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公開番号
2025011121
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-23
出願番号
2024165133,2021531386
出願日
2024-09-24,2019-11-29
発明の名称
リチウム化学物質及び金属リチウムの製造
出願人
アイシーエスアイピー ピーティーワイ リミテッド
,
ICSIP PTY LTD
代理人
個人
,
個人
主分類
C01D
15/02 20060101AFI20250116BHJP(無機化学)
要約
【課題】硝酸リチウムから酸化リチウムを製造するプロセス及びシステムを提供する。
【解決手段】硝酸リチウムを、硝酸リチウムの画分が酸化リチウムを形成するような方法で、且つ、硝酸リチウムの残りの画分が酸化リチウムに分解しないような方法で、熱分解する。熱分解を決められた時間後に終了し、硝酸リチウムの残りの画分を確保し、それによって、酸化リチウム含有硝酸リチウム生成物を製造することができる。硝酸リチウム生成物は、1つ又は複数の遷移金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、又は硝酸塩を加えて、電池電極を形成してもよい。或いは、酸化リチウム含有硝酸リチウム生成物を炭素熱還元に付して、リチウム金属を製造してもよい。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
硝酸リチウムから酸化リチウムを製造するプロセスであって、前記硝酸リチウムを、そ
の画分が酸化リチウムを形成するように、且つ、前記硝酸リチウムの残りの画分が酸化リ
チウムに分解しないように、熱分解することを含む、プロセス。
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【請求項2】
前記熱分解を決められた時間後に終了し、前記硝酸リチウムの残りの画分を確保し、酸
化リチウム含有硝酸リチウム生成物を製造する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記終了が、部分的に分解された生成物を、その分解温度である約600℃未満に冷却
することを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記生成物を更に約260℃未満の温度に冷却して、固体の酸化リチウム含有硝酸リチ
ウム生成物を製造する、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記固体の生成物を、プリル、ペレット又はフレーク等の形態となるように製造する、
請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
酸化リチウム含有硝酸リチウム生成物を、分散された前記酸化リチウムを含む溶融硝酸
リチウムを形成するように加熱し、そこに、1つ又は複数の遷移金属の酸化物、水酸化物
、炭酸塩又は硝酸塩を、任意のその他電極材料と共に加える、請求項1~5のいずれかに
記載のプロセス。
【請求項7】
熱分解されて酸化リチウムになる硝酸リチウムの画分が、熱分解前の前記硝酸リチウム
のうち、約50~90%である、請求項1~6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
熱分解の前に、溶融硝酸リチウム塩を形成するように前記硝酸リチウムを別の予熱段階
で加熱し、次いで、前記溶融硝酸リチウムを熱分解段階に送り、前記熱分解に付す、請求
項1~7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
前記熱分解によって酸素及び窒素酸化物を製造し、これらのガスを回収し、硝酸製造段
階に送る、請求項1~8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記硝酸製造段階で製造された硝酸を、リチウム含有ケイ酸塩鉱物との混合するために
使用し、次いで、この混合物を、前記ケイ酸塩鉱物中のリチウム有価物が硝酸リチウムと
して前記ケイ酸塩鉱物から浸出される浸出段階に付し、前記硝酸リチウムを分離し、次い
で、前記熱分解に付し、酸化リチウム含有硝酸リチウム生成物を形成する、請求項9に記
載のプロセス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
一連のリチウム化学物質並びにリチウム金属を製造するためのプロセス、システム及び
装置について説明する。このようなプロセス、システム及び装置の製品は、特にリチウム
電池の製造に有利となる可能性がある。また、製造されたリチウム金属は、合金化の目的
(例えば、航空宇宙業界及びその他の用途で使用するためのリチウム-アルミニウム合金
)でも使用できる。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
電気自動車(EV)及び屋上の太陽光発電(PV)パネル等によって生産された再生可
能エネルギーの蓄電等の大規模な蓄電用途に適したリチウム電池の市場価格は、2012
年~2018年にかけて、約1,000USドル/kWhの有効蓄電容量の上限価格から
80%も下落している。一方その間に、リチウム電池の重量1キログラムあたりの電力を
