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公開番号2025026936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-26
出願番号2024200780,2023167714
出願日2024-11-18,2013-09-20
発明の名称血漿による胎児または腫瘍のメチロームの非侵襲的決定
出願人ザ チャイニーズ ユニバーシティ オブ ホンコン
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類C12Q 1/6851 20180101AFI20250218BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】DNAのメチル化パターン(メチローム)を決定する方法を提供する。
【解決手段】メチル化特性を、血漿メチル化(または、無細胞DNAをもった他の試料)と母体/患者のメチル化特性との比較に基づいて、胎児/腫瘍組織について推定することができる。試料がDNAの混合物を有する場合、組織特異的対立遺伝子を用いて胎児/腫瘍からDNAを特定し、その胎児/腫瘍組織についてメチル化特性を決定することができる。メチル化特性を用いて、胎児/腫瘍のゲノムにおけるコピー数変動を決定することができる。胎児についてのメチル化マーカーは、種々の技術によって特定されている。メチル化特性を、DNA断片のサイズ分布のサイズパラメーターを決定することによって決定し、サイズパラメーターに対する参照値を用いてメチル化レベルを決定することができる。加えて、メチル化レベルを用いてがんのレベルを決定することができる。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
生物の生物試料を解析する方法であって、
前記生物試料は正常細胞に由来する核酸分子と、がんに関連した細胞に由来する可能性のある核酸分子とを含み、前記核酸分子の少なくともいくらかは前記生物試料において無細胞であるものであり、
前記生物試料から複数のDNA分子を解析するステップであって、
前記生物のゲノムにおける前記DNA分子の位置を決定することと;
前記DNA分子が一つまたは複数の部位でメチル化されているか否かを決定することと、を含む、DNA分子を解析するステップと;
複数の部位のそれぞれについて、
前記部位でメチル化されているそれぞれのDNA分子数を決定するステップと;
前記複数の部位でメチル化されている前記それぞれのDNA分子数に基づいて第一のメチル化レベルを計算するステップと;
前記第一のメチル化レベルを第一のカットオフ値と比較するステップと;
前記比較に基づいてがんのレベルの第一の分類を決定するステップと、
を含む、生物の生物試料を解析する方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記DNA分子が一つまたは複数の部位でメチル化されているか否かを決定することは、メチル化認識配列決定を実行することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
メチル化認識配列決定を実行することは、
前記DNA分子を亜硫酸水素ナトリウムで処理することと;
前記処理したDNA分子の配列決定を実行することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記無細胞DNA分子を亜硫酸水素ナトリウムで処理することは、5-ヒドロキシメチルシトシンの検出をするためのTet補助亜硫酸水素塩変換または酸化的亜硫酸水素塩配列決定の一部である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各領域の前記それぞれのDNA分子数を、前記メチル化認識配列決定から得られる配列リードを整列させることによって決定する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
一つまたは複数の部位でDNA分子がメチル化されているか否かを決定することは、メチル化感受性制限酵素消化、メチル化特異的PCR、メチル化依存的DNA沈降、メチル化DNA結合タンパク質/ペプチド、または、亜硫酸水素ナトリウム処理なしの単一分子配列決定、を用いることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲノムの第一の複数の領域のそれぞれについて、
前記領域に由来するそれぞれのDNA分子数を決定し;
前記それぞれの数からそれぞれの正規化数を計算し;
前記それぞれの正規化数を参照値と比較して、前記それぞれの領域が欠失または増幅を示すか否かを決定するステップと;
欠失または増幅を示すと決定される第一の量の領域を決定するステップと;
前記第一の量を第一の閾値と比較してがんのレベルの第二の分類を決定するステップと;
前記第一の分類と前記第二の分類とを用いてがんのレベルの第三の分類を決定するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第一の閾値は、欠失または増幅を示すと決定される前記第一の複数の領域のパーセンテージである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第三の分類は、前記第一の分類と前記第二の分類の両方ががんを示す場合にのみ、がん陽性である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第三の分類は、前記第一の分類と前記第二の分類のいずれかががんを示す場合に、がん陽性である、請求項7に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
分野
本開示は一般に、DNAのメチル化パターン(メチローム)の決定に関し、より詳しくは、別々のゲノムに由来(例えば胎児と母親にそれぞれ由来、または腫瘍と正常細胞にそれぞれ由来)するDNAの混合物を含む生物試料(例えば血漿)を解析して、少数のゲノムのメチル化パターン(メチローム)を決定することに関する。決定されたメチロームの使用についても記載する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
