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公開番号
2025020814
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-13
出願番号
2023124409
出願日
2023-07-31
発明の名称
金属材の曲げ加工方法および装置
出願人
大同マシナリー株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
B21D
5/14 20060101AFI20250205BHJP(本質的には材料の除去が行なわれない機械的金属加工;金属の打抜き)
要約
【課題】金属材を筒形に精度よく曲げ加工することができる金属材の曲げ加工方法および装置を提供する。
【解決手段】上ロールが一方の下ロール側に偏倚するロール配置で、他方の下ロール側から上下のロール間に前端から送り込まれる金属材14を曲げ加工しつつ第1長さN前進させる。第1長さN前進した金属材14を、第1長さNより短い第2長さM後退させた後、再び金属材14を曲げ加工しつつ第1長さN前進させる反復曲げを繰り返す。金属材14の曲げ加工が基準線47の位置まで進行する毎に、基準線47が上ロールの中心軸線Cと上下方向で整列するよう金属材14の向きを修正する。金属材14の曲げ加工が材料送り方向の中間位置まで進行すると、上ロールが他方の下ロール側に偏倚するロール配置に変更し、金属材14の後端まで反復曲げおよび向き
の修正を繰り返して金属材14を円錐筒状に曲げ加工する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとの間を通過する金属材を、該上下のロールで加圧して筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記上ロールが一方の下ロール側に偏倚するロール配置としたもとで、他方の下ロール側から上下のロール間に前端から送り込まれる金属材を、所定長さ前進して前側部分を上下のロールで曲げ加工し、前記2つの下ロールおよび上ロールの少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して上ロールが他方の下ロール側に偏倚するロール配置とすると共に、上ロールが他方の下ロール側へ偏倚するシフト量以上に金属材を後退して曲げ加工済みの部分を上ロールに接触させた位置から金属材を前進して、曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径を得るロール配置により定常的な曲げ状態を維持して曲げ加工済みの部分を含んで後側部分を上下のロールで曲げ加工することで、該金属材を筒状に曲げ加工する
ことを特徴とする金属材の曲げ加工方法。
続きを表示(約 4,300 文字)
【請求項2】
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとの間を通過する円弧状の金属材を、該上下のロールで加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記上ロールが一方の下ロール側に偏倚するロール配置としたもとで、他方の下ロール側から上下のロール間に前端から送り込まれる金属材における凹形状の弧状辺を、前記上ロールと金属材との接触ポイントに対し、上下のロール間への金属材の送り込み方向入側で上下のロールに干渉しないガイドローラによって支持して、該金属材を、所定長さ前進して前側部分を上下のロールで曲げ加工し、前記2つの下ロールおよび上ロールの少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して上ロールが他方の下ロール側に偏倚するロール配置とすると共に、他方の下ロール側から上下のロール間に送り込まれる金属材における凹形状の弧状辺を前記上ロールと金属材との接触ポイントに対し、上下のロール間への金属材の送り込み方向入側で上下のロールに干渉しないガイドローラによって支持したもとで、上ロールが他方の下ロール側へ偏倚するシフト量以上に金属材を後退して曲げ加工済みの部分を上ロールに接触させた位置から金属材を前進して、曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径を得るロール配置により定常的な曲げ状態を維持して曲げ加工済みの部分を含んで後側部分を上下のロールで曲げ加工することで、該金属材を円錐筒状に曲げ加工する
ことを特徴とする金属材の曲げ加工方法。
【請求項3】
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとの間を通過する円弧状の金属材を、該上下のロールで加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記金属材に、該金属材を曲げ加工する仮想円錐の頂点を向くように複数の基準線を前記移動方向に離間して付し、
前記2つの下ロールおよび上ロールの少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して、上ロールが一方の下ロール側に偏倚するロール配置としたもとで、
