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公開番号2025014534
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117167
出願日2023-07-18
発明の名称角度検出構造、偏光型エンコーダ、および光学軸の空間分布を持つ移相子の偏光型エンコーダへの使用
出願人多摩川精機株式会社,国立大学法人長岡技術科学大学
代理人個人
主分類G01D 5/347 20060101AFI20250123BHJP(測定;試験)
要約【課題】偏光型エンコーダの高分解能化を可能とする技術を提供する。
【解決手段】偏向型エンコーダ10は、光源1と、光源1からの光の入射を受ける偏光板A2と、偏光板A2から入射光の偏光方位を自在に変換可能な光学軸の空間分布を持つ移相子3と、移相子3からの入射光を受ける偏光板B4と、偏光板B4からの入射光を検出するセンサ5と、センサ5による検出光を処理して角度データを生成する信号処理手段6とからなり、偏光板A2または偏光板B4の少なくともいずれかは入射する光の偏光方位を回転によって変化させる構成とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
光源からの光の入射を受ける偏光板Aと、
該偏光板Aからの入射光の偏光方位を自在に変換可能な光学軸の空間分布を持つ移相子と、
該移相子からの入射光を受ける偏光板Bとからなり、
該偏光板Aまたは偏光板Bの少なくともいずれかは入射する光の偏光方位を回転によって変化させる
ことを特徴とする、角度検出構造。
続きを表示(約 540 文字)【請求項2】
光源と、
該光源からの光の入射を受ける偏光板Aと、
該偏光板Aからの入射光の偏光方位を自在に変換可能な光学軸の空間分布を持つ移相子と、
該移相子からの入射光を受ける偏光板Bと、
該偏光板Bからの入射光を検出するセンサと、
該センサによる検出光を処理して角度データを生成する信号処理手段とからなり、
該偏光板Aまたは偏光板Bの少なくともいずれかは入射する光の偏光方位を回転によって変化させる
ことを特徴とする、偏光型エンコーダ。
【請求項3】
光源と、
該光源からの光の入射を受ける偏光板Aと、
該偏光板A側からの入射光を検出する偏光板Bと、
該偏光板Bからの入射光を検出するセンサと、
該センサによる検出光を処理して角度データを生成する信号処理手段とからなる偏光型エンコーダにおける、
該偏光板Aからの入射する光の偏光状態を自在に変換して該偏光板Bへと出射する変換手段としての、光学軸の空間分布を持つ移相子の使用。
【請求項4】
前記移相子としてQ-Plateを用いることを特徴とする、請求項2に記載の偏光型エンコーダ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は角度検出構造、偏光型エンコーダ、および光学軸の空間分布を持つ移相子の偏光型エンコーダへの使用に係り、特に、偏光型エンコーダの分解能を高める技術に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
産業用ロボットや半導体/液晶製造装置など産業装置業界で多く使われるACサーボモータは、日本が世界的に優位を誇る分野であり、その性能は日進月歩で進化している。10年前の応答速度はせいぜい数百Hzであったのに対し、現在では、5kHzに迫る約10倍もの応答速度を持つサーボシステムが市販され、普及するまでになった。この性能向上は、高速サンプリング制御を実現する専用CPUやFPGAの高性能化と、サーボモータの軸の角度情報を得る角度検出器(エンコーダ)の高分解能化の両者に大きく依存している。このうち前者による性能向上は順調に進んでいる現状であり、後者エンコーダについては、その角度分解能を高めていくことによって、サーボモータの制御性や効率の向上を期待することができる。
【0003】
エンコーダには、巻き線と電磁鋼板で構成される、いわゆる「レゾルバ」と、光の透過不透過で回転角度を検出する「光学式エンコーダ」がある。レゾルバは温度や湿度、振動などの耐環境性に優れるため、高温高振動のエンジンや、極低温環境の宇宙機器、高温、高湿度、高振動下で使用するロボット等に用いられる。一方、高速動作が求められる産業用ロボットや、高精度が求められる加工用装置や乗り心地のために制御性を求められるエレベータ等の用途には、より高い分解能が求められることから、パターンの刻まれたディスクを用いる光学式エンコーダが主に用いられている。
【0004】
かかる従前方式の光学式エンコーダにおいても分解能を上げるための様々な開発がなされており、10年前は17bit/turnであった分解能が、現在では27bit/turnのものが市販されるまでに至っている。しかし、スリットとグレーティングを用いる従前方式のエンコーダの高分解能化は構造上の限界にあり、27bit(約1.3億分の1)の壁を近年越えられておらず、高分解能化を求めてその延長線上を進めても、既に限界に到達しつつある。したがって、高速サンプリング制御の制御周期内の位置精度の劣化を招くことが確実視されている。
【0005】
そこで、従前方式に替わる方式として、直線的な偏光効果のあるディスクと受光素子との間に、同じく偏光効果のあるグレーティングを置くことによってシャッター効果を発生せしめ、それによって正弦波状の波形が得られる、という原理を応用した偏光型エンコーダが既に開発されている(特開2016-53562、特開2018-128276など)。この方式の場合、得られた2相の正弦波を処理することにより、角度情報を得ることができる。
【0006】
さて、かかる方式の偏光型エンコーダに関する特許出願等は、上記文献の他にもなされている。たとえば後掲特許文献1には、光源の光強度を一定に保つ光学式エンコーダとして、偏光方位が回転により変化する光学スケール、光学スケールを介した入射光を検出する検出部、および光源の発光を制御する制御部を備え、検出部は第1偏光方位に分離された光の強度を検出する第1検出部、第2偏光方位に分離された光の強度を検出する第2検出部、第3偏光方位に分離された光の強度を検出する第3検出部、入射光の強度を検出する第4検出部からなり、制御部は第4検出部で検出される入射光の強度が予め設定した光強度の範囲内となるように光源の光強度をフィードバック制御する、という構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-7753号公報「光学センサ及び光学式エンコーダ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図10は、従来の偏光型エンコーダの構成および作用を示す説明図である。すなわち、従来の偏光型エンコーダ710においては、回転子(偏光板)72の偏光スリットを通過した光は一様の方位に偏光されており、光検出素子(検光子)75上の偏光遮光板74の配置角度により、回転子72の角度に応じた2周期の正弦波状の光強度を測定することで回転角度を演算している。この方式では回転子72の1回転中の絶対角度を検出することは不可能である。逆に、1回転あたり2周期以上の光強度変化が得られないため、分解能の向上には、現状では光検出素子75や信号処理回路76の高度化しか方法がない。しかしこれでは、コスト上昇は必至である。
【0009】
なおまた、光学式エンコーダの分解能を向上させるには、一般にディスクや検光子のスリット幅を狭くしてゆく必要があるが、各部品の寸法精度や位置関係と角度検出精度はほぼ限界に達しており、量産性の観点から、加工や組み立て精度向上は非常に困難となっている。
【0010】
そこで本発明が解決しようとする課題は、かかる従来技術の限界を踏まえ、制約を克服するために、偏光型エンコーダの従来にはない高分解能化を可能とする新たなる方式、技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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