利用するために、酸素富化液を前記底部(21)から(窒素凝縮器(3)の冷媒相へ)送るための酸素富化液配管ライン(L21)と、
前記上部気相部(23)あるいは窒素精留塔(2)とは別に設けられ(かつ循環液配管L301の下方に設けられ)、前記窒素凝縮器(3)で凝縮された液体窒素(循環液)を貯留する液体窒素バッファ(5、9)と、
前記液体窒素バッファ(5、9)から貯留している前記液体窒素(還流液)を導出するための液体窒素導出手段(第一導出配管L7、第一調節弁7、第二導出配管L72、第二調整弁72、第三導出配管L303、液送りポンプ92、第三調節弁93)と、
製品窒素が増量あるいは前記原料空気の流量が増量したことに応じて、液体窒素(還流液)を前記液体窒素バッファ(5、9)から精留部(22)へ導出するように、前記液体窒素導出手段を制御する制御部(8)と、
を備える。
前記窒素発生装置(A1,A2、A3,A4、A5、B1)は、
前記原料空気を、前記主熱交換器(1)を介して前記精留部(22)または底部(21)の気相部を有する窒素精留塔(2)へ導入する原料空気配管ライン(L1)を備えていてもよい。
前記液体窒素バッファ(5、9)は、窒素凝縮器(3)で凝縮された液体窒素(循環液)以外の外部の液体窒素が供給されてもよい。
【0010】
前記窒素発生装置(A1,A2、A4、A5、B1)は、
(主熱交換器1の上流側または下流側の原料空気配管L1に設けられ、)前記原料空気の流量を測定する原料空気流量計(F1)を、備えていてもよい。
前記制御部(8)は、前記原料空気流量計(F1)の測定値において前記原料空気の流量が増量したことに応じて、液体窒素(還流液)を前記液体窒素バッファ(5、9)から精留部(22)へ導出するように、前記液体窒素導出手段を制御してもよい。
(【0011】以降は省略されています)
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