TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025026995
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-26
出願番号
2024204116,2023146279
出願日
2024-11-22,2009-06-15
発明の名称
細胞のプログラミングおよび再プログラミング
出願人
ホワイトヘッド・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C12N
15/12 20060101AFI20250218BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】分化した体細胞の脱分化、第2のiPS細胞を生成する方法およびそれらの方法によって産生された第2のiPS細胞、上記第2のiPS細胞から産生されたキメラ動物、例えば、マウス、ならびに第2のiPS細胞およびキメラ動物を利用して再プログラミング因子をスクリーニングする方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、1種以上の体細胞、例えば、部分的に分化したまたは完全分化/最終分化した体細胞を、より分化していない状態、例えば、多能性または多分化能状態まで再プログラミングする方法に関する。さらなる実施形態において、本発明はまた、本発明の方法によって産生された再プログラミングされた体細胞、本発明の再プログラミングされた体細胞を含むキメラ動物、上記細胞の使用、および体細胞を再プログラミングするために有用な薬剤を同定するための方法にも関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
明細書に記載の核酸構築物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2008年6月13日に出願された米国特許61/061,525号、2008年6月30日に出願された米国特許61/077,068号の利益を主張する。これらの出願の全体の教示は、本明細書中に参考として援用される。
続きを表示(約 6,100 文字)
【0002】
政府支援
本発明は、国立衛生研究所からの助成金5-RO1-HD045022、5-R37-CA084198、および5-RO1-CA087869により、その全体または一部が支援されたものである。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
胚発生および細胞分化は、単向性経路であると見なされている。なぜなら、細胞は、細胞運命の特定の間に、発生的な効力の進行性の喪失を受けるからである。多能性幹細胞の2つの範疇が今日までに知られている:胚性幹細胞および胚性生殖細胞である。胚性幹細胞は、胚から直接的に誘導される多能性幹細胞である。胚性生殖細胞は、流産した胎児の胎生組織から直接的に誘導される多能性幹細胞である。単純化の目的のために、本明細書では、胚性幹細胞および胚性生殖細胞は集合的に「ES」細胞と称する。
【0004】
核移入(NT)による生きている動物の生成は、最終分化した細胞のそれを含む、体細胞の後成的な状態が不安定であり、新たな生物の発生を方向付けることが可能な胚性状態にリセットできることを実証した。核クローニング技術は、移植医学のために潜在的な関心が持たれているが、しかし、いかなる医学的適用も、クローニングプロセスの非効率性、根底にあるメカニズムの知識の欠如、および倫理的な懸念によって妨げられている。これらの問題を解決する際の主要なブレークスルーは、Yamanakaによる4種の転写因子Oct4、Sox2、c-myc、およびKlf4(以下では「再プログラミング因子」または「因子」と称する)の異所性発現による再プログラミングされた体細胞(「誘導性多能性幹細胞」または「iPS」細胞と称する)のインビトロ誘導であった(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
TakahashiおよびYamanaka、Cell 126:663-676(2006)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
再プログラミングの領域におけるさらなる進歩は、ヒト体細胞を再プログラミングするための強固な方法を確立すること、ならびにヒトES細胞およびiPS細胞を操作するための有効なプロトコールを規定することによって容易にされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一般的には、分化した体細胞の脱分化、第2のiPS細胞を生成する方法およびそれらの方法によって産生された第2のiPS細胞、上記第2のiPS細胞から産生されたキメラ動物、例えば、マウス、ならびに第2のiPS細胞およびキメラ動物を利用して再プログラミング因子をスクリーニングする方法に関する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1) 少なくとも2つのコード領域を含む核酸構築物であって、ここで、前記コード領域は、単一のオープンリーディングフレームを形成するように自己切断ペプチドをコードする核酸によって各々に連結されており、前記コード領域は、単独で、または1つ以上のさらなる再プログラミング因子と組み合わせてのいずれかで、哺乳動物体細胞を多能性まで再プログラミングすることが可能である第1および第2の再プログラミング因子をコードする、核酸構築物。
