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公開番号
2025017286
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-05
出願番号
2023130486
出願日
2023-07-24
発明の名称
ナイロン11微粉末、表面処理品及び配合化粧料
出願人
黒田総合技研株式会社
代理人
主分類
C08J
3/14 20060101AFI20250129BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ナイロン11を黄変させずに微粉末化することと顔料の表面処理を行うこと、そしてその微粉末および表面処理顔料を化粧料に配合することで化粧落としが容易な化粧料を得ること。
【解決手段】ナイロン11とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合し、185℃以上に加熱して、ナイロン11を溶解させた後に冷却することで得られるナイロン11の微粉末、およびナイロン11と顔料とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合し、185℃以上に加熱した後に冷却して得られるナイロン11で表面処理された顔料およびその配合化粧料でなす。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
ナイロン11とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合、185℃以上に加熱して、ナイロン11を溶解させた後に冷却することで得られるナイロン11の微粉末。
続きを表示(約 600 文字)
【請求項2】
ナイロン11と顔料とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合、185℃以上に加熱した後に冷却して得られるナイロン11で表面処理された顔料。
【請求項3】
ナイロン11とジプロピレングリコールとリン酸塩と一緒に下記成分の1種以上を添加することで得られる請求項1に記載の微粉末。
イソステアリン酸ポリグリセリル-10、スクワラン、キャンデリラロウ、ステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-10
【請求項4】
ナイロン11と顔料とジプロピレングリコールとリン酸塩に加えて下記成分の1種以上を添加することで得られる請求項2に記載のナイロン11で表面処理された顔料。
イソステアリン酸ポリグリセリル-10、スクワラン、キャンデリラロウ、ステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-10
【請求項5】
リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである請求項1に記載の微粉末。
【請求項6】
リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである請求項2に記載のナイロン11で表面処理された顔料。
【請求項7】
請求項1に記載の微粉末を配合した化粧料。
【請求項8】
請求項2に記載のナイロン11で表面処理された顔料を配合した化粧料。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
天然物であるナイロン11は今後の環境規制の中で重要な位置を占めることが予想されるが、市販の微粉末は3Dプリンタ用に開発されたものが市販されているが、粉砕法で製造されているために感触があまりよくない問題があった。また、粉末処理などの処理剤としてナイロン11を用いようとすると、ナイロン11の融点が185℃と高く通常の方法では処理が難しい問題があった。
特許文献1にはナイロン12とジプロピレングリコールとを混合、加熱し、ナイロン12をジプロピレングリコールに溶解させ均一溶液を生成し、この均一溶液を冷却することによって、ナイロン12の球状粒子を析出させる、ナイロン12球状粒子粉末の製造方法が記載されている。ナイロン12はナイロン11と比べて炭素数が1つ多く、融点が176℃でやや低いこと以外はナイロン11とその特性は類似している。そこで特許文献1に従ってナイロン11を処理してみると、ジプロピレングリコール中のナイロン11の割合が高くなるにつれて黄変が生じることが分かった。非特許文献1にはナイロンの黄変の原因は窒素酸化物に起因していることが示されている。非特許文献2にはゼオライトを用いた窒素酸化物の吸着効果についての研究結果が示されているが、実際に試してみると黄変を抑制することはできなかった。
続きを表示(約 3,000 文字)
【先行技術文献】
【0002】
特開2006-169373号公報
ナイロンの黄変 日本製品製品・クリーニング協議会 https://nichisenku.jp/accident/jiko14/(2023年3月17日検索)
岡田繁他、国士舘大学理工学部紀要 第9号 1-4ページ(2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は解決しようとする課題は、ナイロン11を黄変させずに微粉末化することと顔料の表面処理を行うこと、そしてその微粉末および表面処理顔料を化粧料に配合することで化粧落としを容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、ナイロン11とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合し、185℃以上に加熱して、ナイロン11を溶解させた後に冷却することで得られるナイロン11の微粉末、およびナイロン11と顔料とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合し、185℃以上に加熱した後に冷却して得られるナイロン11で表面処理された顔料およびその配合化粧料である。
