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公開番号2025014486
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023117074
出願日2023-07-18
発明の名称電動駆動システムの制御装置
出願人日立Astemo株式会社
代理人弁理士法人開知
主分類H02P 23/00 20160101AFI20250123BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】電動機の部品が熱的に保護される条件を探索し、電動機の所望の出力を維持すべく電動機への入力電力の制限を抑制する。
【解決手段】電動機を所望の動作点で駆動するために電力変換器に指令する入力指令値を演算する電動駆動システムの制御装置であって、前記入力指令値に応じて前記電動機に入力される電力の電流波形成分を予測演算し、前記電流波形成分から前記電動機の複数の部品に発生する損失を予測演算し、前記損失に基づき前記電動機の複数の部品の温度を予測演算し、前記電動機の少なくとも一つの部品の予測温度が各々の管理温度を超える場合に、当該部品の予測温度が前記管理温度以下になるように前記入力指令値を補正して前記電力変換器に出力する電動駆動システムの制御装置を提供する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電源の電力を変換して電動機への入力電力を出力する電力変換器に対し、前記電動機を所望の動作点で駆動するために前記電力変換器に指令する入力指令値を演算する電動駆動システムの制御装置であって、
演算した前記入力指令値を出力した場合に前記電力変換器から前記電動機に入力される電力の電流波形成分を予測演算する電流波形成分演算部と、
前記電流波形成分演算部で演算された前記電流波形成分から、前記入力指令値を出力した場合に前記電動機の複数の部品に発生する損失を予測演算する電動機部品損失演算部と、
前記電動機部品損失演算部で演算された前記損失に基づき、前記入力指令値を出力した場合の前記電動機の複数の部品の温度を予測演算する電動機部品温度演算部とを備え、
前記電動機の少なくとも一つの部品の前記温度が各々予め設定された管理温度を超える場合に、前記電動機の少なくとも一つの部品の前記温度が前記管理温度以下になるように前記入力指令値を補正し前記電力変換器に出力する
ことを特徴とする電動駆動システムの制御装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1の電動駆動システムの制御装置において、
補正前の前記入力指令値と比較して、補正後の前記入力指令値の下では、前記電動機の複数の部品のうち前記少なくとも一つの部品の前記温度が下降し、他の部品の少なくとも1つの温度が上昇する
ことを特徴とする電動駆動システムの制御装置。
【請求項3】
請求項1の電動駆動システムの制御装置において、
前記入力指令値の電流位相を補正することを特徴とする電動駆動システムの制御装置。
【請求項4】
請求項1の電動駆動システムの制御装置において、
前記入力指令値のキャリア周波数を補正することを特徴とする電動駆動システムの制御装置。
【請求項5】
請求項1の電動駆動システムの制御装置において、
前記電動機の複数の部品の温度のいずれもが前記管理温度を下回る場合に、前記管理温度と前記温度との差分に応じて前記電動機の動作点のトルクを増加方向に補正する
ことを特徴とする電動駆動システムの制御装置。
【請求項6】
請求項1の電動駆動システムの制御装置において、
前記電流波形成分演算部で演算された前記電流波形成分から、前記入力指令値を出力した場合に前記電力変換器の複数の部品に発生する損失を予測演算する変換器部品損失演算部を備え、
前記電動機の前記少なくとも一つの部品の前記温度が前記管理温度以下になる条件で、前記電動機の部品の損失と前記電力変換器の部品の損失の合計が最小となるように前記入力指令値を補正する
ことを特徴とする電動駆動システムの制御装置。
【請求項7】
請求項1の電動駆動システムの制御装置において、
前記電流波形成分演算部で演算された前記電流波形成分から、前記入力指令値を出力した場合に前記電力変換器の複数の部品に発生する損失を予測演算する変換器部品損失演算部と、
前記変換器部品損失演算部で演算された前記損失に基づき、前記入力指令値を出力した場合の前記電力変換器の部品の温度を演算する変換器部品温度演算部とを備え、
前記電力変換器の少なくとも一つの部品の前記温度が各々予め設定された管理温度を超える場合に、前記電力変換器の少なくとも一つの部品の前記温度が前記管理温度以下になるように前記入力指令値を補正し前記電力変換器に出力する
ことを特徴とする電動駆動システムの制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の電動駆動システムの制御装置に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
