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公開番号
2025014483
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-30
出願番号
2023117070
出願日
2023-07-18
発明の名称
ハイドロゲル及びハイドロゲル製造用組成物
出願人
積水化成品工業株式会社
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C08L
33/26 20060101AFI20250123BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】ポリフェノール化合物を含有しつつ、かつ残留モノマー量が十分に少ないハイドロゲルを提供すること。
【解決手段】単官能単量体と架橋性単量体との共重合体からなる高分子マトリックス、水、多価アルコール、及びポリフェノール化合物を含むハイドロゲルであって、多価アルコールが、直鎖状及び/又は分岐状のポリグリセリンを含む、ハイドロゲル。
【選択図】図3
特許請求の範囲
【請求項1】
単官能単量体と架橋性単量体との共重合体からなる高分子マトリックス、水、多価アルコール、及びポリフェノール化合物を含むハイドロゲルであって、
前記多価アルコールが、直鎖状及び/又は分岐状のポリグリセリンを含む、ハイドロゲル。
続きを表示(約 430 文字)
【請求項2】
前記ポリグリセリンの重合度が2以上である、請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項3】
前記単官能単量体が(メタ)アクリルアミド系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、並びに(メタ)アクリル酸及び/又はその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1に記載のハイドロゲル。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のハイドロゲルを含むゲルシート。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか一項に記載のハイドロゲルを含む生体用電極。
【請求項6】
支持体と、支持体の少なくとも片面に設けられた請求項1~3のいずれか一項に記載のハイドロゲルとを備えた医療用外用材。
【請求項7】
単官能単量体、架橋性単量体、水、多価アルコール、及びポリフェノールを含み、前記多価アルコールが、直鎖状及び/又は分岐状のポリグリセリンを含む、ハイドロゲル製造用組成物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドロゲル及びハイドロゲル製造用組成物に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリフェノール化合物は収斂及び美白作用を有し、ゲルに入れることで整肌効果のあるゲルが得られる。
ポリフェノール化合物は肌を引き締める収斂作用及び抗酸化作用を有し、整肌、肌保護、及び美白効果を有することが知られている(特許文献1)。例えば、ポリフェノール化合物の一種であるタンニン酸を肌に塗布するとアトピー性皮膚炎の痒みが抑えられることが報告されている。(非特許文献1)。ハイドロゲルにポリフェノール化合物を複合して肌に貼付すれば、皮膚を湿潤に保ちながら、持続的にポリフェノール化合物の効果をもたらすことが期待できる。
【0003】
一方で、ポリフェノール化合物を、ハイドロゲルの高分子マトリックスを構成するモノマーの水溶液と混合し、重合によりハイドロゲルを作製すると、ポリフェノールの重合阻害作用により、アクリルアミドなどの皮膚刺激性を有する未反応モノマーが残留しやすくなり、ゲルの皮膚への使用が制限されてしまう(特許文献2)。このポリフェノールの重合阻害作用は、ポリフェノール化合物が水素ラジカルを放出し、ラジカル連鎖反応を停止させる結果であると考えられている(非特許文献2)。
【0004】
重合の溶媒としてグリセリンを混合すると、ポリフェノール化合物の阻害作用が緩和されて重合が促進することが報告されている(非特許文献3)。また、ポリフェノール化合物を構成成分として含有しないハイドロゲルを重合し、その後ポリフェノール化合物水溶液を吸収させる方法も報告されている (非特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第2744572号
特許第6663110号
【非特許文献】
【0006】
Journal of Investigative Dermatology (2010) 130, 1459-1463
ファルマシア、36巻、12号、1046頁
Macromolecular Bioscience (2022)22, 2100455
Macromolecules (2018)51,1696-1705
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献3のゲルでは、アクリルアミドなどの残留モノマーが依然として多く皮膚への使用は難しい。非特許文献4のゲルの製造方法では、工程が増えて煩雑になり、かつ膨潤によりゲルが脆弱化して実用性が損なわれる。
本発明が解決すべき課題は、ポリフェノール化合物を含有しつつ、かつ残留モノマー量が十分に少ないハイドロゲルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下に記載の実施形態を包含する。
項1.
単官能単量体と架橋性単量体との共重合体からなる高分子マトリックス、水、多価アルコール、及びポリフェノール化合物を含むハイドロゲルであって、
前記多価アルコールが、直鎖状及び/又は分岐状のポリグリセリンを含む、ハイドロゲル。
項2.
前記ポリグリセリンの重合度が2以上である、項1に記載のハイドロゲル。
項3.
前記単官能単量体が(メタ)アクリルアミド系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、項1又は2に記載のハイドロゲル。
項4.
項1~3のいずれか一項に記載のハイドロゲルを含むゲルシート。
項5.
項1~3のいずれか一項に記載のハイドロゲルを含む生体用電極。
項6.
支持体と、支持体の少なくとも片面に設けられた項1~3のいずれか一項に記載のハイドロゲルとを備えた医療用外用材。
項7.
単官能単量体、架橋性単量体、水、多価アルコール、及びポリフェノールを含み、前記多価アルコールが、直鎖状及び/又は分岐状のポリグリセリンを含む、ハイドロゲル製造用組成物。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ゲルシートの略断面図。
皮膚に貼付された医療用外用剤の略断面図。
実施例及び比較例の各ハイドロゲル中の残留モノマー量のグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を指す。「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを指す。「(メタ)アクリルアミド」は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを指す。
(【0011】以降は省略されています)
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