TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025024187
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-19
出願番号2024203150,2020164286
出願日2024-11-21,2020-09-30
発明の名称W-Pt-Cu合金
出願人ノリタケ株式会社
代理人個人
主分類C22C 5/04 20060101AFI20250212BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】タングステン部材と異種金属部材との好適な接合を実現する新規な技術を提供する。
【解決手段】ここに開示される製造方法は、白金(Pt)とタングステン(W)とを含むPt-W合金中の白金(Pt)を、銅(Cu)を含むCu源に移動させることを特徴とする。かかる製造方法によると、Wを主成分とするW相12と、Pt-Cu合金を主成分とするPt-Cu相14とが混在した合金材料10を製造できる。かかる合金材料10は、W相12とPt-Cu相14との界面が安定しているためタングステン部材に対して好適な接合性を発揮する。また、この合金材料10は、Pt-Cu相14を含んでいるため、異種金属部材に対しても好適な接合性を発揮する。すなわち、ここに開示される合金材料は、タングステン部材と異種金属部材との好適な接合を実現する新規な接合材として使用することができる。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
タングステン(W)を主成分とするW相と、白金(Pt)と銅(Cu)とを有するPt-Cu相とが混在することを特徴とする合金材料。
続きを表示(約 950 文字)【請求項2】
前記Pt-Cu相からなるマトリックス中に複数の前記W相が存在していることを特徴とする、請求項1に記載の合金材料。
【請求項3】
SEM観察において、面積0.001μm

~1μm

のW相が0.2ヶ所/μm

以上の密度で存在するW相存在領域を有しており、前記W相存在領域が所定の方向に10μm以上存在する、請求項1または2に記載の合金材料。
【請求項4】
前記W相存在領域において、面積0.001μm