世界的な地球環境保護への意識の高まりにより、自動車産業においても従来の内燃機関駆動から駆動時に温暖化ガスを排出しない電動機による電動駆動へのシフトが進んでいる。自動車の電動化に不可欠な電動駆動システムは、バッテリから供給される電力から駆動力を取り出すために、電力変換器、電動機、及びこれらを制御する制御装置を備える。電動駆動の自動車においても、加減速や最高速、連続走行特性等の車両走行性能は内燃機関駆動の自動車と変わらない。内燃機関とは異なり電動機は燃焼温度の管理を必要としないが、電気エネルギを電磁気回路により回転動力に変換する過程において各部品で損失が発生する。この損失は部品の発熱の要因となり、部品によっては不可逆的な性能低下を引き起こすことがある。特に連続走行時は部品が継続的に発熱し損失が発生するため、部品温度の上昇を抑えるために電動機の性能が制約される。電動機の部品を熱的に保護するには、一般的に、コイルエンド部に温度センサを取り付け、温度センサの値について、各部品の温度が各々設定された管理温度を超えない条件を解析等で取得する。そして、各部品温度の管理温度を超えないように予め設定された閾値に温度センサの値が達した時点で、電動機への入力を制限し駆動中の電動機の損失増加を抑えることで部品の発熱を抑制する。
【0003】
この種のものとして、特許文献1は、電動機の入出力の差から電動機で発生している損失を算出し、これを累積して演算される電動機の推定温度が閾値を超えた場合に、電動機への入力電力を制限して電動機の過熱を防ぐ方法を開示している。
【0004】
また、特許文献2は、1パルス制御とそれ以外の制御方式の損失を比較し、損失が小さくなる方式を選択することにより、損失を最小化する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第17/126093号
国際公開08/107992号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、部品を熱的に保護するために電動機への入力電力を制限することから、所望の動作点で電動機を連続駆動することが難しい。また、特許文献2に開示された方法では、電動機の損失は抑えられるが、所望の動作点において電動機を熱的に保護できない損失が避けられない場面では、特許文献1の方法と同じく電動機の動作点を下げて電動機の入力電力を制限しなければならず、操作に応じた所望の動作点で電動機を駆動することは難しい。
【0007】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、電動機の部品が熱的に保護される条件を探索し、電動機の所望の出力を維持すべく電動機への入力電力の制限を抑制することができる電動駆動システムの制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、電源の電力を変換して電動機への入力電力を出力する電力変換器に対し、前記電動機を所望の動作点で駆動するために前記電力変換器に指令する入力指令値を演算する電動駆動システムの制御装置であって、演算した前記入力指令値を出力した場合に前記電力変換器から前記電動機に入力される電力の電流波形成分を予測演算する電流波形成分演算部と、前記電流波形成分演算部で演算された前記電流波形成分から、前記入力指令値を出力した場合に前記電動機の複数の部品に発生する損失を予測演算する電動機部品損失演算部と、前記電動機部品損失演算部で演算された前記損失に基づき、前記入力指令値を出力した場合の前記電動機の複数の部品の温度を予測演算する電動機部品温度演算部とを備え、前記電動機の少なくとも一つの部品の前記温度が各々予め設定された管理温度を超える場合に、前記電動機の少なくとも一つの部品の前記温度が前記管理温度以下になるように前記入力指令値を補正し前記電力変換器に出力する電動駆動システムの制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電動機の部品が熱的に保護される条件を探索し、電動機の所望の出力を維持すべく電動機への入力電力の制限を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の第1実施形態に係る電動駆動システムの制御装置の要部を表す機能ブロック図である。
本発明の第1実施形態に係る電動駆動システムの制御装置による入力指令値の補正処理の具体例の説明図であり、補正前の入力指令値について予測される電動機の部品の損失を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る電動駆動システムの制御装置による入力指令値の補正処理の具体例の説明図であり、補正前の入力指令値について予測される電動機の部品の温度を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る電動駆動システムの制御装置による入力指令値の補正処理の具体例の説明図であり、補正後の入力指令値について予測される電動機の部品の温度を示す図である。
本発明の第1実施形態に係る電動駆動システムの制御装置による入力指令値の補正処理の具体例の説明図であり、入力指令値の補正前後の電動機の部品の予測温度を比較して示す図である。
本発明の第2実施形態に係る電動駆動システムの制御装置の要部を表す機能ブロック図である。
本発明の第2実施形態を適用することで得られるトルク向上効果のイメージ図である。
本発明の第3実施形態に係る電動駆動システムの制御装置の要部を表す機能ブロック図である。
本発明の第4実施形態に係る電動駆動システムの制御装置の要部を表す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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