蓄電する容量(単位:kWh/kg)、及び電池が送受信する電力の容量の割合(充電及
び放電、単位:kWh/kg)は、ゆっくりではあるが上昇を続けている。
【0003】
道路輸送の電気化に伴う蓄電システムの採用、及び再生可能エネルギーシステムの出力
を需要に応じて分配できるようにするための蓄電システムの採用等の予測を受けて、新た
なリチウム資源の探鉱から完全な電池パック(何千個もの個別のリチウムセル(lith
ium cell)を含み得る)の最終組み立てまで、付加価値を高める多くの作業に対
する投資が世界中で急増している。しかし、この伸びは、リチウム電池のコストが下がり
続けること、並びにリチウム電池の寿命、充電/放電速度と効率、蓄電容量及び安全性が
向上し続けることが、ある程度容認されていることによって支えられている。
【0004】
リチウム有価物をリチウム電池の製造に使用するために適した形態で回収するには、コ
ストと環境への影響という課題があり、これらが組み合わさって、リチウム電池の普及と
期待される良性の適用の実現を遅らせる原因となっている可能性がある。前述のリチウム
鉱化の探鉱、及び完全な電池パックの組み立て等、付加価値を生み出す多くの作業につい
ては、それらのコスト及び/又は環境への影響を低減するための改善が行われてきたが、
リチウム含有鉱物をリチウム電池の製造に適したリチウム化学物質に変換する処理作業の
改善については、あまり注目されていなかった。
【0005】
リチウム電池の構成要素で最も重要であり、コスト削減にも最も適しているのは、間違
いなくリチウム電池の2つの端子、即ち、正極(カソード)と負極(アノード)であり、
特にカソードである。現行のリチウム電池のカソードは、リチウム、各種遷移金属、及び
酸素の化合物を一般的に含む。初期の高性能リチウム電池は、1つの遷移金属、即ち、コ
バルトのみを使用した化学物質(いわゆる、LCO電池、即ち、コバルト酸リチウム)で
あった。
【0006】
最近では、LMN(即ち、マンガンニッケル酸リチウム)、NMC(ニッケルマンガン
コバルト酸リチウム)等のリチウム電池(即ち、式:LiMO
2
及びLi
2
M’O
3
(式
中、Mは酸化状態が+3の遷移金属であり、M’は酸化状態が+4の遷移金属である)か
ら形成されたカソードを含む電池)が開発されている。コバルトは比較的希少で高価であ
り、LCO電池は発火しやすいため、電池製造メーカーはコバルトの一部又は全部を鉄、
ニッケル、マンガン、チタン等のより豊富な遷移金属で代替しようと試みている。
【0007】
例えば、US2019/0212267には、前駆体材料から、ミクロン/ナノメート
ルオーダーのサイズを有するリチウム系化合物(例えば、LiFePO
4
、LiMnPO
4
、LiFeMnPO
4
、LiMnNiO
2
、Li
4
Ti
5
O
12
)等の小さな粒子を製
造することが開示されている。得られた小さな粒子は、電池を含む電気化学セルの電極材
料として使用される。
【0008】
これらの化合物を作るには、遷移金属の酸化物と、(最初の例では)炭酸リチウム、更
には水酸化リチウム(一水和物として)を所望の比率で一緒に混合し、高温(800~9
00℃)で何時間もかけて加熱し、得られる固体を非常に細かい粉末に粉砕し、次いで、
その粉末を薄い銅箔にコーティング(プリント)してカソードを形成する。
【0009】
このような化合物のためのリチウムの主な供給源は、スポジュメン(リチア輝石)、及
びリチウムが豊富な金属ケイ酸塩鉱物を含む。本発明者は、ケイ酸塩鉱物からリチウムを
回収し、炭酸リチウム及び水酸化リチウムを製造するための改善されたプロセスの特許を
取得している(例えば、US10,131,968、CN106906359(両方とも
WO2017/106925に由来する))。このプロセスは、半世紀以上も前の技術を
改良したものである。WO2017/106925の関連内容は、参照により本明細書に
組み込まれる。
【0010】
WO2017/106925のプロセスは、そのプロセスで使用される主要な化学物質
、即ち、硝酸に関する限り、「閉鎖的(closed)」である。WO2017/106
925のプロセスでは、プロセスに使用された硝酸を回収し、再利用するために再構成し
てもよい。また、WO2017/106925には、形成された硝酸リチウムを熱分解し
て、酸化リチウムと窒素酸化物を得て、窒素酸化物から硝酸を再形成してプロセスに再利
用してもよいことが記載されている。しかしながら、酸化リチウムは、電池製造において
処理が困難な材料であるため、WO2017/106925のプロセスでは、酸化リチウ
ムは、炭酸リチウム、水酸化リチウム及びリチウム金属(即ち、炭酸リチウム及び水酸化
リチウムの各々は、リチウム電池の製造のための業界仕様の化学物質であるため)を製造
する途中の中間体としてのみ形成されている。更に、WO2017/106925のプロ
セスでは、できるだけ多くの酸化リチウムが形成されるように、即ち、形成される炭酸リ
チウム及び水酸化リチウムの各々の形成量を最大化するようにしている。なお、炭酸リチ
ウムは、リチウム鉱石を精製するための他の既知のプロセスのいずれかを用いて都合よく
製造されない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
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