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公開番号2025013666
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024197608,2021530689
出願日2024-11-12,2020-07-06
発明の名称エチレンの製造方法、及び重合体の製造方法
出願人積水化学工業株式会社
代理人個人,個人
主分類C07C 7/09 20060101AFI20250117BHJP(有機化学)
要約【課題】廃棄物由来のエタノールを原料としてエチレンを製造した場合でも、エチレンの重合反応が適切に進行し、かつ得られる重合体の品質が良好となるエチレンの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のエチレンの製造方法は、廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールからエチレンを含むエチレン含有生成物を得る、エチレン生成工程と、前記エチレン生成工程の前に、前記原料エタノールを精製する第1の精製工程、及び前記エチレン生成工程の後に前記エチレン含有生成物を精製する第2の精製工程の少なくともいずれかとを含む。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と、
前記エチレン生成工程の後に前記エチレン含有生成物を精製する精製工程とを含み、
前記精製工程は、主に水を除去する工程と、主に未反応のエタノール、2-プロパノール、及びジエチルエーテルを除去する工程と、主にプロピレン、一酸化炭素、及び酸素を除去する工程とを含む、エチレンの製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
前記エチレン生成工程の前に、前記原料エタノールを精製する第1の精製工程をさらに含み、
前記第1の精製工程が、前記原料エタノールから炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、及び炭素数3~10のエーテルからなる群から選択される少なくとも1つを除去することを含む、請求項1に記載のエチレンの製造方法。
【請求項3】
前記炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素が、プロピレンを含む、請求項2に記載のエチレンの製造方法。
【請求項4】
前記炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素が、炭素数6~14の脂肪族飽和炭化水素を含む、請求項2又は3に記載のエチレンの製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法で製造されるエチレンを含むモノマーを重合して重合体を得る重合工程を含む、重合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールからエチレンを製造するエチレンの製造方法、及びその製造方法で得られたエチレンを原料として重合体を製造する重合体の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、エチレンは、ナフサ、原油、天然ガス等を原料として製造される。エチレンは、重合反応および重合体の品質上の要求から高い純度が要求されている。例えば、高圧法によるエチレン重合では、99.9%以上の純度のエチレンが用いられる。そのため、従来、エチレンなどの原料オレフィンを精製した後、原料オレフィンを重合する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1では、二酸化炭素を不純物として含有する、原料オレフィンを活性アルミナとゼオライトの混合物からなるハイブリッド系吸着剤と接触させ、原料オレフィンを精製した後に、精製オレフィンを遷移金属錯体触媒に接触させて重合することを特徴とする、オレフィンの重合方法に係る発明が記載されている。
特許文献1によれば、従来使用されているチーグラー・ナッタ触媒が有する欠点が少ないメタロセン触媒が開発されていること、メタロセン触媒は原料オレフィン中の不純物に対して極めて敏感であること、ナフサ、原油、天然ガス等を用いて得られる工業用エチレン中には数ppm(容量)~数百ppm(容量)程度の二酸化炭素が含まれること、二酸化炭素は、メタロセン触媒の重合において触媒毒として悪影響をもたらすことが記載されている。そして、特許文献1に記載の発明は、前記ハイブリッド系吸着剤を用いて経済的で、簡易かつ効率的に二酸化炭素を除去することで、メタロセン触媒等の遷移金属錯体触媒によるオレフィン重合において、不純物による触媒活性の低下を十分に抑止でき、高い生産性で重合体を工業的に安定して生産することが可能となることが記載されている。
【0004】
近年、カーボンニュートラルや炭素循環の重要性が議論されているところ、サトウキビ等から製造されるバイオエタノール、廃棄物由来のエタノール等が研究されている。このうち、バイオエタノールは、食料競合や生物多様性の観点から問題があり、廃棄物由来のエタノールが注目されつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-137464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、廃棄物由来のエタノールを原料として、従来技術を適用して、エチレン、さらにそのエチレンを用いて重合体を製造すると、従来の工業用エチレンとは由来が異なるため、重合反応が適切に進行せず、また、重合体の品質が十分でない場合があることが判明した。
【0007】
そこで、本発明は、廃棄物由来のエタノールを原料としてエチレンを製造した場合でも、エチレンの重合反応が適切に進行し、かつ得られる重合体の品質が良好となるエチレンの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の[1]~[8]を要旨とする。
[1]廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と、
前記エチレン生成工程の前に、前記原料エタノールを精製する第1の精製工程、及び前記エチレン生成工程の後に前記エチレン含有生成物を精製する第2の精製工程の少なくともいずれかとを含む、
エチレンの製造方法。
[2]前記第1の精製工程が、前記原料エタノールから炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、及び炭素数3~10のエーテルからなる群から選択される少なくとも1つを除去することを含む、上記[1]に記載のエチレンの製造方法。
[3]前記第2の精製工程が、前記エチレン含有生成物から炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素、炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素、炭素数3~10のアルコール、炭素数3~10のエーテル、一酸化炭素、及び酸素からなる群から選択される少なくとも1つを除去することを含む、上記[1]又は[2]に記載のエチレンの製造方法。
[4]前記炭素数3~14の脂肪族不飽和炭化水素が、プロピレンを含む、上記[2]または[3]に記載のエチレンの製造方法。
[5]前記炭素数3~14の脂肪族飽和炭化水素が、炭素数6~14の脂肪族飽和炭化水素を含む、上記[2]~[4]のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
[6]前記炭素数3~10のアルコールが、2-プロパノールを含む、上記[2]~[5]のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
[7]前記炭素数3~10のエーテルが、ジブチルエーテルを含む、上記[2]~[6]のいずれか1項に記載のエチレンの製造方法。
[8]上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の方法で製造されるエチレンを含むモノマーを重合して重合体を得る重合工程を含む、重合体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、廃棄物由来のエタノールを原料としてエチレンを製造した場合でも、エチレンの重合反応が好適に進行し、かつ得られる重合体の品質が良好となる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について、実施形態を参照して説明する。
本発明は、廃棄物由来のエタノールを含む原料エタノールから、エチレンを含むエチレン含有生成物を得るエチレン生成工程と、エチレン生成工程の前に、原料エタノールを精製する第1の精製工程、及びエチレン生成工程の後にエチレン含有生成物を精製する第2の精製工程の少なくともいずれかとを含むものである。
本発明においては、エチレン生成工程の前、後、又はこれら両方に精製工程を行うことで、廃棄物由来のエタノールを原料とした場合でも、エチレンの重合反応が適切に進行し、かつ、重合体の分子量が十分に高くなるなど得られる重合体の品質が良好となる。
(【0011】以降は省略されています)

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