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公開番号
2025027095
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-26
出願番号
2024208568,2022501834
出願日
2024-11-29,2021-02-10
発明の名称
接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法
出願人
株式会社東芝
,
東芝マテリアル株式会社
代理人
弁理士法人iX
主分類
B23K
35/30 20060101AFI20250218BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】低温での接合を可能とする接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態にかかる接合体の製造方法では、ろう材を用いてセラミックス基板と銅板が加熱接合される。前記ろう材に含まれる原料の合計を100質量%とした場合に、前記ろう材は、Agを0質量%よりも高く75質量%以下、Cuを15質量%以上85質量%以下、TiまたはTiH2の1種または2種を合計1質量%以上15質量%以下、SnまたはInのいずれか1種を1質量%以上50質量%以下含有する。Agの平均粒径D
50
は、Cuの平均粒径D
50
よりも小さく、かつSnまたはInの平均粒径D
50
よりも小さい。前記ろう材は、示差走査熱量計(DSC)でDSC曲線を測定したときに、昇温工程の550℃以上700℃以下の範囲内に吸熱ピークを有する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ろう材を用いてセラミックス基板と銅板を加熱接合する接合体の製造方法であって、
前記ろう材に含まれる原料の合計を100質量%とした場合に、前記ろう材は、Agを0質量%よりも高く75質量%以下、Cuを15質量%以上85質量%以下、TiまたはTiH
2
の1種または2種を合計1質量%以上15質量%以下、SnまたはInのいずれか1種を1質量%以上50質量%以下含有し、
Agの平均粒径D
50
は、Cuの平均粒径D
50
よりも小さく、かつSnまたはInの平均粒径D
50
よりも小さく、
前記ろう材は、示差走査熱量計(DSC)でDSC曲線を測定したときに、昇温工程の550℃以上700℃以下の範囲内に吸熱ピークを有する、接合体の製造方法。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記ろう材は、Cuの質量に対するAgの質量の比が1.3以下であることを特徴とする請求項1記載の接合体の製造方法。
【請求項3】
前記ろう材は、Agに対するSnの質量比またはAgに対するInの質量比が0.25以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接合体の製造方法。
【請求項4】
前記ろう材は、示差走査熱量計(DSC)でDSC曲線を測定したときに、前記昇温工程の140℃以上300℃以下の範囲内に吸熱ピークまたは発熱ピークの一方または両方を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
【請求項5】
前記ろう材を用いて前記セラミックス基板と前記銅板を加熱接合する際の接合温度が800℃以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
【請求項6】
前記ろう材を用いて前記セラミックス基板と前記銅板を加熱接合する際の接合温度は、前記昇温工程の550℃以上650℃以下の範囲内にある最も大きな吸熱ピークの温度よりも高く、
前記接合温度と、前記最も大きな吸熱ピークの前記温度と、の差は、50℃以上100℃以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
【請求項7】
前記ろう材は、前記昇温工程の550℃以上650℃以下の範囲内に2つ以上の前記吸熱ピークを有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
【請求項8】
前記昇温工程の550℃以上650℃以下にある前記吸熱ピークは、前記昇温工程の700℃以上にある吸熱ピークよりも大きいことを特徴とする請求項請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
【請求項9】
前記昇温工程の450℃以上520℃以下の範囲内に吸熱ピークを有することを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
【請求項10】
