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公開番号2025027196
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-27
出願番号2023131785
出願日2023-08-14
発明の名称熱分析装置
出願人株式会社日立ハイテクサイエンス
代理人個人
主分類G01N 3/18 20060101AFI20250219BHJP(測定;試験)
要約【課題】高弾性率材料から低弾性率材料まで精度よく測定できる熱分析装置を提供する。
【解決手段】試料Sに荷重を印加するプローブ10と、プローブに力を発生させる力発生器5と、プローブの変位を検出することで試料の力学的特性を検出する変位検出器6a、6b、6cと、力発生器を動作させる力信号を発生する力信号発生器20と、試料に加わる荷重を検出する荷重検出器7と、試料を加熱するための加熱炉12a、12bと、を備えた熱分析装置1において、力信号発生器は、力信号のデジタル信号を発生するデジタル信号発生器21と、デジタル信号をアナログ信号に変換する複数のD/A変換器22a、22bと、複数のD/A変換器のそれぞれから出力されたアナログ信号をそれぞれ異なる増幅率で増幅する複数の増幅器23a、23bと、を有し、かつ力信号発生器は、複数の増幅器の少なくとも1つで増幅されたアナログ信号を力信号として出力する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軸方向に延び、自身の一端側が試料に直接または間接的に接触し、前記試料に荷重を印加するプローブと、
前記プローブの他端側に設けられ、前記プローブの前記軸方向に力を発生させる力発生器と、
前記プローブの前記軸方向の変位を検出することで前記試料の力学的特性を検出する変位検出器と、
前記力発生器を動作させる力信号を発生する力信号発生器と、
前記試料に加わる荷重を検出する荷重検出器と、
前記試料を加熱するための加熱炉と、
を備えた熱分析装置において、
前記力信号発生器は、前記力信号のデジタル信号を発生するデジタル信号発生器と、前記デジタル信号をアナログ信号に変換する複数のD/A変換器と、複数の前記D/A変換器のそれぞれから出力された前記アナログ信号をそれぞれ異なる増幅率で増幅する複数の増幅器と、を有し、
かつ前記力信号発生器は、前記複数の増幅器の少なくとも1つで増幅された前記アナログ信号を前記力信号として出力することを特徴とする熱分析装置。
続きを表示(約 280 文字)【請求項2】
前記複数の増幅器のそれぞれの前記増幅率の差が2倍以上であることを特徴とする請求項1記載の熱分析装置。
【請求項3】
前記デジタル信号発生器を複数備え、それぞれのデジタル信号発生器が異なるデジタル信号を発生し、
複数の前記デジタル信号発生器のそれぞれに対し、複数の前記D/A変換器及び前記増幅器を有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱分析装置。
【請求項4】
前記異なるデジタル信号は、時間によって振動する交流信号と、時間に対して一定となる直流信号であることを特徴とする請求項3記載の熱分析装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の熱的挙動の測定を行う熱分析装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、試料の温度特性を評価する手法として、試料を加熱し、温度変化に伴う測定試料の熱的挙動(物理的変化)を測定する熱分析といわれる手法が行われている。熱分析は、JIS K 0129:2005 "熱分析通則"に定義されており、測定対象(測定試料)の温度をプログラム制御させた時の、測定試料の物理的性質を測定する手法が全て熱分析とされる。一般的に用いられる熱分析は、(1)温度(温度差)を検出する示差熱分析(DTA)、(2)熱流差を検出する示差走査熱量測定(DSC)、(3)質量(重量変化)を検出する熱重量測定(TG)、(4)力学的特性を検出する熱機械分析(TMA)、及び(5)動的粘弾性測定(DMA)の5つの方法がある。
【0003】
このうち、熱機械分析(TMA)、及び動的粘弾性測定(DMA)は、プローブにより試料に荷重を印加し、そのときの試料の形状変化をプローブの変位として検出する(例えば、特許文献1~2参照)。これにより、試料の弾性率や膨張率を温度または時間の関数として測定することができる。
例えば、動的粘弾性測定(DMA)装置は、試料に時間によって変化(振動)する応力または歪みを加え、それによって発生する試料の歪みまたは応力を測定し、試料の力学的特性(弾性率)を求める。
【0004】
ここで、動的粘弾性測定(DMA)装置を例とすると、プローブの荷重(力)は次のようにして生成される。まず、交流発生器から出力したデジタル信号である正弦波、矩形波や三角波などの交流信号がD/A変換器でアナログ信号に変換され、さらにこのアナログ信号が増幅器により振幅を調節され、力発生器のコイルに電流として入力される。
これにより、コイルと、その周辺に設けられたマグネットとの電磁的な共働により交流力が発生し、交流力がプローブを介して試料に印加される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平6-123722号公報
特開平6-160269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、動的粘弾性測定装置や熱機械分析装置における、試料に印加可能な最大荷重と、試料に印加可能な最小荷重である荷重分解能との関係は、以下のようになる。
例えば、力発生器における最大荷重を±10Nとした場合、デジタル分解能が16bit(2の16乗)のD/A変換器を用いると、荷重分解能=20N(+/-10N)/16bit=20N/(2
16
) =0.305mNとなる。
【0007】
そして、近年、炭素繊維複合材料などの軽量かつ高弾性率な材料の開発が進んでおり、このような高弾性率試料の動的粘弾性測定や熱機械分析などの熱分析では、試料に印加する荷重を高めるため、最大荷重の向上が求められる。
しかしながら、最大荷重を増加させると、上述のように荷重分解能も比例して増大し、荷重分解能に近い低荷重での測定における測定精度が低下するという問題がある。一方、D/A変換器のデジタル分解能を高くすれば、理論的には荷重分解能は低下するが、例えば24bitのD/A変換器はコストが高くなってしまう。
このように、1つの熱分析装置で高弾性率材料から低弾性率材料まで精度よく測定することは実際には困難である。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、高弾性率材料から低弾性率材料まで精度よく測定することができる熱分析装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の熱分析装置は、軸方向に延び、自身の一端側が試料に直接または間接的に接触し、前記試料に荷重を印加するプローブと、前記プローブの他端側に設けられ、前記プローブの前記軸方向に力を発生させる力発生器と、前記プローブの前記軸方向の変位を検出することで前記試料の力学的特性を検出する変位検出器と、前記力発生器を動作させる力信号を発生する力信号発生器と、前記試料に加わる荷重を検出する荷重検出器と、前記試料を加熱するための加熱炉と、を備えた熱分析装置において、前記力信号発生器は、前記力信号のデジタル信号を発生するデジタル信号発生器と、前記デジタル信号をアナログ信号に変換する複数のD/A変換器と、複数の前記D/A変換器のそれぞれから出力された前記アナログ信号をそれぞれ異なる増幅率で増幅する複数の増幅器と、を有し、かつ前記力信号発生器は、前記複数の増幅器の少なくとも1つで増幅された前記アナログ信号を前記力信号として出力することを特徴とする。
【0010】
この熱分析装置によれば、複数の増幅器が、複数のD/A変換器のそれぞれから出力されたアナログ信号をそれぞれ異なる増幅率で増幅する。これにより、試料に印加可能な最大荷重を変化させることができ、D/A変換器のデジタル分解能を変えなくても、それぞれ異なる荷重分解能を設定することができる。
その結果、高弾性率材料から低弾性率材料まで精度よく測定することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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