他方の下ロール側から上下のロール間に前端から送り込まれる金属材を、上下のロールで曲げ加工しつつ前記基準線の離間間隔より長い加工長さ前進させる加工工程と、
前記上ロールを金属材から離間するよう上昇したもとで、加工長さ前進した金属材を、上ロールを通過した基準線が該上ロールの下方に至るまで後退させる後退工程と、
金属材の弧状辺をガイドで支持したもとで、後退により上ロールの下方に至った基準線を、前記上ロールの中心軸線と上下方向で整列するよう金属材の向きを修正する修正工程とを行った後、上ロールを下降して再び上下のロールで曲げ加工しつつ金属材を加工長さ前進する前記加工工程を行うことを繰り返し、
前記金属材の曲げ加工が前記移動方向の所定位置まで進行すると、上下のロールの少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して、上ロールが他方の下ロール側に偏倚するロール配置に変更したもとで、金属材の後端まで前記加工工程、後退工程、修正工程を繰り返すことで、該金属材を円錐筒状に曲げ加工する
ことを特徴とする金属材の曲げ加工方法。
【請求項4】
前記上ロールを一方の下ロール側に偏倚したロール配置で曲げ加工する金属材の部分と、上ロールを他方の下ロール側に偏倚したロール配置で曲げ加工する金属材の部分との間の金属材の曲げ加工は、前記上ロールが、一方の下ロール側に偏倚した位置と他方の下ロール側に偏倚した位置との間に位置するロール配置で行うようにした請求項1~3の何れか一項に記載の金属材の曲げ加工方法。
【請求項5】
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとの間を通過する円弧状の金属材を、該上下のロールで加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記金属材に、該金属材を曲げ加工する仮想円錐の頂点を向くように複数の基準線を前記移動方向に離間して付し、
前記上ロールが2つの下ロールの中間に位置するロール配置としたもとで、一方または他方の下ロール側から上下のロール間に送り込まれる金属材における移動方向の両端部を除く中間部について、
金属材を、上下のロールで曲げ加工しつつ前記基準線の離間間隔より長い加工長さ前進させる加工工程と、
前記上ロールを金属材から離間するよう上昇したもとで、加工長さ前進した金属材を、上ロールを通過した基準線が該上ロールの下方に至るまで後退させる後退工程と、
金属材の弧状辺をガイドで支持したもとで、後退により上ロールの下方に至った基準線を、前記上ロールの中心軸線と上下方向で整列するよう金属材の向きを修正する修正工程とを行った後、上ロールを下降して再び上下のロールで曲げ加工しつつ金属材を加工長さ前進する前記加工工程を行うことを繰り返して金属材の中間部を曲げ加工し、
前記上下のロールの少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して、上ロールが一方の下ロール側に偏倚するロール配置としたもとで、金属材における上ロールが偏倚する一方の下ロール側に対応する一方の未加工の端部について、中央部の加工済み部分の基準線を上ロールの中心軸線と上下方向で整列した後、金属材を上ロールが偏倚する一方の下ロールから他方の下ロール側へ移動して曲げ加工し、その後に、上下のロールの少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して、上ロールが他方の下ロール側に偏倚するロール配置に変更したもとで、上下のロール間に送り込む金属材の送り込み方向を反転して、金属材における上ロールが偏倚する他方の下ロール側に対応する他方の未加工の端部について、中央部の加工済み部分の基準線を上ロールの中心軸線と上下方向で整列した後、金属材を上ロールが偏倚する他方の下ロールから一方の下ロール側へ移動して曲げ加工することで、該金属材を円錐筒状に曲げ加工する
ことを特徴とする金属材の曲げ加工方法。
【請求項6】
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとの間を通過する円弧状の金属材を、該上下のロールで加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工装置であって、
前記金属材の移動量を計測する計測手段と、
前記上ロールまたは下ロールの周方向に位置調節可能で、前記金属材における凹形状の弧状辺を支持可能なガイドローラと、を備え、
前記上下のロールを、上ロールが一方の下ロール側に偏倚するロール配置および上ロールが他方の下ロール側に偏倚するロール配置とし得るよう構成され、
前記2本の下ロールの一方側から上下のロール間に前端から送り込まれる金属材における凹形状の弧状辺を、前記上ロールと金属材との接触ポイントに対し、上下のロール間への金属材の送り込み方向入側で支持し得るように前記ガイドローラを位置させたもとで、該金属材を、上下のロールの回転によって所定長さ前進して前側部分を上下のロールで曲げ加工した後、上下のロールの回転によって金属材を後退し、曲げ加工済みの部分が上ロールに接触する長さ後退したことを前記計測手段が計測すると、上下のロールの回転によって金属材を前進して、曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径を得るロール配置で定常的な曲げ状態を維持して曲げ加工済みの部分を含んで後側部分を上下のロールで曲げ加工することで、該金属材を円錐筒状に曲げ加工し得るよう構成した
