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公開番号
2025026896
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-26
出願番号
2024195264,2021575405
出願日
2024-11-07,2020-06-19
発明の名称
リポソームドキソルビシン製剤、リポソームドキソルビシン製剤の製造方法、および薬剤としてのリポソームドキソルビシン製剤の使用
出願人
インノメディカ・ホールディング・アクチェンゲゼルシャフト
,
INNOMEDICA HOLDING AG
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
A61K
31/704 20060101AFI20250218BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】本発明は、リポソームドキソルビシン製剤、リポソームドキソルビシン製剤の製造方法、ならびに薬剤として使用するための、特にがん、子宮平滑筋肉腫、および皮膚付属器がんの処置において使用するためのリポソームドキソルビシン製剤を提供する。
【解決手段】リポソームドキソルビシン製剤であって、前記リポソームの脂質二重層は、ホスファチジルコリン、コレステロール、ポリエチレングリコール-脂質コンジュゲートを少なくとも含み、ここで、封入されているドキソルビシン結晶は、平均繊維幅が5~15nmであり、及び/又は、平均繊維長さが15~40nmである、リポソームドキソルビシン製剤とする。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
リポソームドキソルビシン製剤であって、前記リポソームの脂質二重層は、
・ホスファチジルコリン、好ましくは1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、
・コレステロール、
・ポリエチレングリコール-脂質コンジュゲート、好ましくはDSPE-PEG2000を少なくとも含み、ここで、
前記リポソームは、動的光散乱により測定される平均直径が30~70nm、好ましくは40~65nmである、および/または
前記リポソームは、cryo-TEMにより取得される画像に基づいて測定される平均直径が20~50nm、好ましくは30~40nmである、リポソームドキソルビシン製剤。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記脂質二重層は、本質的に、合成ホスファチジルコリン、好ましくは構造上均一な型の合成ホスファチジルコリン、コレステロール、およびDSPE-PEGからなる、請求項1に記載のリポソームドキソルビシン製剤。
【請求項3】
前記リポソームは、Cryo-TEMにより測定される平均相対円形度が少なくとも0.99であり、
10パーセンタイルが少なくとも0.98であり、
好ましくは、5パーセンタイルが少なくとも0.98であり、
より好ましくは、5パーセンタイルが少なくとも0.98でありかつ2パーセンタイルが少なくとも0.96である、先行する請求項のいずれか1項に記載のリポソームドキソルビシン製剤。
【請求項4】
前記ポリエチレングリコール-脂質コンジュゲートは、本質的に前記脂質二重層の外側層上にのみ位置している、先行する請求項のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項5】
前記脂質二重層中のポリエチレングリコール-脂質コンジュゲートの相対量は、少なくとも2モル%、好ましくは少なくとも3モル%、より好ましくは4モル%~6モル%である、先行する請求項のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項6】
薬物対総脂質重量比は、0.01~0.10、好ましくは0.03~0.07である、先行する請求項のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項7】
封入されているドキソルビシン結晶は、平均繊維幅が5~15nm、好ましくは6~12nm、より好ましくは7~11nmであり、および/または平均繊維長さが15~40nm、好ましくは18~37nm、より好ましくは25~35nmである、先行する請求項のいずれか1項に記載のリポソームドキソルビシン製剤。
【請求項8】
前記リポソームはHEPES緩衝液中に分散している、先行する請求項のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項9】
リポソームドキソルビシン製剤、好ましくは先行する請求項のいずれか1項に記載のリポソームドキソルビシン製剤の製造方法であって、
a)有機溶媒中において、ホスファチジルコリン、好ましくは1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、およびコレステロールを提供する工程と、
b)水性液体を添加する工程と、
c)超音波処理によりリポソーム形成を生じさせる工程と、
d)任意に、ろ過によりリポソームを分離する工程と、
e)PEG化によりリポソームを修飾する工程と、
f)前記リポソーム中にドキソルビシンを、好ましくは遠隔充填技術により充填する工程とを含み、
工程c)が、
前記リポソームの、動的光散乱により測定される平均直径が、30~70nm、好ましくは40~65nmとなるように、および/または
前記リポソームの、cryo-TEMにより測定される平均直径が、20~50nm、好ましくは30~40nmとなるように実施されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
前記方法が押出工程も薄膜水和工程も含まない、請求項9に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポソームドキソルビシン製剤、リポソームドキソルビシン製剤の製造方法、および薬剤として使用するためのリポソームドキソルビシン製剤に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
