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公開番号2025005404
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-16
出願番号2024096420
出願日2024-06-14
発明の名称二酸化炭素固定混合材料およびその製造方法
出願人五洋建設株式会社
代理人個人,個人
主分類B01D 53/62 20060101AFI20250108BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】粘性材料とアルカリ材とを混合した材料において二酸化炭素を効率的かつ安定的に固定した二酸化炭素固定混合材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】この二酸化炭素固定混合材料は、アルカリ材中のアルカリ成分と二酸化炭素との反応により二酸化炭素が炭酸塩として化学的に固定された前記アルカリ材を粘性材料と混合し、混合された材料の固化により二酸化炭素が物理的に安定的に保持されたもので、埋立材、浅場・干潟造成材、潜堤材、深堀跡の埋戻し材、護岸の腹付け材、盛土材として使用できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
アルカリ材中のアルカリ成分と二酸化炭素との反応により前記二酸化炭素が炭酸塩として化学的に固定された前記アルカリ材を粘性材料と混合し、前記混合された材料の固化により前記二酸化炭素が物理的に安定的に保持された二酸化炭素固定混合材料。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記混合のときに二酸化炭素が前記アルカリ材中のアルカリ成分および/または前記アルカリ材から溶出し前記粘性材料に移行したアルカリ成分と反応し炭酸塩として化学的に固定された請求項1に記載の二酸化炭素固定混合材料。
【請求項3】
粘性材料とアルカリ材との混合のときに前記アルカリ材中のアルカリ成分および/または前記アルカリ材から溶出し前記粘性材料に移行したアルカリ成分が二酸化炭素と反応することで、前記二酸化炭素が炭酸塩として化学的に固定され、前記混合された材料の固化により前記二酸化炭素が物理的に安定的に保持された二酸化炭素固定混合材料。
【請求項4】
粘性材料とアルカリ材とを混合した材料における前記アルカリ材中のアルカリ成分および/または前記アルカリ材から溶出し前記粘性材料に移行したアルカリ成分が二酸化炭素と反応することにより、前記二酸化炭素が炭酸塩として化学的に固定され、前記混合された材料の固化により前記二酸化炭素が物理的に安定的に保持された二酸化炭素固定混合材料。
【請求項5】
前記粘性材料と前記アルカリ材とを混合した材料における前記アルカリ材中のアルカリ成分および/または前記アルカリ材から溶出し前記粘性材料に移行したアルカリ成分が二酸化炭素と反応し炭酸塩として化学的に固定された請求項1乃至3のいずれかに記載の二酸化炭素固定混合材料。
【請求項6】
前記アルカリ材における前記炭酸塩の含有量が4.3~12.3重量%の範囲内である請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素固定混合材料。
【請求項7】
前記二酸化炭素固定混合材料の材令28日強度が前記二酸化炭素の固定なしの場合の強度の少なくとも40%である請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素固定混合材料。
【請求項8】
前記二酸化炭素固定混合材料の材令28日強度が前記二酸化炭素の固定なしの場合よりも増加している請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素固定混合材料。
【請求項9】
前記アルカリ材は、鉄鋼スラグ・製紙灰・石炭灰・セメント・石灰の少なくともいずれか1つである請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素固定混合材料。
【請求項10】
前記粘性材料は、浚渫土、粘性土または建設汚泥である請求項1乃至4のいずれかに記載の二酸化炭素固定混合材料。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、粘性材料とアルカリ材との混合による二酸化炭素固定混合材料およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
カーボンニュートラル社会の実現に向けて、二酸化炭素(CO