(項目2) 第3の再プログラミング因子をコードする第3のコード領域をさらに含み、前記3つのコード領域は、単一のオープンリーディングフレームを形成するように自己切断ペプチドをコードする核酸によって互いに連結されている、項目1に記載の核酸構築物。
(項目3) 第3および第4の再プログラミング因子をコードする第3および第4の遺伝子をさらに含み、前記4つのコード領域は、単一のオープンリーディングフレームを形成するように自己切断ペプチドをコードする核酸によって互いに連結されている、項目1に記載の核酸構築物。
(項目4) 前記自己切断ペプチドがウイルス性の2Aペプチドである、項目1に記載の核酸構築物。
(項目5) 前記自己切断ペプチドがアフトウイルス2Aペプチドである、項目1に記載の核酸構築物。
(項目6) 前記再プログラミング因子がOct4、Nanog、Sox2、Klf4、Lin28、およびc-Mycから選択される、項目1に記載の核酸構築物。
(項目7) 前記コード領域が、哺乳動物体細胞を多能性に再プログラムするために少なくとも1種のさらなる再プログラミング因子を必要とする第1および第2の再プログラミング因子をコードする、項目1に記載の核酸構築物。
(項目8) Oct4をコードしない、項目1に記載の核酸構築物。
(項目9) Klf4をコードしない、項目1に記載の核酸構築物。
(項目10) Sox2をコードしない、項目1に記載の核酸構築物。
(項目11) c-Mycをコードしない、項目1に記載の核酸構築物。
(項目12) Lin28をコードしない、項目1に記載の核酸構築物。
(項目13) Nanogをコードしない、項目1に記載の核酸構築物。
(項目14) 前記コード領域が、(i)Oct4およびSox2からなるセット;(ii)Oct4およびKlf4からなるセット;(iii)Oct4およびNanogからなるセット;(iv)Oct4、Klf4、およびSox2からなるセット;(v)Oct4、Nanog、およびLin28からなるセット;(vi)Oct4、Nanog、およびSox2からなるセット;ならびに(vii)(i)~(vi)のいずれかからなりかつc-Mycをさらに含むセットから選択される再プログラミング因子のセットをコードする、項目1に記載の核酸構築物。
(項目15) プロモーターに作動可能に連結された項目1に記載の核酸構築物を含む発現カセットであって、ここで、前記プロモーターは、前記再プログラミング因子をコードするポリシストロン性メッセージの転写を駆動し、各再プログラミング因子が、自己切断ペプチドによって、少なくとも1つの他の再プログラミング因子に連結されている、発現カセット。
(項目16) 哺乳動物細胞のゲノムへの組込みを媒介する1つ以上の部位をさらに含む、項目15に記載の発現カセット。
(項目17) 項目15に記載の発現カセットを含む発現ベクター。
(項目18) レトロウイルス性である、項目17に記載の発現ベクター。
(項目19) プロモーターが誘導性である、項目18に記載の発現ベクター。
(項目20) 項目15に記載の発現カセットを含む哺乳動物細胞。
(項目21) 体細胞である、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目22) 最終分化した体細胞である、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目23) iPS細胞である、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目24) 項目23に記載の哺乳動物iPS細胞から少なくとも部分的に生成されるキメラマウス。
(項目25) 前記哺乳動物iPS細胞をマウス未分化胚芽細胞(blastocyt)に注入すること、および前記未分化胚芽細胞をインビボでマウスに成長させることによって生成される、項目24に記載のキメラマウス。
(項目26) 前記iPS細胞から誘導される、項目24に記載のマウスから得られた細胞。
(項目27) ヒト細胞である、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目28) 前記発現カセットが、ゲノムの座に組み込まれ、前記ゲノムの座の破壊が細胞に対して最小限の作用を有するかまたは全く作用を有さない、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目29) 前記発現カセットから2つの再プログラミング因子を発現する、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目30) 前記発現カセットから3つの再プログラミング因子を発現する、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目31) 前記発現カセットから3つの再プログラミング因子を発現し、前記3つの再プログラミング因子は、少なくとも0.05%の効率で哺乳動物線維芽細胞を再プログラムするために十分ではない、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目32) 前記発現カセットから3つの再プログラミング因子を発現し、前記3つの再プログラミング因子は、少なくとも0.05%の効率で哺乳動物線維芽細胞を再プログラムするために十分である、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目33) 座に組み込まれたレポーター遺伝子をさらに含み、前記レポーター遺伝子の活性化が多能性への再プログラミングのマーカーとして役立つ、項目20に記載の哺乳動物細胞。
