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公開番号
2025024598
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-20
出願番号
2023128817
出願日
2023-08-07
発明の名称
フェライト系ステンレス鋼材
出願人
日鉄ステンレス株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250213BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼材を提供する。
【解決手段】素材部と、素材部上に形成された酸化皮膜とを有するフェライト系ステンレス鋼材である。酸化皮膜は、Si濃度が3.0%以上、Cr濃度が20.0%以上であり、且つ厚みが10.0nm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
素材部と、前記素材部上に形成された酸化皮膜とを有するフェライト系ステンレス鋼材であって、
前記酸化皮膜は、Si濃度が3.0%以上、Cr濃度が20.0%以上であり、且つ厚みが10.0nm以下であるフェライト系ステンレス鋼材。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
前記素材部は、質量基準で、Si:1.00~3.00%、Cr:13.00~32.00%を含む、請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼材。
【請求項3】
前記素材部は、質量基準で、C:0.100%以下、Mn:1.00%以下、Ni:1.00%以下、P:0.100%以下、S:0.0020%以下、N:0.100%以下、Nb及びTiの合計:6(C+N)~0.700%、Cu:2.00%以下、Mo:2.50%以下を更に含み、残部がFe及び不純物からなる、請求項2に記載のフェライト系ステンレス鋼材。
【請求項4】
前記素材部は、質量基準で、Al:1.00%以下、Zr:1.00%以下、Co:1.00%以下、V:1.00%以下、W:1.00%以下、REM:0.100%以下、Ca:0.100%以下、Sn:0.100%以下、B:0.0100%以下から選択される1種以上を更に含む、請求項3に記載のフェライト系ステンレス鋼材。
【請求項5】
孔食電位が0.30V vs. SSE以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェライト系ステンレス鋼材に関する。
続きを表示(約 1,300 文字)
【背景技術】
【0002】
フェライト系ステンレス鋼材は、Niを含有しないか又はNiを含有しても少量であるため安価である。他方、フェライト系ステンレス鋼材は、オーステナイト系ステンレス鋼材と比べて耐食性や加工性が劣るため、用途が限定されることがある。
【0003】
近年、フェライト系ステンレス鋼材の用途拡大により、フェライト系ステンレス鋼材の耐食性の向上が要求されている。特に、建材パネルや配管などの用途では、屋外環境下(例えば、塩害環境などの屋外腐食環境下)で使用されることがあるため、屋外環境下においても発銹や腐食に伴う穴あきを抑制できることが要求されている。
【0004】
フェライト系ステンレス鋼材の耐食性を向上させる技術としては、Cr、Moなどの合金元素を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、フェライト系ステンレス鋼材は、オーステナイト系ステンレス鋼材に比べて一度生じた腐食(孔食)の進展速度が速いため、腐食の進展速度を遅くするためにはCr、Moを多量に添加する必要がある。そして、Cr、Moを多量に添加することは、安価であるというフェライト系ステンレス鋼材の利点を損なってしまう。
【0005】
また、フェライト系ステンレス鋼材の表面には、FeやCrの非晶質酸化物を含む不働態皮膜(酸化皮膜)が形成されるため耐食性を有するが、Cl
-
などのハロゲンイオンが存在する腐食環境下におけるバリア性は十分であるとはいえない。ハロゲンイオンが存在する腐食環境下におけるバリア性は、不働態皮膜中のCrの非晶質酸化物によってもたらされる作用であるため、フェライト系ステンレス鋼材を硝酸などの酸に浸漬することにより、不働態皮膜中のCrを濃化させる不働態化処理が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開平6-346195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、酸を用いる不働態化処理を行ったとしても、フェライト系ステンレス鋼材の耐食性が十分であるとはいえない。また、この不働態化処理は、酸を用いているため、環境負荷も大きい。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、フェライト系ステンレス鋼材の素材部上に形成された酸化皮膜について鋭意研究を行った結果、CrとともにSiを濃化させた所定の厚みの酸化皮膜が、耐食性の向上に有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、素材部と、前記素材部上に形成された酸化皮膜とを有するフェライト系ステンレス鋼材であって、
前記酸化皮膜は、Si濃度が3.0%以上、Cr濃度が20.0%以上であり、且つ厚みが10.0nm以下であるフェライト系ステンレス鋼材である。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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