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公開番号2025001262
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-08
出願番号2023100752
出願日2023-06-20
発明の名称レンズ及びレンズ成形型
出願人HOYA株式会社
代理人インフォート弁理士法人,個人,個人,個人
主分類G02B 7/02 20210101AFI20241225BHJP(光学)
要約【課題】光学性能を確保しながらレンズ保持部分を小型軽量化できるレンズを提供する。
【解決手段】ガラスのプレス成形品であり、光軸方向の両側にレンズ面(43、44)を有し、プレス成形に伴う形状誤差を許容する体積吸収部(46、47)をレンズ面の周囲に有する光学機能部(41)と、光学機能部のガラスとは異なる材質からなり、光学機能部と結合されるコバ部(42)と、を備え、コバ部は、光軸を中心とする筒状をなし光学機能部の外周面を囲んで固定される筒部(42a)と、筒部の光軸方向の長さよりも光軸方向の厚みが小さく、筒部の外周面から光軸直交方向に延設された環状部(42b)と、を備え、筒部の光軸方向の長さLと、環状部の光軸直交方向の幅Wが、W/L≧0.8を満たすレンズ。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
ガラスのプレス成形品であり、光軸方向の両側にレンズ面を有し、プレス成形に伴う形状誤差を許容する体積吸収部を前記レンズ面の周囲に有する光学機能部と、
前記光学機能部の前記ガラスとは異なる材質からなり、前記光学機能部と結合されるコバ部と、を備え、
前記コバ部は、
光軸を中心とする筒状をなし、前記光学機能部の外周面を囲んで固定される筒部と、
前記筒部の光軸方向の長さよりも光軸方向の厚みが小さく、前記筒部の外周面から光軸直交方向に延設された環状部と、を備え、
前記筒部の光軸方向の長さLと、前記環状部の光軸直交方向の幅Wが、下記条件(1)を満たすことを特徴とするレンズ。
(1)W/L≧0.8
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記筒部の光軸方向の長さLと、前記環状部の光軸直交方向の幅Wが、下記条件(2)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載のレンズ。
(2)W/L≦10
【請求項3】
前記コバ部は金属製であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
【請求項4】
前記環状部は、前記筒部の外周面の光軸方向の一端から光軸直交方向に延設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
【請求項5】
前記コバ部は、前記筒部の内周面が黒化処理されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
【請求項6】
前記コバ部は、前記筒部と前記環状部との外面全体が黒化処理されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレンズ。
【請求項7】
下型と上型を接近させて、請求項1又は2に記載の前記レンズをプレス成形するレンズ成形型であって、
前記下型は、
前記光学機能部の前記レンズ面を形成するレンズ形成面の周囲に位置し、前記コバ部の前記環状部を保持する環状部保持面と、
前記環状部保持面の周囲に位置し、前記環状部保持面よりも上方に突出する環状の堰き止め凸部と、を有し、
前記下型と前記上型を接近させて前記レンズをプレス成形する際に、前記堰き止め凸部によって前記環状部の外縁位置を定めることを特徴とするレンズ成形型。
【請求項8】
前記上型は、
前記光学機能部の前記レンズ面を形成するレンズ形成面の周囲に位置し、前記コバ部の前記筒部の外周面の位置を定める筒部形成面と、
前記筒部形成面の周囲に位置し、前記下型の環状部保持面及び堰き止め凸部に対向する対向面と、を有する、請求項7に記載のレンズ成形型。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ及びレンズ成形型に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンなどの携帯型の電子機器への撮像手段の搭載が広く普及しており、撮像手段を小型で高性能なものにしたいという要求が高くなっている。そして、撮像手段を構成するレンズについては、光学的な性能が高いことや、レンズを保持する保持部材に対して高精度に位置決めできることなどを満たしつつ、できるだけ小型且つ軽量にすることが求められている。
【0003】
一般的に、レンズは、レンズ面を有して光学的に機能する本体部分の周縁にコバ部を有し、コバ部を保持部材に固定させて位置が定められる。レンズの位置は、光軸方向の位置と、光軸に垂直な方向の位置と、光学系の光軸に対する傾きとで管理される。例えば、コバ部が、光軸方向の前後の少なくとも一方に、光軸に対して垂直な平面を有しており、この平面を基準として光軸方向のレンズ位置を定める。また、コバ部が、光軸を囲む円筒状の外周面を有しており、この外周面を基準として光軸に垂直な方向(以下、光軸直交方向と呼ぶ)のレンズ位置を定める場合もある。
【0004】
レンズを位置決めする別の形態として、コバ部が、光軸に対して平行でも垂直でもないテーパ面を備えていて、このテーパ面を基準として、光軸方向の位置と光軸直交方向の位置をまとめて管理することも行われている。
【0005】
レンズの小型化や軽量化の一環として、コバ部を光軸方向に薄型化することが望まれている。しかし、以下のような理由によって、ガラスレンズにおけるコバ部の形状や構造の自由度には制約があり、コバ部を十分に薄型化することが難しかった。
【0006】
ガラスプリフォームを成形型でプレス成形して製造されるガラスモールドレンズでは、ガラスプリフォームの容量や供給位置、成形型の内部空間(型空間)の体積などに関する各種の誤差を吸収するために、コバ部に体積吸収部を設定している。体積吸収部は、上記の各種誤差に応じた形状のばらつきを許容する部分であり、変動する型空間体積の下限時であり且つガラス体積の上限時に角部コーナーR値を許容最小値になるように設定し、該体積の上下変動の中心値を設計中心となるように角部コーナーR値を設定している。
【0007】
体積吸収部は形状のばらつきを許容する部分であるため、コバ部のうち体積吸収部の領域は、保持部材に対するレンズの位置決めには使用できない。コバ部においてレンズの位置決めに使用する面積が十分に確保されないと、レンズの位置精度やレンズの安定性が悪くなる。従って、コバ部には、精度の高い位置決めを実現できる寸法を持たせた上で、さらに成形時の誤差吸収を行う体積吸収部の寸法を加える必要があり、コバ部の小型化が制約されていた。
【0008】
また、ガラスモールドレンズでは、厚みが小さく、角度変化が急峻な部分において、割れや破損が生じやすいという課題がある。そのため、コバ部自体の強度を確保する必要からコバ部の薄型化が制約されていた。
【0009】
ガラスモールドレンズの成形の際に、成形型内に狭い空間があるとガラスプリフォームを延展させにくいので、ガラスプリフォームの低粘度化のために温度を高くする必要がある。そのため、薄型化したコバ部を形成するためには、レンズ面の形成に必要な温度よりも高い温度までガラスプリフォームを加熱することになり、レンズ面の精度や外観品質が悪化するおそれがある。
【0010】
以上のような理由から、ガラスモールドレンズでのコバ部の薄型化には限界があり、その解決が求められていた。コバ部に依存せずにレンズの位置決めを行う技術として、金属などの別材料からなる枠部材(ホルダ)をレンズの外周部分に設け、プレス成形によって、レンズを成形すると共に枠部材と一体化させることが知られている(例えば、特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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