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公開番号2025013529
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-24
出願番号2024194369,2022507564
出願日2024-11-06,2020-08-04
発明の名称てんかん重積状態の治療に使用するためのガナキソロン
出願人マリナス ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
代理人個人,個人,個人,個人,個人
主分類A61K 31/57 20060101AFI20250117BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】てんかん重積状態の治療に使用するためのガナキソロンを提供すること。
【解決手段】本発明は、ガナキソロンの静脈内ボーラス及び神経ステロイドの連続静脈内注入を、それを必要とする対象に投与することにより、てんかん重積状態を治療する方法に関する。本方法は、SE抑制とSEの継続的な抑制をもたらす。本開示は、SEの迅速な抑制、持続的な有効性(すなわち、SEの再発を予防し、SEの継続的な抑制を提供する)、及び安全性の改善を実現する効果的なSE治療方法に関する。本明細書に開示される方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の神経ステロイド、好ましくはガナキソロンを、静脈内ボーラス及び連続静脈内注入として投与することを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
明細書に記載の発明。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年8月5日出願の米国仮出願第62/882,648号の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
1.背景
てんかん重積状態(「SE」)は、著しい罹患率及び死亡率を伴う致死性の神経救急疾患である(Betjemann and Lowenstein,(2015)The Lancet Neurology,14(6):615-624)。事実上、年間約150,000例、関連死は年間55,000例という米国第2の高頻度な神経救急疾患である(Moghasddasi et al.,(2015)J.Epilepsy Res.,5(1):13-16)。
【0003】
SEは、通常は5分超持続する持続性発作活動、または発作間に意識回復を伴わない再発性発作が顕著である。(同上)。SEは、発作を停止させ、神経細胞死を含む神経損傷を阻止する積極治療を必要とする。SEの継続時間が長びくほど制御は困難になり、SEの長期化及び治療に対する不応性は、予後不良と関連する(Cherian & Thomas(2009),Ann.Indian.Acad.Neurol.,12(3):140-153)。治療目標は、迅速な発作の停止、発作制御の維持、麻酔薬への移行の回避、及びさらなる医学的合併症の回避である。(同上)。
【0004】
SEに対する現行の治療プロトコルは、3段階の手法をとる(Shorvon and Ferlisi(2011),Brain,134(10)-2802-2818)。一次治療薬は通常、ベンゾジアゼピン(例えば、ジアゼパム、ロラゼパム、及びミダゾラム)によるものである(Trinka and Kalviainen(2017),Seizure,44:65-73;Glauser et al.,(2016),Epilepsy Curr.26(1):48-61)。しかしながら、ベンゾジアゼピンは症例の約35%~45%に無効であり、心血管系及び呼吸器系の副作用を伴う。(同上)。ベンゾジアゼピンによる治療にもかかわらずSEが継続する場合は、二次治療薬として他の抗発作薬(例えば、ホスフェニトイン、レベチラセタム、及びバルプロ酸)を静脈内(IV)投与する。(同上)。一次治療薬及び二次治療薬にもかかわらずSEが継続する場合(難治性SEとも称される)は、三次治療薬として静脈内麻酔薬(例えば、チオペンタール、プロポフォール、及びミダゾラム)を使用する。(同上)。SE患者の約31%~41%が難治性SEを発症する。三次薬を使用すると医原性昏睡が生じるため、挿管及び機械的換気による気道確保を必要とする。さらに、麻酔薬の使用は、高罹患率と約35%の死亡率を伴う。医原性昏睡の誘発にもかかわらずSEが継続する場合、これを超難治性SEと呼ぶ。SEで利用可能な療法の概要を、副作用を含め、表1に示す。
