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公開番号2025000970
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-07
出願番号2024174256,2024522665
出願日2024-10-03,2024-01-18
発明の名称インクセット
出願人DIC株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 11/40 20140101AFI20241224BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】1次色及び2次色の彩度、特に緑色の彩度に優れ、印刷画像の擦過性に優れるインクセットを提供することを課題とする。
【解決手段】バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントイエロー74とを含有するイエローインクと、
バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3とを含有するシアンインクとを備えるインクセットであって、
前記C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径が80~120nmであり、かつイエローインクの全量に対する含有量が4.0~10.0質量%であり、
前記C.I.ピグメントブルー15:3の体積平均粒子径が80~100nmであり、かつシアンインクの全量に対する含有量が2.5質量%を超えて5.5質量%未満である、インクセットである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントイエロー74とを含有するイエローインクと、
バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3とを含有するシアンインクとを備えるインクセットであって、
前記C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径が80~120nmであり、かつイエローインクの全量に対する含有量が4.0~10.0質量%であり、
前記C.I.ピグメントブルー15:3の体積平均粒子径が80~100nmであり、かつシアンインクの全量に対する含有量が2.5質量%を超えて5.5質量%未満である、インクセット。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記バインダーの最低造膜温度が25℃以上であり、
前記バインダーの体積平均粒子径が、前記C.I.ピグメントイエロー74及びC.I.ピグメントブルー15:3の少なくとも一方の体積平均粒子径以下である、請求項1に記載のインクセット。
【請求項3】
さらに、バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、固溶体顔料を含有するマゼンタインクを備え、
前記固溶体顔料は、C.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントバイオレット19からなり、
前記固溶体顔料におけるC.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントバイオレット19の質量比(C.I.ピグメントレッド122/C.I.ピグメントバイオレット19)が4/1~1/1であり、
前記固溶体顔料の体積平均粒子径が90~130nmであり、
前記シアンインク中に含まれる顔料の濃度に対する前記マゼンタインクに含まれる固溶体顔料の濃度の比が1.5以上である、請求項1又は2に記載のインクセット。
【請求項4】
さらに、ブラックインクを備える、請求項1又は2に記載のインクセット。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はインクセットに関する。詳細には、本発明は、特に緑色の彩度が改良された、インクジェット用インクとして好適なインクセットに関する。
続きを表示(約 3,200 文字)【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式は、使用する装置の騒音が小さく、操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用できる利点を有するため、近年、オフィスや家庭での出力機として広く用いられている。
一方、産業用プリンターにおいても、インクジェット記録方式の技術向上により、デジタル印刷の出力機としての利用が期待され、一部ではアナログ印刷機からの置き換えが進んでいる。また、インクジェット記録方式用のインク(インクジェットインク)として、環境面への対応等の点から、従来の溶剤インク、UVインクに代わり、水性インクの需要が高まっている(例えば特許文献1参照)。
水性インクの印刷品質(印字品質)においては、一般的に高彩度が求められる。例えば、特許文献2には、特定顔料及び特定種の分散剤を含有する、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクからなるインクジェット記録用インクセットが開示され、画像の彩度を向上させると共にインクの保存安定性に優れるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011- 12226号公報
特開2005- 41906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクの1次色及び2次色の彩度を上げるためには、色材である顔料を紙表面近傍に留める必要があり、そのための手段としてインク液滴を微小化することが考えられる。しかしながら、インク液滴を微小化すると画像濃度が低下する傾向となる。顔料濃度を高めれば画像濃度の低下を抑制できるが、反面、インクの保存安定性が低下したり、顔料成分の凝集による彩度低下が起きやすい等の課題があった。