関連出願への相互参照
本願は、2013年6月3日出願の米国仮特許出願第61/830,571号「Tumor Detection In Plasma Using Methylation Status And Copy Number」と、2012年9月20日出願の米国仮特許出願第61/703,512号「Method Of Determining The Whole Genome DNA Methylation Status Of The Placenta By Massively Parallel Sequencing Of Maternal Plasma」の非仮出願でありその利益を主張する2013年3月15日出願の米国出願第13/842,209号「Non-Invasive Determination Of Methylome Of Fetus Or Tumor From Plasma」と、に対して優先権を主張するPCT出願であり、それらの全体はあらゆる目的のために参照によって本明細書に援用される。
【0003】
背景
胚および胎児の発生は複雑なプロセスであり、一連の高度に統制された遺伝的および後成的現象が関与している。がんの発生もまた、典型的に多重的な遺伝的および後成的過程が関与する複雑なプロセスである。発生プロセスの後成的制御における異常は、不妊症、自然流産、子宮内発育異常、および出生後経過に関係するとされる。DNAメチル化は、研究されることの最も多い後成的メカニズムのひとつである。DNAのメチル化は、CpGジヌクレオチドの間でシトシン残基の5’炭素にメチル基が付加されるという状況としてもっともよく起こる。シトシンメチル化は、遺伝子転写およびDNA機能に制御を一階層付加する。例えば、CpG島と称される、CpGジヌクレオチドの多い遺伝子プロモーターの高度メチル化は通常、遺伝子機能の抑制に関連づけられる。
【0004】
発生プロセスを調和させる上で後成的メカニズムの役割が重要であるにもかかわらず、ヒトの胚および胎児の組織は、解析のために容易に利用できない(腫瘍も同様に利用できないことがある)。ヒトの出生前期中の健康と疾患におけるこのような後成的プロセスの動的変化について研究は実質上不可能である。胚外組織、特に胎盤は出生前診断の手順の一部として、または出産後に得ることができるので、このような調査にとって主要な手段のひとつとなっている。しかしながら、このような組織は浸潤性の手順を必要とする。
【0005】
ヒト胎盤のDNAメチル化特性は数十年の間研究者の興味を引いてきた。ヒト胎盤は、DNAメチル化の関係する独特な生理的特徴を非常に多く示す。全体のレベルでは、胎盤組織はほとんどの体細胞組織に比べて低メチル化となっている。遺伝子のレベルでは、所定のゲノム遺伝子座のメチル化状態は、胎盤組織に固有の特異的な特徴である。全体的および遺伝子座特異的なメチル化特性の両方が妊娠期間依存的な変化を示す。刷り込み遺伝子、即ち、その発現が対立遺伝子の親起源に依存的な遺伝子は、胎盤において重要な機能を果たす。胎盤は擬似悪性として説明され、いくつかの腫瘍抑制遺伝子の高度メチル化が観察されてきた。
【0006】
胎盤組織のDNAメチル化特性の研究は、例えば、子癇前症および子宮内胎児発育遅延等、妊娠関連または発生関連疾患の病態生理学に洞察を与えてきた。ゲノム刷り込みにおける障害は、プラダー・ウィリー症候群およびアンジェルマン症候群等、発達障害に関連するとされる。胎盤および胎児の組織におけるゲノム刷り込みおよび全体DNAメチル化の変動特性が、補助生殖医療によって起こる妊娠において観察されている(H Hiura et al.2012 Hum Reprod;27:2541-2548)。いくつかの環境要因、例えば母親の喫煙(KE Haworth et al.2013 Epigenomics;5:37-49)、母親の食事要因(X Jiang et al.2012 FASEB J;26:3563-3574)、および糖尿病等の母親の代謝状態(N Hajj et al.,Diabetes.doi:10.2337/db12-0289)が、出生児の後成的異常に関連するとされている。
【発明の概要】
【0007】
概要
数十年間の努力にもかかわらず、胎児または腫瘍のメチロームを研究するためおよび、妊娠中または悪性腫瘍等の疾患経過中を通して動的変化を監視するために、利用可能な実用的手段が何もなかった。したがって、胎児のメチロームおよび腫瘍のメチロームの全てまたは部分を非浸潤的に解析する方法を提供することが望まれている。
【0008】
実施形態は、種々の組織および試料のメチル化特性を決定し使用する系、方法、および装置を提供する。実施例を提供する。メチル化特性は、血漿メチル化(または無細胞DNAをもった他の試料、例えば尿、唾液、生殖器流出物)と母親/患者のメチル化特性との比較に基づいて、胎児/腫瘍組織について推定することができる。試料がDNAの混合物を有する場合、組織特異的対立遺伝子を用いて胎児/腫瘍からDNAを特定し、その胎児/腫瘍組織についてメチル化特性を決定することができる。メチル化特性を用いて、胎児/腫瘍のゲノムにおけるコピー数変動を決定することができる。胎児についてのメチル化マーカーは、種々の技術によって特定されてきた。メチル化特性を、DNA断片のサイズ分布のサイズパラメーターを決定することによって決定し、サイズパラメーターに対する参照値を用いてメチル化レベルを決定することができる。
【0009】
加えて、メチル化レベルを用いてがんのレベルを決定することができる。がんの関連においては、血漿におけるメチロームの変化の測定によってがんを検出して(例えば、スクリーニングを目的として)、監視(例えば、抗がん治療に続く応答の検出、およびがん再発の検出)、および予後判定が(例えば、身体におけるがん細胞の負荷の測定のため、または病期分類目的のため、または、疾患または疾患進行若しくは転移プロセスによる死亡の可能性の推定のために)可能となる。
【0010】
以下の、発明を実施するための形態と添付図面を参照して、本発明の実施形態の性質および利点についてよりよい理解が得られる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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