ことを特徴とする金属材の曲げ加工装置。
【請求項7】
金属材の移動方向の前後に離間する2本の下ロールと、両下ロール間の上方に位置する上ロールとの間を通過する円弧状の金属材を、該上下のロールで加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工装置であって、
前記金属材の移動量を計測する計測手段と、
前記金属材に、前記上ロールの中心軸線と平行な位置決め線を表示する表示手段と、
前記上ロールの下方において金属材の弧状辺を支持可能なガイドを備え、該ガイドで弧状辺を支持して金属材の向きを修正する向き修正手段と、
前記上下のロールを回転制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記上下のロール間で曲げ加工される金属材が、上下のロールの回転によって第1長さ前進したことを前記計測手段が計測すると、上下のロールの回転方向を逆転して金属材を後退させ、金属材が第1長さより短い第2長さ後退したことを計測手段が計測すると、上下のロールの回転方向を逆転して金属材を前進させる反復曲げを繰り返すよう上下のロールを回転制御するよう構成され、
前記向き修正手段は、前記第2長さ後退した金属材の曲げ加工を中断した状態で、該金属材を曲げ加工する仮想円錐の頂点を向くように金属材に付されて移動方向に離間する基準線が、前記表示手段によって金属材に表示された位置決め線と整列するように、金属材の向きを修正し得るよう構成した
ことを特徴とする金属材の曲げ加工装置。
【請求項8】
前記向き修正手段は、
前記金属材に対して接近・離間移動可能な前記ガイドと、
前記金属材における前記ガイドが支持する弧状辺とは反対の弧状辺に当接する当接部材をワイヤで引っ張ることで、金属材を前記ガイドに向けて引き寄せ可能なウインチと、
前記当接部材に、前記ガイドへの金属材の引き寄せ方向とは逆方向にテンションを付与可能なバックテンション装置と、を備えた請求項7記載の金属材の曲げ加工装置。
【請求項9】
前記ウインチは、前記2つの下ロールの夫々に対応して配設されると共に、前記ワイヤが対応する下ロールの上方近傍を金属材の移動方向と交差する幅方向に延在するよう構成した請求項8記載の金属材の曲げ加工装置。
【請求項10】
前記向き修正手段は、
前記2つの下ロールを挟む前記移動方向の前後に配設され、搬送手段に載置された金属材を前記移動方向と交差する方向に移動可能な移動手段を備えた請求項7~9の何れか一項に記載の金属材の曲げ加工装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材を複数のロールで曲げ加工する金属材の曲げ加工方法および装置に関するものである。
続きを表示(約 5,200 文字)
【背景技術】
【0002】
金属板等の金属材を円筒形に曲げ加工するロールベンダー(曲げ加工装置)は、一般的に径方向に離間する2本の下ロールと、両下ロールの間の上方に位置する1本の上ロールとを備え、上ロールおよび下ロールで挟持した金属材をロールの回転によって送りつつ、上ロールを下降して金属材を圧下することで曲げ加工するよう構成されている(例えば、特許文献1参照)。また、ロールベンダーの前記基本構成に加えて、上ロールを上下方向に傾動可能に構成すると共に、金属材の幅方向一方の側辺に当接するコーンロールを配設することで、幅方向の両側が円弧となる扇形状に形成された金属材を円錐筒状に曲げ加工することが行われている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示のロールベンダーでは、扇形状の金属材における弧状に形成された一側辺をコーンロールに当接させつつ送りを付与することにより、該金属材を弧状に移動させる。そして、この金属材に、平行あるいは相対的に傾きを持った両下ロールと、該下ロールに対して中心軸を上下方向に傾斜させた上ロールとの間で曲げを付与することで、金属材を円錐筒状に曲げ加工している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特公昭63-36852号公報
特開平10-76319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のロールベンダーでは、金属材の中央部を上下のロールによって予備曲げ加工した後、金属材の未加工の先端部や後端部にそれぞれプレス曲げ加工を施す両端曲げ加工を行うことで、金属材を円筒状に成形している。このため、中央部の予備曲げ加工部と、プレス曲げ加工された先端部および後端部との境界部分での適正な曲げ加工がなされない場合があり、曲率半径が均等に確保されないばかりか、金属材の突合せ端部が、径方向や軸方向に位置ずれしたり、あるいは突合せ端部同士が平行とならない等の位置ずれ不良が発生するおそれがある。
【0005】
