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公開番号
2025015017
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023118069
出願日
2023-07-20
発明の名称
溶解炉の操業方法
出願人
JFEスチール株式会社
代理人
弁理士法人酒井国際特許事務所
主分類
F27D
17/20 20250101AFI20250123BHJP(炉,キルン,窯;レトルト)
要約
【課題】二酸化炭素の排出量を大幅に削減可能な溶解炉の操業方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る溶解炉の操業方法は、溶解炉の排ガスに含まれる少なくともCO及び/又はCO
2
を原料として用いてエタノールを製造するエタノール製造工程と、エタノール製造工程において製造されたエタノールを用いて鉄鉱石を還元することにより炭素含有還元鉄を製造する炭素含有還元鉄製造工程と、を含み、炭素含有還元鉄を前記溶解炉に装入する原料として用いる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
溶解炉の排ガスに含まれる少なくともCO及び/又はCO
2
を原料として用いてエタノールを製造するエタノール製造工程と、
前記エタノール製造工程において製造された前記エタノールを用いて鉄鉱石を還元することにより炭素含有還元鉄を製造する炭素含有還元鉄製造工程と、
を含み、
前記炭素含有還元鉄を前記溶解炉に装入する原料として用いる、溶解炉の操業方法。
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【請求項2】
前記溶解炉が高炉である、請求項1に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項3】
前記エタノール製造工程において前記炭素含有還元鉄製造工程において発生した排ガスを原料として用いる、請求項2に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項4】
前記エタノール製造工程において外部水素を原料として用いる、請求項2に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項5】
前記エタノール製造工程において外部水素を原料として用いる、請求項3に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項6】
前記高炉の羽口から前記エタノール製造工程において製造された前記エタノールを送風ガスと共に吹き込む工程を含む、請求項2に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項7】
前記高炉の羽口から前記エタノール製造工程において製造された前記エタノールを送風ガスと共に吹き込む工程を含む、請求項3に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項8】
前記高炉の羽口から前記エタノール製造工程において製造された前記エタノールを送風ガスと共に吹き込む工程を含む、請求項4に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項9】
前記高炉の羽口から前記エタノール製造工程において製造された前記エタノールを送風ガスと共に吹き込む工程を含む、請求項5に記載の溶解炉の操業方法。
【請求項10】
前記高炉の羽口から吹き込む送風ガスとして純酸素を用いる、請求項2~9のうち、いずれか1項に記載の溶解炉の操業方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炉等の溶解炉の操業方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境問題を背景として、二酸化炭素(CO
2
)の排出量削減が強く求められている。そのため、製鉄所内に設けられた高炉の操業においても、低還元材比(低RAR)操業を行うことが求められている。一般的な高炉では、羽口から送風ガスとして熱風(1200℃程度に加熱した空気)を吹き込む。これにより、熱風中の酸素と還元材となるコークスや微粉炭とが反応し、一酸化炭素(CO)ガスや水素(H
2
)ガスが生成される。そして、これらの一酸化炭素ガスや水素ガスによって高炉内に装入された鉄鉱石が還元される。また、この鉄鉱石の還元反応において二酸化炭素が発生する。なお、送風ガスは、羽口から高炉内に吹き込まれるガスであり、高炉内においてコークスや微粉炭をガス化する役割を果たす。
【0003】
このような高炉の操業における二酸化炭素の排出量削減技術として、鉄鉱石から還元鉄を製造して高炉内に装入する技術が検討されている。例えば非特許文献1には、高炉内に還元鉄を装入することにより還元材比が低減し、生産性が向上することが記載されている。また、高炉内に装入する還元鉄の製造方法として、特許文献1には、天然ガス、又は、天然ガスを改質したガスを用いて酸化鉄原料を直接還元する方法が記載されている。このようにして製造された還元鉄は鉱石原料と共に高炉内に装入できる。また、特許文献2には、製鉄プロセスにおいて発生する副生ガスからH
2
/CO比が所定の範囲内にある還元ガスを製造し、その還元ガスを用いて鉄鉱石を還元することにより還元鉄を製造し、得られた還元鉄を高炉で用いる方法が記載されている。さらに、非特許文献2には、還元ガスとしてエタノールを用いて鉄鉱石を還元することにより炭素含有還元鉄を生成する方法が記載されている。このようにして製造された炭素含有還元鉄は鉱石原料と共に高炉内に装入することもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭63-213613号公報
特開2010-043314号公報
【非特許文献】
【0005】
宇治澤優、砂原公平、松倉良徳、中野薫、山本高郁、鉄と鋼、92(2006)、p.591-600
Ade Kurniawan、Keisuke Abe、Kouichi Ohashi、Takahiro Nomura and Tomohiro Akiyama、Fuel Processing Technology、178(2018)、p.156-165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2や非特許文献1に記載の方法では、十分な二酸化炭素の排出量削減効果を得ることはできない。詳しくは、特許文献1に記載の方法によって製造された還元鉄を高炉内に装入することにより還元材比は低減するものの、その効果には限界がある。さらに、還元鉄の製造時にも二酸化炭素が発生するため、プロセス全体としての二酸化炭素の排出量削減効果は十分とは言えない。一方、特許文献2に記載の方法のように副生ガスを用いて還元鉄を製造することにより、還元鉄の製造時の二酸化炭素の発生量を削減することはできる。しかしながら、やはり高炉内に還元鉄を装入するだけでは還元材比の低減効果には限界がある。
【0007】
これに対して、非特許文献2に記載の方法によって製造された炭素含有還元鉄を高炉内に装入した場合、炭素含有還元鉄中の炭素が還元材の作用を代替する。このため、特許文献1,2に記載の方法と比較して還元材比の低減効果は大きくなると推定される。しかしながら、炭素含有還元鉄中の炭素から二酸化炭素が生成されるため、二酸化炭素の排出量は特許文献1,2に記載の方法と比較して大きく改善されるわけではない。さらに、炭素含有還元鉄の製造時にも二酸化炭素が発生するため、プロセス全体としての二酸化炭素の排出量削減効果は十分とは言えない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、二酸化炭素の排出量を大幅に削減可能な溶解炉の操業方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る溶解炉の操業方法は、溶解炉の排ガスに含まれる少なくともCO及び/又はCO
2
を原料として用いてエタノールを製造するエタノール製造工程と、前記エタノール製造工程において製造された前記エタノールを用いて鉄鉱石を還元することにより炭素含有還元鉄を製造する炭素含有還元鉄製造工程と、を含み、前記炭素含有還元鉄を前記溶解炉に装入する原料として用いる。
【0010】
前記溶解炉が高炉であるとよい。
(【0011】以降は省略されています)
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