TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025025351
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023130044
出願日2023-08-09
発明の名称灰押出装置の清掃方法
出願人三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社
代理人弁理士法人真田特許事務所
主分類F23J 1/02 20060101AFI20250214BHJP(燃焼装置;燃焼方法)
要約【課題】清掃作業を効率良く安全に実施できる灰押出装置の清掃方法を提供する。
【解決手段】貯留水で冷却された焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、焼却灰を排出口へ押し出すスクレーパとを備え、冷却槽の底面は排出口に上り傾斜となる傾斜面を備え、スクレーパを前後進の往復動作させる灰押出装置の清掃方法であって、冷却槽から貯留水を排出しスクレーパを点検口の後端の近傍に後進させる工程と、底面の全幅に亘って接する清掃具を第一側壁の点検口から挿入設置し、清掃具とスクレーパの間に幅方向に清掃具より短い角材を配置し、スクレーパを前進させ点検口の前端近傍で停止させる工程と、最寄りの角材の端部と第一側壁の間にジャッキを挿入し当該角材を固定する工程と、その後スクレーパを点検口の後端近傍に後進させ、固定した角材とスクレーパとの間に追加の角材を敷き詰める工程と、ジャッキを外し、スクレーパを前進させる工程とを有する。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
焼却灰が導入される筒状の壁面からなる導入口及び貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、
前記冷却槽内に配置され、先端が前記冷却槽の底面の全幅に亘って接するとともに前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、
前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置され、前記スクレーパを駆動する駆動装置とを有し、
前記冷却槽の前記底面は、前記導入口の直下から前記排出口が形成された開口端に向かって上り傾斜となる第一傾斜面と、前記第一傾斜面と同一幅であって前記導入口の直下から前記第一傾斜面の逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面とを備え、
前記貯留水は、前記冷却槽内に、前記壁面の下端よりも上方且つ前記排出口よりも下方である所定水位で貯えられ、
前記駆動装置は、前記第二傾斜面の上方に配置された駆動軸を備え、前記駆動軸が回動することで前記駆動軸と前記スクレーパとに接続されたアームによって前記スクレーパを前記底面に沿って前進及び後進の往復動作させる灰押出装置の清掃方法であって、
前記灰押出装置は、前記スクレーパの往復動作の方向で見て、前記排出口に近い前端と前記前端の反対側に位置する後端とを備えた点検口を、前記導入口の直下の第一側壁に有し、
前記冷却槽から前記貯留水を排出し、前記スクレーパを前記後端の近傍に後進させ、前記点検口を開放する第一工程と、
前記底面の全幅に亘って接する金属製清掃具を前記点検口から前記冷却槽内に挿入して設置し、前記冷却槽内で前記金属製清掃具よりも前記スクレーパに近い位置に、前記金属製清掃具よりも短い角材の一端を、前記第一側壁に対面する第二側壁に接して配置し、その後、前記スクレーパを前進させてから前記前端の近傍で停止させる第二工程と、
前記スクレーパの前進により前記前端の近傍まで押し出された最寄りの前記角材の他端と、前記第一側壁との間に携帯ジャッキを挿入し、前記携帯ジャッキを伸ばして前記角材を前記第一側壁と前記第二側壁との間に固定する第三工程と、
前記固定の後、前記スクレーパを前記後端の近傍に後進させ、前記固定した角材と前記スクレーパとの間に、追加の角材を前記第二側壁に接して敷き詰める第四工程と、
前記携帯ジャッキを縮めて前記固定を外し、前記携帯ジャッキを前記点検口から取り出した後、前記スクレーパを前進させてから前記前端の近傍で停止させる第五工程と
を有する灰押出装置の清掃方法。
続きを表示(約 230 文字)【請求項2】
前記金属製清掃具が、前記排出口近傍に達するまで、前記第三工程、前記第四工程、前記第五工程を順次繰り返す請求項1に記載の灰押出装置の清掃方法。
【請求項3】
前記角材を上下方向に多段に積層させる場合、前記携帯ジャッキは、前記積層された角材のうち最上段の角材を前記固定する請求項2に記載の灰押出装置の清掃方法。
【請求項4】
前記点検口は、矩形である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の灰押出装置の清掃方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却灰を冷却して排出する灰押出装置の清掃方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
灰押出装置は、焼却炉から排出された焼却灰を導入口から冷却槽内に導入し、冷却槽内で冷却したのち排出口から排出するための装置である。冷却槽の内部には焼却灰を排出口へ押し出すスクレーパが配置される。スクレーパは、その先端が冷却槽の底面の全幅に亘って接するように配置され、導入口に対し排出口と逆側に配置された駆動装置によって駆動される。焼却炉が休炉する場合、灰押出装置内で焼却灰が固着しないように、灰押出装置内の焼却灰を除去するための清掃作業が行われる。
【0003】
清掃作業の際には、例えば、特許文献1に開示された金属製の清掃具を使用することができる。この場合、金属製の清掃具を先頭に配置し、その後、角材(木材)を順次継ぎ足してゆくことで、スクレーパの駆動(前後の往復運動)を用いて、灰押出装置の貯留槽内の焼却灰を、灰押出装置の排出口から排出することができる。なお、特許文献2には、角材を上下二段積にして同様の操作を行う方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6823753号公報
