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公開番号2025024357
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-20
出願番号2023128401
出願日2023-08-07
発明の名称化成前処理液、洗浄処理済アルミニウム基材の製造方法、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、及びアルミニウム電解コンデンサの製造方法
出願人クニミネ工業株式会社
代理人弁理士法人クオリオ,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C25D 11/16 20060101AFI20250213BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】より高い静電容量を有するアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造する際に、好適に使用できる化成前処理液を提供する。
【解決手段】スメクタイトを分散してなる、化成前処理液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
スメクタイトを分散してなる、化成前処理液。
続きを表示(約 680 文字)【請求項2】
洗浄液として用いるための、請求項1記載の化成前処理液。
【請求項3】
エッチング液として用いるための、請求項1記載の化成前処理液。
【請求項4】
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、請求項1~3のいずれか1項に記載の化成前処理液。
【請求項5】
スメクタイトの含有量が0.1~20質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の化成前処理液。
【請求項6】
アルミニウム基材を処理するための、請求項1~3のいずれか1項に記載の化成前処理液。
【請求項7】
請求項2に記載の化成前処理液を用いてアルミニウム基材を洗浄処理することを含む、洗浄処理済アルミニウム基材の製造方法。
【請求項8】
請求項3に記載の化成前処理液を用いてアルミニウム基材をエッチング処理することを含む、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法。
【請求項9】
請求項2に記載の化成前処理液を用いてアルミニウム基材を洗浄処理し、得られた洗浄処理済アルミニウム基材を請求項3に記載の化成前処理液を用いてエッチング処理することを含む、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法。
【請求項10】
請求項7に記載の製造方法により得られた洗浄処理済アルミニウム基材をエッチング処理し、得られたエッチング処理済アルミニウム基材を陽極酸化処理することを含む、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、化成前処理液、洗浄処理済アルミニウム基材の製造方法、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、及びアルミニウム電解コンデンサの製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウム基材は、コンデンサ用電極や、各種電子電導性の回路等の配線に使用されている。コンデンサを製造する場合には静電容量を増大させるために化学的方法、物理的方法や電気化学的方法等によりエッチング処理等を行うことで、アルミニウム基材の表面積を増やしている。
アルミニウム基材の表面積をコンデンサ用途に耐える範囲で極力増大する方法として、基材の深さ方向にトンネル状の深い穴(ピット)を形成できる直流電解によるエッチング処理方法が知られている。当該エッチング処理に用いるエッチング液として、例えば特許文献1には、アルミニウムを含有する基材を電気化学的にエッチングすることにより前記基材にピットを形成するために用いられる電解エッチング液組成物であって、酢酸及び乳酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を合計10~70質量%、塩化アルミニウムを0.1~10質量%、並びに水を含有する電解エッチング液組成物が開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも塩素イオンを含む水溶液中にて、直流電流にて電気化学的にエッチングを行う第1の工程と、少なくとも塩素イオンと硫酸イオンを含む水溶液中において、直流電流にて電気化学的にエッチングを行う第2の工程と、硝酸イオンあるいは塩素イオンを含む水溶液中にて電気化学的あるいは化学的にエッチングする第3の工程とを経てなる電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法において、第1の工程で、貫通ピットを形成し、第2の工程で、非貫通ピットを形成し、第3の工程で、すでに形成されたピットを拡大することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔のエッチング方法が開示されている。同文献では塩素イオンを含む各種水溶液が化成前のエッチング液として用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-119184号公報
特開平8-264391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記各特許文献に記載の発明では、両性金属であるアルミニウムを溶解しうる酸を含有している。酸によるアルミニウムの溶解には場所による選択性はほぼない。そのため化成前処理液であるエッチング液に酸が含まれる場合には、化成前処理液が接触穴の表層部のアルミニウム基材を溶解させることで、ピット深さを深くできずに表面積を十分に広くしにくい問題がある。