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最善でも、現行治療は、弱重度のSE患者の約50%のみ効果的に制御する。重度のSEでは、奏功率はさらに低下する(Shorvon and Ferlisi,(2011),Brain,134(1):2802-2818)。さらに、新規治療薬の開発に対するいくつかの最近の試みは失敗している。例えば、内因性アロプレグナノロンの合成形態であるブレキサノロン(SAGE-547)は、超難治性SEの治療に関する無作為化二重盲検プラセボ対照試験においてプラセボを上回る有効性を示すことができなかった(2017年9月12日公開Sage Pharmaceuticalsのプレスリリース、www.businesswire.com/news/home/20170912005509/en/Sage-Therapeutics-Reports-Top-Line-Results-Phase-3)。したがって、SEを治療するための効果的な療法に対して重要なアンメットニーズが存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
Betjemann and Lowenstein,(2015)The Lancet Neurology,14(6):615-624
Moghasddasi et al.,(2015)J.Epilepsy Res.,5(1):13-16
Cherian & Thomas(2009),Ann.Indian.Acad.Neurol.,12(3):140-153
Shorvon and Ferlisi(2011),Brain,134(10)-2802-2818
Trinka and Kalviainen(2017),Seizure,44:65-73
Glauser et al.,(2016),Epilepsy Curr.26(1):48-61
2017年9月12日公開Sage Pharmaceuticalsのプレスリリース、www.businesswire.com/news/home/20170912005509/en/Sage-Therapeutics-Reports-Top-Line-Results-Phase-3
【発明の概要】
【0006】
2.概要
本開示は、SEの治療方法に関する。SEは、治療が極めて複雑な病態であり、SE用の新規治療薬の開発は著しく困難であり、大半が奏功していない。上記のように、従来療法は50%超の患者で無効である。SE用の新規治療薬の開発に対する試みは概ね失敗している。例えば、ブレキサノロン(すなわち、アロプレグナノロン)は、超難治性SE患者での二重盲検プラセボ対照第3相試験においてプラセボを上回る有効性を示すことができなかった。
【0007】
本明細書でさらに記載及び例示するように、本発明者らは、ガナキソロンがSEに対して効果的な療法を提供できると確信していた。しかし、SE治療の複雑性及び難度、ならびに先行試験で有効性を示せなかったことを考慮すると、本発明者らは、SEの効果的な治療には、少なくとも4日間の高薬物曝露に続き、少なくとも約1日間の維持用量が必要であると予測した。このような予測に反して、本発明者らは、意外にも、ガナキソロンをボーラスとして投与し、加えて予想血清レベルよりもはるかに低いガナキソロン血漿濃度を少なくとも約8時間(または一部の対象では場合によって少なくとも約4時間)維持するように連続注入すると、SEの迅速かつ継続的な抑制をもたらすことを発見した。本明細書でさらに記載及び例示するように、試験された患者において、連続注入が少なくとも約8時間または少なくとも約12時間(ただし、一部の患者では4時間で十分な可能性がある)という目標濃度期間にわたり約500ng/ml以上のガナキソロン血漿濃度を維持するとき、SEの継続的な抑制が達成された。
【0008】
したがって、本開示は、SEの迅速な抑制、持続的な有効性(すなわち、SEの再発を予防し、SEの継続的な抑制を提供する)、及び安全性の改善を実現する効果的なSE治療方法に関する。
【0009】
本明細書に開示される方法は、それを必要とする対象に、治療有効量の神経ステロイド、好ましくはガナキソロンを、静脈内ボーラス及び連続静脈内注入として投与することを含む。静脈内ボーラスは、SEを抑制する量で投与される。SEの抑制は発作負荷を軽減する。通常、SEを抑制するには、約500ng/ml~約1000ng/mlのガナキソロン血漿濃度で十分である。例えば、500ng/ml~約1000ng/mlのガナキソロン血漿濃度レベルを達成するには、静脈内ボーラスの開始時に約5mg~約40mgのガナキソロン輸液を対象に注入すればよい。好ましくは、静脈内ボーラスの開始時または静脈内ボーラス中に約30mgのガナキソロンを対象に注入する。静脈内ボーラスは、約1分間~約5分間、対象に投与(すなわち、注入)することができる。
【0010】
ガナキソロンの連続静脈内注入は、SEの継続的な抑制に十分な量で、目標濃度期間にわたり投与される。臨床上、SEの継続的な抑制は、発作負荷の軽減である。
(【0011】以降は省略されています)

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