また、特許文献2のロールベンダーでは、扇形状の金属材を一定方向に連続的に移動して曲げ加工を進めるため、金属材の先端部や後端部あるいは中間部での適正な曲げ加工がなされないと、曲率半径が均等に確保されないばかりか、金属材の突合せ端部が、径方向や軸方向に位置ずれしたり、あるいは突合せ端部同士が平行とならない等の位置ずれ不良が発生する難点がある。このような位置ずれが発生した場合は、円錐筒形とした後に位置ずれを修正する後処理が必要になるが、位置ずれの程度が大きくなるのに従って修正処理に係る時間も長くなり、生産能率が低下する難点が指摘される。また、位置ずれが大きくなり過ぎると、製品として許容される誤差内まで修正することが難しくなり、材料が無駄となる問題を招くおそれもある。
【0006】
本発明は、前記従来の技術に内在する前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、金属材を筒形に精度よく曲げ加工することができる金属材の曲げ加工方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る金属材の曲げ加工方法は、
金属材(14)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(12,13)と、両下ロール(12,13)間の上方に位置する上ロール(11)との間を通過する金属材(14)を、該上下のロール(11,12,13)で加圧して筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記上ロール(11)が一方の下ロール(13)側に偏倚するロール配置としたもとで、他方の下ロール(12)側から上下のロール(11,12,13)間に前端から送り込まれる金属材(14)を、所定長さ前進して前側部分を上下のロール(11,12,13)で曲げ加工し、前記2つの下ロール(12,13)および上ロール(11)の少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して上ロール(11)が他方の下ロール(12)側に偏倚するロール配置とすると共に、上ロール(11)が他方の下ロール(12)側へ偏倚するシフト量以上に金属材(14)を後退して曲げ加工済みの部分を上ロール(11)に接触させた位置から金属材(14)を前進して、曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径を得るロール配置により定常的な曲げ状態を維持して曲げ加工済みの部分を含んで後側部分を上下のロール(11,12,13)で曲げ加工することで、該金属材(14)を筒状に曲げ加工することを要旨とする。
請求項1の発明では、上ロールを一方の下ロール側に偏倚して金属材の前側部分を曲げ加工した後、上ロールを他方の下ロール側に偏倚して後側部分を曲げ加工するに際し、既に曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径となるようなロール配置で前側部分を含めて後側部分を曲げ加工するので、前側部分と後側部分との境界部分が定常的に曲げ加工されて曲げ精度が高まり、金属材を、一様な曲率に曲げ加工することができる。従って、突合せ端部の位置ずれを最小限に抑えることができ、全体の真円度も高まり、修正する後処理に要する時間を低減して生産能率を向上することができる。
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項2の発明に係る金属材の曲げ加工方法は、
金属材(14)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(12,13)と、両下ロール(12,13)間の上方に位置する上ロール(11)との間を通過する円弧状の金属材(14)を、該上下のロール(11,12,13)で加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記上ロール(11)が一方の下ロール(13)側に偏倚するロール配置としたもとで、他方の下ロール(12)側から上下のロール(11,12,13)間に前端から送り込まれる金属材(14)における凹形状の弧状辺(14d)を、前記上ロール(11)と金属材(14)との接触ポイント(X)に対し、上下のロール(11,12,13)間への金属材(14)の送り込み方向入側で上下のロール(11,12,13)に干渉しないガイドローラ(99,100)によって支持して、該金属材(14)を、所定長さ前進して前側部分を上下のロール(11,12,13)で曲げ加工し、前記2つの下ロール(12,13)および上ロール(11)の少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して上ロール(11)が他方の下ロール(12)側に偏倚するロール配置とすると共に、他方の下ロール(12)側から上下のロール(11,12,13)間に送り込まれる金属材(14)における凹形状の弧状辺(14d)を前記上ロール(11)と金属材(14)との接触ポイント(X)に対し、上下のロール(11,12,13)間への金属材(14)の送り込み方向入側で上下のロール(11,12,13)に干渉しないガイドローラ(99,100)によって支持したもとで、上ロール(11)が他方の下ロール(12)側へ偏倚するシフト量以上に金属材(14)を後退して曲げ加工済みの部分を上ロール(11)に接触させた位置から金属材(14)を前進して、曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径を得るロール配置により定常的な曲げ状態を維持して曲げ加工済みの部分を含んで後側部分を上下のロール(11,12,13)で曲げ加工することで、該金属材(14)を円錐筒状に曲げ加工することを要旨とする。
