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公開番号
2025013625
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2024196003,2023159422
出願日
2024-11-08,2019-04-12
発明の名称
発泡性ウレタン樹脂組成物及びポリウレタン発泡体
出願人
積水化学工業株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08G
18/00 20060101AFI20250117BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】燃え広がらない性質を備え、かつ座屈し難いポリウレタン発泡体を製造できる発泡性ウレタン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び難燃剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記添加剤は赤燐を含み、前記赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、0質量部超5質量部未満であり、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、
前記添加剤は赤燐を含み、前記赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、0質量部超5質量部未満であり、
前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物。
(鋼球沈み込み評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を750℃以上とする。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
続きを表示(約 690 文字)
【請求項2】
前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m
2
にて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m
2
以下である、請求項1に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
前記触媒が三量化触媒を含む、請求項1又は2に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
イソシアネートインデックスが200~700である、請求項1~3のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記添加剤が、赤燐以外の固体難燃剤を含有し、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計の含有量が、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である、請求項1~4のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
前記ポリオール化合物が、芳香族ポリオール化合物である、請求項1~5のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項7】
前記芳香族ポリオール化合物が、フタル酸系ポリエステルポリオール及びアミン系ポリエーテルポリオールの少なくとも一方を含有する、請求項6に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなり、上記鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、ポリウレタン発泡体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性ウレタン樹脂組成物及びこれよりなるポリウレタン発泡体に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン発泡体は、その優れた断熱性を利用して、マンション等の集合住宅、戸建住宅、商業ビル等の建築物の天井、屋根、壁面などの断熱や結露防止に実用されている。ポリウレタン発泡体は、軽量であるものの、有機物であるため燃えやすい。これを改善するため、難燃剤などをポリウレタン発泡体に含有させ、難燃性を高めたポリウレタン発泡体が用いられている。例えば、特許文献1では、ポリリン酸アンモニウム、ウレア誘導体、ポリオール、イソシアネートを用いて得られる難燃性ポリウレタンフォームが記載されている。該難燃性ポリウレタンフォームは、ポリオール100重量部に対して5~150重量部の範囲のポリリン酸アンモニウム及び0.001~15重量部の範囲のウレア誘導体が用いられることを特徴としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-151524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、断熱材として建築物に用いられるポリウレタン発泡体に起因する火災が比較的多く報告されている。このような問題を改善するため、優れた難燃性を有するのみならず、出火した際に、燃え広がり難い性質を備えるポリウレタン発泡体の開発が期待されている。
また、難燃剤を多く用いると、燃え広がり難い質を備えるポリウレタン発泡体が得やすくなるものの、発泡体が脆く、表面が容易に割れるなどして、座屈し易くなり、取り扱い性に劣ってしまうという課題が生じる。
そこで本発明は、燃え広がり難い性質を備え、かつ取り扱い性に優れるポリウレタン発泡体を製造するための、発泡性ウレタン樹脂組成物、及びこれよりなるポリウレタン発泡体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意検討の結果、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、上記添加剤が赤燐を特定量含み、かつ鋼球の沈み込み距離が、一定値以下である組成物により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[8]を提供する。
[1]ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む発泡性ウレタン樹脂組成物であって、前記添加剤は赤燐を含み、前記赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して、0質量部超5質量部未満であり、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、発泡性ウレタン樹脂組成物。
(鋼球沈み込み評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度を750℃以上とする。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
[2]上記[1]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体を、ISO-5660の試験方法に準拠して、放射熱強度50kW/m
2
にて加熱したときに、5分経過時の総発熱量が8MJ/m
2
以下である、上記[1]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[3]前記触媒が三量化触媒を含む、上記[1]又は[2]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[4]イソシアネートインデックスが200~700である、上記[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[5]前記添加剤が、赤燐以外の固体難燃剤を含有し、赤燐と赤燐以外の固体難燃剤の合計の含有量が、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下である、上記[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[6]前記ポリオール化合物が、芳香族ポリオール化合物である、上記[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[7]前記芳香族ポリオール化合物が、フタル酸系ポリエステルポリオール及びアミン系ポリエーテルポリオールの少なくとも一方を含有する、上記[6]に記載の発泡性ウレタン樹脂組成物。
[8]上記[1]~[7]のいずれかに記載の発泡性ウレタン樹脂組成物から形成されてなり、上記鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である、ポリウレタン発泡体。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、火災が生じたときなどに、燃え広がり難い性質を備え、かつ取り扱い性が良好なポリウレタン発泡体を製造可能な、発泡性ウレタン樹脂組成物及びこれよりなるポリウレタン発泡体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[発泡性ウレタン樹脂組成物]
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物は、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、整泡剤、発泡剤、触媒、及び添加剤を含む組成物であって、前記添加剤は赤燐を含み、赤燐の含有量は、前記ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物からなるウレタン樹脂100質量部(以下、単にウレタン樹脂100質量部ともいう)に対して、0質量部超5質量部未満である。さらに、前記発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体の下記の鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である。
(鋼球沈み込み評価)
(1)ポリウレタン発泡体を各辺50mmの立方体に切り出し、試験体とする。
(2)ブンゼンバーナー(外炎長70mm)のバーナー口から30mmの地点に金網を置き、該金網上に、直径4.7mm、重量0.44gの鋼球を載せて、鋼球全体が赤色に変化するまで、少なくとも5分以上加熱し、鋼球温度は750℃以上とする。ブンゼンバーナーは、LPG燃焼ガスを用いる。
(3)23℃雰囲気下にて、上記(2)で加熱した鋼球を直ちに、上記(1)の試験体の上部の中心に載せて、鋼球の沈み込みが完了するまで放置する。次いで、十分に冷却された試験体の断面を裁断して、鋼球の沈み込み距離を測定する。
【0008】
なお、上記鋼球沈み込み評価において、鋼球の直径及び重量に関して、直径が4.7±0.5mm、重量は0.44±0.5gの範囲内であれば、その他の条件を上記のとおりとすることにより、同等の鋼球沈み込み評価となるため、このような直径及び重量の範囲で実施してもよい。
また、外炎長とは、バーナー口の中心部から直上方向の炎の長さを意味する。
【0009】
本発明の発泡性ウレタン樹脂組成物からなるポリウレタン発泡体は、鋼球沈み込み評価における鋼球の沈み込み距離が20mm以下である。鋼球の沈み込み距離が20mmを超えると、ポリウレタン発泡体が、火災などに晒された場合に燃え広がりやすく、延焼を有効に防止することが困難になる。延焼を有効に防止する観点から、鋼球の沈み込み距離は、好ましくは15mm以下であり、より好ましくは10mm以下、さらに好ましくは5mm以下である。なお、鋼球の沈み込み距離は0mm以上である。
鋼球沈み込み距離は、発泡性ウレタン樹脂組成物に含有されるポリオール化合物の種類、赤燐の含有量、赤燐以外の難燃剤の含有量などを調整することによって、所望の値に調節することができる。
【0010】
なお、鋼球沈み込み評価におけるポリウレタン発泡体は、実施例にて記載する条件で作製したものを使用する。
(【0011】以降は省略されています)
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