リポソームは、少なくとも1つの脂質二重層を有する球状のベシクルである。リポソームは、1つのベシクルがこれよりも小さな1つ以上のベシクルを含有する多胞性リポソームであってもよい。リポソームは、中心に水溶液を有し、これが、脂質二重層の形態をとる疎水性の膜に囲まれている。
【0003】
多様な薬物、特に非経口投与される薬物について、薬物送達のためのリポソームの使用が提案されている。リポソームは、投与された薬物を長期間にわたって制御「デポ」放出することができ、遊離薬物の血中濃度の制限により薬物の副作用を低減できる。また、リポソームは、組織における薬物の分布および取り込みを、治療に有利となるように変化させることができ、さらに、薬物投与回数を減らせるために、療法の利便性を増大させることができる。たとえば、リポソームは、封入されている活性成分を、腫瘍細胞および炎症部位を含む疾患部位に直接輸送することができる。活性成分は、処置部位においてリポソームから直接放出され得る。その結果、活性成分の必要投薬量が少なくて済み、その結果として副作用が制限される。
【0004】
リポソームは、活性成分を作用部位へと移動させることができる。リポソームの膜は生体膜と構造が類似しているため、リポソームは細胞膜と一体化し得る。一体化すると、リポソームの内容物が細胞内に流出し、そこで活性成分が作用し得る。薬物担体システムとしてのリポソームの使用により、各活性成分の投与に伴う、かつ活性成分の高い全身性吸収に関係する副作用を低減し得る。活性成分は、所望の標的部位において蓄積され得る。リポソーム二重層の成分は、肝臓および/または脾臓において代謝され得る。
【0005】
がんを処置するための薬物送達システムの開発は特に重要である、というのは、がんの処置における薬剤は細胞増殖抑制性または細胞毒性を有するものが多いためである。健康な組織への放出を防止することが望まれている。
【0006】
リポソーム組成物を使用して、封入されている治療薬が送達されている。たとえば、Doxil(登録商標)(欧州ではCaelyx(登録商標))は、卵巣がんなどのがんを処置するために使用されるドキソルビシンを封入したPEG化リポソーム製剤である。ドキソルビシンのような弱両親媒性の塩基を、膜両側のイオン勾配を利用してリポソーム中に充填し得る(たとえば、Nichols et al. (1976) Biochim. Biophys. Acta 455:269-271; Cramer et al (1977) Biochemical and Biophysical Research Communications 75(2):295-301を参照)。この充填方法は一般的には遠隔充填とよばれ、典型的には、イオン化
性アミン基を有する薬物を用い、これを、内側が低く外側が高いイオン勾配(多くの場合はpH勾配)を有するように調製したリポソームの懸濁液に添加することによって、充填する。
【0007】
こうしたリポソームにより薬物充填PLD(PEG化リポソームドキソルビシン)が間質液中に血管外遊出した後に関しては、薬物放出を律しているプロセスについてはほとんど分かっていない。薬物を保持しているアンモニウム/プロトン勾配の漸進的な喪失、リポソームのリン脂質に対するホスホリパーゼによる酵素分解、および/またはスカベンジ
ャーであるマクロファージによるエンドサイトーシスが、薬物放出に寄与している可能性があると考えられている(Barenholz, (2012) J Control Release. 160(2): 117-34)。
【0008】
リポソーム封入ドキソルビシンは、がんの処置において有効であることが立証されている。しかしながら、腫瘍蓄積、細胞毒性、および腫瘍重量低減効率をさらに改善し得る。
【0009】
リポソーム封入ドキソルビシンは、非封入ドキソルビシンよりも心毒性が低いことが立証されている。しかしながら、当技術分野において周知されるリポソーム封入ドキソルビシンは、一般的には手足症候群として知られる手掌足底発赤知覚不全(PPE)などの重症の副作用を引き起こす(たとえば、Gabizon et al (1994) Cancer Research 54:987-992; Solomon et al. (2008) Clinical Lymphoma and melanoma 1:21-32を参照)。PPE
は発赤、圧痛、および皮膚剥離を生じ、これらは不快感、さらには痛みを生じることもある。4週間毎に50mg/mを投与した臨床試験において、Doxil(登録商標)で処置した患者の50.6%が手足症候群を発病した。この副作用罹患率のために、Doxil(登録商標)の投与可能量は、同じ処置計画における遊離ドキソルビシンと比較して制限されている。また、当技術分野において周知されるリポソーム封入ドキソルビシンは、好中球減少症などの血液学的副作用を依然として引き起こしている。
【0010】
いくつかのドキソルビシン充填型リポソームが、Hongら(Clin Cancer Res (1999) 5:3645-3652)および米国US9895313により周知されている。しかしながら、こうしたリポソームは、異なる製造プロセスによって、すなわち、一方は薄膜水和および押出しの組み合わせによって、他方は水混和性有機溶媒中の脂質溶液と水溶液とを特殊設計されたマルチポート混合チャンバ内で混合することによって、それぞれ得たものである。Hongの教示に従ってリポソーム調製のために実施された比較試験により、示されている粒子径65~75nmは再現不可能であることが示された。その代わりに、約114nmという粒子径が得られた。また、いずれの開示も、リポソームの円形度、そのサイズ分布、または充填されたドキソルビシン結晶の形状およびサイズについては記載していない。しかしながら、研究されたリポソームの調製についての教示からは250mMという硫酸アンモニウム濃度が示されており、これは、Weiらの出版物(Wei et al. (2018) ACS Omega 3:2508-2517)によれば、顕著なアスペクト比を有するリポソームを示唆するものである。同出版物によれば、PEG化リポソームドキソルビシン(PLD)中における安定的なナノ結晶化を助けるために必要なリポソーム内硫酸アンモニウム最低濃度は200mMであり、このような結晶を有していないまたは結晶の結晶性が不十分であるPLDは、急速かつ二相性のドキソルビシン放出を示す。
(【0011】以降は省略されています)
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