TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025005542
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-17
出願番号2023105747
出願日2023-06-28
発明の名称レール健全度算出方法及びレール健全度算出システム
出願人公益財団法人鉄道総合技術研究所
代理人弁理士法人インテクト国際特許事務所,個人
主分類E01B 35/04 20060101AFI20250109BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】簡便で効率的な方法でレール健全度を算出することができるレール健全度の算出方法及びレール健全度の算出システムを提供する。
【解決手段】軌道の高低変位波形及び軸箱加速度波形を測定する測定工程と、高低変位波形から浮きまくらぎ波形を算出する波形算出工程と、高低変位波形又は浮きまくらぎ波形のうち所定の閾値を超過したピーク位置を特定し、当該ピーク位置を中心とする所定のオフセット量を有する区間を特定する区間特定工程と、区間における浮きまくらぎ波形の最大値であるまくらぎの浮き量及び軸箱加速度波形の最大値並びに最小値から算出されるレール凹凸量を算出する量算出工程と、まくらぎの浮き量及びレール凹凸量からレール応力を算出してレール健全度を算出するレール健全度算出工程とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
軌道の高低変位波形及び軸箱加速度波形を測定する測定工程と、
前記高低変位波形から浮きまくらぎ波形を算出する波形算出工程と、
前記高低変位波形又は浮きまくらぎ波形のうち所定の閾値を超過したピーク位置を特定し、当該ピーク位置を中心とする所定のオフセット量を有する区間を特定する区間特定工程と、
前記区間における前記浮きまくらぎ波形の最大値であるまくらぎの浮き量及び前記軸箱加速度波形の最大値並びに最小値から算出されるレール凹凸量を算出する量算出工程と、
前記まくらぎの浮き量及び前記レール凹凸量からレール応力を算出してレール健全度を算出するレール健全度算出工程とを有することを特徴とするレール健全度算出方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
請求項1に記載のレール健全度算出方法において、
前記量算出工程は、前記浮きまくらぎ波形又は軸箱加速度波形を0倍して全区間0の波形を作成し、前記全区間0の波形に対して前記区間内のデータを前記浮きまくらぎ波形の最大値及び前記軸箱加速度波形の最大値並びに最小値で置換する処理を行うことを特徴とするレール健全度算出方法。
【請求項3】
請求項1に記載のレール健全度算出方法において、
前記レール健全度算出工程は、前記まくらぎの浮き量及び前記レール凹凸量のそれぞれの影響を算出することを特徴とするレール健全度算出方法。
【請求項4】
請求項1に記載のレール健全度算出方法において、
前記レール健全度算出工程は、トンネル又は道床種別の少なくともいずれか一方の台帳データを波形データ化した台帳波形データを参照して、トンネル内のみのレール健全度、バラスト軌道のみのレール健全度、もしくはトンネル内バラスト軌道のみのレール健全度を抽出することを特徴とするレール健全度算出方法。
【請求項5】
軌道の高低変位波形及び軸箱加速度波形を測定する測定手段と、
前記高低変位波形から浮きまくらぎ波形を算出する波形算出手段と、
前記高低変位波形又は浮きまくらぎ波形のうち所定の閾値を超過したピーク位置を特定し、当該ピーク位置を中心とする所定のオフセット量を有する区間を特定する区間特定手段と、
前記区間における前記浮きまくらぎ波形の最大値から算出されるまくらぎの浮き量及び前記軸箱加速度波形の最大値並びに最小値から算出されるレール凹凸量を算出する量算出手段と、
前記まくらぎの浮き量及び前記レール凹凸量からレール応力を算出してレール健全度を算出するレール健全度算出手段とを有することを特徴とするレール健全度算出システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レールの健全度を評価するためのレール健全度算出方法及びレール健全度算出システムに関し、特に、レール頭頂面の凹凸や浮きまくらぎに起因するレール健全度の算出方法及びレール健全度の算出システムに関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両が走行する軌道の保守管理を目的として、レール損傷の発生の要因となるレールの腐食を把握することで、レール損傷の発生箇所を推定し、レール損傷の発生を未然に防止している。
【0003】
このような、レール損傷の発生を防止する方法は、種々の方法が知られており、例えば、特許文献1に記載されたレール健全度の評価方法が知られている。
【0004】
特許文献1に記載されたレール健全度の評価方法は、腐食に伴うレールの健全度を評価するためのレール健全度の評価方法であって、レール位置に関連付けられたレールの腐食量データを取得するステップと、レール位置に関連付けられたレール発生応力を推定するステップと、腐食量データに基づいてレール疲労強度を特定するステップと、レール発生応力とレール疲労強度とに基づいて、レール位置のレール健全度を算定するステップとを備えている。
【0005】
このようなレール健全度の評価方法によれば、レール位置に関連付けられたレールの腐食量データを取得してレール疲労強度を特定するとともに、レール位置に関連付けられたレール発生応力を推定し、得られたレール発生応力とレール疲労強度とに基づいて、各レール位置のレール健全度を算定することができるので、レールの腐食量データだけでなく、軌道状態を示す指標や推定結果を活用することで、営業線の任意のレール位置におけるレール健全度を定量的に評価することが効率的にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2023-075806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のレール健全度の評価方法によると、この評価方法を営業線の軌道の維持管理に適用するには、上述したレール発生応力の推定のステップについて、データ処理の面で次のような課題があった。まず、より安全なレール管理を実現するためには、チャート上のある特定のキロ程の一点のみに限定してデータを参照するのではなく、位置や発生量が連続的に変化する浮きまくらぎ及びレール頭頂面の凹凸の実際の発生特性を考慮し、一定範囲のデータを参照する方が適切と考えられるが、これを実現するデータ処理方法が確立されていなかった。さらに、レールの腐食及びレール頭頂面の凹凸を促進する漏水は、トンネル内等で発生することが知られており、線路キロ程の全範囲に対して検討するのではなく、トンネル等の台帳データとの位置関係に応じたデータの加工や抽出を行う必要があるとの課題もあった。
【0008】
さらに、特許文献1に記載されたレール健全度の評価方法では、高低変位及び軸箱加速度のデータを用いているが、これらのデータは、サンプリング間隔が高低変位が25cm、軸箱加速度が1cmと異なっており、これらのデータを単純に比較することが難しいという問題もあった。即ち、サンプリング間隔が異なると、任意のキロ程の高低変位及び軸箱加速度の値を特定する手法が必要となることに加え、高低変位及び軸箱加速度のデータについてピーク位置にずれがあるとレール健全度を過大評価することとなり、適切に評価することができないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、より安全で効率的な方法でレール健全度を算出することができるレール健全度の算出方法及びレール健全度の算出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るレール健全度算出方法は、軌道の高低変位波形及び軸箱加速度波形を測定する測定工程と、前記高低変位波形から浮きまくらぎ波形を算出する波形算出工程と、前記高低変位波形又は浮きまくらぎ波形のうち所定の閾値を超過したピーク位置を特定し、当該ピーク位置を中心とする所定のオフセット量を有する区間を特定する区間特定工程と、前記区間における前記浮きまくらぎ波形の最大値であるまくらぎの浮き量及び前記軸箱加速度波形の最大値並びに最小値から算出されるレール凹凸量を算出する量算出工程と、前記まくらぎの浮き量及び前記レール凹凸量からレール応力を算出してレール健全度を算出するレール健全度算出工程とを有することを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許