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公開番号
2025011555
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-24
出願番号
2023113740
出願日
2023-07-11
発明の名称
溶接方法、冷却装置の製造方法、および冷却装置
出願人
株式会社レゾナック
代理人
個人
,
個人
主分類
B23K
26/21 20140101AFI20250117BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約
【課題】金属部材の内部に存在するガスが溶接に与える影響を抑制する。
【解決手段】第1の部材
11
と第2の部材12とを重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法は、第1の部材
11
と第2の部材12とを重ね合わせる前に、第2の部材12のうち溶接領域となる照射対象領域126にレーザ光20を照射する前処理と、前処理の後に、第1の部材
11
と第2の部材12とを重ね合わせ、溶接領域における第1の部材
11
にレーザ光20を照射し、第1の部材
11
と第2の部材
12
とを溶接する溶接処理とを含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
第1の部材と第2の部材とを重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、
前記第1の部材と前記第2の部材とを重ね合わせる前に、当該第2の部材のうち溶接を行う領域である溶接領域にレーザ光を照射する前処理と、
前記前処理の後に、前記第1の部材と前記第2の部材とを重ね合わせ、前記溶接領域における当該第1の部材にレーザ光を照射し、当該第1の部材と当該第2の部材とを溶接する溶接処理と、
を含む、
溶接方法。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
前記第2の部材は、鋳造により成形される、
請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
前記第2の部材は、ダイキャスト法により成形される、
請求項2に記載の溶接方法。
【請求項4】
前記前処理において前記第2の部材を溶融する深さは、前記溶接処理において当該第2の部材を溶融する深さより深い、
請求項1乃至3のいずれかに記載の溶接方法。
【請求項5】
前記前処理におけるレーザ光の照射の出力は、前記溶接処理におけるレーザ光の照射の出力よりも小さい、
請求項4に記載の溶接方法。
【請求項6】
前記前処理におけるレーザ光の照射の出力は、前記溶接処理におけるレーザ光の照射の出力と同じ設定である、
請求項4に記載の溶接方法。
【請求項7】
鋳造により形成され、液体を収容する本体と、
前記本体の開口部を覆うように当該本体に重ね合わせられるカバーと、
を備える冷却装置の製造方法であって、
前記カバーを重ね合わせる前に前記本体の前記開口部の周囲である周囲部にレーザ光を照射する前処理と、
前記前処理の後に、前記カバーを重ね合わせ、当該カバーにおける前記周囲部に重なり合う部分にレーザ光を照射してレーザ溶接をする溶接処理と、
を含む、
冷却装置の製造方法。
【請求項8】
液体を収容する本体と、当該本体の開口部を覆うカバーとが重ね合わせられた状態でレーザ溶接にて接合された冷却装置であって、
前記本体は前記カバーが重ね合わされる前に、前記開口部の周囲でありレーザ溶接が施される溶接領域にレーザ光が照射され、
前記カバーは、前記本体に重ね合わせられた後に、前記溶接領域における当該本体とは反対側の部位にレーザ光が照射されて当該本体に接合されている、
冷却装置。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接方法、冷却装置の製造方法、および冷却装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
重ね合わされた2つの金属部材に対しレーザ光を照射して接合するいわゆる重ね継手溶接において、溶接時に金属部材から発生するガスを外に逃がすことでブローホールが形成されることを抑制する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-6376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溶融状態の非鉄金属を金型に流し込むことで成形されるダイキャスト材は、寸法精度が高く複雑な形状の製品の材料に適しており、また、量産を可能とするため、製造コストを抑えることができる。ただし、ダイキャスト材は、鋳造時に圧縮されたガスが内部に残ることがあるため、重ね継手溶接しようとすると、ダイキャスト材の内部のガスが気泡となって溶融池に現れたり、ガスだまり部分が爆発したりすることがある。この場合、溶接時に外部に排出されなかったガスがブローホールを形成し、ボイドと呼ばれる穴あき欠陥を生じさせることがある。ボイドが生じると、溶接部の外観や内部に現れる不具合である溶接不良、溶接部における強度の低下、溶接部における気密性の低下などを招く。