)の排出量の削減やCO

を固定する取り組みが行われている。たとえば、地中深くにCO

を固定するCCS(Carbon dioxide Capture and Storage/二酸化炭素回収・貯留)では、CO

の固定効率を高めるためにCO

濃度を99.9%以上に高める必要があり、CO

の回収や注入に専用の設備やエネルギーの投入が必要となる。船舶においても、たとえば非特許文献1,2のような専用の設備を設置して洋上での高濃度のCO

回収の取り組みが行われている。また、発電所や工場の排気ガスをコンクリートの養生等に活用し、CO

を固定する取り組みが行われている(たとえば、非特許文献3)。
【0003】
特許文献1は、建設汚泥にアルカリ性改質固化材を添加して混合し改質固化処理土を生成する改質固化工程、前記改質固化処理土を半固体状になった段階でほぐすことで細粒化させたほぐし造粒土を生成するほぐし造粒工程、熱せられた圧縮空気である熱圧縮空気と炭酸ガスを用いて前記ほぐし造粒土の乾燥と中和を促進させ、さらに炭酸ガスを炭酸カルシウムとして前記ほぐし造粒土に固定させる乾燥・中和・二酸化炭素固定工程を含む、二酸化炭素の固定化技術による中性再生土製造方法を開示する[0016]。
【0004】
特許文献2は、セメント質硬化体に二酸化炭素含有ガスを接触させて、上記二酸化炭素含有ガスに含まれている二酸化炭素を、上記セメント質硬化体に固定化する接触工程を含む、二酸化炭素の固定化方法を開示する[要約]。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-074672号公報
特開2020-15659号公報
【非特許文献】
【0006】
三菱重工 HP ニュース「三菱造船、川崎汽船および日本海事協会と共同で洋上用CO2回収装置検証のための小型デモプラント試験 "CC-Ocean" プロジェクトを実施-- 国交省の海洋資源開発関連技術高度化研究開発事業の対象プロジェクト -- 」2020-08-31https://www.mhi.com/jp/news/20083101.html
三菱重工 HP ニュース「世界初の洋上用CO2回収装置検証プロジェクトで排気ガスからのCO2分離・回収に成功 三菱造船、回収CO2純度99.9%以上と計画通りの性能を達成」2021-10-20https://www.mhi.com/jp/news/211020.html
「環境配慮型コンクリート「CO2-SUICOM」の概要」https://www.energia.co.jp/assets/press/2013/p130723-1a_1.pdf
資料1:平石剛紀・吉田祐麻・山野泰明・関健吾・取違剛・渡邉賢三・坂井吾郎・巴史郎・百瀬晴樹・笠井浩・閑田徹志・坂田昇「CO2吸収コンクリートを用いた大型埋設型枠の適用と今後の課題」令和4年度土木学会全国大会第77回年次学術講演会,V-291,2022.
資料2:柿本啓太郎・吉田祐麻・山野泰明・関健吾・取違剛・渡邉賢三・坂井吾郎・巴史郎・百瀬 晴基・笠井浩・閑田徹志・坂田昇「高炉セメント C種相当を用いた CO2吸収コンクリートの各種水セメント比における炭酸化速度と強度発現特性」令和4年度土木学会全国大会第77回年次学術講演会,V-534,2022.
「低炭素社会形成のための鉄鋼スラグの二酸化炭素固定化量の定量評価と二酸化炭素固定化メカニズムの推察」https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgs/9/4/9_469/_pdf/-char/ja
「土の炭酸塩含有量の測定方法と結果の解釈」https://dl.ndl.go.jp/view/prepareDownload?itemId=info%3Andljp%2Fpid%2F10441759&contentNo=1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献2のような従来行われている排気ガスを活用した方法では、コンクリート打設後の表面からのCO

の吸収であり、反応は表面から50mm程度の範囲に限定される(たとえば、非特許文献4,5参照)。また、特許文献1の方法は、アルカリ性の汚泥に改質材を添加し固化後のほぐし造粒土に対してガスを供給するものであり、ほぐし造粒等の工程が必要となって効率的でない。
【0008】
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、粘性材料とアルカリ材とを混合した材料において二酸化炭素を効率的かつ安定的に固定した二酸化炭素固定混合材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための第1の二酸化炭素固定混合材料は、アルカリ材中のアルカリ成分と二酸化炭素との反応により前記二酸化炭素が炭酸塩として化学的に固定された前記アルカリ材を粘性材料と混合し、前記混合された材料の固化により前記二酸化炭素が物理的に安定的に保持されたものである。
【0010】
第1の二酸化炭素固定混合材料によれば、二酸化炭素を炭酸塩等として化学的に固定したアルカリ材を用い、粘性材料と混合し、混合された材料の固化により二酸化炭素を物理的に安定的に保持することができる。混合前に二酸化炭素を固定したアルカリ材を用いるので、二酸化炭素の効率的な固定が可能である。また、材料表面のみの二酸化炭素の吸収ではなく、混合された材料の全体で二酸化炭素を固定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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