TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025010102
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024107755
出願日
2024-07-03
発明の名称
全熱交換素子用仕切部材、それを用いた全熱交換素子、及び全熱交換素子用仕切部材の製造方法
出願人
王子ホールディングス株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F28F
21/00 20060101AFI20250109BHJP(熱交換一般)
要約
【課題】本発明は、熱交換効率の優れた全熱交換器用仕切部材、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、疎水性多孔質基材と、前記疎水性多孔質基材の少なくとも孔部分に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維とを含有し、透気度が10000秒以上であり、20℃、65%RHの条件下での透湿度が2500g/m
2
・24Hr以上である全熱交換素子用仕切部材、および疎水性多孔質基材に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維を含有する塗工液を塗工、乾燥する全熱交換素子用仕切部材の製造方法である。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
疎水性多孔質基材と、
前記疎水性多孔質基材の少なくとも孔部分に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維とを含有し、
透気度が10000秒以上であり、20℃、65%RHの条件下での透湿度が2500g/m
2
・24Hr以上である全熱交換素子用仕切部材。
続きを表示(約 770 文字)
【請求項2】
前記微細繊維が微細セルロース繊維である請求項1記載の全熱交換素子用仕切部材。
【請求項3】
前記微細繊維の繊維幅が1~10nm以下である、請求項1記載の全熱交換素子用仕切部材。
【請求項4】
前記疎水性多孔質基材の透気度が1000秒以下である請求項1記載の全熱交換素子用仕切部材。
【請求項5】
前記疎水性多孔質基材の厚みが5μm以上30μm以下である請求項4記載の全熱交換素子用仕切部材。
【請求項6】
前記微細繊維が、前記疎水性多孔質基材に付着している請求項1記載の全熱交換素子用仕切部材。
【請求項7】
前記微細繊維の塗工量が0.03g/m
2
以上3g/m
2
以下である請求項6記載の全熱交換素子用仕切部材。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一つに記載の全熱交換素子用仕切部材を複数備えると共に、
前記複数の全熱交換素子用仕切部材の間に配置されて隣り合う前記全熱交換素子用仕切部材の間隔を保持する間隔保持部材を備え、
前記全熱交換素子用仕切部材と、その上に設けられた前記間隔保持部材とが形成する第1空気流路と、前記第1空気流路を形成する前記全熱交換素子用仕切部材と、その下に設けられた前記間隔保持部材とが形成する第2空気流路とを有する全熱交換素子。
【請求項9】
疎水性多孔質基材に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維を含有する塗工液を塗工、乾燥する全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
【請求項10】
前記塗工液が界面活性剤を含有する請求項9記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、全熱交換素子用仕切部材と、それを備えた全熱交換素子と、全熱交換素子用仕切部材の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、冷房や暖房の効果を損なわずに換気できる装置として、換気の際に給気と排気との間で熱交換させる熱交換換気装置(全熱交換器)が提案されている。この全熱交換器としては、間隔保持部材を介して複数の仕切部材(ライナー)を積層させ、室外の空気を室内に導入する給気経路と、室内の空気を室外に排出する排気経路とが区画され、顕熱(温度)と潜熱(湿度)との熱交換を同時に行う全熱交換素子を組み込まれたものが広く採用されている。
【0003】
例えば、冬季の場合、間隔保持部材によって隔てられた各流路には、給気としての室外空気と、排気としての室内空気とが導かれる。この際、給気と排気とは、仕切部材を介して温度及び湿度の交換を行う。熱交換が行われる仕切部材は、水蒸気を通すが空気は通さない透湿性を有する。また、仕切部材は、給気と排気との隔絶による気体遮蔽性を有する。その結果、給気は暖められ加湿されて室内に供給され、排気は冷やされ減湿されて室外へ排出される。仕切部材が、透湿性と、気体遮蔽性とを併せ持つことにより、全熱交換による換気が実現されている。
このような仕切部材としては、伝熱性と透湿度との両方を有する必要があるため、多くの場合、天然パルプを主成分とする紙、例えばグラシン紙等が用いられている(特許文献1)。
【0004】
また、近年、ガスバリアー性を有するセルロースナノファイバーを仕切部材に適用する試みもなされている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許4252892号公報
特開2021-155865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
地球温暖化、省エネルギーが要望されるなか、全熱交換素子が注目されているが、全熱交換素子の熱交換効率を更に高めるためには、これまで以上に仕切部材を更に薄くすること、全熱交換素子の積層段数の増加することが有効であると考えられるが、特許文献1,2に記載の仕切部材等では、達成することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、熱交換効率の優れた全熱交換器用仕切部材を提供すべく、鋭意研究の結果、疎水性多孔質基材と、特定の繊維幅を有する高分子多糖類の微細繊維とを含有する新たな仕切部材を見出し発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<15>に関する。
<1> 疎水性多孔質基材と、
前記疎水性多孔質基材の少なくとも孔部分に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維とを含有し、
透気度が10000秒以上であり、透湿度が2500g/m
2
・24Hr以上である全熱交換素子用仕切部材。
<2> 前記微細繊維が微細セルロース繊維である<1>に記載の全熱交換素子用仕切部材。
<3> 前記微細繊維の繊維幅が1~10nmである<1>又は<2>に記載の全熱交換素子用仕切部材。
<4> 前記疎水性多孔質基材の透気度が1000秒以下である<1>~<3>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材。
<5> 前記疎水性多孔質基材の厚みが5μm以上30μm以下である<1>~<4>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材。
<6> 前記微細繊維は、前記疎水性多孔質基材付着している<1>~<5>のいずれかにの全熱交換素子用仕切部材。
<7> 前記微細繊維の塗工量が0.03g/m
2
以上3g/m
2
以下である<1>~<6>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材。
<8> <1>~<7>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材を複数備えると共に、
前記複数の全熱交換素子用仕切部材の間に配置されて隣り合う前記全熱交換素子用仕切部材の間隔を保持する間隔保持部材を備え、
前記全熱交換素子用仕切部材と、その上に設けられた前記間隔保持部材とが形成する第1空気流路と、前記第1空気流路を形成する前記全熱交換素子用仕切部材と、その下に設けられた前記間隔保持部材とが形成する第2空気流路とを有する全熱交換素子。
<9> 疎水性多孔質基材に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維を含有する塗工液を塗工、乾燥する全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
<10>前記塗工液が界面活性剤を含有する<9>に記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
<11> 前記微細繊維の塗工量が0.03g/m
2
以上3g/m
2
以下である<9>又は<10>に記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
<12> 前記微細繊維の繊維幅が1~10nmである<9>~<11>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
<13> 前記微細繊維が微細セルロース繊維である<9>~<12>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
<14> 前記疎水性多孔質基材の透気度が1000秒以下である<9>~<13>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
<15> 前記疎水性多孔質基材に表面親水化処理を行った後、前記塗工液を塗工する<9>~<14>のいずれかに記載の全熱交換素子用仕切部材の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、熱交換効率が優れた全熱交換素子用仕切部材、それを用いた全熱交換素子、及び全熱交換素子用仕切部材の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、全熱交換素子の構造を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[全熱交換素子用仕切部材]
本発明の全熱交換素子用仕切部材(以下、仕切部材ともいう。)は、疎水性多孔質基材(以下、基材ともいう)と、前記疎水性多孔質基材の少なくとも孔部分に、繊維幅1~1000nmの高分子多糖類の微細繊維とを含有し、透気度が10000秒以上であり、透湿度が2500g/m
2
・24Hr以上である全熱交換素子用仕切部材である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る