(項目34) 座がNanogおよびOct4から選択される、項目31に記載の哺乳動物細胞。
(項目35) 複数の本質的に遺伝的に同一な項目20に記載の細胞を含む組成物。
(項目36) 項目20に記載の1つ以上の哺乳動物細胞および試験薬剤を含む、再プログラミング因子を同定するための組成物。
(項目37) 発現カセットからの再プログラミング因子の発現を誘導する薬剤をさらに含む、項目34に記載の組成物。
(項目38) 再プログラミング因子を同定する方法であって:
(i)再プログラミング因子が発現カセットから発現され、かつ細胞増殖が起こる条件下で、一定の期間、項目34に記載の組成物を維持する工程;および
(ii)細胞が再プログラミングされた状態になる程度を評価する工程であって、再プログラミングが、前記組成物が試験薬剤を欠く場合に起こるよりも有意に高い頻度で起こるとき、前記試験薬剤が再プログラミング因子または再プログラミングのエンハンサーとして同定される、工程
を包含する方法。
(項目39) 前記組成物が少なくともX日間維持される、項目36に記載の方法。
(項目40) 前記試験薬剤が少なくともX日間存在している、項目36に記載の方法。(項目41) 前記細胞が、一定の期間に前記試験薬剤の非存在下で維持された場合には検出可能な頻度で再プログラミングされた状態にならないが、前記期間の少なくとも一部の間に前記試験薬剤の存在下で維持された場合には検出可能な頻度で再プログラミングされた状態になるとき、前記試験薬剤が再プログラミング因子として同定される、項目36に記載の方法。
(項目42) 前記細胞が、一定の期間に前記試験薬剤の非存在下で維持された場合には検出可能な頻度で再プログラミングされた状態になり、かつ前記期間の少なくとも一部の間に前記試験薬剤の存在下で維持された場合には有意により高い頻度で再プログラミングされた状態になるとき、前記試験薬剤が再プログラミング因子のエンハンサーとして同定される、項目36に記載の方法。
(項目43) 前記細胞が、前記発現カセットから再プログラミング因子のセットを発現し、ここで、前記セットは、(i)Oct4およびSox2;(ii)Oct4およびKlf4;(iii)Oct4およびNanog;(iv)Oct4、Klf4、およびSox2;(v)Oct4、Nanog、およびLin28;(vi)Oct4、Nanog、およびSox2;ならびに(vii)c-Mycをさらに含む(i)~(vi)ののうちの任意のものからなる、項目36に記載の方法。
(項目44) 分化した体細胞を多能性状態に再プログラミングする方法であって:
(a)分化した体細胞を、前記細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1種の再プログラミング因子と接触させる工程;
(b)前記細胞の再プログラミングを開始するために十分な期間、前記細胞の増殖のため、および前記少なくとも1種の再プログラミング因子の活性のために適切な条件下で前記細胞を維持する工程;ならびに
【0008】
1つの実施形態において、本発明は、分化した体細胞を多能性状態に再プログラミングする方法であって:分化した体細胞を、上記細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1種の再プログラミング因子と接触させる工程;上記細胞の再プログラミングを開始するために十分な時間の間、上記細胞の増殖のため、および上記少なくとも1種の再プログラミング因子の活性のために適切な条件下で上記細胞を維持する工程;ならびに上記少なくとも1種の再プログラミング因子を機能的に不活化する工程を包含する方法;に関する。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、分化した体細胞を多能性状態に再プログラミングする方法であって:分化した体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1種の外因的に導入された因子を含む、分化した体細胞を提供する工程;少なくとも1種の内因性多能性遺伝子を活性化するために十分な時間の間、上記細胞の増殖のため、および上記少なくとも1種の外因的に導入された因子の活性のために適切な条件下で上記細胞を維持する工程;ならびに上記少なくとも1種の外因的に導入された因子を機能的に不活化する工程を包含する方法;に関する。
【0010】
さらなる実施形態において、本発明は、多能性状態に再プログラミングされた分化した体細胞を選択する方法であって:分化した体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1種の外因的に導入された因子を含む、分化した体細胞を提供する工程;少なくとも1種の内因性多能性遺伝子を活性化するために十分な時間の間、上記細胞の増殖のため、および上記少なくとも1種の外因的に導入された因子の活性のために適切な条件下で上記細胞を維持する工程;上記少なくとも1種の外因的に導入された因子を機能的に不活化する工程;ならびに多能性の1種以上のマーカーを示す細胞と、示さない細胞とを区別または識別する工程を包含する方法;に関する。1つの実施形態において、多能性の1種以上のマーカーを示す細胞と、示さない細胞とを区別または識別する工程は、多能性の1種以上のマーカーを示す細胞についての選択もしくは富化、および/または多能性の1種以上のマーカーを示さない細胞に対する選択を含む。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る