本発明の目的は、金属部材の内部に存在するガスが溶接に与える影響を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる目的のもと完成させた本発明は、第1の部材と第2の部材とを重ね合わせてレーザ溶接する溶接方法であって、前記第1の部材と前記第2の部材とを重ね合わせる前に、当該第2の部材のうち溶接を行う領域である溶接領域にレーザ光を照射する前処理と、前記前処理の後に、前記第1の部材と前記第2の部材とを重ね合わせ、前記溶接領域における当該第1の部材にレーザ光を照射し、当該第1の部材と当該第2の部材とを溶接する溶接処理と、を含む溶接方法である。
ここで、前記第2の部材は、鋳造により成形されてもよい。
また、前記第2の部材は、ダイキャスト法により成形されてもよい。
また、前記前処理において前記第2の部材を溶融する深さは、前記溶接処理において当該第2の部材を溶融する深さより深くてもよい。
また、前記前処理におけるレーザ光の照射の出力は、前記溶接処理におけるレーザ光の照射の出力よりも小さくてもよい。
また、前記前処理におけるレーザ光の照射の出力は、前記溶接処理におけるレーザ光の照射の出力と同じ設定でもよい。
また、かかる目的のもと完成させた本発明は、鋳造により形成され、液体を収容する本体と、前記本体の開口部を覆うように当該本体に重ね合わせられるカバーと、を備える冷却装置の製造方法であって、前記カバーを重ね合わせる前に前記本体の前記開口部の周囲である周囲部にレーザ光を照射する前処理と、前記前処理の後に、前記カバーを重ね合わせ、当該カバーにおける前記周囲部に重なり合う部分にレーザ光を照射してレーザ溶接をする溶接処理と、を含む冷却装置の製造方法である。
また、かかる目的のもと完成させた本発明は、液体を収容する本体と、当該本体の開口部を覆うカバーとが重ね合わせられた状態でレーザ溶接にて接合された冷却装置であって、前記本体は前記カバーが重ね合わされる前に、前記開口部の周囲でありレーザ溶接が施される溶接領域にレーザ光が照射され、前記カバーは、前記本体に重ね合わせられた後に、前記溶接領域における当該本体とは反対側の部位にレーザ光が照射されて当該本体に接合されている冷却装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、金属部材の内部に存在するガスが溶接に与える影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
(A)は、本実施の形態にかかる冷却装置の外観構成の一例を示す斜視図である。図1(B)は、冷却装置の外観構成の一例を示す底面図である。
(A)は、冷却装置の製造工程のうち前処理の様子を示す図である。(B)は、前処理が行われた後の様子を示す図である。
(A)は、冷却装置1の製造工程のうち溶接処理の様子を示す図である。(B)は、溶接処理が行われた後の様子を示す図である。
(A)は、前処理を行った後に第1の部材と第2の部材とを重ね継手溶接することで製造された冷却装置の溶接部の表面の一部を示す平面図である。(B)は、前処理を行った後に第1の部材と第2の部材とを重ね継手溶接することで製造された冷却装置の溶接部の内部、接合界面近傍のX線CT画像である。
(A)は、前処理を行うことなく2つの金属部材を重ね継手溶接したときの溶接部の表面の一部を示す平面図である。(B)は、前処理を行うことなく2つの金属部材を重ね継手溶接したときの溶接部の内部、接合界面近傍のX線CT画像である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
(冷却装置の構成)
図1(A)は、本実施の形態にかかる冷却装置1の外観構成の一例を示す斜視図である。図1(B)は、冷却装置1の外観構成の一例を示す底面図である。
図1(A)に示すように、冷却装置1は、上下方向の上側に配置される第1の部材11と、上下方向の下側に配置される第2の部材12とを重ね合わせて、これらの部材をレーザ溶接することで製造される冷却装置である。第1の部材11は、上側の面111と、下側の面112とを有する金属製の部材であり、冷却装置1のカバー部として機能する。第2の部材12は、上側の面121と、下側の面122とを有する金属製の部材であり、冷却装置1の本体として機能する。本実施の形態において、第1の部材11および第2の部材12は、いずれもダイキャスト材であるものとする。
【0010】
また、図1(A)および(B)に示すように、冷却装置1の底面(第2の部材12の下側の面122)には、孔123と、孔124とが形成されている。また、冷却装置1の内部には、破線で示す空間領域125が形成されている。孔123と孔124とのうち、いずれか一方の孔は、冷却装置1の冷媒となる流体(液体または気体)を空間領域125に供給する際に用いられる孔として機能する。また、他方の孔は、空間領域125を通過する冷媒を外部に排出する際に用いられる孔として機能する。
(【0011】以降は省略されています)
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