前記セラミックス基板は、窒化珪素基板であり、前記銅板の厚さは、0.3mm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の接合体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)
【背景技術】
【0002】
セラミックス基板と銅板の接合体は、半導体素子などを搭載する回路基板として用いられている。国際公開第2018/021472号公報(特許文献1)には、セラミックス基板と銅板を接合したセラミックス銅回路基板が開示されている。特許文献1では、接合層にAg、Cu、Tiなどを含有するろう材を用いている。また、接合層のナノインデンテーション硬さを制御することにより、TCT特性を向上させている。特許文献1では、接合層中にAgTi結晶又はTiCを存在させることにより、ナノインデンテーション硬さを制御している。特許文献1では、ナノインデンテーション硬さを制御することにより、接合強度とTCT特性を向上させている。
特許文献1では、接合温度780~850℃の高温で接合が行われている。接合温度が高いと、接合設備の負担が増加する。また、高温の接合では、セラミックス基板又は銅板へ、熱応力が掛かっていた。熱応力の負荷は、セラミックス銅回路基板のゆがみの原因となっていた。このため、より低い温度での接合が求められていた。
例えば、国際公開第2018/199060号公報(特許文献2)では、接合温度720~800℃で接合したセラミックス銅回路基板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2018/021472号公報
国際公開第2018/199060号公報
特許第5720839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2は特許文献1よりも接合温度が低いため、熱応力の緩和はできている。その一方で、特許文献2は銅板へのAgを拡散することを目的としているため接合ろう材中のAg量が多かった。このため、コスト的な負担は大きかった。例えば、特許第5720839号公報(特許文献3)には、CuSnTiろう材が開示されている。Agを含んでいないろう材により650℃で接合できている。しかしながら、特許文献3では、Ti材をスパッタしているため、大型基板には適していなかった。
本発明は、このような問題に対応するためのものであり、低温での接合を可能とする接合体の製造方法およびセラミックス回路基板の製造方法を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態にかかる接合体の製造方法では、ろう材を用いてセラミックス基板と銅板が加熱接合される。前記ろう材に含まれる原料の合計を100質量%とした場合に、前記ろう材は、Agを0質量%よりも高く75質量%以下、Cuを15質量%以上85質量%以下、TiまたはTiH2の1種または2種を合計1質量%以上15質量%以下、SnまたはInのいずれか1種を1質量%以上50質量%以下含有する。Agの平均粒径D
50
は、Cuの平均粒径D
50
よりも小さく、かつSnまたはInの平均粒径D
50
よりも小さい。前記ろう材は、示差走査熱量計(DSC)でDSC曲線を測定したときに、昇温工程の550℃以上700℃以下の範囲内に吸熱ピークを有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
DSC曲線を例示する模式図。
DSC曲線におけるピーク高さの算出方法を説明するための図。
DSCグラフを測定するための温度プログラム。
実施例1の昇温工程のDSC曲線(450℃以上)の一例。
実施例1の降温工程のDSC曲線(450℃以上)の一例。
比較例1の昇温工程のDSC曲線(450℃以上)の一例。
比較例1の降温工程のDSC曲線(450℃以上)の一例。
実施例2の昇温工程のDSC曲線(450℃以上)の一例。
実施例2の降温工程のDSC曲線(450℃以上)の一例。
実施例3の昇温工程のDSC曲線(550℃以下)の一例。
実施例3の降温工程のDSC曲線(550℃以下)の一例。
実施例4の昇温工程のDSC曲線(550℃以下)の一例。
実施例4の降温工程のDSC曲線(550℃以下)の一例。
実施例5の昇温工程のDSC曲線(550℃以下)の一例。
実施例5の降温工程のDSC曲線(550℃以下)の一例。
実施形態にかかるろう材を用いた接合体の一例を示す図。
実施形態にかかるろう材を用いたセラミックス回路基板の一例を示す図。
実施形態にかかるろう材を用いたセラミックス回路基板の一例を示す図。