請求項2の発明では、金属材の凹形状の弧状辺を、上ロールと金属材との接触ポイントに対して上下のロールへの送り込み方向の入側においてガイドローラで支持するので、金属材の移動を阻害することなく該金属材の移動を適正に連続的に案内することができる。また、金属材を、上ロールのシフト量以上に後退して一度曲げ加工された部分が再度曲げ加工され得る位置まで移動すると共に、曲げ加工済みの部分と同じ曲率半径を得るロール配置に維持したまま後側部分を曲げ加工するので、新たに曲げ加工された曲率半径が、先行して曲げた曲率半径と同じとなるために曲げ状態が定常的となり、金属材の曲げ精度を向上し得る。すなわち、金属材を、一様な曲率に曲げ加工することができるので、真円度が増し、突合せ端部の位置ずれも最小限に抑えることができ、位置ずれを修正する後処理に要する時間を低減して生産能率を向上することができる。
【0009】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項3の発明に係る金属材の曲げ加工方法は、
金属材(14)の移動方向の前後に離間する2本の下ロール(12,13)と、両下ロール(12,13)間の上方に位置する上ロール(11)との間を通過する円弧状の金属材(14)を、該上下のロール(11,12,13)で加圧して円錐筒状に曲げ加工する金属材の曲げ加工方法であって、
前記金属材(14)に、該金属材(14)を曲げ加工する仮想円錐の頂点を向くように複数の基準線(47)を前記移動方向に離間して付し、
前記2つの下ロール(12,13)および上ロール(11)の少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して、上ロール(11)が一方の下ロール(13)側に偏倚するロール配置としたもとで、
他方の下ロール(12)側から上下のロール(11,12,13)間に前端から送り込まれる金属材(14)を、上下のロール(11,12,13)で曲げ加工しつつ前記基準線(47)の離間間隔より長い加工長さ(N)前進させる加工工程と、
前記上ロール(11)を金属材(14)から離間するよう上昇したもとで、加工長さ(N)前進した金属材(14)を、上ロール(11)を通過した基準線(47)が該上ロール(11)の下方に至るまで後退させる後退工程と、
金属材(14)の弧状辺(14d)をガイド(82)で支持したもとで、後退により上ロール(11)の下方に至った基準線(47)を、前記上ロール(11)の中心軸線(C)と上下方向で整列するよう金属材(14)の向きを修正する修正工程とを行った後、上ロール(11)を下降して再び上下のロール(11,12,13)で曲げ加工しつつ金属材(14)を加工長さ(N)前進する前記加工工程を行うことを繰り返し、
前記金属材(14)の曲げ加工が前記移動方向の所定位置まで進行すると、上下のロール(11,12,13)の少なくとも一方を前記移動方向の前または後に相対的に移動して、上ロール(11)が他方の下ロール(12)側に偏倚するロール配置に変更したもとで、金属材(14)の後端まで前記加工工程、後退工程、修正工程を繰り返すことで、該金属材(14)を円錐筒状に曲げ加工することを要旨とする。
請求項3の発明では、金属材を前後に反復移動することで、一度曲げ加工した箇所を再度曲げ加工するので、曲げ精度を向上することができる。また、金属材を所定長さ移動する毎に、該金属材の基準線が上ロールの中心軸線と上下方向で整列するよう金属材の向きを修正するので、曲げ精度をより向上することができる。従って、円錐形状を確保し突合せ端部の位置ずれを最小限に抑えることができ、軸方向一方と他方との中心がずれる芯不良による歩留悪化を防ぐことができると共に、位置ずれを修正する後処理に要する時間を低減して生産能率を向上することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、
前記上ロール(11)を一方の下ロール(13)側に偏倚したロール配置で曲げ加工する金属材(14)の部分と、上ロール(11)を他方の下ロール(12)側に偏倚したロール配置で曲げ加工する金属材(14)の部分との間の金属材(14)の曲げ加工は、前記上ロール(11)が、一方の下ロール(13)側に偏倚した位置と他方の下ロール(12)側に偏倚した位置との間に位置するロール配置で行うようにしたことを要旨とする。
請求項4の発明では、金属材の中間部を曲げ加工する際に上ロールを、一方の下ロール側に偏倚した位置と他方の下ロール側に偏倚した位置との間に位置させるので、金属材に対する上下ロールによる支点と作用点との距離が長くなってロールに過大な負荷が加わらず、ロールの曲がりを少なくして曲げ形状の悪化を防ぐと共に、省エネで曲げ加工できる。
(【0011】以降は省略されています)
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