実開平2-69226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、灰押出装置においては、作業者が当該装置内部へ入ることができる点検口(いわゆるマンホール)から排出口まで登り傾斜であるので、これら特許文献に記載の清掃方法のように、配置した複数の角材をスクレーパで排出口側へ押し出した後、スクレーパを後進させると、これら角材が崩れるおそれがある。そして、一旦、崩れた角材は、位置修正し、崩れる前の状態に戻さざるを得ない。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑み案出されたものであって、角材が上記登り傾斜に沿って一列に1つずつ順次配置された一段積みの場合も、上下二段積など多段積みにされる場合も、清掃作業を効率良く安全に実施することができる灰押出装置の清掃方法を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の灰押出装置の清掃方法は、焼却灰が導入される筒状の壁面からなる導入口及び貯留水で冷却された前記焼却灰を排出する排出口を備えた冷却槽と、前記冷却槽内に配置され、先端が前記冷却槽の底面の全幅に亘って接するとともに前記焼却灰を前記排出口側へ押し出すスクレーパと、前記導入口に対し前記排出口と逆側に配置され、前記スクレーパを駆動する駆動装置とを有し、前記冷却槽の前記底面は、前記導入口の直下から前記排出口が形成された開口端に向かって上り傾斜となる第一傾斜面と、前記第一傾斜面と同一幅であって前記導入口の直下から前記第一傾斜面の逆側に向かって上り傾斜となる第二傾斜面とを備え、前記貯留水は、前記冷却槽内に、前記壁面の下端よりも上方且つ前記排出口よりも下方である所定水位で貯えられ、前記駆動装置は、前記第二傾斜面の上方に配置された駆動軸を備え、前記駆動軸が回動することで前記駆動軸と前記スクレーパとに接続されたアームによって前記スクレーパを前記底面に沿って前進及び後進の往復動作させる灰押出装置の清掃方法に関するものであり、以下の工程を少なくとも有する。
すなわち、前記灰押出装置は、前記スクレーパの往復動作の方向で見て、前記排出口に近い前端と前記前端の反対側に位置する後端とを備えた点検口を、前記導入口の直下の第一側壁に有し、前記冷却槽から前記貯留水を排出し、前記スクレーパを前記後端の近傍に後進させ、前記点検口を開放する第一工程と、
前記底面の全幅に亘って接する金属製清掃具を前記点検口から前記冷却槽内に挿入して設置し、前記冷却槽内で前記金属製清掃具よりも前記スクレーパに近い位置に、前記金属製清掃具よりも短い角材の一端を、前記第一側壁に対面する第二側壁に接して配置し、その後、前記スクレーパを前進させてから前記前端の近傍で停止させる第二工程と、
前記スクレーパの前進により前記前端の近傍まで押し出された最寄りの前記角材の他端と、前記第一側壁との間に携帯ジャッキを挿入し、前記携帯ジャッキを伸ばして前記角材を前記第一側壁と前記第二側壁との間に固定する第三工程と、
前記固定の後、前記スクレーパを前記後端の近傍に後進させ、前記固定した角材と前記スクレーパとの間に、追加の角材を前記第二側壁に接して敷き詰める第四工程と、
前記携帯ジャッキを縮めて前記固定を外し、前記携帯ジャッキを前記点検口から取り出した後、前記スクレーパを前進させてから前記前端の近傍で停止させる第五工程とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の灰押出装置の清掃方法によれば、金属製清掃具とスクレーパとの間に配置した角材を、金属製清掃具とともにスクレーパで排出口側へ押し出した後、最寄りの当該角材を携帯ジャッキで第一側壁と第二側壁との間に固定するので、その後、スクレーパを後進させて当該角材に対するスクレーパの加圧がなくなっても、当該角材は固定されたままである。従って、灰押出装置の清掃作業を効率良く安全に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の清掃方法が適用される灰押出装置の基本構成および本発明の清掃方法の第一工程を説明するための当該灰押出装置の断面図である。
図1の灰押出装置に使用される金属製清掃具の一例を示す斜視図である。
本発明の清掃方法の第二工程の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
本発明の清掃方法の第二工程の他の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
本発明の清掃方法の第三工程の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
本発明の清掃方法の第四工程の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
本発明の清掃方法の第四工程の他の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
本発明の清掃方法の第五工程の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
第五工程の後、再び第三工程を繰り返す場合の当該第三工程の一部を説明する灰押出装置の断面図である。
清掃作業終了時の状態を説明する灰押出装置の断面図である。
角材が多段積みの場合の本発明の清掃方法を説明する灰押出装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の清掃方法について、各工程に対応する灰押出装置の状態を示す複数の図を用いて説明する。これら各図においては、説明の簡便のため、適宜、X軸、Y軸、Z軸による直交座標系を用いて説明する。
以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。実施形態で示す清掃方法の各工程は、必須の工程を除き、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許