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公開番号2025014078
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-29
出願番号2021193764
出願日2021-11-30
発明の名称新規ニコチンアミド化合物及びその用途
出願人興和株式会社
代理人弁理士法人アルガ特許事務所
主分類C07D 401/12 20060101AFI20250122BHJP(有機化学)
要約【課題】強力な涙液分泌促進作用を有する新たなドライアイ治療剤の提供。
【解決手段】4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
続きを表示(約 460 文字)【請求項2】
4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする涙液分泌促進剤。
【請求項3】
4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とするドライアイの予防及び/又は治療剤。
【請求項4】
4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなる医薬組成物。
【請求項5】
4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなる涙液分泌促進のための医薬組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライアイ治療剤として有用な新規ニコチンアミド化合物に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
ドライアイは、眼表面を構成する涙液層と上皮層の間に悪循環が生じることで眼不快感や視機能異常が引き起こされる、最も多い眼表面疾患であり、日本での推定患者数は2000万人以上ともいわれている。また、近年の空調下の生活、ビデオディスプレー端末(VDT)の長時間作業、コンタクトレンズ装着者の増加に伴い、ドライアイ患者数は年々増加している。
【0003】
Tear Film & Ocular Surface Societyによる2017年の改訂版DEWSII報告書によると、ドライアイは「涙液層の健常性の破綻によって特徴づけられる、多因子性の眼表面疾患であり、何らかの眼の自覚症状を有しており、涙液層の不安定性や抗浸透圧、眼表面の炎症や障害、知覚神経異常が病因的な役割を担っているものである。」と定義され、多因子による疾患として認識されている。また、原因・病理論的分類では、涙液分泌減少型ドライアイ(Aqueous deficient Dry Eye:ADDE)と涙液蒸発亢進型ドライアイ(Evaporative Dry Eye:EDE)とに分類される(非特許文献1)。
【0004】
以前のドライアイ薬物治療では、日本ではヒアルロン酸ナトリウム点眼液(ヒアレイン(登録商標)点眼液)、米国ではシクロスポリン点眼液(Restasis(登録商標))のみと両国で1製品ずつしか上市されていない状況であった。したがって、ドライアイの治療には、これら薬物療法に加えて単なる水分補充のために人工涙液等が単独あるいは併用療法されるとともに、重篤な症例に対しては涙液の排出部位を閉鎖する涙点プラグ挿入術や、涙点閉鎖術等の外科的療法が用いられていた。また、院内製剤となるが、涙液成分に近い自己血清点眼等も用いられていた(非特許文献2)。
【0005】
最近、涙液の質を変えるという概念の元、水分及びムチンの分泌を促進するP2Y
2
受容体作動薬ジクアス点眼液(ジクアホソルナトリウム)、ムチン産生促進剤のムコスタ点眼液(レバミピド)が相次いで日本で承認され、治療薬の選択肢は増えている。中でもジクアスは、結膜上皮及び杯細胞膜上のP2Y
2
受容体に作用し、細胞内のカルシウム濃度を上昇させることにより、水分及びムチンの分泌を促進する、強力な涙液分泌作用をもつドライアイ治療薬である(非特許文献3)。
【0006】
しかしながら、ドライアイは多因子による疾患と定義されるように、多様な原因による疾患をひとつの薬剤で全てカバーするのは難しく、また、既存薬では十分に治療できない重篤なドライアイ患者も存在している。従って現在も、作用機序が異なるより強力な涙液分泌促進作用を有するドライアイ治療剤の開発が待ち望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
Ocul.Surf.,15,802-812(2017)
日薬理誌,135,138-141(2010)
IOVS,42,96-100(2001)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、より強力な涙液分泌促進作用を有する新たなドライアイ治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記状況に鑑み、本発明者らは、新たなドライアイ治療剤を探索するため鋭意研究を行なったところ、正常ウサギ及びウサギアトロピン誘発ドライアイモデル、ラット眼窩外涙腺摘出モデルにおいて、ニコチンアミド骨格を有する新規化合物が強力な涙液分泌促進作用を有することを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の[1]~[20]を提供する。
[1]4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド(化合物1)、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[2]化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする、涙液分泌促進剤。
[3]化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とするドライアイの予防及び/又は治療剤。
[4]化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなる医薬組成物。
[5]化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなる涙液分泌促進のための医薬組成物。
[6]化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなるドライアイの予防及び/又は治療のための医薬組成物。
[7]治療を必要としている患者に、化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする涙液分泌促進方法。
[8]治療を必要としている患者に、化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を投与することを特徴とするドライアイの予防及び/又は治療方法。
[9]涙液分泌促進剤を製造するための化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
[10]ドライアイの予防及び/又は治療剤を製造するための化合物1、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
[11](S)-4-[(3,5-ジフルオロベンジル)アミノ]-6-[[3-(ピペリジン-3-カルボキサミド)フェニル]アミノ]ニコチンアミド(化合物1b)、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
[12]化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする、涙液分泌促進剤。
[13]化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とするドライアイの予防及び/又は治療剤。
[14]化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなる医薬組成物。
[15]化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなる涙液分泌促進のための医薬組成物。
[16]化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有してなるドライアイの予防及び/又は治療のための医薬組成物。
[17]治療を必要としている患者に、化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を投与することを特徴とする涙液分泌促進方法。
[18]治療を必要としている患者に、化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を投与することを特徴とするドライアイの予防及び/又は治療方法。
[19]涙液分泌促進剤を製造するための化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
[20]ドライアイの予防及び/又は治療剤を製造するための化合物1b、若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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