また、普通紙だけでなく、コート紙等の、インク難吸収性又はインク非吸収性の被記録媒体へインクジェット法による印刷を拡大展開する場合、インクの定着性や、印刷画像が摩擦や水分等の影響により剥がれないよう、画像の堅牢性の向上、具体的には擦過性の向上を図る必要がある。かかる観点からは、バインダー成分をインクにさらに含有させることが考えられるが、印刷物の彩度が低下するという問題があり、特許文献2に開示されるインクセット等にはなお改善の余地がある。
【0005】
本発明の目的は、1次色及び2次色の彩度、特に緑色の彩度に優れ、印刷画像の擦過性に優れるインクセットを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、シアン及びイエローの各色インクに特定の顔料を特定濃度範囲で用いること、好適にはインクに特定のバインダーをさらに含有させることで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントイエロー74とを含有するイエローインクと、
バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3とを含有するシアンインクとを備えるインクセットであって、
前記C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径が80~120nmであり、かつイエローインクの全量に対する含有量が4.0~10.0質量%であり、
前記C.I.ピグメントブルー15:3の体積平均粒子径が80~100nmであり、かつシアンインクの全量に対する含有量が2.5質量%を超えて5.5質量%未満である、インクセット。
[2] 前記バインダーの最低造膜温度が25℃以上であり、
前記バインダーの体積平均粒子径が、前記C.I.ピグメントイエロー74及びC.I.ピグメントブルー15:3の少なくとも一方の体積平均粒子径以下である、[1]に記載のインクセット。
[3] さらに、バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、固溶体顔料を含有するマゼンタインクを備え、
前記固溶体顔料は、C.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントバイオレット19からなり、
前記固溶体顔料におけるC.I.ピグメントレッド122とC.I.ピグメントバイオレット19の質量比が4/1~1/1であり、
前記固溶体顔料の体積平均粒子径が90~130nmであり、
前記シアンインク中に含まれる顔料の濃度に対する前記マゼンタインクに含まれる固溶体顔料の濃度の比が1.5以上である、[1]又は[2]に記載のインクセット。
[4] さらに、ブラックインクを備える、[1]~[3]のいずれかに記載のインクセット。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、1次色及び2次色の彩度、特に緑色の彩度に優れ、印刷画像の擦過性に優れるインクセットを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントイエロー74とを含有するイエローインクと、バインダーと、分散樹脂と、水性溶媒と、顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3とを含有するシアンインクとを備えるインクセットであって、
前記C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径が80~120nmであり、かつイエローインクの全量に対する含有量が4.0~10.0質量%であり、
前記C.I.ピグメントブルー15:3の体積平均粒子径が80~100nmであり、かつシアンインクの全量に対する含有量が2.5質量%を超えて5.5質量%未満である、インクセットである。
【0009】
本発明のインクセットは、1次色及び2次色の彩度に優れる。特に、2次色である青色の彩度及び赤色の彩度の発色性を減少させることなく、特に緑色の彩度(c

)を改良できる。
また、本発明のインクセットは、好適には、前記バインダーの最低造膜温度が25℃以上であり、前記バインダーの体積平均粒子径が、前記C.I.ピグメントイエロー74及びC.I.ピグメントブルー15:3の少なくとも一方の体積平均粒子径以下であることで、印刷画像の擦過性に優れる。
以下、本発明のインクセットの各構成成分について説明する。
【0010】
〔イエローインク〕
本発明のインクセットにおいて、イエローインクが含有する顔料はC.I.ピグメントイエロー74である。C.I.ピグメントイエロー74の、イエローインクの全量に対する含有量は4.0~10.0質量%であり、4.5~9.0質量%の範囲がより好ましい。
C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径は、80~120nmであり、90~110nmの範囲がより好ましい。なお、C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径は、顔料分散粒子の一般的な測定である動的光散乱法、レーザ回折法等により求められる。例えば動的光散乱法による場合、分散液である顔料粒子を、レーザー散乱型粒径測定装置であるマイクロトラック社製のNanotrac Wave IIを用い、ローディングインデックス値が1となるよう希釈倍率を調整し、測定時間180秒、繰返し測定回数3の設定条件により、C.I.ピグメントイエロー74の体積平均粒子径を測定できる。
(【0011】以降は省略されています)

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