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公開番号2025027044
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-26
出願番号2024206559,2021027205
出願日2024-11-27,2021-02-24
発明の名称導電性高分子溶液の製造方法、及び導電性積層体の製造方法
出願人信越ポリマー株式会社
代理人個人,個人
主分類C08G 61/12 20060101AFI20250218BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】有機溶剤の使用量を低減可能な導電性高分子溶液の製造方法、及び得られた導電性高分子溶液を用いた導電性積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを酸化重合し、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性高分子粉体を形成する工程と、前記反応液から前記導電性高分子粉体を分取する工程と、分取した前記導電性高分子粉体と、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物と、溶剤を混合することにより、前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応した前記導電性高分子粉体を含む導電性高分子溶液を得る工程と、を有し、前記反応液における、前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比が質量基準で、(1:0.5)~(1:1)である、導電性高分子溶液の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを酸化重合し、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性高分子粉体を形成する工程と、
前記反応液から前記導電性高分子粉体を分取する工程と、
分取した前記導電性高分子粉体と、トリオクチルアミンと、イソプロパノールを混合することにより、前記トリオクチルアミンが反応した前記導電性高分子粉体を含む導電性高分子溶液を得る工程と、を有し、
前記反応液における、前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比が質量基準で、(1:0.5)~(1:1)である、導電性高分子溶液の製造方法。
続きを表示(約 820 文字)【請求項2】
π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを酸化重合し、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性高分子粉体を形成する工程と、
前記反応液から前記導電性高分子粉体を分取する工程と、
分取した前記導電性高分子粉体を水で洗浄する工程と、
洗浄した前記導電性高分子粉体と、トリオクチルアミンと、イソプロパノールを混合することにより、前記トリオクチルアミンが反応した前記導電性高分子粉体を含む導電性高分子溶液を得る工程と、を有し、
前記反応液における、前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比が質量基準で、(1:0.5)~(1:1)である、導電性高分子溶液の製造方法。
【請求項3】
前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、請求項1又は2に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
【請求項4】
前記導電性高分子溶液に、さらにバインダ成分を添加する、請求項1~3の何れか一項に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
【請求項5】
前記バインダ成分が紫外線硬化型アクリル樹脂である、請求項4に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載の製造方法により導電性高分子溶液を得る工程と、
基材の少なくとも一部の面に前記導電性高分子溶液を塗工する工程と、を有する、導電性積層体の製造方法。
【請求項7】
前記塗工により得た塗膜を乾燥した後、前記塗膜に紫外線を照射して前記塗膜に含まれる紫外線硬化型アクリル樹脂を硬化させ、導電層を形成することを有する、請求項6に記載の導電性積層体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、π共役系導電性高分子を含む導電性高分子溶液の製造方法、及び導電性積層体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
主鎖がπ共役系で構成されているπ共役系導電性高分子は、基本的には水に溶け難いが、親水性のアニオン基を有するポリアニオンと複合体を形成することによって、導電性が高まり、水分散性となる。また、この導電性複合体が有するアニオン基にアミン化合物やエポキシ化合物を反応させて疎水化することにより、有機溶剤に分散させる方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-97680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1などに開示されている従来の製造方法では、導電性複合体を含む水系分散媒に対して、疎水性のアミン化合物又はエポキシ化合物を溶解して反応させるために、有機溶剤を大量に投入している。このため、反応時のVOC管理や反応後の廃液処理が必要となる。製造プロセスの安全性を高め、環境負荷を低減する観点から、水系分散媒に対する有機溶剤の投入が不要な製造方法が求められている。
【0005】
本発明は、有機溶剤の使用量を低減可能な導電性高分子溶液の製造方法、及び得られた導電性高分子溶液を用いた導電性積層体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1] π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを酸化重合し、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性高分子粉体を形成する工程と、前記反応液から前記導電性高分子粉体を分取する工程と、分取した前記導電性高分子粉体と、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物と、溶剤を混合することにより、前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応した前記導電性高分子粉体を含む導電性高分子溶液を得る工程と、を有し、前記反応液における、前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比が質量基準で、(1:0.5)~(1:1)である、導電性高分子溶液の製造方法。
[2] π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを酸化重合し、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性高分子粉体を形成する工程と、前記反応液から前記導電性高分子粉体を分取する工程と、分取した前記導電性高分子粉体を水で洗浄する工程と、洗浄した前記導電性高分子粉体と、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物と、溶剤を混合することにより、前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応した前記導電性高分子粉体を含む導電性高分子溶液を得る工程と、を有し、
前記反応液における、前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比が質量基準で、(1:0.5)~(1:1)である、導電性高分子溶液の製造方法。
[3] 前記溶剤がアルコール系溶剤もしくはケトン系溶剤を含む、[1]又は[2]に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[4] 前記溶剤がイソプロパノールもしくはメチルエチルケトンを含む、[1]又は[2]に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[5] 前記アミン化合物がトリオクチルアミンもしくはトリブチルアミンである、[1]~[4]の何れか一項に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[6] 前記π共役系導電性高分子がポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)であるか、又は、前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸である、[1]~[5]の何れか一項に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[7] 前記導電性高分子溶液に、さらにバインダ成分を添加する、[1]~[6]の何れか一項に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[8] 前記バインダ成分が紫外線硬化型アクリル樹脂である、[7]に記載の導電性高分子溶液の製造方法。
[9] [1]~[8]の何れか一項に記載の製造方法により導電性高分子溶液を得る工程と、基材の少なくとも一部の面に前記導電性高分子溶液を塗工する工程と、を有する、導電性積層体の製造方法。
[10] 前記塗工により得た塗膜を乾燥した後、前記塗膜に紫外線を照射して前記塗膜に含まれる紫外線硬化型アクリル樹脂を硬化させ、導電層を形成することを有する、[9]に記載の導電性積層体の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の製造方法にあっては、水系分散媒から導電性複合体を分取し、これにアミン化合物又は第四級アンモニウム化合物を反応させる方法を採用しているので、従来方法のように水系分散媒に対して有機溶剤を大量に投入する必要がない。この結果、製造プロセスの安全性を高め、廃液処理の負担が減り、環境負荷を低減することができる。
また、本発明の製造方法によって得られた導電性高分子溶液を用いて製造した導電層は良好な導電性を示し、帯電防止性を発揮し得る。
【0008】
本発明はSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」に資すると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び特許請求の範囲において、「~」で示す数値範囲の下限値及び上限値はその数値範囲に含まれるものとする。
【0010】
≪導電性高分子溶液の製造方法≫
本発明の第一態様は、π共役系導電性高分子を形成し得るモノマーと、ポリアニオンと、水とを含む反応液に、触媒及び酸化剤を加えることにより、前記モノマーを酸化重合し、前記π共役系導電性高分子及び前記ポリアニオンを含む導電性高分子粉体を形成する工程<重合工程>と、前記反応液から前記導電性高分子粉体を分取する工程<分取工程>と、分取した前記導電性高分子粉体と、アミン化合物又は第四級アンモニウム化合物と、溶剤を混合することにより、前記アミン化合物又は前記第四級アンモニウム化合物が反応した前記導電性高分子粉体を含む導電性高分子溶液を得る工程<修飾工程>と、を有し、前記反応液における、前記モノマー:前記ポリアニオンの含有比が質量基準で、(1:0.5)~(1:1)である、導電性高分子溶液の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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