1.ナイロン11とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合、185℃以上に加熱して、ナイロン11を溶解させた後に冷却することで得られるナイロン11の微粉末。
2.ナイロン11と顔料とジプロピレングリコールとリン酸塩を混合、185℃以上に加熱した後に冷却して得られるナイロン11で表面処理された顔料。
3.ナイロン11とジプロピレングリコールとリン酸塩と一緒に下記成分の1種以上を添加することで得られる1に記載の微粉末。
イソステアリン酸ポリグリセリル-10、スクワラン、キャンデリラロウ、ステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-10
4.ナイロン11と顔料とジプロピレングリコールとリン酸塩に加えて下記成分の1種以上を添加することで得られる2に記載のナイロン11で表面処理された顔料。
イソステアリン酸ポリグリセリル-10、スクワラン、キャンデリラロウ、ステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-10
5.リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである1に記載の微粉末。
6.リン酸塩がトリポリリン酸ナトリウムである2に記載のナイロン11で表面処理された顔料。
7.1に記載の微粉末を配合した化粧料。
8.2に記載のナイロン11で表面処理された顔料を配合した化粧料。
【本発明の効果】
【0005】
本発明により、機械的粉砕を行わなくてもナイロン11の微粉末や表面処理顔料が得られる効果がある。また、これらの粉末や顔料を配合した化粧料はさらさらした感触を持ち、塗布時の伸びに優れ、化粧落としが容易な化粧料が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明のナイロン11の微粉末の走査型電子顕微鏡写真の例。
本発明のナイロン11で表面処理されたセルロース粉末の走査型電子顕微鏡写真の例。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるナイロン11はヒマシ油から得られるアミノウンデカン酸の縮重合によって得られる脂肪族ポリアミドであり、アルケマ社からRilsan PA11の名称で販売されている。本発明ではペレットの形で供給されているものを用いることが好ましい。
本発明の微粉末では、ジプロピレングリコールを用いる。ナイロン11とジプロピレングリコールの混合物を185℃以上に昇温してから冷却することで微粉末が得られる。ナイロン11をジプロピレングリコールへ混合する際の重量比は1~25%が好ましく、特に10~20%が好ましい。
本発明では、ジプロピレングリコールに顔料とナイロン11を混ぜ、それを185℃以上に昇温させてから冷却することで、ナイロン11による表面処理顔料を得ることができる。昇温の温度は220℃以下とすることが好ましい。220℃以上の温度の時間が長いと黄変の影響が強くなる場合がある。
本発明では、上記のナイロン11とジプロピレングリコールと共にリン酸塩を加えることが好ましい。リン酸塩を入れるとナイロン11の黄変を抑制することができる。本発明で用いるリン酸塩としては、例えばトリポリリン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸2カリウム、リン酸1カリウムなどが挙げられるが、特にトリポリリン酸ナトリウムが好ましい。リン酸塩の添加量は、ナイロン11の質量に対して25~200%の量を添加することが好ましい。ナイロン11の微粉末を得る場合は少なめで問題ないが、表面処理顔料を得る場合は100%以上とすることが好ましい。また、ジプロピレングリコールに対してナイロン11や顔料の量が多い場合、具体的には20%以上の量では、より多くのリン酸塩が必要になる場合がある。
【0008】
本発明では、さらにイソステアリン酸ポリグリセリル-10、スクワラン、キャンデリラロウ、ステアリン酸グリセリン、ミリスチン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル-10から選ばれる1種以上の成分を加えることが好ましい。これらの成分は、ナイロン11単独の場合は、粒度分布をより小さくする方向に制御することができ、また顔料の表面処理の場合では、均一な被覆処理ができるようになる効果がある。これらの成分の添加量としては、ナイロン11の質量に対して1~60%が好ましく、より好ましくは3~50%である。これもリン酸塩と同様でナイロン11の微粉末を得る場合は少なめで問題ないが、表面処理顔料を得る場合は50%以上とすることが好ましい。また、ジプロピレングリコールに対してナイロン11や顔料の量が多い場合、具体的には20%以上の量では、より多くのリン酸塩が必要になる場合がある。
【0009】
本発明では、上記の加熱工程においてはなるべく強く攪拌を行うことが好ましいが、ナイロン11が合一して塊になるケースがあり、この場合に攪拌翼と容器の隙間にはさまって攪拌できなくなり攪拌不良になるケースがあるため、翼の形状または容器と翼との距離の設定は注意が必要であり、攪拌翼が動かなくなることがないように実験的に調べる必要がある。
【0010】
本発明では、溶液を185℃以上に加熱した後、冷却工程に入るが、攪拌は液温が170℃になるまで実施し、それ以降は攪拌は不要または弱い攪拌のみで構わない。また、冷却時に溶液を外側から冷却するなどして冷却速度を大きくすることが好ましい。冷却速度が大きい方がナイロン11の粒度分布がより小さくなったり、表面処理が均一になるなどの効果がある。また、冷却工程の中で撥水化剤などの表面処理剤を添加することも好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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