~0.1μm

のW相が0.2ヶ所/μm

以上の密度で存在している、請求項3に記載の合金材料。
【請求項5】
前記W相に存在する金属元素の総数を100atm%としたとき、前記W相に存在するタングステン原子の原子数が75atm%以上であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の合金材料。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の合金材料を介して、タングステンを含む第1部材と、第2部材とが接合されていることを特徴とする、接合体。
【請求項7】
前記第1部材は、タングステン、窒化タングステン、炭化タングステン、炭窒化タングステン、銅タングステン複合材料、銀タングステン複合材料からなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項6に記載の接合体。
【請求項8】
前記第2部材は、銅、白金、白金-銅合金、白金-タングステン合金からなる群から選択される少なくとも一種を含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の接合体。
【請求項9】
請求項1~5のいずれか一項に記載の合金材料を製造する方法であって、
白金(Pt)とタングステン(W)とを含むPt-W合金の前記白金(Pt)を、銅(Cu)を含むCu源に移動させることを特徴とする、合金材料の製造方法。
【請求項10】
前記Pt-W合金は、金属間化合物である、請求項9に記載の合金材料の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、合金材料に関する。例えば、タングステン部材とタングステン以外の金属部材とを接合する接合材として使用し得る合金材料に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
タングステン(W)を含むタングステン部材(以下「W部材」ともいう)は、融点が高く、かつ、熱膨張率が低いという特徴を有し、高温環境での信頼性に優れている。このため、W部材は、ダイバータ、加速器、プラズマ放電装置、高温炉、薄膜形成装置等の高温環境に晒される超高温部品に使用される。一方、タングステンは、希少かつ高価な金属であり、かつ、加工が困難であるため、タングステン以外の金属部材(以下、「異種金属部材」ともいう)と接合された状態で用いられることが多い。例えば、材料コストや放熱性(熱伝導性)などの観点から、接合対象である異種金属部材として銅(Cu)などが用いられる。
【0003】
W部材と異種金属部材との接合には、例えば、銀(Ag)や銅を含むろう材が用いられる。かかるろう材の一例が特許文献1、2に開示されている。具体的には、特許文献1には、コバルト(Co)を用いて炭化タングステン(WC)を焼結した超硬合金の接合において、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及びコバルト(Co)を含むろう材を使用する技術が開示されている。これによって、超硬合金中のCoがろう材へ拡散することを抑制し、超硬合金の強度低下による破損を防止できる。一方、特許文献2には、アルミナ分散強化銅と被接合金属(例えば、タングステン)とを接合する際に、リン(P)を含有するろう材を使用している。そして、接合時の熱処理温度を、銅の融点よりも低く、リンと銅との共晶反応により低下した銅の融点よりも高い範囲に設定している。これによって、アルミナ分散強化銅と被接合金属とを接合している。
【0004】
また、ろう付け以外の接合手段として、NDB法(Non Defective Bonding)が挙げられる。このNDB法は、W部材と異種金属部材とを直接接合する技術であり、その一例が非特許文献1、2に開示されている。例えば、非特許文献1では、タングステン部材と銅部材とを接触させた状態で銅部材の溶融・冷却を行う。非特許文献1では、かかる接合手段を実施することによって、W部材の微小な凹凸表面に、溶融した銅部材が入り込み、原子間相互の引力が増大することによって擬似的な金属結合が形成されると予測している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第5385951号
特許第6528257号
【非特許文献】
【0006】
J.Plasama Fusion Res. Vol.95, No.8(2019)374-376
スマートプロセス学会誌 第6巻 第5号(2017年9月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年のW部材の用途の広がりに伴い、W部材と異種金属部材とをより好適に接合できる新規な技術が求められている。本発明は、かかる要求に応じてなされたものであり、その主な目的は、タングステン部材と異種金属部材との好適な接合を実現する新規な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、タングステン部材と異種金属部材とを接合する新規な技術を見出すために種々の実験と検討を行った結果、W部材用の接合材として好適に機能する新規な合金材料を発見した。具体的には、PtとWを含む合金(Pt-W合金)と、銅(Cu)を含むCu源とを接触させた状態で加熱処理を行うと、驚くべきことに、Pt-W合金のPtがCuに移動することを発見した。そして、このCuによるPtの吸収は、CuがPt-W合金の結晶粒界に入り込みながら進むため、Wを主成分とするW相と、PtとCuとを含むPt-Cu相とが混在した三元二相の合金材料(以下「W-Pt-Cu合金」ともいう)が生成された。一般的には、WとCuは互いに混合して合金を形成することはないと考えられており、このような合金は過去に報告されていなかった。本発明者らは、このW-Pt-Cu合金は、Cuをはじめとする異種金属部材とW部材とを良好に接合する新規な接合材になり得ると考え、当該合金材料の性質と生成メカニズムを解析した。その結果、上記W-Pt-Cu合金は、以下に示すメカニズムによって生成されることを見出した。
【0009】
まず、W-Pt-Cu合金の前駆物質であるPt-W合金は、上述の通り、PtとWを含む合金である。このPt-W合金よりもPt-Cu合金の方が安定しているため、Pt-W合金とCu源とを接触させた結果、Pt-W合金中のPtのCuへの移動が進んだと考えられる。また、Pt-W合金とCuとの界面よりも、Wを主成分とするW相と、PtとCuとを含むPt-Cu相との界面の方が安定していると考えられる。ここで、タングステン部材との接合に目を向けると、W相とPt-Cu相との界面が安定していることは、タングステン部材と合金材料との接合の安定性につながる。接合面では、タングステン部材は、主にPt-Cu相と接合するためである。このように、前駆物質としてPt-W合金を準備し、当該Pt-W合金中のPtをCuに移動させることによって、従来は合金を形成しないと考えられていたWとCuとが混在する合金材料を製造できる。そして、かかる合金材料は、タングステン部材と異種金属部材との好適な接合を実現する新規な接合材になり得る。
【0010】
ここに開示される製造方法は、上述した知見に基づいてなされたものであり、W相とPt-Cu相とが混在した三元二相の合金材料(W-Pt-Cu合金)を製造する方法である。かかる製造方法は、白金(Pt)とタングステン(W)とを含むPt-W合金の白金(Pt)を、銅(Cu)を含むCu源に移動させることを特徴とする。上述したように、かかる製造方法によって、W-Pt-Cu合金を製造することができる。そして、かかるW-Pt-Cu合金は、W相とPt-Cu相との界面が安定しているためW部材との間で好適な接合性を発揮でき、かつ、Pt-Cu相を有しているため異種金属部材(Cu部材、Pt部材など)との間で好適な接合性を発揮できる。すなわち、ここに開示される技術によると、W部材と異種金属部材との好適な接合を実現することができる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社プロテリアル
焼結体
8日前
株式会社神戸製鋼所
鋼線
4か月前
JFEスチール株式会社
4か月前
ハイモ株式会社
水中金属の回収除去方法
29日前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
2か月前
古河機械金属株式会社
高クロム鋳鉄
4か月前
株式会社神戸製鋼所
銅合金板
4か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
4か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
1か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
1か月前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
15日前
有限会社 ナプラ
電解めっき用電極
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
29日前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
4か月前
国立大学法人東北大学
腐食環境用銅合金
15日前
日本製鉄株式会社
鋼材
1日前
日本製鉄株式会社
ボルト
3か月前
三洋化成工業株式会社
重金属回収用イオン液体
3か月前
日本製鉄株式会社
ボルト
3か月前
住友金属鉱山株式会社
銅の製錬方法
2か月前
大同特殊鋼株式会社
抵抗体及びその製造方法
4か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3か月前
日本製鉄株式会社
めっき鋼線
1か月前
住友金属鉱山株式会社
オートクレーブ
2か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
2か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
2か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
2か月前
日本製鉄株式会社
継目無鋼管
3か月前
古河機械金属株式会社
高クロム鋳鉄の製造方法
4か月前
MAアルミニウム株式会社
アルミニウム合金箔
3か月前
個人
複合材料および複合材料の製造方法
2か月前
JFEスチール株式会社
4か月前
続きを見る