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公開番号
2025001702
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-09
出願番号
2023101327
出願日
2023-06-21
発明の名称
二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法
出願人
JFEエンジニアリング株式会社
代理人
個人
主分類
B01D
53/62 20060101AFI20241226BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約
【課題】脱湿機の運転を安定化させ、かつ省エネルギー化を図った二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る二酸化炭素分離システム1は、燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置3で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機5で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置7で二次分離するものであって、膜分離装置3から二酸化炭素が濃縮されたガスを吸引する1段ドライスクリュー式の第1真空ポンプ9と、第1真空ポンプ9で吸引されて昇温されたガスと温度スイング式脱湿機5に再生ガスとして供給するガスとを熱交換する廃熱回収熱交換器11と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置で二次分離する二酸化炭素分離システムであって、
前記膜分離装置から二酸化炭素が濃縮されたガスを吸引する1段ドライスクリュー式の真空ポンプと、該真空ポンプで吸引されて昇温されたガスと前記温度スイング式脱湿機に再生ガスとして供給するガスとを熱交換する廃熱回収熱交換器と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素分離システム。
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【請求項2】
燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後に圧力スイング式吸着装置で二次分離する二酸化炭素分離方法であって、
前記膜分離装置から二酸化炭素が濃縮されたガスを1段ドライスクリュー式の真空ポンプで吸引すると共に昇温し、該昇温されたガスと前記温度スイング式脱湿機に再生ガスとして供給するガスとを熱交換して加熱することを特徴とする二酸化炭素分離方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
燃焼排ガス中の二酸化炭素を、膜分離装置で一次分離し、一次分離したガスを温度スイング式脱湿機で脱湿した後、圧力スイング式吸着装置で二次分離する二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスである二酸化炭素の排出源としてもっとも大きなものは火力発電所の燃焼排ガスである。温暖化防止のためにこの燃焼排ガスから二酸化炭素を分離回収することが求められている。
二酸化炭素の分離技術として広く利用されているのはアミン水溶液類などのアルカリ性吸収液を用いた化学吸収法である。吸収の効率が高く、窒素や酸素との選択性が非常に高いが、他方で吸収液の再生では吸収液を高温にする必要があり、吸収液が水溶液の場合には水の蒸発を防ぐために加圧下で常圧の沸点以上まで加熱するため、これにかかる熱が大きくなり二酸化炭素分離の所用エネルギーが大きい。
【0003】
例えば石炭を燃料とする火力発電所の場合、性能の高い設備でも二酸化炭素排出量あたりの出力は環境省の発表する参考値によれば4.5GJ/t-CO
2
程度であり、化学吸収法を燃焼排ガスに適用する際の消費エネルギーを経済産業省の資料にある2.5GJ/t-CO
2
とすると発電した電力の半分以上のエネルギーを二酸化炭素の分離で消費してしまうことになり、適用することは非現実的である。
【0004】
大気圧で排出されている燃焼排ガスから二酸化炭素を分離する技術の中で、ガス分離膜を用いた膜分離装置は消費エネルギーが小さいことが知られている。
しかしながら、膜分離装置単体では分離した二酸化炭素の純度を高く出来ないという欠点があり、これを補う技術として例えば特許文献1には膜分離装置の後段に二酸化炭素を高純度化するために圧力スイング式吸着装置を設置する方式が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平6-327936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
圧力スイング式吸着装置も本来消費エネルギーは小さいが、吸着剤にゼオライトを使用する場合は前処理として水分の除去が必要であり、脱湿機を設置することになる。この脱湿機としては温度スイング吸着式のものが広く利用されているが、吸着剤の再生に熱が必要であり、これが全体としての消費エネルギーを増加させてしまう。
【0007】
特許文献1に開示の技術では、燃焼排ガスの一部を取り出して吸着剤の再生に必要な熱源とすることで、システムとして新たな熱源を不要としている。
しかしながら、一般的に燃焼排ガスの熱は廃熱回収設備により熱回収されるため、燃焼排ガスの温度が吸着剤の再生に必要な温度に達しないケースがある。また、燃焼排ガスは熱交換により再生に必要な熱を供給することになるが、燃焼排ガス中のダストによる伝熱の悪化により、熱交換が不十分になり再生に必要な熱を十分に供給できないこともある。
このため、脱湿機の再生に必要な熱源として燃焼排ガスを用いる場合には、脱湿機の運転が不安定になるという課題がある。
【0008】
天然ガスの前処理や化学品製造のオフガス処理などで用いられてきた化学吸収方式の二酸化炭素分離設備が、背の高い吸収塔などが並び化学プラントの様相を呈することや、吸収液の再生を加圧下で行うことから再生塔が第一種圧力容器に該当してしまうことなどと比べ、膜分離装置や圧力スイング式吸着装置は操業やメンテナンスが簡単であり特別な法規制も受けないことから、燃焼排ガスの排出事業者にとって受け入れられやすいという重要な利点がある。
しかし、高価なゼオライト吸着剤を守るための脱湿機の再生に燃焼排ガスの熱を利用することで、運転が不安定になればこの利点が失われてしまうため、システム内部で安定的に発生する熱を利用することが求められる。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、脱湿機の運転を安定化させ、かつ省エネルギー化を図った二酸化炭素分離システム及び二酸化炭素分離方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
燃焼排ガスからの二酸化炭素分離技術において消費エネルギーが大きいことは致命的であるため、この分野に特化して省エネルギーを追求したシステムが必要となる。
発明者は、この観点から膜分離装置と圧力スイング式吸着装置を備えた二酸化炭素分離システムの熱バランスを詳細に検討した。
【0010】
一般に燃焼排ガス中の二酸化炭素濃度は10%前後であり、膜分離装置では高純度の二酸化炭素を得ることが難しい。もっとも、膜分離装置ではより高真空にすることで分離する二酸化炭素の濃度を高くすることは出来る。例えば分離性能を表す二酸化炭素と窒素の透過係数の比が200を超えるような高性能な分離膜を使用して2kPa程度の真空度にすれば、得られる二酸化炭素は95%程度にすることは不可能ではない。
(【0011】以降は省略されています)
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