実施形態にかかるろう材を用いたセラミックス回路基板の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態にかかる接合体の製造方法において、ろう材を用いてセラミックス基板と銅板が加熱接合される。前記ろう材に含まれる原料の合計を100質量%とした場合に、前記ろう材は、Agを0質量%よりも高く75質量%以下、Cuを15質量%以上85質量%以下、TiまたはTiH2の1種または2種を合計1質量%以上15質量%以下、SnまたはInのいずれか1種を1質量%以上50質量%以下含有する。Agの平均粒径D
50
は、Cuの平均粒径D
50
よりも小さく、かつSnまたはInの平均粒径D
50
よりも小さい。前記ろう材は、示差走査熱量計(DSC)でDSC曲線を測定したときに、昇温工程の550℃以上700℃以下の範囲内に吸熱ピークを有する。
【0008】
実施形態にかかるろう材は、セラミックス基板と金属板を接合するためものである。セラミックス基板としては、窒化珪素基板、窒化アルミニウム基板、酸化アルミニウム基板、アルジル基板などが挙げられる。アルジル基板は、酸化アルミニウムと酸化ジルコニウムが混合された基板である。金属板としては、銅板、アルミニウム板などが挙げられる。銅板は、純銅板に限らず、銅合金板であってもよい。銅板としては、JIS-H-3100に示されるものが挙げられる。この中では、無酸素銅(銅純度99.96wt%以上)が好ましい。
【0009】
ろう材は、活性金属ろう材が好ましい。活性金属は、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、およびHf(ハフニウム)から選ばれる1種である。活性金属ろう材を使った接合方法は、活性金属接合法と呼ばれている。活性金属の中では、Tiが好ましい。Tiは、ZrおよびHfよりも、活性な金属である。また、Tiのコストは、ZrおよびHfに比べて安い。活性金属は、金属単体に限らず化合物としてろう材に添加されてもよい。化合物としては、水素化物、酸化物、窒化物などが挙げられる。
活性金属ろう材を用いた接合法を、活性金属接合法と呼ぶ。活性金属接合法は、セラミックス基板と金属板の間に活性金属ろう材を配置し、加熱接合することにより接合体を製造する方法である。加熱接合により、活性金属ろう材は接合層になる。つまり、活性金属ろう材は、接合前のろう材に対応する。接合層は、接合後の状態を示す。
活性金属接合法では、活性金属とセラミックスが反応し、反応層が形成される。活性金属としてTi(チタン)を用いた場合、Tiとセラミックス基板が反応してTi反応層が形成される。窒化物系セラミックス基板を用いた場合は、窒化チタン(TiN)を主成分とするTi反応層が形成される。また、酸化物系セラミックス基板を用いた場合は、酸化チタン(TiO
2
)主成分とするTi反応層が形成される。なお、窒化物系セラミックス基板は、窒化珪素基板や、窒化アルミニウム基板を指す。酸化物系セラミックス基板は、酸化アルミニウム基板や、アルジル基板を指す。また、活性金属ろう材層の一部は、加熱接合により、金属板に拡散しても良い。
ろう材は、活性金属以外の成分として、Ag(銀)、Cu(銅)、Sn(錫)、In(インジウム)、およびC(炭素)から選ばれる1種または2種以上を含有していることが好ましい。AgまたはCuは、ろう材の母材となる成分である。また、SnまたはInは、ろう材の融点を下げる効果を有する。また、Cは、ろう材の流動性を制御したり、他の成分と反応して接合層の組織を制御する効果を有する。このため、ろう材の成分としては、Ag-Cu-Ti、Ag-Cu-Sn-Ti、Ag-Cu-Ti-C、Ag-Cu-Sn-Ti-C、Ag-Ti、Cu-Ti、Ag-Sn-Ti、Cu-Sn-Ti、Ag-Ti-C、Cu-Ti-C、Ag-Sn-Ti-C、Cu-Sn-Ti-Cが挙げられる。Snの代わりに、Inを用いてもよい。SnとInの両方を用いてもよい。Sn又はInの代わりに、Bi(ビスマス)、Sb(アンチモン)、Ga(ガリウム)などの低融点金属を用いてもよい。
【0010】
まず、ろう材を示差走査熱量計(Differential scanning calorimetry:DSC)でDSC曲線を測定する。示差走査熱量計は、試料に熱を与え吸熱反応または発熱反応の有無を測定する。吸熱反応または発熱反応がおきると、DSC曲線にピークが生じる。マイナス方向のピークは、吸熱反応を示す。プラス方向のピークは、発熱反応を示す。吸熱反応は、試料の融解、分解などが起きていることを示す。発熱反応は、試料の構成元素同士が反応して化合物(合金化含む)が形成又は凝固されていることを示す。ピークが大きいほど、反応熱が大きいことが分かる。ここでは、マイナス方向のピークを吸熱ピーク、プラス方向のピークを発熱ピークと呼ぶ。また、ピークの頂点をピークトップと呼ぶ。ピークの極大点と極小点の差をピーク高さと呼ぶ。
(【0011】以降は省略されています)
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