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公開番号2025017757
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2023120968
出願日2023-07-25
発明の名称ホール輸送層の作製方法及びホール輸送層
出願人株式会社アイシン
代理人弁理士法人R&C
主分類H10K 30/50 20230101AFI20250130BHJP()
要約【課題】ホール輸送層を大面積に均一に作製する方法を提供する。
【解決手段】ペロブスカイト化合物を有する太陽電池10のホール輸送層5の作製方法は、芳香族エーテル、芳香族ハロゲン化物、及び、脂肪環との縮合環を有する芳香族化合物から選択される1種以上を含む溶媒であって、引火点が40℃以上である溶媒にホール輸送材料を溶解させるステップと、ホール輸送材料の溶解した溶液をペロブスカイト層4の表面に塗布するステップと、溶液を乾燥させるステップと、を備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
ペロブスカイト化合物を有する太陽電池のホール輸送層の作製方法であって、
芳香族エーテル、芳香族ハロゲン化物、及び、脂肪環との縮合環を有する芳香族化合物から選択される1種以上を含む溶媒であって、引火点が40℃以上である前記溶媒にホール輸送材料を溶解させるステップと、
前記ホール輸送材料の溶解した溶液をペロブスカイト層の表面に塗布するステップと、
前記溶液を乾燥させるステップと、を備えるホール輸送層の作製方法。
続きを表示(約 380 文字)【請求項2】
前記溶解させるステップにおいて、
前記ホール輸送材料の溶解量を1質量%以上5質量%以下とする請求項1に記載のホール輸送層の作製方法。
【請求項3】
前記塗布するステップにおいて、
複数回に分けて、繰り返し前記溶液を塗布する請求項1に記載のホール輸送層の作製方法。
【請求項4】
前記乾燥させるステップにおいて、
50℃以上120℃以下の温度で前記溶液を乾燥させる請求項1に記載のホール輸送層の作製方法。
【請求項5】
前記溶媒としてアニソールを用いる請求項1に記載のホール輸送層の作製方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法によって作製されたホール輸送層であって、前記ホール輸送層の膜厚が75nm以上400nm以下であるホール輸送層。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ペロブスカイト太陽電池のホール輸送層を作製する方法及び当該方法によって作製されるホール輸送層に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
太陽電池は、シリコン系、化合物半導体、有機半導体などの素子を用いたものが一般的であるが、高い光捕集能に加え、薄膜化や低コスト化の可能な有機-無機ハイブリッド型太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)が注目されている。
【0003】
ペロブスカイト太陽電池は、透明導電膜、電子輸送層、ペロブスカイト層、ホール輸送層がこの順に積層されたn-i-p構造、又は透明導電膜、ホール輸送層、ペロブスカイト層、電子輸送層がこの順に積層されたp-i-n構造の2種類に大別される。
【0004】
特許文献1には、n-i-p構造のペロブスカイト太陽電池において、ドナー-アクセプター-ドナー型構造を有するホール輸送材料が示されている。このホール輸送材料は、アクセプター部を構成する分子にフルオレン環等の電子受容性基を、ドナー部を構成する分子に4-(ビス(4-メトキシフェニル)アミノ)フェニル基等の電子供与性基を含んで構成することにより、分子内でのプッシュ-プル効果を大きくし、分子内の電荷移動特性を向上させている。このようなホール輸送材料は分子量が大きいため溶解性が低く、ペロブスカイト層上にホール輸送層を作製する際の溶液には、溶媒としてクロロベンゼンを用いていた。
【0005】
特許文献2には、p-i-n構造のペロブスカイト太陽電池において、太陽電池の高光電変換効率及び高い安定性の得られるホール輸送材料として、3位と4位に置換基を有するチオフェンから成る群から選択された少なくとも一種のモノマーから構成されたポリマーが示されている。この材料を用いたホール輸送層は、導電膜を有する基盤を溶液に浸漬させ、電界重合を行うことにより形成されるので、ホール輸送層を大面積に作製することが可能である。
【0006】
特許文献3には、n-i-p構造又はp-i-n構造のペロブスカイト太陽電池において、太陽電池の高光電変換効率及び高い安定性の得られるホール輸送材料として、成膜後に結晶化,不溶化させることが可能である塗布変換型材料(フタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物の金属錯体)が示されている。塗布変換型材料は、塗布溶媒に不溶であるが、その前駆体化合物は塗布溶媒に可溶であるため、前駆体化合物を塗布した後に反応させることにより、塗布対象上に塗布変換型材料を含有するホール輸送層を作製することができる。これにより、スピンコート法やインクジェット法等の湿式成膜法を用いることができ、ホール輸送層を大面積に作製することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2023-46046号公報
特開2020-136571号公報
特開2022-149015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたホール輸送層の溶媒としてのクロロベンゼンは、引火点が28℃と低いため、インクジェット法による湿式成膜法を用いることができず、ホール輸送材料を大面積に塗布することができない。したがって、このような材料を用いた太陽電池を大型化することは困難であった。
【0009】
特許文献2における太陽電池の作製方法においては、ホール輸送層を作製した後にペロブスカイト層を作製する。対して、n-i-p構造の太陽電池において、同様の方法を用いてペロブスカイト層上にホール輸送層を作製する場合にあっては、ペロブスカイト層を有する基盤を溶液に浸漬する必要があるため、ペロブスカイト層の溶解や、溶媒の浸み込み等が発生し、光電変換効率が大きく低下してしまう。したがって、電界重合を用いたホール輸送層の作製はp-i-n構造のペロブスカイト太陽電池に限られていた。
【0010】
また、特許文献3には湿式成膜法の詳細が記載されておらず、ホール輸送層を均一に作製する方法は不明であった。
(【0011】以降は省略されています)

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