さらに、化成前処理液であるエッチング液等に含まれる塩素イオンに代表されるハロゲンイオンは、表面の酸化被膜を攻撃することで、ピット形成の起点を生成し孔食を進行させる。特に交流エッチングでは、硫酸や硝酸のインヒビターによって、被膜を再生成させ、ピット形成の起点の生成を繰り返すことで、複雑な形状をつくり、より高い拡面倍率を実現する。
一方、洗浄が不十分でアルミニウム基材に塩素イオン等のハロゲンイオンが残留した状態で次の化成工程に移行した場合には、化成処理による酸化アルミニウム層の形成を阻害し、耐電圧性を悪化させる恐れがある。
【0005】
本発明は、より高い静電容量を有するアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造することを可能にする化成前処理液を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記化成前処理液を用いた洗浄処理済アルミニウム基材の製造方法、及びエッチング処理済アルミニウム基材の製造方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、前記の化成前処理液を用いて製造したアルミニウム基材に陽極酸化を行うことによる、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、及びアルミニウム電解コンデンサの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは鋭意検討の結果、粘土鉱物の一種であるスメクタイトを含有する化成前処理液によって洗浄処理、及び/又はエッチング処理を行い、より拡面倍率を高くし、そのエッチング済基材に化成処理を行うことにより、静電容量がより大きなアルミニウム電解コンデンサ用電極材が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
【0007】
すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
〔1〕
スメクタイトを分散してなる、化成前処理液。
〔2〕
洗浄液として用いるための、前記〔1〕記載の化成前処理液。
〔3〕
エッチング液として用いるための、前記〔1〕記載の化成前処理液。
〔4〕
前記スメクタイトが合成スメクタイトである、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の化成前処理液。
〔5〕
スメクタイトの含有量が0.1~20質量%である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の化成前処理液。
〔6〕
アルミニウム基材を処理するための、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の化成前処理液。
〔7〕
前記〔2〕に記載の化成前処理液を用いてアルミニウム基材を洗浄処理することを含む、洗浄処理済アルミニウム基材の製造方法。
〔8〕
前記〔3〕に記載の化成前処理液を用いてアルミニウム基材をエッチング処理することを含む、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法。
〔9〕
前記〔2〕に記載の化成前処理液を用いてアルミニウム基材を洗浄処理し、得られた洗浄処理済アルミニウム基材を前記〔3〕に記載の化成前処理液を用いてエッチング処理することを含む、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法。
〔10〕
前記〔7〕に記載の製造方法により得られた洗浄処理済アルミニウム基材をエッチング処理し、得られたエッチング処理済アルミニウム基材を陽極酸化処理することを含む、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
〔11〕
前記〔8〕又は〔9〕に記載の製造方法により得られたエッチング処理済アルミニウム基材を陽極酸化処理することを含む、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
〔12〕
前記〔10〕に記載の製造方法により得られたアルミニウム電解コンデンサ用電極材をアルミニウム電解コンデンサの陽極として組み込むことを含む、アルミニウム電解コンデンサの製造方法。
〔13〕
前記〔11〕に記載の製造方法により得られたアルミニウム電解コンデンサ用電極材をアルミニウム電解コンデンサの陽極として組み込むことを含む、アルミニウム電解コンデンサの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明の化成前処理液、洗浄処理済アルミニウム基材の製造方法、エッチング処理済アルミニウム基材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、及びアルミニウム電解コンデンサの製造方法によれば、静電容量がより大きなアルミニウム電解コンデンサ用電極材を得ることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施の形態について具体的に説明するが、本発明は本発明で規定すること以外は、下記の形態に限定されるものではない。
【0010】
[化成前処理液]
本発明の一実施形態は、スメクタイトを分散してなる化成前処理液である。当該化成前処理液は、例えば、洗浄液やエッチング液として用いることができる。例えば、洗浄液としてアルミニウム基材上の汚れ除去や脱脂を行うことができる。また、エッチング液としてアルミニウム基材を電解処理し、基材の深さ方向にトンネル状の深い穴(ピット)を形成させ表面積を増大させたり、より複雑な形状の孔を形成させて高い拡面倍率を実現させることもできる。
(【0011】以降は省略されています)

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